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 広島原爆記念日に、広島を震源とする震度6強の大地震が発生した。俺は父親の安否の確認もできず、東京での震度5弱の地震の中、ハルヒを倒壊した家から救い出し、SOS団一行は出身校の体育館に集まっていた。

 

Japan sinks? 4 -第1章、災害連鎖-

 

200X.08.07 am0:23

 SOS団全員集合の後、俺達は何もすることがなく、妹と戯れながら余震に怯える時を過ごして夜になり、現在俺は左で寝息を立てている妹の横で体育館の天井を眺めている。

 やはり大震災の夜は眠れないな……。そうだ、あの日もそうだった。まだ妹が生まれていない、幼き俺が体験したあの悪夢―――

 1995年1月某日早朝、ベッドで深い眠りについていた俺を強大な力が襲った。当然すぐに起きた。あっちこっちの物が飛んだり倒れたり、窓が割れたりで俺の部屋はめちゃくちゃになった。だが、揺れが収まっても倒壊する気配はなく、どうやら家は耐えたらしいと当時の俺は解釈して安堵した。

 その大震災は6000人以上もの死者を出す上に、かなりの家屋倒壊で「戦後最悪の地震」とも言われた。俺は、いや、少なくともハルヒはこの震災を経験しているはずだ。古泉は転校してきているからありえないし、まして未来人の朝比奈さんは無理だ。長門も3年前以降はまだいなかっただろうし……いや、長門はいただろうな、ハルヒが高校に入学する以前から存在していたから、あいつは震災を知っていてもおかしくないだろう。

「何硬い顔してんの?」

 あ、そういえば右でハルヒが起きているのを忘れていたな。てか何で俺の横で寝る必要があるんだ?

「そんなに深い意味はないわよ、ただ……今は……」

 まあ根掘り葉掘り聞かないでおこう。ハルヒにだって"恐怖"の一つや二つあってもおかしくない。どんなに神扱いされてようが、俺にとっちゃただの同級生であり、普通の女子高生だ、それも長美人のな。

「間抜け面ね」

「うるせぇ、地震で頭がおかしくなってんだよ」

 とっさについた嘘……いや、本当なのかもな。二度の震災を食らった俺にはもうわかんねぇや。

 

 このとき、別の地域で発生している異変をSOS団は知る由もなかった。北海道での低周波地震、そして同様に九州でも発生している弱い地震、これらが後々新たな災害を引き起こすことになる。

 

 翌朝、俺達SOS団はほかの避難者と体育館に急遽設置されたテレビで、「広島県南部地震」の災害情報などを聞き取っていた。

『午前7時現在での死者数は429人、行方不明者数は659人となっています。震度6強を観測した広島県呉市では、現在でも震度2~4までの余震を観測しており、今日午前3時16分ごろには、震度6弱の強い余震が観測されております。では引き続き広島県呉市より中継が繋がっております……』

 俺はその大きな余震については見覚えがあった。午前3時ごろだろ……ハルヒがすがり付いてきたのを覚えているな。俺は横でニュースを聞いているハルヒを見た。

 あ、目が合った。それと同時にハルヒが目を背けた。

「……なーに人と目を合わせて赤くなってんだ? らしくない」

「う、うっさいわね、暑いのよ!」

 それは同感だ。8月だもんな、それも快晴だし、この分じゃ台風も来そうにない。

 200世帯超の人間が集まったこの体育館は、外の気温より2度上昇していた。真夏に地震が来るとこういうことになるのは、新潟県中越沖地震のニュースでよくわかっていた。まさか実際に体験する側になるとは思っても見なかったがな。

『え、北海道で大きな地震があったようです。先ほど7時29分ごろ、北海道で震度6強を観測する強い揺れがあったようです。海岸沿いにお住まいの方は十分に警戒し、高台に避難してください……』

 今度は北海道か……と思っていたとき、予想だにしない言葉をアナウンサーが言った。

『先ほどの北海道での地震により、大雪山系の火山が噴火活動を開始したとのことです……』

「ふ、噴火?」

「まさか……」

 まさかのまさかだ。広島、東京と来て今度は北海道で噴火だと? 俺は閉鎖空間以来の悪夢を見ているらしい。まったく、何かのパニック映画みたいじゃねーか!

 

 北海道での噴火の半日後、熊本県の阿蘇山でカルデラ爆発があった。これにより南北の火山が一斉噴火を開始、日本政府は「非常事態」を宣言した。これにより日本での地殻変動調査機関「D計画」が発足し、地殻変動を調査する中、国民の脱出が数ヵ月後に始まることとなるのだが、それは11で話すとしよう。

 

Japan sinks? 4 終

 

予告

5…北海道&九州での火山噴火に伴い、ハルヒが新たな試みを決意。

6…「D計画」が導き出したのは、未曾有の大災害の予測結果。

 

5で第1章完結、6より第2章開始。

 

 

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