まさかこの変動の原因がすべて涼宮ハルヒにあるんなて思いもしなかったな。なんのことか分からないだろうから、順を追って説明するとしよう。事は1ヶ月前、ある災害の発生から始まった。

 

Japan sinks?

 

200X.08.06 am8:02

 朝なのに暑い、そんなのは夏だから当たり前だ。だがさすがに今日は暑い。俺は扇風機を回してテレビ画面を眺めていた。NHKでは生中継で広島の原爆祈念式典が放送されていた。残り数分で黙祷となるところだ。

 暑い中小学生の演説を聞いているおっさんやおばさんを見て俺は尊敬した。あんな暑い中よくやってられるな……。

「キョンくん宿題わぁ?」

「10分位したらやる」

 何で小学生の妹にそんなことを心配されているのだろうか……自分が情けないね。そうして始まった黙祷を見届けた後、宿題をやろうと携帯を手に取り、扇風機を消して階段を登ろうとしたその時だ。

 

 立眩みが俺を襲った。

 

 その瞬間はそう思ったが、すぐにそれとは違うと感じた。何だこのゆったりとした揺れは…。

「キョンくん、じしん!」

 そうだ、これは地震だ。俺はリビングに戻ると、相変わらず式典が行われている広島の写ったテレビを見た。上にテロップが出ている。

 

 緊急地震速報ーー震源:広島県、最大震度6強。○○県の予測震度、6弱。地震波到達まで8秒…7秒…

 

 数年前から実施されている速報は、自分の住んでいる県を震度6弱と推定している。俺はすぐに妹を抱きかかえると、机の下にもぐりこんだ。来る…やたらと大きいのが来るぞ……。テロップは次々とカウントし、それが0になった瞬間、テレビが棚から落ちた。

「うわぁぁぁぁぁ!」

 絶対に声を上げて当然だ。窓が次々と割れ、妹とともに揺さぶられ、机が動き、物が飛び散り、台所の方から食器の割れる音やレンジや冷蔵庫が倒れ落ちる音がした。上に吊っているもの、照明も落下し、天井がギシギシと音を立てていた。これほど地震が長いと感じたことはない、だがその揺れは精々4、5秒のもので、実際にはすぐに収まっていた。

 意外にも妹は泣くこともなく、平然とした態度でテーブルの下から這い出た……まではよかったのだが、すぐに腰が抜けて倒れこんだ。

「おい!」

 俺はすぐに駆け寄った。妹は泣いていた……時間差?

「大丈夫か?」

「こあかった……ぁぅ」

「もう大丈夫だ、すぐに母さんに電話するから」

 いや、まずは父親だ。親父は今頃電車内だ。脱線して死んでいなければいいが……そういえば出張で広島方面に行くって言ってたな! やべぇ。すぐに親父の電話を呼び出すが、通じなかった。淡々と流れるアナウンス。

「くそっ……」

 今度は母親の携帯だ。母は中学の時の同級生と……すぐ近くまで買い物に行ってたっけ。

『大丈夫? 結構ゆれたけど……』

「結構どころか大変だよ。あっちこっちめちゃくちゃだ。広島で震度6強、こっちは弱だったらしい」

『じゃあすぐに帰るわね、一緒にいなさいよ!』

 あたりまえだ、この状況で妹を見捨てる奴がいるか? 電話を切ると、外に出ようと思い、腰の抜けた妹を抱きかかえて玄関に向かった。

 

Japan sinks? 終

 

Japan sinks? 2につづく…


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