ふと、外を見るとさっきよりも雨風はひどくなっていた。こんな時期に台風か?こりゃ カミナリでも落ちそうだな。

台所でココアを受け取ったハルヒと妹が俺の部屋に入ってきた。
『こら! ちゃんと髪の毛かわかしてこないとダメだろ!』
『ごめんなさい。アタシがずっとドライヤー使ってたから妹ちゃんの髪、中途半端になっちゃって。』
『だってハルにゃん もぅOK完璧!なのに「どっか変じゃない?」って鏡の前からはなれないんだもブホッ むぐーむー』
『あははははー な 何言ってんのよー』
ハルヒは顔を真っ赤にしながら妹の頭をぐゎしぐゎし拭いている。ぐらんぐらん揺れる妹の頭。

確かに風呂上がりのハルヒは、俺の選んだ着替えが若干胸元が開き過ぎ鎖骨のラインがたまりません!なこと意外は普段と変わらずキチンと身なりを整えていた。
……どこに着ていくつもりだったんだ母よ。
それでいてうっすらと上気した肌がピンクに染まっていて、どうせならちょっと濡れ髪っぽくても可愛かったんじゃないか?
とかオッサン妄想までしてしまった。自己嫌悪。いや前言撤回 しょうがないだろ!!

とかなんとかやってるうちに、妹がここぞとばかりに人生ゲームやらUNOやらを両手いっぱいに部屋に運んで来た。
2人兄妹だと遊んでもいまいちおもしろくないもんな。
しかもハルヒの負けず嫌いは小学生相手でも十分白熱したゲームを展開してくれる。ありがたいもんだ。
しばらくは時間も忘れてただただ遊びまくっていた。
だが、ここいらで本題に入らんといかんだろう?

『で お前はいったい何しに来たんだ?』
『退屈しのぎよ。少なくとも今はあんたも退屈してないでしょ?それに妹ちゃんもあたしがいたほうが楽しいよねー?』
『うん!』

はぁ〜… できることならば、たかが退屈しのぎに傘1本と体力賭けるのはやめてほしかったね。
『だいたい危ないだろ?いくらお前が世界最強の団長様だとしてもだ。
ケガでもしたらどうする?暴風で看板が落ちて来たりとかもするんだぞ。 今回は傘だけですんでよかったが…』
俺はこんなにも心配してたのか。自分で説教たれながら気づいた。ハルヒも珍しく黙ったままほっぺた膨らましてうつむいている。
『…ぃたかったんだもん。』
?何… か細い声が何を言ったのか、もう一度聞こうとしたそのとき


ビシャーン!!

「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」

窓の外がフラッシュを焚いたみたいに真っ白に光った。
音と光はほぼ同時、きっとどこか近くにカミナリが落ちたんだろう。

…きゃあぁ? あ  そうか おい大丈夫か妹よ。

『あはははっお空光ったー!!ドーン ビシャー!』

…問題は無いみたいだな。と すると…
『怖くない!』

振り向くとハルヒがこれでもかってくらい睨んでいた。
『カミナリなんてただの気象現象じゃないの!それに今居るのは室内なのよ!日本が沈没しようが感電することはないっきゃぁぁ!?』

今度はさっきのより随分規模は縮小されてたようだが、怖かったですか?
あと日本沈没したら感電以上の死が待ってるぞ。
早口でいきがり、速効で着席したハルヒに問いかけるが返事はない。

しかし、どうしたもんかな。このカミナリじゃ傘なんてさしてるほうが危ないだろうし…どうやってハルヒを駅まで送ろうか。
あぁ 父さんが帰って来たら車で送ってもらうかな。それなら安全だろう。
『キョン君 お父さんね、このカミナリで電車もとまちゃって遅くなりそうだから、どうせなら徹マンでもしてくるわーって。』
こんなときに限って何やってんだよ!!自然の驚異にさらされている家族をほっぽりやがって!!…まぁ 怖がってるのは非家族だけども。
『お天気も悪くなりどおしだし、涼宮さんには泊まってってもらったら?晩ご飯お父さんの分も材料買っちゃってるし。』
母よ。そういうことはもうちょっと慎重に言ってくれ!!でないと…
『わーい!!ハルにゃんと一緒ー!!!!』
とか俺の拒否権を無視して、勝手に1万票投じちまうヤツがいるんだから。

そんなわけで、ハルヒよ。それでいいか?親御さんにはウチの母親からキチンと…
おい!『いつも息子がお世話になってます』とか言ってんな!お世話してるのはこっちだっつうの!
変に浮かれてる我が家の女性陣にため息をついている俺の後ろで、ハルヒの顔にほんの少し笑みがさしてたのは気のせいだろうか?
『何 人の顔じーって見てんのよ!!しょうがないわね。不運なキョンのことだもの
送ってもらう途中で落雷!感電死!ってなこともあるかもしれないわ!
そうなったら一緒にお陀仏だもんねっ。だから今日は泊まらせてもらうわよ!
そ それだけなんだからね!!』
はいはい そういうことにしといてやるよ。だからおとなしくしとけ。
『晩ご飯の用意お手伝いしてくるわ!一宿一飯の鶴の恩返しってもんよ!!』
そういい残すと猫を装着したハルヒは台所へ向かっていった。

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