「明日までに自分用のデッキ、作ってきなさいよね!!」
デッキ作成のルールについて聞いた後の帰宅途中に俺と長門は40枚の構築済みデッキとやらを買わされてしまった。
この枚数で1680円…案外高いんだな…。
ハルヒの薦めで俺はドラゴン系のモンスター中心のデッキを買う事にした。
まぁ薦められた、というより男ならドラゴン一択よね!とか叫んでるハルヒに流されてしまっただけなわけだが…。
長門は魔法使い系の構築済みデッキを自分で選んで買っていた。中々いいチョイスだな、うん。
更にハルヒは構築済みデッキだけでは自分でデッキを作る楽しみがうんぬんとか抜かし始め、俺と長門はカード五枚入りのパックも4つほど買うことになった。
構築済みデッキと5枚入りパック×4で占めて約3000円!!
このカード群にそれ程の価値があるかどうか甚だ疑問ではある。
そしてその数十分後、かなり懐が寒くなってしまった俺は重い足を引きずりながらやっと家に帰ってきたというわけだ。
帰宅後、俺は買ってきた4つのパックと構築済みデッキを開けてみる事にした。
60枚で約3000円、単純計算で1枚50円だ。
それに見合うカードでなければ割りにあわん。
出てくれよ、いいカード!俺の懐の寂しさを紛らわせるくらいのカード!!
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…まぁ元を取る事はできたかな……。
50円くらいの価値はあるであろうカードが手に入ったことに安堵しつつベットに寝転ぶ俺。
「キョン君ハサミ貸し…あ~!キョン君デュエルモンスターズのカード持ってる~!」
そんな事を言いながら突然部屋へ侵入してくる我が妹。
「お前も知ってるのか?このカードゲーム。」
「うん、知ってるよ。クラスの男の子がね、皆やってるの。わたしも少しだけもってるよ。」
さすがは老若男女が皆知っているという世界的カードゲーム。小学生も知っているようだ。
「で、なんでカードなんて持ってるんだ?そんなもん買う金持ってないだろ。」
「クラスの男の子がくれたんだよ~。ちょっと待っててね。」
そう言って妹は自分の部屋にカードを取りに行った。
「わたしデュエルモンスターズやらないからキョン君にあげるっ。」
妹はそんな事を言いながら俺にカードを渡す。
見た感じ20枚程ありそうだ…。
「いいのか?」
「別にいいよ~。クラスの男の子がね、いらないって言ってるのに何枚もくれるの。一体なんでだろうね?じゃあキョン君、ハサミ借りてくね~。」
妹が勝手に引き出しを開けハサミを持って出て行った後、俺の手渡されたカードをざっと見てみた。
白魔導士ピケル…黒魔導師クラン…その他諸々
ロリっぽいカードばっかだなぁ、おい…しかも地味にレアカードも混ざってるだろこれ…一体これを妹に渡した男の子とやらは何を考えてたんだろうか…。
今時の小学生はわからんな…。
俺は昨今の小学生の心理を考えながらハルヒに教えてもらったデュエルモンスターズのルールを思い出しつついそいそと自分用のデッキを作るのであった。
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