こんにちは。朝比奈みくるです。
今日は日曜日!不思議探索もありません!つまりなーんもすることが無い日です!
なーんもすることが無い上にだーれとも会う予定がありません。
特にSOS団の皆さんと会うことは無いでしょう。何故かって?
それはキョン君は涼宮さんと、古泉君は長門さんと……デートしてるからだよこの野郎!!!
 
 
……あ、別に私自身はそのことをなんとも思ってはいませんからね。
彼らがデートでいちゃいちゃしてるおかげで私はこうしてひたすらグータラ出来るワケですからね。
親元を離れ別の時代で過ごす私にとって精神的な疲労は蓄積される一方なのです。
だからこそ一週間に1回は誰にも会わずに引き篭もる休息日が必要なワケですよ。
それなのにもしもですよ?もしも私が誰かと付き合ったりとかしたら、
本来休息日のはずの日曜日ですらデートとかしなきゃいけないんですよ。
ワクワクして待ち合わせ時間より1時間早く来ちゃったりとか、どこでご飯を食べるか迷って結局昼の二時ぐらいにようやく決めるとか、夜の夜景スポットでいい雰囲気になるとか、
まったくめんどくさいことこの上ないですよ。ホントにめんどくさい。
 
めんどくさいけどそれがやってみたい!!
 
 
 
 
……って言っちゃう人いると思います。中にはね。
でも私は違いますから。何よりも一人身を愛する人ですから、こうようなことに憧れたりはしませんよ、まったく。
 
まあそんなワケで家でせんべい食いながらゴロゴロしてたワケですが、昼前になってあることに気付きました。
 
「……なんにもない。」
 
そう、冷蔵庫の中身がからっぽだったのです。流石にこれではいけません。
仕方がないので買出し行くことにしました。念入りにオシャレをして……
え?なんでオシャレする必要があるのかって?やだなあ、女として生まれたからにはいついかなる時でもオシャレをすべきなのですよ。
オシャレは女の子にとっての義務と言っても過言ではありません。
決して、誰かカッコイイ男の人にナンパとかされたらどうしようとか妄想したりはしませんよ。
何度も言いますが私は一人身を何よりも愛する人間ですからね、ほんとに、マジで。
 
そしてショッピングセンターに着いた私。しかしここに来たのは間違いでした。
カップルカップルカップルカップル……なんでカップルしかいねぇんじゃー!!
う~ん行く場所もオシャレにしようと考えたのがマズかったですかね……
素直にご愛用の近所のスーパーにしとくべきでした。もうレジのおばさんと顔なじみになってますしね。
と、引き上げようと踵を返したその時、なんだか知ってる声が聞こえてきました。
 
「やれやれ、ここにはカップルしかいないのかな。」
「当然なのですよ。ここはカップルの聖地的な場所ですからね。一人身で来る人なんて空気の読めない人ぐらいですよ。」
 
うはwwwwwwwww私KYwwwwwwwwww
……じゃなくって!この声は確か……そう!佐々木さんと橘さん!
 
「おや、となると僕らは空気を読めてないことになるね。」
「何言ってるのですか?私達は立派にデートしてるじゃないですか!」
「……あのね橘さん、何度も言うけど僕と君は女の子同士であり生物学的には……」
「でもそんなの関係ねぇ!です!愛があれば性別なんて関係ないのですよ!
 ……どうしても気になるなら、私が姓転換手術しても」
「それだけはやめてくれ、頼むから。」
「じゃあ、今の私を愛してくれるってことなのですね?ふふっ。」
「やれやれ、もう反論する気にもならないよ……」
 
コレだああああああああ!!
この二人の会話を聞いて、私の脳に電撃が走りました!
何故今まで私に恋人が出来なかったのか、そう!それは周りの男達がダメダメだったからです!
ミスターフラグ折りに球体型イエスマン!その他も特に特徴の無い男達ばかり!
これでは私が一人身になってしまうのも仕方がありません!
そう、時代はレズ!狙うべきなのは最初から女の子だったんです!
さあ、そうと決まればさっそく家に帰って計画を練らなければ!レズレズ大作戦、スタートです!
 
 
 
~~~~~~~~~~
 
翌日、私は6限の授業を途中で抜けて部室にやってきました。準備をするためです。
しかしあの糞教師……私が「あの……お腹痛いんで保健室に行ってもいいですか……?」と渾身の演技をしたってのに、
なんで「ん?なんだトイレか?しょうがないなあ。」って返してくるんですか……
しかもそれでクラスも爆笑してたし……おかしいなあ、私はアイドルからお笑い芸人に転向する気はないのに!
 
まあいいです。では早速作戦です。ズバリ!『朝比奈みくるの反逆』!妄想スタート!
 
~~~~~~~~~
 
「み、みくるちゃん、そんな格好でどうしたの?」
「涼宮さん……いつも私の胸を触ってますよね?
 実はそれ……すごく快感だったんです。だから、涼宮さんにもそれを感じてもらおうと思って……」
「みくるちゃん、なにす……あっ、やめっ……」
 
~~~~~~~~~
 
続きはwebで!
じゃなくて、この続きは実際に実行に移した時のお楽しみです。
つまり、涼宮さんに女同士の快感を植え付けてしまおうという作戦なワケです。
 
まずは下準備で上着を脱いで……ふふっ、こんな刺激的な格好をすればあの涼宮さんだって……
 
「むふ、むふふ、むふふふふ……」
「……」
「そしてその後で彼女を家に呼び出して……」
「……あの、朝比奈さん?」
「そして……え?」
 
そこには、呆然とした表情で固まってるキョン君と古泉君が居ました。
ちょ、ちょっと!なんでここに!!
 
「いや、普通に来たんですけど、話しかけてもなんの反応も無くて……」
「仕方なく彼とボードゲームをしてたら、突然あなたが上着を……」
 
時計を見ると、もう放課後の時間になってます。どうやら妄想してる間に時間が過ぎて、二人が入って来たことにも気付かなかったのでしょう。
今回の作戦において男共は邪魔です!こうなったら……
 
「ミクルハンマー!!!」
「うごっ!」
 
私はポッドを手に取り、キョン君を思いっきり殴りました。
一瞬で気を失い倒れるキョン君。そして次は……
 
「ひっ!あ、朝比奈さん、落ちつ……」
「スーパーミクルハンマー!!」
「スーパーってさっきと同じ……ぐほっ!」
 
古泉君も地に伏せました。ククク、これで邪魔者はいなくなりましたね。
二人の遺体(死んではいない)を掃除ロッカーに押し込み、さあ後は涼宮さんを待つだけです!
さあ、来い来い来い来い来い!!
 
「やっほー!!……ってみくるちゃん、また着替えてるのに鍵かけわすれたの?」
 
きたああああ!!さあ、作戦スタートです!
 
「いいえ違いますよ……涼宮さんを待ってたんです……」
「え?」
「ずっと私あなたに胸を揉まれたりしてましたよね?実はそれ……すごく気持ち良かったんです。
 だから今度は私が涼宮さんに、この快感を……」
 
ククク、完璧すぎる演技!これを見れば流石の涼宮さんも……フフフフフ。
さあ、これから妖悦な時間の始まりです!
あ、ここから先は18禁SSになるので、高校生以下の方は引き返してくださいねー?
 
……ってあれ?涼宮さん、どうしたんですか?なんか顔がひきつってますが……
 
「き……」
 
「き」?ああ、「来て」ですか!言われなくてもあなたの傍に……
 
「気持ち悪い……」
 
へ?今なんと……
 
「す、涼宮さん……」
「いやああ!!こっち来ないでええええええ!!へんたいいいいいいいい!!」
 
叫びながらドアを蹴破って外に全力疾走していきました。
へ、変態だなんて!私はただ脱一人身をしようと……あ、長門さん。
涼宮さんとすれ違って来たようです。遅かったですね。
 
「コンピ研の手伝いをしていた……彼女はどうしたの?」
 
その疑問には答えずに、私は長門さんに近づきます。もちろん下着姿で。
 
「な、長門さん、私実は……あなたのことが……って長門さん?」
「……なに?」
 
私が必死に誘惑しているにも関わらず、長門さんは既に読書モードに入っています。
……完全にスルーですか……まだ気持ち悪がられた方がいいですよ……
 
「わ、私がこんな格好をして誘惑してるのに、何か言うことは無いんですか!」
 
ちょっとムッとしながら長門さんに叫ぶと、長門さんは本をパタンと閉じて、私のことをじっと見つめました。
あっ、やめてくださいそんなまっすぐな目は、汚れた私の心にはまぶしすぎます……
そして長門さんは口を開きました
 
「あなたは彼と涼宮ハルヒ、私と古泉一樹が交際しているにも関わらず自分には恋人が出来ずにいる現状に不満を抱いた。
 そして異性に絶望して恋愛の対象を同性に移そうとしているものと思われる。」
 
うっ、その通りです。なんでわかるんですか、エスパーですか?
エスパーはあのスマイリー君一人で充分ですよぉ。
 
「しかしあなた自身には女性に恋愛感情を持つという感情は芽生えていない。
 ただ一人を避けるためだけの手段として女性との関係を持とうとしている。
 たとえそれで一人身から脱出できたとしても、そのことにはなんの意義も無ければ幸せも無い。
 あなたはまず、恋愛は「手段」では無いことを理解すべき。」
 
うごっ!ほぐっ!へあっ! 長門さんの的確な指摘が、私の心をヤリのようにつついて着ます。
痛い!正論すぎて痛いですよ長門さん!
そして最後に長門さんがトドメの一言。
 
「あなたは間違っている。」
 
完全に私の心はヤリで貫かれました。KOです。ぐうの音も出ません。
気付いたら私は長門さんに土下座をしていました。
 
「……すいませんでした。」
 
 
 
~~~~~~~
 
帰り道、すっかり凹んだ気持ちで歩いていました。
はぁ……やっぱりこの作戦はダメだったかぁ。
 
「ん?おーい!みくるじゃないかいっ!」
 
あ、その声は……鶴屋さん!
 
「鶴屋さんも今から帰りですか?」
「そうさ!ちょっと先生の手伝いをしててね~?みくるはいつものかい?」
「はい、いつもの団活です。それでもちょっと早いですけど……」
「おやぁ~?」
 
鶴屋さんは私の顔を覗き込んできました。な、何か私の顔についてますか?
 
「なんか元気無さげだよ~?なんかあった?」
 
……びっくりです。鶴屋さんはあっけらかんとしてるけど、いつも核心をついてきます。
もしかしたら私が未来人だということも……まさかね。
とりあえず私は、今回の出来事を鶴屋さんに話してみました。
そしたら……
 
「あっはっはっは!!」
 
大爆笑です。ちょっと、そんなに笑わないでくださいよ!私は真剣だったんですからね!
 
「いやだってまさか有希っこに説教食らうなんて……あっはっはっは!」
「もう……鶴屋さんのイジワル……」
「でもでも、なんならあたしがみくるの恋人になってあげてもいいっさ?」
 
……本当に鶴屋さんは優しいですね、そういう冗談を言って慰めてくれるなんて。
でもいいです。もう長門さんに言われて自分が間違ってたことは理解しましたから。
 
「ふふ、元気づけてくれてありがとうございます、おかげで元気が出てきました。」
「そうかい?それならあたしとしても嬉しいっさ!みくるは笑ってるのが1番かわいいからね!」
 
鶴屋さんもそうですよ。鶴屋さんの笑顔はいつも私を元気づけてくれる。何度も救われています。
 
「……みくるとなら、本当に恋人になってもいいんだけどね……」
 
え?何か言いましたか?声が小さくてよく……
 
「なんでもないっさ!ほら、早く家に帰らないと!みくるはかわいいから狙われちゃうっさ!」
「大丈夫ですよぉ。じゃあ、また明日学校で会いましょう。」
「うん。まったね~!」
 
鶴屋さんは笑いながら手を振って去っていきました。
でもその顔がなんとなく切なげに見えたのは……私の気のせいですよねっ。
 
……あれ?ところで何か忘れているような……
 
 
~~~~~~~~
 
「なあ古泉。」
「なんでしょうか?」
「何故俺らは、こんな密着して掃除ロッカーの中に入っているんだろうな?」
「さあ……何故か記憶の一部が飛んでいるようです。まったく思い出せません。」
「俺もそうなんだ。着替え中の朝比奈さんに会ったことまでは覚えているんだが……」
「スケベですね。」
「俺は事実を言ったまでだ!やましい気持ちはまったくない!
 つーか、早く出ようぜ。」
「無理のようです。何故ならほら、鍵がかかっています。外から。」
「冗談じゃねぇぞ。このSSは「レズレズ大作戦」であって「ホモホモ大作戦」じゃないはずだ。
 大体ここはプリンだ。こんなの続けてたらまた「アナル池」って言われるだろうが!」
「知りませんよそんなこと……僕だってこのSSでは長門さんと交際してる健全な男子学生なんですから……」
「………」
「………」
 
二人はただ願うのみだった。
『誰か、出してくれ……』と……
 
終わり

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最終更新:2020年05月25日 09:49