……あれから10年、俺達SOS団は未だに北高にいた…。 

といっても、ハルヒの不思議パワーでエンドレス北高生ってわけではない。
まぁグダグダ説明するよりは話を聞いてくれ。


「おはようございます、キョン先生(歴史)」
この相変わらずのスィートボイスはマイエンジェルの朝比奈さん(養護教諭)
おはようございます、朝比奈さん今日も素敵ですね。
「キョン先生だって素敵ですよ、奥さんがうらやましいです。」
いえとんでもないです、あいつには朝比奈さんの爪の垢でも…


「……」
おぅ長門(図書館司書)、上機嫌だななにかいいことあるのか?
「……今日は今月の新刊が届く日」
そうか……でもあまりマニアックな蔵書ばかりにしないようにな。
横山光輝版三国志がないのはいいとしても吉川英治版どころか三国志通俗演義すらなく、
原典の陳寿版しかないってのは公立高校の図書館としてはどうかと思うぞ。
料理本コーナーだってカレー本しかないしな。
「ちがう……生徒のリクエストカードどおりの蔵書をそろえたら偶々そうなっただけ」
……長門がリクエストカードを書いている生徒をじっと見つめているともっぱらの評判だがな…、
生徒は気が付いたら読みたかったラノベではなく聞いたこともないカレー読本をリクエストカードに記入してしまっているという噂だ。


「やぁみなさん、おはようございます」
古泉!(英語) 朝っぱらから顔を近づけるな!
「……奥様はご一緒じゃないんですか?」
…あぁなんだその…夫婦にだってお互いにプライベートな時間が必要なんだ。
「やれやれ、又ですか? 喧嘩するほど仲がいいとはいいますが…今度の原因はなんです?」
俺達夫婦の問題だから部外者にはノーコメントだ、大体アイツときたらいつだって……、
こないだだってアイツはワガママばかりいって………。


「ちょっとキョン! あたしが一体なんですって!」
ハ、ハルヒッ!(歴史) 一体いつからそこに……。
「みくるちゃんの爪の垢ってあたりからかしらね、どうやら事情聴取が必要みたいね。アンタもあたしも一限目は授業はなかったわよね、歴史教官室でたっぷり聞きだしてあげるわよ」
い、今までのはそのなんだ……。
「つべこべいわずにさっさとくる! 大体さっきだってみくるちゃんにデレデレしちゃってどういうつもりなの…いつもあんたときたら………」
いや俺は高校時代からお前一筋で……。
「うそばっかりよ! いつだってあっちにフラフラこっちにフラフラ……」

「やれやれ又桃色空間の発生ですか」
「相変わらずですね、お二人は」
「ユニーク」


やれやれハルヒにも困ったもんだぜ、まぁ古泉曰くそれだけ俺に惚れてるってことらしいが……

なんだかんだと言い訳をしながら時間切れでなんとかハルヒの追求を逃れた俺は午前の授業を適度にこなし昼飯を調達しに学食へとやってきた。
喧嘩の余波でハルヒが弁当を作ってくれなかったからだったりする。
そこ! 尻に敷かれてるとかいうな、それにアイツの尻はだな…そもそも形が……。


あーなんだ……今日はうどんにでもするか、おや? カウンターのところで誰かが口論を……
あれは…長門と喜緑さん(学食のシェフ)だな一体何を?

「……わたしは徳盛カレーうどんWをお願いした筈」
「えぇですから、徳盛カレーうどんWAKAMEですよ」
「…違うWはワカメのWではなくうどんダブルのWのはず、ワカメは不要」

まぁまぁ二人ともたかがわかめで大人げない。
「たかが…ワカメですって……」
す、すいませんでした、うどんは又にします!


はぁとりあえずうどんはパスだな、あとはなんにするかな……これはおでん?
「あらキョン君いらっしゃい、おでんにするの?」
なんだ朝倉(学食の助手)か、……あーところでこのおでんの出汁ってやっぱり……。
「そうわかめとこんぶよ、私はスジを使いたいんだけど……彼女が…」
わかった皆までいうな、今日はおでんの気分じゃないんだ、すまんな。
「味見だけでもしていってくれないかしら? 有機生命体の味覚の概念がわからなくって…」
あースマン、又こんどな。


さてうどん、おでんときたら今度はなんだ? テト○ンは食べ物じゃないしな。


「やぁ君、本日のランチはいかがかね?」
あ、元生徒会長(学食の社長)、どうも……。
「うむ、今日のランチは炊き込みご飯に潮汁、付け合せは和え物だ、おいしいぞ」
あっじゃぁそれお願いします。
「はいランチ一丁!」
……えーとこれって?
「ふっ、愚問だな、ワカメの炊きこみご飯、ワカメの潮汁、ワカメの和え物だ」
すいません…キャンセルで。
「こら待ちたまえワカメは体にいいんだぞ、僕と喜緑君なんか毎日食べてるせいで一緒に毎晩……」

あの人もこれさえなければいい人なんだが……。
まぁ喜緑さんとラブラブって時点で人外魔境って気もするがな。


仕方がない購買でパンでも……
「さぁさぁめがっさ美味しいスモークチーズはいかがにょろ、毎日食べれば頭がよくなるっさ!」
また鶴屋さん(購買:鶴屋商事店長)は訳のわからないものを…。
「やぁキョン君、ハルにゃんとは仲直りしたかい?」
鶴屋さん勘弁して下さいよ、周りに聞こえるじゃないですか。
「ハルにゃんはこの裏でさっきからキョン君を待ってるから早くいってあげるっさ」
えっハルヒが……、ありがとうございます。


ハルヒがいた……、俺に気が付いてるはずなのに気付いてないフリしてあさっての方をむいてやがる。
そういう変に意地っ張りなところも含めてハルヒなんだよな。

あぁハルヒ……ここいいか?
「な、なによ、座りたかったら勝手に座ればいいじゃない」
そうか…、じゃぁ遠慮なく。
「キョンは…ご飯食べたの?」
まだなんだ、その…誰かさんの弁当の味が忘れられなくてな。
「そう……ほらお弁当よ、早くたべちゃいなさい」
そうかありがと。
「別にキョンにって訳じゃないのよ、気が付いたらいつもの習慣でお弁当を二つ…」
いいんだ、美味しいぞこの弁当。
それとなハルヒ……昨日はごめんな。
「うん、わかればよろしい」 

-おわり


おまけ


谷口(保健)「WAWAWA、なんだこの劇甘展開は?」
ミヨキチ(教育実習生)「おにぃさん、わたしの出番は?」
国木田(数学)「あの二人は相変わらずだねぇ」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年03月13日 01:04