※取りあえず設定としてはキョンは高校を卒業して五年たちハルヒと結婚してます
※佐々木はとりあえず忙しい会社で働いとります
 
 


俺は中学の同窓会の会場にいる。まあ会場といってもただの居酒屋だが。
飲み始めて大分時間もたっていたのでみんな軽くできあがっている。
そんなみんなを隅から眺めながら俺は国木田と話をしていた。
 
「みんな全然変わってないな。」
 
「そうだねー。でもキョンは変わったよね。」
 
俺変わったか?全然意識はないんだが。
だが、こいつが変わったというなら変わったんだろう。なんだかんだ言ってこいつとの付き合いは一番長いしな。
まあとりあえず訊いておくか。
 
「俺のどこらへんが変わったんだ?」
 
「うーん、どこと言われたら答えにくいんだけど…、とにかく変わったよキョンは。あ、いい意味でね。」
 
まあ悪い意味で変わってたら最悪だからな。
そんなことを考えていると国木田がさっきの言葉に続けて言ってきた。
 
「キョンは、佐々木さんとくっつくと思ってたんだけどなぁ。」
 
俺が佐々木と?なぜそう思う。
確かに仲がいいのは認めるがな。なにしろ親友だ。
 
「キョン本当に気付いてなかったの?まあ、そこがキョンらしいけど。」
 
俺は奥の方で同級生と話している。佐々木を見た。
綺麗になったもんだ。昔から他の女より綺麗だとは思っていたが、社会人になったあいつはもはや別格だな。なにかの雑誌のモデルをやっていてもおかしくない。
 
俺が佐々木をずっと眺めていると、佐々木と目があった。
俺が急いで目をそらすと、佐々木は中学時代よく見てきた笑顔で俺達の所にやってきた。
 
「やあキョン、君は相変わらずだな。」
 
何が相変わらずなんだ、とおれが返すと佐々木はククッと笑いながら言ってきた。
 
「そう言われると説明しずらいな。まあ気にしないでくれ。」
 
こいつもか、と俺は思いながら近くにあった日本酒を飲んだ。
 
しばらくすると二次会でカラオケに行くことになった。
しかし、俺はハルヒに、同窓会に行ってもいいけど一次会までよ!と強く言われていたのでみんなにすまん、と伝え帰ることにした。
 
 
そして今は帰り道、俺の横には佐々木がいる。
佐々木は、明日朝一で仕事があるからと言って二次会を断っていた。
そして、夜も遅いので佐々木を家まで送り届けろ、と同級生の女子達に言われた俺はこうして佐々木と歩いているわけだ。
 
「いやあ、懐かしかった。久しぶりに楽しい時間を過ごせたよ。」
 
「そうだな。最後に会ったのは高2の同窓会以来だからな。」
 
その後しばらく他愛のない会話が続き、俺は今日国木田が話していたこと思い出し言った。
 
「そういや、国木田は俺とお前がくっつくなどと思っていたらしい。まったく、なせまそんなことを思うんだろうな。」
 
なあ、佐々木─。そう俺が言うと、佐々木は俯いてしまった。
どうした、佐々木?
俺がそう言おうとすると佐々木はいきなり俺に抱きついてきた。正直頭がショートしそうになった。
 
「お、おい!?どうした?何かあったのか?」
 
混乱する頭で俺がそう訊くと、佐々木耳をすましてなけれれば聞こえないような声で言った。
 
「僕……いや、わたし…キョンが好き…。」
 
佐々木が俺に対して初めて使った女言葉。最初は聞き間違いかと思ったがこの雰囲気からするとそうではないらしい。とにかく俺は答えなければならない
 
「佐々木の気持ちはありがたい…。でもな俺にはハルヒがいる、それに─」
 
「わかってる!!」
 
さっきと違い100メートル先にいても聞こえそうな大きな声で言った。
 
「わかってる…、わかってるから。今だけ…こういさせて…。」
 
 
そうして10分もたっただろうか、佐々木がゆっくり語り始めた。
 
「わたしね…、中学校3年になるまで恋なんてしたことなかった。それこそキョンに言っていたように恋愛なんて本気で精神病の一種だと思ってた…。でも3年になってキョンと仲良くなっていろんなこと話しているうちにキョンに対して変な感情を持つようになってた。初めは戸惑ったよ、そして自分に言い聞かせた、キョンは親友だってね。でもわたしの中でキョンに対する気持ちはどんどん大きくなっていった。私が必死でそれを認めようとしかった間にキョンは涼宮さんと結婚してしまった。そしてそのときついに認めてしまったんだ……これが恋心だって。」
 
なさけない話だろ─、そう言おうとしたわたしをキョンは優しく抱きしめた。
 
「すまん。」
 
キョンはそう言ってきた。
 
「お前がそこまで思っているなんて考えもしなかった…いや考えようとしなかったんだろうな。お前の気持ちはとても嬉しいし、できれば応えてやりたいよ。でもなやっぱり俺は応えることはできない……。俺は……ハルヒを愛しているから。」
 
やっばりキョンならそう言うと思った。そしてこの後言うだろう言葉も僕にはわかる、だってキョンは僕にとって……
 
 
「だがな…佐々木、一つ言わせてくれ。俺にとってお前は世界で一番の「親友だ!!」」
 
わたしはキョンの声に合わせてそう言った。
キョンが抱いていた手を緩めたのでキョンと少し離れ顔を見てみる、すると案の定キョンの顔はポカーンとしていた。
フフッとわたしは笑い、キョンに言った。
 
「ありがとう、僕の親友。そして………わたしの初恋の人。」
 
 
end

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最終更新:2007年10月02日 00:58