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桃色のゲロ甘空間突入から約50分。
神人ちゃんとの戦闘(?)開始から約20分。
森軍曹の鼓舞により士気が格段に上昇している僕達超能力者一同。
連日出勤で疲れているにもかかわらず、暴れまわる神人ちゃんを少しずつ確実に減らしていく。

「ふはははは!どうだ、この森園生率いるサイキック部隊の実力は!桃色のゲロ甘神人め、おもいしったか!」
げははははははは!と高らかに笑う森軍曹。
寝不足で若干ハイになってるご様子だ。
「いいわよ野郎共!もっと、もっとあたしを楽しませて!」
…。
「ってどうしたの古泉。ずいぶん元気ないじゃない。」
…。
「まぁ疲れてるのは分かるけど、もうちょっとで帰れるんだから頑張りなさいよ。」
…。
「んもう、どうしたのよ。なにか言いたい事があるならハッキリいいなさい!」
…。
ええとですね。
「うん、なに?」
戦いにまったく関係ないことで悪いんですけど…
「うん。」
実はまとめwikiの雑談所で誰かが書いてたんですけど
「うん。」
桃色空間はどうせ20~30分程度で消えるんだからほっといてもいいんじゃないか…と。
「…。」
それ見たとき不覚にも「あ、そういえばそうだな。」って思って…
「…。」
そのせいでなんとなくモチベーションが上がらないというか。
「…。」

あ、あの…森さん?
「…よく聞きなさい古泉。」
は、はい。
「あのね、こんなSSでも読んでくれる人が、こんなSSでも楽しんで読んでくれるなんとも気の毒な人が、少なからず存在しているのよ。」
は、はぁ…
「それにこれ書いてる人は今、扁桃腺切除の手術で入院しててこれぐらいしかやることないの。」
…。
「それでもあんたはまだ、そんな下らない事にこだわるって言うの?あたしは古泉をそんな血も涙もない超能力者に育てた憶えはないわ。」
あ、あの…
「何よ。」
い、いえ…どうもすいませんでした。
「わかればよろしい。」

 

桃色空間奮闘記
第3章 『切除手術が終わって目が覚めたときナースがたくさんいたのに勃起してて恥ずかしかった の巻き』

 

なんとなくメタな会話が終わった頃、ちょうどお2人の行為も終わったらしく残りの神人も1人残らず消滅した。
「いやぁ、今日の戦闘はまずまずの内容だったわね。やっぱり各々のモチベーションは大事なのよ。」
まぁ、そうかもしれないですね。
「よーし、帰ったら早速次回の号令を考えないとね。」
えぇ…やっぱりまだやるんですか?
「あたりまえでしょ。」

モチベーションを高めるにしても、他に何か方法があると思うんですが…
「なによ、例えば?」
例えば…そうですね…頑張った人には有給休暇とかボーナスとか、そういうご褒美的なものはどうでしょうか。
「ご褒美…そうねぇ、でも命がけで戦う事に値するご褒美なんてあるかしら?」
うーん。やっぱり難しいですかね。
「そうねぇ……あ、あったわ!戦うに十分値するご褒美!」
な、なんですか?
「あたしの熱いディープキスとか、脱ぎたての下着とかってのはどう?
 ガチのゲイでもない限り、これほどテンションが上がるご褒美なんて無いと思うんだけど!」
やっぱりいいです。

それからいつも通りの反省会を終え、各自解散となった。
どうやら今日は2回戦目はないみたいだな…
現在午前2時30分。
明日は日曜で不思議探索もない。お2人が朝っぱらから事を行わない限りゆっくり出来るはずだ。
今から帰れば3時過ぎには布団の中に入れるな。
新川さんの車に乗り込み送ってもらう。

車内でうつらうつらしていると
「古泉。」
ふぁ?な、なんでしょう新川さん。
「さっきの話なんだが…」
さっきの話?はて…
「さっきの、ご褒美がどうとかという話だ。」
ああ、さっきの森さんとの話か。聞いてたんですか新川さん。
「私は悪くないと思う。」
…は?

「その…森園生の…」
…!!!!
「い、いや、なんでもない。聞かなかったことにしてくれ。」
…。
「…。」
…。
「…。」
…。
「…。」
…。
「…古泉。」
は、はいぃぃ!何でしょう新川さん!
「君の家に着いた。」
あ、ああはい。ありがとうございました!お疲れ様です!
「お疲れ。」


家に入り、そのまま自分の部屋のベッドにダイブする。
…疲れた。ほんと疲れた…。
桃色空間云々もそうだが、帰りの車の中での新川さんの変態カミングアウトにもびびった。

 

森×新川

 

…需要なし。

 

現在午前3時20分。
ここ2日間ほとんど寝てない。さすがに限界だ。
それに明日早朝からまた桃色空間が発生しないとは限らない。その為にも今は少しでも体を休ませなければ。
そうと決まればさっさと寝よう。正直もうそんなことを考える作業もしんどい。
布団を頭から被り、僕はゆっくり瞳を閉じた。

 

 

 

 

閉じた目蓋の向こうからあたたかい光を感じる。
耳にはチュンチュンという小鳥のさえずり。どうやら朝になったようだ。
今が何時かは分からないが、どうやら朝から桃色空間へ出動、という事態は免れたらしい。

ふう、今日こそゆっくり出来そうだ。
もちろん昼間から出勤、という可能性もなくは無いが、涼宮さんの性格上せっかく彼と二人っきりでいると
いうのに昼間に家に閉じこもっているとは考えにくい。どこかに遊びに出かけるはずだ。

すくなくとも夜まではのんびり過ごせるな…。

まだはっきりしない意識の中小さな喜びと幸せを感じつつ、右手に感じる違和感に気付いた。
…ん、これは?
なにかやわらかい物を握っているような感覚。
それはほんのり暖かく、まるで人肌のようにさらさらしている。

…っていうかコレ人肌?
手?誰かの手を握っている?
どんどん意識がはっきりしていく。
あれ、そういえば僕…
な、なんで裸なんだ?!寝るときは確実に服を着ていたというのに…
まだ半分寝ぼけている脳みそをフル回転させ、必死に状況を整理する。
なぜか全裸の僕、その右手に握られている誰かの手、そして昨日の今日。
これは…これはもしかして…いやまさか…そんなベタなネタを今更?
嫌な予感をバシバシ体中に感じつつ、僕は覚悟を決めゆっくり目を開けた。
そこには…

 

(やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃ!)

 

そこには幸せそうに寝息を立てている、涼宮さんの顔があった。

 

待て、落ち着け、落ち着くんだ僕の脳味噌!
まずは状況を整理しろ!
周りをゆっくり見渡す。何度か来たことがあるし間違いない、ここは彼の部屋だ。
てことはつまり…
枕の上にある置き時計を覗く。現在午前9時。
そしてその時計のカバーから反射して見える自分の顔はまぎれもなく、
驚愕に満ちた、それでもどこかやる気のない彼の顔だった。

(彼と僕の意識が入れ替わった?しかし、なぜ?)
いや、こんなこと考えなくても分かる。涼宮さんの力によるものだろう。
わからないのはなぜ涼宮さんがこんなことを望んだのかだ。

(もしや昨晩彼と喧嘩でも…?)
いや、それなら昨晩発生したのは桃色空間ではなく通常の閉鎖空間だったはずだし、
なにより僕の(正確に言えば彼の)右手をしっかりと握っている涼宮さんの寝顔からは幸福以外なんの怒りや不安も感じない。
12月の事(僕は詳しく知らないが)もある。なんらかの原因がきっかけでこうなってしまったようだ。

僕が状況を必死に考えていると
「んん~ キョン?」
げぇ!涼宮さんが目を覚ましてしまった。
「んー」
普段なら絶対に見せないであろう蕩けるような笑顔を浮かべた後、涼宮さんは甘えるように僕(正確に言えば彼)の胸に顔を埋めてくる。
(こ、これはよくない…非常によくないぞ…。)
ちなみに言っておくと涼宮さんは上から少し大きめのシャツ(多分彼の)を着ており僕と違って裸というわけではない。
ただどうやら下着をつけてないご様子で、抱きしめられればその感触がダイレクトに伝わってくる。

「ふふふ…昨日はキョンがめずらしくかっこ良かったから、ついついはりきっちゃった。」
ギャアアアアアアアア!聞きたくない聞きたくない!
いつも近くにいる友人の惚気なんて、兄弟の性行為最中の喘ぎ声ぐらい聞きたくない!
涼宮さんは僕(正確に言えば彼)の胸に顔をすりすりとこすりつけながら蕩けるような甘い声を出す。
「でも、あんなこと言ってくれて…あたし嬉しかった。」
そう言うと涼宮さんは口を小さく尖らせ、そっと僕の顔を近づけてくる。
(これは…まさか…!)
「す、涼宮さ…ハルヒ?!」
「んー」
まずい…これはまずい…!いくら彼の体とはいえこれはまずい!
確かに僕だって健康な高校生男子の1人なんだし涼宮さんも魅力的な女性だとは思うが、
それはソレ。彼の為涼宮さんの為そしてなにより僕のキャラクターの為、このまま唇を重ねることは非常によくない。
しかしだからと言って涼宮さんを引き離すわけにはいかない。
そんな事をしてしまえば閉鎖空間発生どころか下手したら世界が崩壊してしまう。

どうしたものか…
と、どんどん近づいてくる涼宮さんの顔を見ながら必死に考えていると…

PiPiPiPiPiPiPiPiPi…

突然電子音が鳴り響き、涼宮さんがピタリと動きを止める。
これは…携帯電話の着信音か。
それもどうやら彼の携帯から鳴っているようだ。これ幸い、枕元にあったそれを取る。
「んもう、ほっときなさいよそんな電話。」
少しいじけた様子の涼宮さん。まぁ、これぐらいなら閉鎖空間も発生しないだろう。
「そ、そういうわけにもいかんだろ。」
必死に彼の口調に合わせて喋る。携帯の液晶を見て相手を確認すると

 

着信:小泉

 

小泉?
はて、彼の知り合いに小泉なんて名前の人いたっけ?
小泉…
小泉…
こいずみ…
ハッ…僕のことか!

酷い!間違えてる!下手なSSみたいな間違いしてる!

「相手誰?」
ショックに打ちひしがれていると涼宮さんから声をかけられた。
「あ、ああ古泉からだよ。」
携帯の液晶を涼宮さんに見せる。
「あー、あんた古泉君の漢字間違えてるわよ。「小」じゃないわよ。「古」よ。」
「あ、ああそうだったな。」
涼宮さんが覚えてくれてたおかげで少し立ち直った。

古泉から電話ってことは恐らく相手は僕の体に入った彼だろう。
早く出たいが、会話を涼宮さんに聞かれるわけにはいかない。
「調度催してきたから、トイレで電話してくるよ。」
そう言ってベッドから出る。
「はやく戻って来てよね。」
「ああ。」
そう返事してなんとなく視線が下に、彼の体の股間に向いた。

 

で、デカッ!なにこれ、ペットボトル?

 

「キョンこれ。」
涼宮さんから彼のボクサーパンツを受け取り、それを穿く。
…よくはみ出ないな。

部屋の扉を開け、廊下に出る。
今更パンツ一枚で出てきてしまった事に気付き若干焦った。
が、他に人の気配を感じない。どうやら彼の家族は留守のようだ。
階段を下り、トイレに入る。便座に座ってからようやく電話をとった。

 

「もしもし。」
『も、もしもし!お、おま、お前…』
「はい、古泉です。言いたいことはいろいろ分かりますが、とりあえず落ち着いてください。」
内心はまだ僕も焦りっぱなしなのだが、二人ともそれじゃいつまで経っても話が進まない。
『これって俺とお前の人格が入れ替わったってことだよな?つまり…』
「ええ、100%涼宮さんの力によるものでしょう。なにか心当たりはありませんか?」
『心当たり…』
そう言って彼が黙り込む。どうやら考え込んでるようだ。
『昨日はハルヒの機嫌が悪くなるようなことはなにも…それどころか昨日は』
「ああいいです。それ以上言わなくても。」
無意識のうちに惚気になりそうだったので制止する。
『あ、もしかして!』
「どうしました?なにか心当たりでも?」
『ああ、そういえば寝る前にちょろっとそんな話になったような…。』
「と、言いますと?」
『いや、なんとなく昔そういうドラマがあったよな。って話をチョロっとしただけなんだが。』
ふむ、間違いなくそれが原因だろう。
「おそらくその話が涼宮さんの心の中で無意識的に引っかかっていたのでしょう。
  望んでいたわけでは無かったにしろ、それが昨夜の桃色空間発生とリンクしてこのような事態になってしまった、と。」
『桃色空間?』

「あ、別に気にしないでください。」
『…まぁいい。で、どうすりゃ元に戻れるんだ。』
「そうですね。涼宮さんが元のあなたに戻って欲しいと強く願えばいい事なのですが…
 彼女はこの事実をしりませんからね…。まさか話すわけにもいきませんし。」
『長門に相談してみるか?』
「うーん、そうですね。今のところ他に方法も無さそうですし…」
だが今日は日曜だ。呼び出すにしても若干時間がかかるだろう。
『よし、そうと決まればさっそく長門に連絡を取ってみる。古泉、悪いがしばらくの間頼んだぞ。』
「ええ、こちらとしても対策を練っておきます。…それじゃあ、あんまり長いと涼宮さんに怪しまれてしまうので…。」
『ああ、すまんな。…古泉。』
「はい?」
『分かってると思うしお前を信用しているが…』
その時点で彼が何をいいたいかすぐにわかった。
「分かってます。そんな恐ろしいこととても出来ませんよ。」
『そ、そうか…それじゃあ、ハルヒを頼んだぞ。』
「ええ、そちらも長門さんによろしく。」
そう言って電話を切る。やれやれ、どうしたものか。

とりあえず彼の言うとおり今頼れるのは長門さんくらいしかいないか。
それまで涼宮さんに変に疑われないように振舞わないと…

 

トイレを出て急いで部屋に戻る。
ドアを開け中に入ると、涼宮さんはなにやら怪訝そうな顔をしてベッドの上に座っていた。
僕がいない間に着替えたのか、上には彼女のシャツを、下はショートパンツを穿いていた。
「ハルヒ?」
「…」
返事が無い。涼宮さんは僕をまるで刺すような目つきで睨んでいる。
もしかして、トイレから戻ってくるのが遅くて怒ってしまったのだろうか。
さすがにそんなことぐらいで機嫌を損ねるとは思えないのだが…

「あの…ハルヒ?」
「…」
「ああ、その…遅れてすまん。ちょっと古泉との『あんた誰…。』
…え?
「あんた誰かって聞いてんのよ。」
「な、なにを…」
「さっき喉が渇いてジュース飲みに下におりたの。そしたらあんたの電話の声が聞こえてきて…」
ゲッ!聞かれてた!
「なんだかぼそぼそ言ってたから会話の内容までは聞こえなかったけど…」
そう言って一層目つきを険しくする涼宮さん。
「キョンは誰が相手だろうとあんな丁寧にかしこまった話し方はしないわ。ましてや古泉君なんかに敬語で話すはずない。」
ベッドから立ち上がり戦闘体制に入る涼宮さん。
「あんた一体何者?!キョンの体をどうするつもりよ!」
「ななななにバカな事を言ってるんだハルヒ。俺は…」
「は!さてはキョンの体を乗っ取った悪魔か宇宙人の類ね!」
僕の意見など聞かずますます興奮する涼宮さん。なんだソレ。
普段の彼女ならそんな馬鹿なことを本気で考えるわけないのだが、彼のこととなるとたちまち冷静さを欠くようだ。
「さぁ白状しなさい。一体あんたはドコの何なの!あたしのキョンをどうしようっての!」
手をわきわきさせながら少しずつ間合いをつめてくる涼宮さん。
「ちょ、ちょっと待て、落ち着けよハルヒ。俺は…」
このままでは誤解されたまま殺されてしまう。
頭をフルに回転させ、必死に弁解しようとする。
うおおおおおお!躍動しろ、僕の右脳!

すると…

 

ピキーーーーーーーーーーーーーーーン

 

ひ、閃いたーーーーーーー!

 

「…フフフ…。」
「…!?」
「フフフ…ククク…カカカ…ワーーーーーッシャッシャッシャァァァー!」
「なッ…!」
突然の僕のイカれた大爆笑に若干ひるむ涼宮さん。
念のため言っとくが、ほんとにイカれたわけじゃない。
「まさかバレてしまうとは思わなかったぞ!人間!
 そう、キサマの言うとおり私はこの「キョン」とかいう人間ではない!この世界を滅ぼすため、
  この男の体を乗っ取っとらせてもらったのだ!」
「な、なんですって!どうして…」
「私は魔界から来た悪魔。だが悪魔は生身のままでは人間界で活動できんからな。
 こうやって人の意識を乗っ取る必要があるのだ。」
「あ、悪魔?!」
「そうだ、悪魔だ。」
「名前は?」
「は?」
「名前よ名前。悪魔にもそれぞれ呼び合う呼称くらいあるでしょう!」
まずい、そんなこと考えてない…。なんでこの状況で名前を聞いてくるんだ…。
「デ、デビル…いや、サタン、違うな……ハデス…そ、そうハデスだ!私の名はハデスコイズミだ!」
コイズミって言っちゃった!
「ハ、ハデスコイズミぃ?」
「そ、そうだ。ハデスコイズミだ。」
「なによコイズミって。なんでそんなバリバリ日本人みたいな名前なの?
 悪魔ならもっとドスのきいたゴツイ名前なんじゃないの?」
「そ、それは貴様ら人間の勝手な思い込みだろう!私は生まれたときからハデスコイズミなのだから、いまさら
 そんな事を言われても困る!住民票にもそう登録されておるしな!」
「じゅ、住民票?!魔界にも市役所とかがあるの?」
しまった。余計なことを言ってしまった。

「も、もちろんだ。市役所も区役所も、県庁や都庁だってある!」
「ってことは会社なんかも?!」
「あるとも!私だって仕事で人間界まで来ておるのだ!」
ああ、また余計なことを言っちゃった…
「仕事ですって?そ、それならあんたの勤め先を言いなさい!」
どうでもいいだろそんなこと!
「株式会社デスブリンガー 新宿オフィスだ!」
「設立は?!」
「平成13年3月だ!」
「資本金は?!」
「5000万円だ!」
「企業理念は?!」
「『私達は、あらゆる悪魔の可能性を追求し、我々を必要とするクライアント(閻魔)・スタッフ(働く死神)・
 魔界の発展に貢献します。』…だ!」
「あんた社員なの?!」
「派遣だ!」
「固定給?それとも時給?!」
「歩合制だ…ってどうでもいいだろうこんなこと!」
「なんでキョンの体を?!」
そうそう、そういう質問を。
「本来ならばキサマの体を乗っ取るつもりだったのだが、昨晩、この男に邪魔されてしまってな…」
「キョンが?」
「そうだ、キサマを守るため愚かにも私に楯突いてきおったのだ。最後までキサマの名を叫んでおったわ。」
「そ、そんな…。キョンが…キョンが…。」
顔を真っ青にして腰を抜かす涼宮さん。やばい!
「だ、だからといって誤解するなよ。まだヤツは死んではおらん。」
少しだけ血の気を戻す涼宮さん。

「そ、それってどういう…」
「確かに体は乗っ取ったが、この男の意識は存在しておる。まだ救う可能性はあるということだ。」
「ってことは、まだキョンは生きてるのね!」
「そういうことだ!だからそう落ち込むことはない。安心しろ人間!」
なんとか元気を取り戻した涼宮さんは再び立ち上がり、ファイティングポーズをとる。
「どうすればキョンを助けることができるの?」
「わたしをこの体から追い出すことが出来れば自然とこの体の意識はあの男に戻る。」
「それじゃあアンタをやっつければいいのね!」
「え?あ、ちょっとま『キャオラァァァ!』

 

ズドムッ


「ゴハァッ・・・!」
涼宮さんの綺麗な直突きを鳩尾に食らい派手に吹っ飛ぶ。
ボッ!と構えなおす涼宮さん。
「どう?さっさと降参してキョンの体から出て行きなさい。さもないと…!」
「ちょ、グ…ちょっと待て!暴力はいかん!暴力はいかんのだ!」
お腹を抑えて必死に言葉を出す。まだ立ち上がれない。
「へ、なんで?」
「いいかよく聞け!我々悪魔は人々の憎悪や悪意を喰らって生きておる。
 直接的な肉体へのダメージは私を追い出すどころか、ますます悪のパワーを
 この体に植えつけることと同義なのだ!」
「な、なんですって!なんでそれを早く言わないのよ!」
「言う前にキサマが攻撃してきたのだろうが!」
ようやく回復してきたところでどうにか立ち上がる。
「じゃ、じゃあどうしたらいいのよ!どうしたらキョンを救い出すことが出来るの?」
「ふふふ、無駄だ無駄だ。この私を倒すことなど出来んのだ。」
がっくり膝を落とし手をつく涼宮さん。

「そんな…」
再び涼宮さんの顔が絶望に染まっていく。そろそろか…
「どうだ、どうせ無駄だがこのさい神様にお祈りでもしたらどうだ?」
「え?」
「もしかしたら願いが叶って私を倒すことが出来るかも知れんぞ。」

そうだ、長くなってしまったがこれが僕の作戦!
涼宮さんが強く願って、うまく能力が発動すれば。という魂胆だ。
これなら長門さんに頼むよりも早く、確実に元にもどれる。

「お、お祈り?」
「そうだ、お祈りだ。」
すると涼宮さんはふぅっと溜息をついて
「そんなことしてもどうせ無駄でしょ。神様なんているわけないし。」
宇宙人や未来人を信じてるくせに、神様は信じていないのか、この人は。
「そう言わずに。やるだけやってみたらどうだ?」
「無駄だって言ってるでしょ。なによ、悪魔のくせに神様にお祈りって。バカじゃないの?」
くっ…この…

「この馬鹿者が!」
「え?」
ビクッと肩を震わせる涼宮さん。
「やってもいないのになぜ最初から駄目だ駄目だと決め付ける!例え確立が1%より低くても、試して
 みないことには結果はわからんだろう!まったく、なんで貴様ら人間はどいつもコイツもそうなんだ!」
叱咤激励する。どんな悪魔だよ。
「でも…」
「いいか、今この男を救うことが出来るのは世界中でただ1人、キサマだけなのだ!
 コイツの事を本当に愛しているなら、心から想っているのなら、どんなに成功率が低い事でも試してみろ!」
「…!」

僕(ハデスコイズミ)の説教を聞いた涼宮さんの瞳に、再び燃えるような光が灯る。
「そうね…そうだったわ。」
三度立ち上がる涼宮さん。その表情は決意に満ちていた。
「どんなことでも試してみる価値はあるわ。誰よりもキョンの事を愛しているなら尚更のことよね。
 ありがとうハデスコイズミ。あたし目が覚めたわ!」
「どういたしまして!さぁ、祈ってみろ!心から彼氏に帰ってきて欲しいと願うのだ!」
「うん!」
両手を合わせ静かに目を閉じ祈り始める涼宮さん。すると…

 

pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi…

 

再び携帯に着信。誰だこんな時に…

着信:090-××××-××××

 

この携帯電話に登録のない番号。
だけど僕はこの番号に覚えがあった。

「む、いかん!魔界の上司から電話だ。ちょっと席をはずすぞ。」
「あ、ちょっと待ちなさい!」
「いいか!大人しくこの部屋でお祈りしていろ!さもなくばこの男の命はないぞ!」
言い捨てて部屋を出る。
そして聞き耳を立てられないように距離をおいてから電話に出る。
この電話番号は…

「もしもし、森さんですか?」
『もしもし。あんた…古泉ね?』
「えぇ、その通りです。どうして彼の番号を?」
『直接彼から聞いたの。あんたに電話したらあんたの声した彼が出てね。事情もなんとなくだけど把握したわ。』
なるほど…。

「僕の携帯に電話したってことは、閉鎖空間が?」
『ええ、今回のは桃色のじゃなくて普通のね。あんた彼女になんかしたの?』

 

僕は今までの経緯を全て森さんに話した。

 

『なるほどね。そうやって彼女が強く祈ってくれれば元に戻れる。と。』
「そういうことです。」
『確かにいい方法だと思うけど、出来るならはやく済ませてね。』
「どういうことですか?」
『彼を失った不安や恐怖からか、閉鎖空間の規模の大きさが半端じゃないのよ。神人の強さも異常だし。」
「ああ、なるほど。」
『このまま広がり続けるとホントに世界崩壊しかねないわ。』
「そんなにですか?!」
『ええ、だから出来るだけちゃちゃっと終わらせて。頼んだわよ。』
「はぁ、善処します。」
それだけ言うと電話は切れた。忙しいのは分かるがもうちょっと僕の事も気遣って欲しい。

 

部屋に戻る。
涼宮さんは僕が出て行く前と同じ体制で立っていた。
「すまん、待たせたな。」
「魔界の会社の上司から?」
「そうだ。」
「上司って怖いの?」
「ああ、それこそ悪魔のような女性だ。」
「あんたも悪魔でしょ。」
あ、そういやそうだったっけ。
「ええい、そんな事はどうでもいい!さっさと祈れ!」
「分かってるわよ。」
再び目を閉じ祈り始める涼宮さん。
「キョンお願い。あたしの所に戻ってきて…。」

涼宮さんが呟く。
するとさっそく効果が出始めた。

(お…?)
体に感じる浮遊感。いいぞ、その調子だ。
「ぐ、ぐおぉぉ…か、体が動かん…!」
「ほんと?!」
「ああ、ほんとに動かん。その調子で祈り続けられたら、私はこの体から追い出されてしまうぅ~」
ぐへぁ、と変な声を出して悶える。動けないって言ってるのに悶える。
「キョン…キョン…」
涼宮さんが一層強く祈る。浮遊感が大きくなっていく。
「ぐあああああああ!これはたまらん!あと一息、あと一息でやられてしまうぅぅぅ!」
「キョン、お願い…!」
ギュッと閉じた目に力を込め、より強く願う。
だんだんと意識が遠くなっていく。どうやら成功だ。
「ぐふぅ、どうやら、どうやら今回は私の負けのようだ…。まさかキサマの愛の力がこれほどのものとは…」
「ハデスコイズミ…。」
「しかし憶えておけ。もしこの先、貴様らがいちいちくだらんことで喧嘩したり別れたりした場合、私は再び甦り、
今度こそ貴様たちを殺しに来てやる。わかったか。」
「ええ…肝に銘じておくわ。」
「あとそれからあまり他の人に迷惑をかけるような行為はつつしむことだ。
 本人達はそうとは思っていなくても周りはそう感じることもある。例えば教室や部室でイチャついたり、
 朝っぱらからお互いの肉体を求め合ったりウボァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
「ハデスコイズミーーーーー!」
意識が無くなってきたので最後にナイスな断末魔をあげる。まだまだ言いたいことはあったのだが、まぁ仕方ない。

体の感覚が無くなり後ろに倒れこむ。涼宮さんが急いで駆け寄ってくる姿が見えた所で僕の意識は途絶えた。

 

 

 

 


……
………はっ!

目を開き、体を起こす。
ここは…僕の家だ。
鏡を覗く。紛れもなく自分の体だった。
どうやら元に戻れたみたいだ…。

ふぅ、っと一息ついてソファーに座り込む。
まったく、散々なめに会った。
携帯を見る。長門さんからメールが入っていた。

 

mail:長門有希

 

戻った。

 

うん、戻った。
この内容なら、別に返信はしなくてもいいだろう。
しかし味気ない内容だな。着メロの件といい、僕、嫌われてるのかな…
僕が少なからず落胆していると…

『『『溝鼠ハイエナ糞豚ばかりぃぃぃぃ!!』』』

手の中にあった携帯がシャウトした。しまった、着信音を変更しなおすの忘れてた。

着信:ハートマン軍曹
森さんか。

 

「もしもし。」
『もしもし、古泉ね?』
「ええ、どうにか戻ってこれました。そちらはどうです?」
『さっきまでの巨大な閉鎖空間はひとつ残らず消滅したわ。あんたのおかげね。』
「そうですか、それは良かった。」

心から安堵、やっと平穏が…
『ええ、そこまでは良かったんだけどね…。』

え?
『その後…通常の閉鎖空間が消滅してだいたい8分後ぐらいかしら。新たな閉鎖空間が発生したわ。』
えええええ?!
「そ、それってまさか・・・」
『ご名答。桃色空間よ。どうやら彼が戻ってきて、勢いで始めちゃったみたいね。』

眩暈がする。またそのパターンですか…。
『まぁあんたも色々疲れてるだろうけど、もう新川そっちによこしたから早く準備して来てよね。』
「…了解。」
電話を切り、深い溜息をつく。
そうだシャワー浴びる時間ぐらいなら『『ピーンポーン』』…。


鳴り響くお迎えのインターホン。僕はもう一度溜息をついた。

 

 

 

 

 

「諸君 あたしは甘いSSが好きだ
諸君 あたしは甘いSSが好きだ
諸君 あたしは甘いSSが大好きだ
『10月8日、曇りのち雨』が好きだ
『缶コーヒー、ふたつ』が好きだ
『花嫁消失』が好きだ
『ハルヒ親父シリーズ』が好きだ
『涼宮ハルヒの糖影』が好きだ
『カントリーロード』が好きだ
『lakeside love story』が好きだ
『Happiness!』が好きだ
『ミッドナイト・コーリング』が好きだ

自宅で 学校で
職場で ネカフェで
 
この地上で読めるありとあらゆる甘いSSが大好きだ 。

ハルヒとキョンがお互いツンの要素を引き継いだままデレるのが好きだ。
ハルヒやキョンが原作無視なぐらいデレデレなった時など心がおどる 。

谷口や阪中視点から見るハルキョンSSが好きだ 。
『家族旅行』でハルヒがキョンを押し倒してキスする場面など胸がすくような気持ちだった。

 

キョンが他の女子にちやほやされてそれにハルヒが嫉妬するSSが好きだ 。
どちらかが風邪をひき、それのお見舞いにいって結局最終的にイチャつく内容のSSなど感動すら覚える。

些細なことでケンカして仲直り、結果雨降って地固まるなどの内容はもうたまらない。
ハルヒとキョンが既に結婚しており、その後日談的な内容も最高だ 。

ハルヒとキョンの為に他のSOS団が奔走して、結果2人がくっつくSSなど絶頂すら覚える。

ハルヒがキョンに滅茶苦茶にされるのが好きだ 。
谷口がハルヒとキョンの惚気に嫉妬してますます哀れになっていく様はとてもとても悲しいものだ。

ハルヒとキョンが結婚して既に子供が存在するSSが好きだ 。
「小泉」「朝日奈」「鈴宮」などという間違った表記は屈辱の極みだ。

諸君 あたしはSSを地獄の様な甘いSSを望んでいる 。
諸君 あたしに付き従う超能力諸君
君達は一体何を望んでいる?

更なる甘いSSを望むか?
情け容赦のない糖尿病になりそうなほどの甘いSSを望むか?
ゲロ甘の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な甘いSSを望むか?
 
『甘いSS! 甘いSS! 甘いSS!』
 
よろしい ならばハルヒ×キョン結婚ネタだ。

 

我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとするSS投下職人だ 。
だがこの暗い閉鎖空間の底で5年もの間堪え続けてきた我々にただの甘いSSではもはや足りない!!

ゲロ甘甘を!!
一心不乱のゲロ甘SSを!!

我らはわずかに一個小隊 100人に満たぬサイキック部隊に過ぎない。
だが諸君は一騎当千の古強者だとあたしは信仰している 。
ならば我らは諸君とあたしで総力100万と1人の超能力集団となる。

我々を疲労の彼方へと追いやり浮かれつづけている神人を叩き潰そう。
髪の毛(?)をつかんで引きずり降ろし眼(?)を開けさせ思い知らさせよう。
連中に恐怖の味を思い知らせてやる。
連中に我々の軍靴の音を思い知らせてやる。

プロとアマチュアのはざまには奴らの哲学では思いもよらないSSがあることを思い出させてやる。
一千人の甘いSSを書く投下職人団で
まとめwikiを燃やし尽くしてやる。

「最後の小隊大隊指揮官より全員桃色空間へ!」
目標浮かれて踊る桃色神人集団!!

第4次桃色空間奮闘作戦 戦闘を開始せよ!
 
『『ウオオオオォオォォォォォォオオオオ!』』

 

 

 

僕を除く超能力者全員が我先にと神人ちゃんに突っ込む。
唖然としているとさっきまで得体のしれない号令をかけていた森さん(現森大佐)が近づいてきた。
「どうだった古泉?今回のあたしの号令は!半日かけて考えたのよ。」
ていうかレス食いすぎですよ。言ってることの意味がわかんないし。
絶対読んでる人から叩かれたり、雑談所で突っ込まれますよ。
「そんなことないわよ。ただの悪ふざけなんだし。笑ってスルーしてくれるハズよ。」
やっぱり悪ふざけなんですか?!
「そんなことはどうでもいいのよ。士気が上がってることにはかわりないんだし。」
まぁそうですけど…。
「それともなに?やっぱり号令よりあたしのディープキスや脱ぎたて下着のほうがいい?」

 

号令でいいです。

 

 

おしまい

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