えっと……何故こんなことになってしまったんだ?

 

「…………」
「…………」

 

この3点リーダーは長門のものじゃない。
一人は俺。もう一人はハルヒだ。俺達は今、正座をさせられている。
そして目の前でまるでいつものハルヒのように仁王立ちしている人物は……
とその前に、なぜこんな状況になったかを説明せねばなるまい。回想スタート。


それは、いつも通りの光景だったと言えよう。
無茶なハルヒの提案に、俺が反対する。まったくいつも通りの光景だ。
それは俺達が付き合うようになってからも変わらない。
ただいつもと違っていたところは、ちょっと俺もエキサイトしちまったってことかな。
久しぶりにハルヒと口論になっちまったってワケさ。

 

「なんでいつも反論するのよ!あんた団長に従ってればいいの!」
「お前のその態度が気に入らないって言ってるんだよ!」

 

その場に居た他3人の反応。朝比奈さんはおろおろして涙目。長門は我関せずで読書中。
そんで古泉は「そろそろ折れてくださいよ。」的な視線を俺に送ってくる。ああうっとおしい。
悪いが今日の俺は「やれやれ」とか言って折れてやる気分じゃねぇんだ。

 

「あ、あの~涼宮さん、お茶でも飲んでおちついて……」

 

朝比奈さんが恐る恐るハルヒに近づく。だが今のハルヒにそんな言葉が通用するわけがなく……

 

「うるさい!あっち行ってて!!」

 

と朝比奈さんを軽くどついた。
そう、軽くどついただけだったんだが、お茶を持っていた朝比奈さんはバランスを崩し、尻餅をついた。
そして宙に待った湯のみはお茶を撒き散らし……

 

尻餅をついた朝比奈さんの顔の上に降り注いだ。

 

「あ。」

 

ハルヒも思わぬ大惨事に顔を青くする。
しばしの沈黙。そして俺には確かに聞こえたんだ。

 

「プチッ」という漫画的効果音を……

 

で、現在に戻る。もうおわかりだろう。
俺達の前に仁王立ちしている人物……それは朝比奈さんだ。
メイド服姿で、何故か木刀を所持している。いつそんなもん買ったんだハルヒよ。

 

「あのさあ。」
「ひっ!」

 

普段とは比べ物にならないほどのドスの聞いた声!
ハルヒも思わず悲鳴をあげる。

 

「私も先輩面してとやかく言いたくは無いけど、
 お前らこれからも一緒にいようって告白しあったんじゃないのかよ。
 それがよ、こんなくっだらねぇことで喧嘩するなんて情けないと思わないのか?よぉ。」
「はい……」
「すいません……」

 

どこのヤンキーですかという口調で俺達を叱咤する朝比奈さん。エンジェルはいずこへ……

 

「ま、まあ朝比奈さん。お二人も反省しているようですし、そろそろ……」

 

古泉が朝比奈さんに進言する!見直したぞ古泉!さあ頑張れ!

 

「あぁぁぁん!!?」
「……すい、ませんでした……。」

 

前言撤回!朝比奈さんに凄まれ一瞬で引き下がってしまった。ダメだこりゃ。
こうなったら長門!お前だけが頼りだ!インチキ技使ってもいい!助けてくれ!ヘイナガート!!

 

「……」

 

長門は本を持って立ちあがり、そそくさと部屋を出て行ってしまった。
お~い長門さん?俺の見間違いじゃなければ、冷や汗を流していたような……

 

「よそ見してんじゃねぇよ!」
「は、はい!」

 

宇宙人にすら冷や汗をかかせる恐怖の朝比奈さん(デビル)が俺を怒鳴る。ちびりそうになる俺。……結構マジだぞ。

 

「あのさあ涼宮。こんなんでも一応私アンタの先輩なワケなのよね。
 その先輩をどついて顔にお茶ぶっかけるったあどういう了見なんだ?
 もうちっと年上に対する態度っつーもんを考えた方がいいよな?なあ、よぉ。」
「ごめ、んなさい……。」

 

ハルヒの顔に木刀を押しつける朝比奈さん。
そしてその木刀は今度は俺の顔に押しつけられる

 

「お前もさあ、涼宮が唯我独尊ってことぐらいわかってんだろ。
 それをいちいち反論してよぉ、んなこと無駄に決まってるだろ。
 お前が折れてやんなきゃしょーがねぇだろ、なあ。わかってんのか?」
「はい、その通りです……」

 

朝比奈さん(デビル)は、それを聞くと笑顔に戻った。

 

「じゃあここらで手打ちししましょうよ。ね?
 いつまでもいがみあっててもしょうがないでしょう?
 ほら、仲直りの言葉を言いましょう。」
「「ごめんなさい……」」
「……声が小っせえ!!」
「「ごめんなさい!!!」」

 

こうして、俺とハルヒは仲直り?することが出来た。
だが俺は思い知らされたのだ。ハルヒよりも恐ろしい存在に……

 

少なくとも朝比奈さんの目が行き届いてる場では、もう喧嘩なんか出来ないな。

 

終わり


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