俺たちSOS団はまたあの孤島の館にいる。経緯は話すと長くなるのでちと端折って説明させていただこう。

 

部室に行ったら何やらハルヒと古泉が話していた→今年も孤島に行くことに決定したらしい

 

少々端折りすぎた気もするが、結局はハルヒのわがままのようだ。
それなのに森さん、新川さん、多丸兄弟と律儀に勢ぞろいしていた。いやホントハルヒなんかのためにすいません。
去年のメンバーは全員いるが、別に今年はサプライズパーティを開こうということは無いらしく、
普通にただバカンスとして楽しんでもいいそうだ。殺人犯に怯えなくてもいいのは嬉しいね。

 

 

「毎年恒例の王様ゲームやるわよ!!」
毎年ってまだ二年しかやってないだろうが。あと俺は海で遊び疲れて眠いんだ寝かせてくれ。
しかしどうせ俺の抗議など右から左に受け流す団長様なので言わないでおいた。
「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」   当たり前のように妹もいるので鍵括弧は6つだ。
よっしゃ王様きたああああああああああ!!!!!!!!!
去年のリベンジだ。1番が振り向きながら大好きって言う。1番だーれだ?
「・・・あ、あたし・・・・・・」
よっしゃハルヒだ。大当たりだな。よしやれ。
「・・・・・・大好き」
・・・おいおいハルヒ、いつからお前は去年の長門に変身したんだ?ほらもっと感情込めて!
「・・・・・・わかったわ。ちょっと古泉くんあっち向いてくれる?」
「え、僕ですか?いいですよ。」
王様でもないのに命令するな。古泉も素直に聞くな。まあいいや。よしやれ。

 

すると、ハルヒは今まで見たことも無いような顔でこう言った。

 

「だ、大好きよ・・・・・・」

 

 

 

・・・・・・はっ!!!今俺は何を思っていた!?ハルヒが可愛い?惚れそうだ?
ちょっと待て相手はハルヒだぞ愛しのmyangel朝比奈さんじゃないんだぞどうした俺
いやでもあの上目遣いであのハルヒがしおらしくハルヒが上目遣い惚れても可愛い惚れ惚れユカイだハッルーヒ
ぐおおおおおおおお俺よ冷静になれぐおおおおおおおおおお
「ちょっとキョン!!何やってるの!黙りなさい!」
「わーキョンくんがハルにゃんにノックアウトされたー!」
気付けば俺は頭を抱えて暴れていたらしい。よし俺はもう大丈夫だ。さっきのは気の迷いだ。そうだはっはっは
テンションがおかしいのは眠いからだろう。

 

二回目はハルヒが王様だった。やっぱりハルヒは笑ってる顔が可愛いな。
・・・・・・まださっきのが残っていたか。バグかエラーが溜まってるな。長門に除去してもらわんと・・・・・・
「3番は顔に落書きさせなさい!!!」
やっぱりというか必然というか俺が3番だ。ハルヒはどう見てもよくないことを企んでる顔だ。
「キョン、観念して目をつぶりなさい!」
へいへい。

 

サラサラ パシャ


・・・何だ今の、カメラのシャッター音か?
「・・・・・・終わったわ」
正直寝そうだったが目を開けた。おかしい。みんな若干様子が違う。
ハルヒと朝比奈さんは顔真っ赤だし古泉はニヤケ度3割増だし長門はいつも通りだし妹はほえーって表情だ。
なんて書いてあるか気になるが鏡が無いので見れない。アニメであったろとかそういう文句は受け付けない。
「おやおや、涼宮さんらしいですね」
「あーやっぱりハルにゃんキョンくんのこ「あー!!」どうしたハルヒ。
「もういいわ!今日は解散!キョンもさっさと寝なさい!あとそれは明日までには消しなさい!」
真っ赤な顔も可愛ゲフンゲフンへいへいわかりましたよ。

 

それから俺は睡魔に任せてすぐに寝てしまった。あ、鏡見るのも消すのも忘れてた。

 

 

俺は起きると朝食を食べるために食堂へと足を進めた。
食堂には俺以外の全員が既に揃っていた。圭一さんも本当は朝早いんですね。
ふと気がつくと全員が俺の顔を見て静止している。・・・・・・俺の顔になんかついてます?
よく見るとハルヒが顔を真っ赤にしてワナワナと震えている。どうした・・・・・・あっ!
「キョン!!!!それはすぐに消せって言ったでしょ!!!!」
あーいやあの昨日は眠くてな。すぐ寝ちまったんだ・・・・・・
「あーもううるさいうるさいうるさい!!!すぐに消しなさい!!!」
「あれは誰が書いたんですかな?」
「ハルにゃ「妹ちゃん!!!余計なこと言わなくていいの!!!!!」
「ははは、若いっていいですな」
「そうですね。彼も幸せ者だ。」
俺が幸せ?何故?Why?と思ってるうちに俺はハルヒに洗面台に引き摺られていった。

 

「アンタはそこにいなさい!」
いや、俺も落書きの内容を見たいんだが・・・
「もうそれはいいから!一生知らないのがお似合いよ!」
なんだそりゃ。って痛ててててて!強く擦りすぎだっつーの!
「なかなか取れないわねー!おりゃ!うりゃ!」ゴシゴシガシュガシュ
アッー!!!!!

 

その日は1日中俺の頬は赤かった。痛かった。
あとハルヒはまともに話してくれなかった。




・・・・・・そんな高校二年の夏の出来事である。
今となっちゃ良い思い出かな。

 

あれから6年。現在俺とハルヒは夫婦生活を営んでいる。

・・・なあハルヒ、高二の夏休みの王様ゲームのこと覚えてるか?
「覚えてるわよ。あんな恥ずかしいこと忘れるわけ無いわ。」
俺はあれがハルヒを本気で好きになった出来事なんだがな。
「そ、そうなの?・・・・・・ちょっと本気出した甲斐はあったわね。」
あの上目遣いは反則だ。ところでさ、未だにあの落書きがなんて書いてあったのか気になるんだが。
「ちょっと待ってなさい」
ハルヒは、なにやら本棚の奥を引っ掻き回してるようだ。
「あったわ。あのとき実はみくるちゃんに写真を撮られてたのよね。不覚だったわ」
俺はその貴重な写真を受け取った。

 

 

 

――そこには、頬に”未来のあたしの旦那”と書かれたマヌケ面があった。

 

 

 

 fin

 

続編:最後の王様ゲーム


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