※キョンの中の人が主役の某ジャンプアニメのパロディです
 それを踏まえて、広い心で見てくだされば幸いです
 
SOS団の部室。そこには長門さんと古泉君の二人が居ました。
 
「そうですか……朝比奈さんは未来に……」
「そう。彼女はもうこの時代にはいないと思われる。」
「それはそれは……寂しくなりますねぇ。」
 
ププッ!プププッ!!聞きましたかみなさん!『この時代にはいないと思われる』だって!プププッ!
あ、失礼しました。こんばんは、朝比奈みくるです。
え?未来に帰った?そんなワケないじゃないですかぁ!私は今、掃除用具入れの中にいます!
最近の私の部室でのSOS団の扱いはそりゃ酷いもんでした。
ハルキョンと長古の2カップルでイチャイチャしまくるわ、たまーに触れられると思ったらいじられるだけだわ……
みんな私のことを軽く見すぎています!だからここで、ドッキリをしかけることにしました。
簡単です。キョン君と古泉君と長門さんには「未来に帰る」と、涼宮さんには「急に引っ越すことになった」という手紙を送りました。
直接会って演技をしたらバレそうですからね。涙とかも流さないといけないし。
【禁則事項】を使って長門さんからの探索もシャットアウトしました。これで完璧です。
さあ、悲しみに打ちひしがれろ!そして思い知るがいいです!
SOS団において私がどれほど大きな存在であったかを!!
涼宮さんとキョン君はまだでしょうか?
 
「あー……くそっ……」
 
そう言って入ってきたのはキョン君です。
 
「なんでこんなことになっちまったんだ……」
 
ププププッ!こんなことに!悲しいですか、悲しいですか!
 
「やべえよ、ケツから血が出たよ……」
 
ってちょ!うおおおおおおおおおおおい!!
 
「おや、どうかされたのですか?」
「いやな、トイレで大してたら真っ赤な液体がドバーってな……」
「それは、有機生命体でいう痔と呼ばれる症状。」
「まったく参ったよ。マジで俺死ぬのかとか思ったぜ……」
 
このヤロー!人が未来に帰ったってのにどこから血出してんですか!!
 
「原因はあなた。排便後の洗浄が不充分であったと考えられる。」
「確かになあ、トイレットペーパーでサッと吹くだけだったしなあ。」
「ダメですよ、ちゃんとウォッシュレットを使わないと。
 そのためにあるんですから。」
「生憎だが俺の家のトイレにそんな高尚な機能はついてないんだよ。」
「そうですか、あ、大事なことを聞くのを忘れました。」
 
そうそう!大事なことがあるでしょう!ほら!
 
「キレの方ですか?イボの方ですか?」
 
んなこと全然大事じゃないだろおお!!
なんですかその言い方!ちょっとカッコつけやがって!
どうでもいいですよ切れ痔だろうがいぼ痔だろうが!!もっと大事なことがあるでしょ!?
 
「イボの方だな。前々からイボがあったんだが、それが破裂したんだろう……」
「なら大丈夫。このまま直る確立が高い。」
「本当か?長門!」
「ただし、それは清潔な条件を保つことが条件となる。
 不潔にしていた場合、再び再発する可能性が高い。」
「そういうことです。ちゃんと清潔にしないとダメですよ。」
「はぁ……そうか……」
 
二人にお説教されてしょぼーんとしてるキョン君。ちょっとかわい……
じゃなくって!なんで私がいなくなったと言うのに痔トークをしてるんですか!!
私よりも痔のほうが重要ですか!【禁則事項】にするぞコノヤロウ!
 
「ヤッホー!遅くなってごっめーん!」
 
涼宮さんが入ってきました。いたっていつも通り……ですね。
 
「こんにちは涼宮さん。」
「あれ?キョンどうかしたの?暗いじゃない。」
「彼ですか、彼は今少々……」
 
流石に涼宮さんの前では痔とは言わないんですね。
 
「あ、みくるちゃんのことね……」
 
!!!
そうです!いや実際は違うんだけど、そうです!!
流石涼宮さん!SOS団の団長!団員のことを1番気にかけてくれている!
 
「ほら、元気出しなさいよ。いいもの持ってきたから。」
「いいもの、ですか?」
「そうよ、ほら!」
 
私はあらかじめ掃除用具入れに開けておいた穴から覗きました。
涼宮さんがかばんから取り出したもの……それは日本酒のビンでした。
って、なんてもん持ってきてるんですか学生が!
  
「飲んで忘れましょ!」
 
え?忘れる?忘れちゃうの?
 
「ん?おいハルヒ、なんだそれは。」
「見てわかんない?日本酒よ?」
「これは驚きました。一体どこで?」
「家からちょろまかして来たのよ!嫌なことは飲んで忘れるに限るわ!」
 
嫌なこと?私、嫌なことですか?
 
 
そして彼らがお酒を飲み始めて1時間後……
 
「マッガーレ!マッガーレ!」
「うひょひょひょひょ!」
「死刑だから!あはははははは!」
「ユニークユニークユニークユニーク」
 
……そこは地獄絵図になっていました。古泉君や長門さんまで酔っ払っています……
もう私のことなんて頭に無いでしょう……
 
「ヒック、そう言えばぁさぁ~」
「なんだハルヒ」
「みくるちゃんいなくなったじゃなぁい?」
 
……!!ついに私の話題が!忘れられてなかったのね!!
 
「やっぱり後任が必要だと思うのよねぇ」
 
え?こう……にん?
 
「メイド服も着る人いないってのもアレだし……
 私としては鶴屋さんとかいいと思うんだけど!」
「それはいい考えかと。」
「待て待て!まあ確かに鶴屋さんなら快く入ってくれそうだが……
 でもやっぱいきなり巻き込むのはよくないだろ。
 それに鶴屋さんってメイドってキャラじゃないし……」
「それもそうね。う~ん……」
「私がやる。」
 
え?長門さん……今なんと?
 
「私がメイド服を着る。」
「長門……本気か?」
「本気。前々から思っていた。胸が大きいだけの朝比奈みくるはマスコットの位置に相応しくなかった。
 ここは1番人気のある私がSOS団のマスコットとしてメイド服を着るのが妥当だと思われる。」
 
てめぇぇぇぇぇ!!この貧乳があああ!!
 
「待ちなさい有希!!それは聞き捨てならないわ!!」
 
そうです!言っちゃってください涼宮さん!
 
「1番人気は私よ!私がメイド服を着るわ!!」
 
お前もかあああ!!
 
「違う。メイド服を着るべきなのは私。」
「私よ!アンタじゃ胸小さすぎて服スカスカでしょ!」
「ムッ……あなたの横暴な態度はメイドの奉仕的立場とはかけ離れている。」
「なんですって!言ってくれるじゃないの!」
「そっちこそ。」
 
あーあバトルになっちゃいました……ん?部屋からコソコソ逃げようとしてるのは……キョン君?
 
「待ちなさい、キョン!」
 
バカですねぇ、逃げられるわけないのに……
 
「キョン、アンタに審判という名誉な立場をあげるわ!今この場で決めなさい!
 私と有希、どっちがSOS団メイドにふさわしいか!」
「あなたにはいい答えを期待している。もちろん冷静に考えれば私だと言うのは分かること。」
「何言ってるの!団長を選ばないなんてそんなことないわよね!!」
「え、えーっと……二人ともそれぞれの良さがあっ……って……」
 
はぐらかそうとするキョン君。しかし言いかけた瞬間、二人の殺気が高まりました。
どうやらなあなあで済ます答えは許さないようです。ご愁傷様、キョン君。
キョン君は酔っ払って寝てる古泉君をゆすり始めました。
 
「お、おい古泉、起きろ!ほら!」
「ん……なんれすかぁ?」
「ほら、お前の意見を言え!SOS団のメイドにふさわしいのは、誰だ?」
「メイド、れすかぁ?」
 
珍しく寝ぼけている古泉君、そして彼の口から出た答えは……
 
「う~ん……森さんなどいかがでしょうか?」
 
次の瞬間。長門さんの拳は古泉君を、涼宮さんの拳はキョン君を捕らえました。
吹っ飛ぶ二人。扉ごと廊下に投げ出されてしまいました。
ああ、哀れな……
 
「有希!校庭で決闘よ!」
「望むところ。」
 
そして二人は校庭へと去っていきました……
 
「なあ、古泉……」
「なんですか?」
「やっぱりSOS団のメイドは、朝比奈さんしかいないよなぁ……」
「……そうですね。今までないがしろに扱ってしまいましたが、
 彼女の存在はSOS団にはかかせなかった……」
 
 
「今頃気付いたんですか?お二人とも。」
 
私が声をかけると、二人は驚いて顔をあげました。
 
「あ、朝比奈さん……?」
「何故ここに……」
「ああもう、何も言わないでください。分かりましたから。
 みなさんは私がいないとダメだってことが……大丈夫ですよ、帰ったりしませんから。」
「あ……」
「朝比奈さ~ん!!」
 
私に抱きつくキョン君と古泉君。私は二人の頭を撫でてあげます。お~よしよし……
普段は私よりしっかりしてますが、年下なんですよね。
少なくともこの二人は私の大切さをイヤと言うほど思い知ったことでしょう。
そういう意味では、このドッキリは成功ですかね。ドッキリにはなってなかったですけど……
 
終わり

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年12月15日 21:56