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ある日、廊下でかがみはこなたと話していた。
「かがみんかがみん。かがみんはエロゲーやらないの?」
「や ら な い わ よ!」
「ふっふっふ、かがみんは人生の半分以上損してるね」
こなたはぴっぴっと人差し指を振った。
後ろの一年がなんだこの生物って顔して見てるわよ。恥ずかしすぎるわよもぅ!
「あんたねぇ!もう少し18歳未満って自覚を!」
「あ、いたた・・・」
私は頭を抑えた。いけない、激しい動きで、昨日のたんこぶが痛むわ。
その反応にこなたが心配そうに慌てて近寄ってきた。
「え、どうかしたの、かがみ??」
「昨日、転んで頭ぶつけちゃったのよ。なんでもないわ」
「ほんとに?だいじょぶ?」
「なんでもないの」
「でも顔まっかだヨ。熱があると治りが悪くなるってみwikiが言ってたヨ」
それはあんたが顔を近づけるからでしょ・・・たくっ
「うるさいわね!ちょっとよそみしてたら男の人とぶつかっちゃったの。L字の廊下だったから、相手がくるのわかんなくてさ。まあ、私の不注意なんだけどね・・・そんだけ!」
こなたはきらりと目を輝かせる。
「それはフラグだね!」
「はぁ?そのエロゲ脳なんとかしたら?」
「これは地ですからーめんちゃいめんちゃい」
そんな風にこなたと馬鹿話をしていたところ、一人の男がぬっと私とこなたの間に顔を出した。
「やぁ、こなたさん」
「おお、同士古泉!」
こなたは(><)←こんな顔してた。
「それとこんにちは、かがみさん」
私は片方の眉をへの字にする得意の嫌味顔を古泉に向けた。自分がついでという彼の挨拶が気に入らなかったのがまず一つの原因だが、それよりこの古泉とこなたの関係が気に入らないのだ。
「昨日渡したソフトはどうだったかね」
「エロゲ界で希有の動画型エロゲというのはなかなか興味がそそられましたが、いかんせん主人公に感情移入ができないのが問題でしたね。抜きゲーとしても評価が高いほうではありませんし、やはり話題優先で中身が無いとしか、まあ一言でいうならnice boat.」
「nice boat.」
お互いが異口同音でその名を口にした。
そう、古泉とこなたはエロゲ仲間なのだ。私はこなたがオタクであることを許容してはいるつもりだが、学校の中でこういうオタくさい話をするのは、世間体に障るのであまりしたくない。
それになんか二人が仲良く話してると腹立つ。
「あんたらねぇ、場所をわきまえなさいよ」
「かがみん~言論の自由の侵害だよ」
「屁理屈もいいかげんにしなさい」
「これは困りました・・・かがみさんを怒らせても仕方ありません。それでは私はここらへんで退散しましょうか」
「あ、ちょっと待って同士古泉ヨ!キョン君に何か変化は無かったのかね?」
「キョン君ですか?いえ?これといって?」
「あれれ~おかしーな!」
「もしかして、キョン君にも布教活動をしたんですか?」
また頭が痛くなった。こいつ等の言う布教活動とは、エロゲを他人にやらせることなのだ。
「そうだYO。最初は古典作品の泣きゲーをわたしといたんだけどさ、これじゃだめだとぶーぶー言ってきたんだヨ。ハーレム物じゃないとだめだとかいって、困るよねーエロゲは抜きゲーだけだと思ってる人って」
「ハーレム物・・・?まさか」
古泉はいきなり黙って、口元を手で隠した。彼の顔には汗がにじみでて、何か深刻なことを考えているようであった。
こなたは鈍感なのか、その様子に気づかないようだった。
「そういう困った人には・・・この鬼畜ゲーセットを渡します。スカトロなんてレベルじゃなくて、虫がアソコをはいずり回ったりするの、他は3日で何度も殺されるゲームとか、主人公が彼女に監禁されて調教されるゲームとか・・・それに、悪魔が主人公に乗り移って女の子をレイプしながら、世界が崩壊するゲームもあるのだ。もちろん、コピったCDはハーレム物と書いといたから何の疑いもなくインストールしてやっちゃうだろうねw」
こなたそんな物までもってたの。
「あんたもういくところまでいったわね」
「変態紳士のたしなみだZE!」
こなたはびしっと人差し指を古泉に向けた。
「あれが・・・これで・・・あぁ、そうですか。あの時は発言はそういう意味だったんですか」
古泉はおかしなことをぶつぶついっている。男ならうじうじ考えてないではっきり言いなさいよ。
「同士古泉どうした?」
「大変なことが起こりました」
「エロゲの発売日にでも遅れたの?今日、金曜日だし」
「ずいぶん詳しいね。かがみん・・・もしかして」
「は!?馬鹿!あんたに年中聞かされてるから知ってるだけよ」
「ふーん」
「真面目な話なんです」
古泉はわずかだがしかるように、語尾を強く言った。普段笑っているものの強気ほど怖いものはない。何をするかわからないという不安があるためだ。
「何があったの・・・?」
「あなた方二人は涼宮さんが思った通りに世界を作り替えられることを知っていますね」
こなたはその話を信じているので、きっと真面目な顔を古泉に向ける。
逆に私はその話を馬鹿な妄想だと決めつけていた。まあこんな話を信じるのはこなたくらいだろうから。私が異端というわけではない。だが、ここで抗議を口に挟むとまた余計な時間を取られそうだ。とりあえず、押し黙って真面目に話を聞くふりをしていた。
「それで?」
「昨日、キョン君が疲れた顔で私に相談してきたんですよ。話の内容はなんでも涼宮さんがムーブという番組の影響で、バットがでているアニメは中止すべきねと発言したせいで、自分の好きなアニメが無くなってしまったそうなんです。日頃から涼宮さんはキョン君のポニーテール萌えだとか、オタくさい発言には腹が立っていたようですので、その影響もあるんでしょうが・・・」
「それが大変な事態なの?」
私はわざとニヤニヤ笑った。古泉もこなた菌がうつったのかしらね。
「それからキョン君はこう言ったんです。ハルヒって他者から影響を受けやすいタイプだよな。と、私は色々な事件からそれは確かに正しい考察であると言いました。彼女は年齢的に移ろいやすい女子高生です。まだ大人のように凝り固まった思想のようなものは持ち合わせては居ません。いずれかの宗教や政治活動とも関わりを持っていないのがその証左でしょう。そう言うと彼はこんなことを言ったのです。”なら俺達が恣意的にハルヒの行動に影響を与えて操作することも可能ではないか?”と、私は少し考えて、可能でしょうと結論づけました。その理由は最後にお話しします。そして可能でしょうと言った途端、彼はほくそ笑んでいました。さっきまでの疲れが嘘のように・・・その日のキョン君は何かおかしかったようです。日頃のハルヒさんへのうっぷんが溜まっていた。女性でいうところの月経のような日ではないのでしょうか」
「あんた、それセクハラよ」
「あ、すいません・・・」
「で、結局何が言いたいわけ?」
「例えるなら、キョン君はエロゲという魔法を知りました。それにハルヒさんの神をも恐れぬ魔法を知っているのです。まさにアダムとイブの両者が出会った瞬間、りんごという禁断の果実を手にしたように。彼はリンゴを今手に取ろうとしています。そう、彼はこの世界に影響を与え、全ての確率的な因果律を自分の思い通りに作り替えようとしたのです」
「え・・・?言っている意味がよくわからないわよ」
「簡単にいえば、エロゲーをハルヒさんにやらせ、自分のハーレムを作り出そうとしているのです。確かにエロゲーに影響を受けるよりも、よりそれを嫌悪する可能性もあります。しかしハルヒさんはキョン君に好意を持っています。かなり恋に近い形の。いまだ移ろいやすい年頃の女の子が、恋する人からのプレゼントを無碍に扱うとは思えません。エロゲーはゲームとしての面白さも高く、こなたさんのように女性であっても買う人間が大勢います。ハルヒさんも少なからずそのゲームに、影響を受ける可能性は高いです。少しでいいんです。少しでも影響を受ければ、世界の因果律は変わってしまいます。バタフライ効果というのは知っていますか?」
「なにそれ」
「知ってる・・・」
ネットの知識だろうか、こなたは真剣そうにうなづいていた。
「日本で蝶が羽ばたけば、アメリカで竜巻がおこるというものです。その原因は人間レベルの物理現象において支配的なカオス現象からきています。これは初期値の変動に敏感な反復現象で、もし最初に小さなゆらぎが発生するとそれがすさまじい勢いでそれが増大し、最後には比べものにならないくらい大きなものになってしまうもの。これを使えば、ハーレムに多少の好意をもったということが、キョン君は最後には自分のハーレムで一杯になることも可能だと呼んだのでしょう」
この人、自分に酔ってるのか時々言っていることがわからなくなるのよね。
こんな男のどこがいいんだろ。
こなたの方を見ると、わくわくした顔つきで古泉を見ていた。
「ですが何はともわれ、彼の描いていた桃源郷はこなたさんの気まぐれによって崩れ去りました。もし、彼女がこなたさんの渡した鬼畜ゲームをやって影響受けたりしたら・・・3日で殺されたり、虫がはいずり回る世界というのはあまり得意ではありませんね」
「ちょ、やばいよ!早くいかないと・・・」
「あんたらねぇ。妄想も大概にしとかないと」
「妄想じゃないよ!かがみん、これは本当のことなんだよ!」
「こなたさんほっときましょう。とても普通の人には信じられない話ですから」
かがみは露骨に古泉に嫌な目線を向ける。
この男はかなり危ない人物なのではないか。高校生の馬鹿話とはいえ、どうも一線を踏み越えているような気がしてならない。何か一種の宗教でもやっているのでないか?この男は。
「教室に戻りましょ・・・こなた」
こなたの手を引っ張った。
「かがみん信じて・・・ってば、かがみんだけは馬鹿にしてもいつも真剣に聞いてくれたじゃん・・・そうじゃん」
こなたの言葉が心にぐさりと突き刺さった。こう見えてもこなたはいつも真剣で嘘などつかないのだ。まあ、適当なことは言うけれど。だからこそその純粋さを利用する男がでてこないと限らない。ここは私がしっかりせねば。
この男の魔の手から救うのは私しかできないのだから。
「いくわよ・・・」
「・・・かがみんはもう少し人の気持ち考えたほうがいいヨ」
そうこなたに冷たく言われた。
そして、手を乱暴にふりほどいて、こなたは古泉についていく。
「あれ・・・」
何を言われたのかわからなかった。そして、こなたは困った顔をした古泉と一緒にSOS団の部室へ行ってしまった。
私一人をその場において・・・

続け。

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