放課後の文芸部室、いつものように各々が自由な行動をしていた。
 
キョン「悪い、ちとトイレに行ってくるわ。」
ハルヒ「神聖な団活動中に何もよおしてるのよ!さっさと済ませて来なさい!」
キョン「へいへい。」
 
適当にハルヒをあしらい席を立つキョン。
 
ハルヒ「今度の不思議探索だけどね、たまには電車で他の市に行くのもいいんじゃない?」
古泉「それは非常に良いアイデアかと。」
みくる「遠くですかぁ、いいですねぇ。」
ハルヒ「でしょでしょ?有希もそう思うわよね?」
長門「……割と。」
ハルヒ「じゃあ決まりね!次は隣の市へ行くわよ!」
 
と、キョン抜きで次の不思議探索の予定が決まったところで、ドアが開きキョンが戻ってきた。
全身を葉っぱで出来た衣装でつつみ、太鼓を装備しているというどこかの民族のようなスタイルである。
 
キョン「太陽が俺を呼んでる!太陽が俺を呼んでる!」
ドンドコドンドコドンドコドンドコ!
 
ハルヒ「……」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「大変だ!雨が降らなくなってしまった!これは山の神に雨乞いをしなくては!
    山の神よ!どうか俺達に救いの雨を!」
 
ハルヒ「……」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「ホォ~!ウッホウホウホウッホ!ウッホウッホウホウッホ!
    ピ~ヒャラピ~ヒャラピヒラヒラ!」
ドンドコドンドコドンドコドンドコ!
 
ハルヒ「……プハッ!もうだめ~!アハハハ!!」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……ププッ。苦しいですぅ~ww」
 
雨乞いの踊りをしながら、キョンは部室を出て行った。
 
ハルヒ「いや~キョンのヤツなかなかやるわねぇ。」
みくる「すっごくおかしかったですぅ。」
古泉「僕もなかなか危なかったですよ。」
長門「……」
 
さて、では今SOS団で何をやっているのかを説明しよう。
キョンがどんどんコスプレをしていき、SOS団の面々を笑わせようとするのである。
他の4人はそれに耐えなければいけない。
もし笑ってしまった場合は、罰金として千円払わなくてはいけない
まあつまりガ○の使いでやってる企画と同じものってことである。
 
名付けて、「キョン七変化」!
なおこの企画は、1番最後に来たのに財布を忘れて罰金を払えなかったキョンにハルヒが与えた、罰ゲームである
 
さてキョンがまたドアを開けて入ってきた。
今度は陰陽師の格好をしている
 
キョン「辛い時、悲しい時、人はどんな時でも心の隙間に闇がともる……
    だが、くじけるな!落ちこむな!ぷよぷよするな!!」
 
ハルヒ「……」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「悪霊退散悪霊退散!呪い呪われ困った~時は
    どーまんせーまんどーまんせーまん、すぐに呼びましょ陰陽師!レッツゴー!!」
 
ハルヒ「……」
古泉「……ククッ」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「成仏しろよ……」
 
キョンはそう言い残して部室から出ていった。
 
ハルヒ「予想以上にやるわね……」
古泉「不覚にも噴いてしまいましたよ。」
みくる「意外とノリノリですねぇ。」
長門「……面白い人。」
 
古泉は貯金箱に千円を入れた。
それと同時に再びキョンが入ってくる。今度はスーツ姿にハゲのかつらをしている。
 
キョン「だからねっ!チミ!この書類じゃ会議では使えないのだよ!
    どこが悪いかわかるか?ん?言ってみなさい!」
 
ハルヒ「……」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「え?何?薄い?それは内容のことかね、それとも私の頭のことかね!!」
 
ハルヒ「……プハッ!」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「なんでハゲたと思ってる!私だって苦労してるのだよ!
    家に帰ったらカカア天下だし娘は口聞いてくれないし……
    え?そんなこと聞いてない?私だって聞いていないよこんなことになるなんて!
    とにかく、書類書き直しておいてくれよ!頼んだよ!」
 
キョンはそのまま部室を出ていった。
と同時にハルヒは千円を払う。
 
古泉「いやぁ、彼がああいう役をやるとハマりますねえ。」
みくる「なんだかリアルでしたぁ。」
ハルヒ「あたしハゲネタには弱いのよ~。やられたわ。」
長門「……似合っていた。」
 
またドアが開いてキョンが入ってきた。今度は上半身裸だ。
 
キョン「やあこんにちは涼宮ハヒルさん!元気ですか?
    ……え?ハヒルじゃない?それはAV?あ、やっちゃった!」
 
ハルヒ「……」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「でもそんなの関係ねぇ!でもそんなの関係ねぇ!」
 
ハルヒ「……」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「はーい、おっぱっぴ~!……」
 
キョンはそのまま気まずそうに出ていった。
 
ハルヒ「……アレは無いわね。」
古泉「ええ。ハズしましたね。」
みくる「あれじゃあただの芸人の真似ですぅ。」
長門「……パクリ。」
 
酷評を受けたキョンがまた戻ってきた。
今度もまた上半身裸で、ボクサーパンツをはいてグローブをつけている。
 
キョン「よーし試合開始だ!ボッコボッコにしてやんよ!……いて!」
 
キョンは自分で自分の顔を殴った
 
ハルヒ「……」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……」
 
キョン「ちょ、待て!顔は反則だろ!……いて!だ、だから顔はやめろって……グホッ!
    ま、待て、1回落ち付こう、な?あてっ!マ、マジで、かんべ……あたっ!」
 
自分の顔を殴りまくるキョン
 
ハルヒ「……アハハハハ!」
古泉「……」
長門「……」
みくる「……プッ」
 
キョン「ゲヘッ!きょ、今日はこれぐらいにしといてや……グヘェ!」
 
自分の顔を殴りながらキョンは部室を出ていった。
 
ハルヒ「あそこまでやるとはなかなかね、キョン!あーおかしい……」
みくる「自分を殴れるなんてすごいですぅ」
古泉「きっと彼はマゾの気があるのでしょうね。」
長門「……M。」
 
キョンがまた入ってきた。今度は青いスーツに身をつつんでいる。
その姿はそう……ロックマン
 
ハルヒ「プハッ!」
みくる「ププッ!」
古泉「……クッ!」
 
登場だけで既に3人がアウトになった。だがキョンはまだ続ける。
 
キョン「行くぞワイリー!とりゃー!ズドドドド!
    くっそー効かないな……なら武器チェンジだ!
    いくぞクイックブーメラン!シュシュシュシュシュ!」
 
みくる「ひぃ~……苦しいですぅ……」
ハルヒ「キョン、マジでおかしいからやめなさい!」
古泉「それは反則ですよ……ククッ……」
 
キョン「俺達の戦いはこれからだ!
    き~みのくれ~たゆ~う~き~は~おっくせんまん!おっくせんまん!」
 
キョンは叫びながら出ていった。
 
ハルヒ「いや~、あれは笑うしかないわ。」
みくる「外見だけでもう反則ですぅ。」
古泉「まったくです……あれはひどい。」
ハルヒ「ん?そういや有希……あんたまだ1度も笑ってないわね。」
長門「……そう。」
みくる「アレを見て笑わないなんてすごいですぅ~!」
古泉「流石は長門さん、ですね。」
長門「……我慢は得意。」
ハルヒ「さてキョンは有希を笑わせることが出来るのか!楽しみね!」
 
キョンが最後の変化をして部室のドアを開けた。
北高の制服を着ている。ただし……女子の。そしてカーディガンを着用し、右手には本を持っている。
 
ハルヒ(まさか……)
古泉(まさか……)
みくる(まさか……)
 
キョンはそのままイスに座り、本を読み始めた。
 
キョン「……そう。」
 
これは間違いなく……
 
ハルヒ(有希だ!)
古泉(長門さんですね!)
みくる(長門さんですぅ!)
 
キョン「……ただし推奨は出来ない。」
 
ハルヒ「……プッ!」
みくる「……ププッ」
古泉「ククッ……僕はもう無理です」
 
笑ってしまう3人。長門はまだ笑ってはいない。しかし……
 
ハルヒ(見て見て、有希が!)
みくる(プルプル震えてますぅ!)
古泉(彼女の我慢も限界が近いということですか……)
 
そしてキョンは長門の目を見て一言。
 
キョン「……信じて。」
 
その時であった!
 
長門「……ブホォ!!」
ハルヒ(……!!)
みくる(……!!)
古泉(……!!)
 
長門が、その日1番の勢いで噴き出した。
キョンはそれを見て、満足げに帰って行った。
 
ハルヒ「……見事にやられたわね、有希。」
長門「くやしい。」
古泉「いや、ここまで耐えただけでも凄いですよ。」
みくる「そうですよぉ!ロックマンで耐えたのが1番凄いです!」
長門「あれは……結構危なかった。」
ハルヒ「さーて、いくらになったのかしら?」
 
ハルヒ:5000円
みくる:4000円
古泉:3000円
長門:1000円
 
合計 13000円
 
ハルヒ「結構な額ね……っていうかあたしが1番多いじゃないの!」
みくる「結構笑っちゃいましたぁ。」
古泉「僕もまだまだですね……」
長門「……最後が悔やまれる。」
 
そしてドアが開き、キョンが入ってきた。もう普通の格好だ。
 
古泉「お疲れ様です。」
キョン「あーやっちまったな。だが中々楽しかったぜ。」
みくる「すごいはっちゃけてましたよぉ、普段とは大違い!」
キョン「いやあ、案外ノッてきちゃって……まあ長門を笑わせられたから、満足かな。」
長門「……負けた。」
ハルヒ「で、キョン。この金、アンタにあげるわ。」
キョン「マジか!?いいのか?」
ハルヒ「ええ、楽しませてもらったし、ギャラとしては充分よ。」
キョン「ギャラ?」
ハルヒ「そう、ギャラ。」
 
ハルヒはそう言うと、団長机の上にある人形を手にとって見せた
よくよく見ると、目の部分からビデオが見えている。
 
キョン「ま、まさか……」
ハルヒ「そ!さっきのは全部録画してあるから!これをDVDにすればきっとバカ売れよ!
    あたしですら笑ったんだから自信持ちなさい!」
キョン「や、やめてくれそれはマジで!金ならいらないから!」
ハルヒ「ダメよ!だってあたしがそう決めたんだから!」
 
こうなるともうハルヒの意見を変えられないのはキョンが1番よくわかっていた。
とりあえず、もう悪ノリするのはやめようとキョンは心に誓ったのであった
 
おしまい

 


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