― ン?、キョン?起きてる??
― ……ああ、ハルヒか。どうしたんだ?あれ?元に戻ったのか?
― さあね。あんたはどっちがいいの?戻ってほしい?
― 正直、扱いが大変だ。元に戻ってくれ。
― 扱いって、ひどいわね。レディに対する言葉じゃないわ!
― ああ、お前は今猫だからな。
― もうっ!あんた本っ当にデリカシーがないわね!お風呂の時もあたしの体触りまくってたし。このエロキョン!!
― だからお前は今猫だろうが!しかも雄猫だ!それにお前一人で風呂に入れないだろうが!
― それはそうだけどさ、手つきがいやらしいのよ。どう考えても触り慣れているとしか思えないわ!あんた痴漢の常習犯じゃないわよね?
― そんなわけあるか!シャミセンの体は洗い慣れているからな。触り慣れていると言えばそうだろう。どうだ?テクニシャンだっただろ?
― なっ……何言っているのよエロバカドSキョン!!
― おいおい、それは言い過ぎだろ?しかも俺はSっ気はないぞ?
― そんなわけ無いわ!あたしの目の前で、し、下着脱ぎだすし。あんた、痴漢常習犯の上に露出狂だったのね。
― ちょっとからかっただけだ。それに猫の姿だとあまり恥ずかし気もしないしな。
― ………そうなの?
― ああ、シャミセンとはいつも風呂に入っているし、あまり気にならないな。
― …ふーん、あっそう……
― それにお前に一回見られちまったしな。そうだ、それで体触ったことをチャラにしないか?
― あたしの体はそんなに安くはないわ!それにそんなにジロジロ見てないわよ!あたしは!!
― ほう。ということは見たことは認めるんだな。
― うっ…//////
― まあいい、それより早く戻ってくれよ?
― …少し考えさせてもらうわ…。それじゃね…
― おいハルヒ、待てよ!
― ………
………ん、夢か?ハルヒは元に戻ったのか?
ハ・シ『………』
どっちも気持ちよさそうに寝てるな。まだ朝まで時間があることだし、もう一眠りするか…
ペロペロ…
ん…?
ペロペロペロ…
シャミセンが舐めているのか…もう少し寝かしてくれ…
ペロペロペロペロ…
ああ、わかったよ。起きればいいんだろ…
ムクリ
…っておい!お前が舐めていたのか!ハルヒ(ry)!!
ハ「にゃあ」ペロペロ
や!やめろ!!個人的には続けてほしいがそこはかとなくやばいし理性が保てん!!
ハ「にゃあ?」
ふう…朝から気の休まることがないな…シャミ(ry)は寝てたか。ふう、危ない危ない。
俺の顔を舐めている姿を見たらシャミ(ry)は憤慨してまた引っ掻かれるにに決まっている。
ハ「にゃあ?」
お前が悪いわけではないんだがな、流石に「一美少女」にそんなことされると気が気ではない。頼むからやめてくれ。
ハ「にゃあ」
お前は聞き分けがよくて助かるよ。よしよし。頭をなでてやろう。
妹「キョンくん、朝だよー。起きてー」
やばい、妹がきた!隠れろ!!
妹「あれー!?キョンくん起きてるー!今日は雨かもー!」
失礼な!俺だってたまには早く起きる!ただ今日はハルヒ(ry)のおかげだがな…
あれ?シャミ(ry)はどこいった?
さて、朝飯でも食いに行くか。ハルヒ(ry)よ。お前は待っていてくれ。
ハ「にゃあ」
………おい、なんで俺の飯は食い散らかされているんだ?
妹「シャミが先にきて食べちゃったよー」
何!?あの野郎…飯抜きの罰を先読みして俺の飯を食べたのか??
それで、シャミセンはどこいったんだ?
妹「わかんないー。もしかしたら外に行ったのかもー」
そうか、戻ってきたら教えてくれ。あいつにはお仕置きが必要だ。
妹「シャミ苛めちゃダメー!」
ああ、善処する。後ろ足を持って10分間吊し上げの刑に処するくらいだ。
ハルヒ(ry)にも飯を持って行かなきゃな…
カリカリカリカリ…
ん、部屋から爪研ぎのような音が…シャミ(ry)が居るのか?ガチャ
ハ「にゃあ」
何だ。お前だけか。ほら、飯だ。
ハ「………」
おい、外に出るな!部屋でじっとしてろ!
ハ「フー!」
やばい、少し怒っているな…。シャミセンはたまに外出してたから、それができなくてストレスになってるのかもな。
たまには外に出させないと、部屋の中で暴れ出すかもしれん…
でもこの格好じゃご近所様の白い目線が突き刺さる上に猥褻罪で捕まるに違いない。
…また長門と朝比奈さんに頼むか…
…二人を呼び出したキョン…
朝比奈さんはあれだけ長門が苦手だったのに、よく一緒にいるようになったな。仲良くなったのか?
まあいい。俺は事の次第を二人に説明した。
み「わかりました。でも、涼宮さん(ry)は服を着たがらないですから、正直、無理ですよね」
正直、無理だと思います、あなたには。長門、何とかできないか?
長「できなくはない。ただし推奨はできない」
何故?
長「強制的に衣服を着せることはよりストレスを増加させることになる。」
そうか、やっぱり無理か。
長「ただし、衣服を身につけるのではなく衣服を身につけているように見せるのは可能」
カプ
そう言って、長門はハルヒ(ry)に噛みついた…
長「遮蔽スクリーンの応用。涼宮ハルヒ(ry)は服を着ているように見える」
ハルヒ(ry)を見ると、いつもの制服姿になっていた。
ああ、すまない、長門。恩に着る。でも制服か。私服の方がよかったんだが。
長「…そう」
長門は早口を唱えていた。ハルヒ(ry)は朝比奈さんが文化祭の撮影で着ていた頑張りすぎのウェイトレス衣装を着ていた。
しかもツインテール。かなり幼く見える。
しかしそれは待て!いろんな意味でやばい!それに私服かどうか怪しい!!
長門は続けざまに衣装を替えていった。メイド服、ナース、サンタ、バニーガール、カエル…
って、全部朝比奈さんのコスプレ衣装じゃねーか!俺はハルヒが休日に身につけているものが見たいんだよ!
長「……ニヤリ」
えっ……
長「1/4カップブラにGストリングショーツ、ガーターベルトとストッキングのセット」
………
長「休日身に着けているもの、勝負下着」
はぅ………バタン
み「長門さん、だからキョン君をからかっちゃだめですって!でも本当に涼宮さんはこんな極どいの身につけているんですか?」
長「休日に試着しているが、実際に身に着けて外出したことはない。涼宮ハルヒの勝負服。Oh!モ~レツ!」
み「…もう何も言いません」
…きて…、起きて…
んぁ…?
長「起きて」
ああ、長門か。俺は今どうしてたんだ?
長「視神経から得た情報により神経伝達物質であるアドレナリン及びノルアドレナリンの分泌がハンチングを起こした。
そのため一時的に血圧が下がり、脳の活動は一時停止した」
つまり、どうゆう意味だ?
長「気絶していた」
なるほど。確かに何やらすごいものを見た気がするんだが、思い出せん。
長「交感神経系伝達物質の異常と共に副交感神経系伝達物質であるアセチルコリンにも異常が見られた。
恐らく、脳内のアセチルコリンの量が著しく低下し、一時的にアルツハイマー症と同じ症状を引き起こしたのだと思われる」
よくわからん。
長「一時的な記憶障害が発生した」
み「お話はそれくらいにして、そろそろ涼宮さん(ry)を散歩に連れて行かないとダメですよ?」
そうだったな。二人とも、お願いします。
み「何言ってるんですか?キョン君が連れて行かないと」
俺?お二人の方が自然じゃないですか?
長「ねこの行動及び習性についてはあなたの方が詳しい」
…そうか、仕方ない。行って来ます。どうもありがとうございました。
ハ「にゃあ」
み「いっちゃいました?早速部屋のカメラを増設しなきゃ。昨日のだけじゃ分かり辛くて」
長「無線集音マイクと超小型無線カメラに遮蔽フィールドを施し、涼宮ハルヒ(ry)に取り付けた。完璧」
み「流石長門さんですぅ」
長「これで二人がニャンニャンしているのをオールでフィーバーできる」
み「………そりゃ猫ですからニャンニャンですね(棒読み)」
長「…カ・イ・カ・ン」
み「………長門さん、自棄になっていません?それにその言葉、ちょっと前にリニューアルでドラマやってましたよ。残念ながら」
長「…うかつ」
…ハルヒ(ry)と散歩する事になったキョン…
さて、散歩とは言えどこに連れて行けばいいんだ?いつも勝手にどこかへいくからどこに連れて行けばいいかわからん。
それに、勝手に動き回るのを抑制するために手を掴んでいるんだが、絶対誤解されるな、これ。
まあ、いつもと逆になっているだけのような気がするが…
因みにハルヒ(ry)の服装は、結局よく見るロンTとデニムスカート、ハイソックスとなっている。
ビュュー
ををっ、風が冷たいぞ。春先だとは言えまだ寒いな。
ハ「に゛ゃぁ~!」
こ、こら!抱き付くんじゃない!
ハ「ブルブルブル」
寒いんなら出かけようとするな。しょうがない、俺のコート貸してやる。
ハ「にゃあ」
うれしそうに且上目遣いをするハルヒ(ry)。いや、ちょっと待て反則だそれは。何故俺は猫にドキドキしなきゃいかんのだ?
あと頼むから離してくれ。通行人の目線が痛い。
ハ「にゃ」
か、顔が近い!こんなところ谷口にでも見られt…
谷「うぃ~す。NANANAナンパ連敗中~ うぉあ!」
キ「………」
ハ「………」
谷「スマン、ごゆっくり~!」
キ「またこのパターンか…」
ハ「にゃあ」
はあ、疲れた…
ハルヒ(ry)の奴は風に揺れている猫じゃらしに猫パンチをかましたり、雌猫に求愛行動を取ったり(春だな)、雄猫と喧嘩しそうになったり、まあ色々やらかした。
そしてそれを全て俺が諫めていた。傍から見ると変な光景だよな。
さてさてようやく家にたどり着いた。しかしハルヒ(ry)、だいぶ汚れたな。シャミ(ry)に怒られるぞ。
み「あ、お帰りなさい。早かったのね」
玄関を開けたら朝比奈さんが待っていた。新妻のようなそのセリフ、たまりません。
すみませんが、こいつかなり汚れたんで、また洗ってもらえませんか?
み「わかりました。じゃ長門さんに声を掛けてください。部屋でねこさん(ry)と遊んでますから」
なに、シャミ(ry)はかえって来たのか…ほほぅ…
み「妹さんから話は聞きましたけど、あんまりいじめちゃだめですよ」
そんなに酷いことはしませんよ。尻尾に玩具の虫をつけて自分自身を追いかけ回すの刑に処するくらいです。
よう、長門。
長「……」
シャミ(ry)は一瞬、びくっ!となった。自分のしでかしたことに覚えがあるらしいな。
長「…駄目」
ん?
長「…いじめちゃ駄目」
ど、どうした長門?そんな流し目いつの間に覚えた?
長「いじめないで…?」
小首を傾いでしかも上目遣い。反則だ。…ぁあ、わかったよ…
長「そう…よかった」ニコッ
な、長門さん?その初めて見る笑顔は一体…。あなたいつの間に俺のウィークポイントを付くようになったのですか…?
シャミ(ry)への報復も忘れ、暫く呆然としていた…
長「(キャラが変わり過ぎた。修正…完了。)ニヤリ」
…長門、ハルヒ(ry)を洗うため部屋から移動…
あぁ、あの長門には参ったな…あんな顔されちゃたまらないな…
シ「フー!」
あ、なんだ。お前いたのか?
シ「フギャ!」
何怒ってんだよ。お前だってあんな長門の顔見たことないだろ?それとも何か?俺に嫉妬でもしたのか?
シ「!!!」
うおっ!なんだ!引っ掻くな!やめろ!!
シ「フギャー!!」
判った、冗談だ冗談。そんな訳ないよな?
あれ?冗談と言った瞬間、引っ掻き攻撃をやめたな。しかもおとなしくなっちまった。
おい?シャミ(ry)?どうした?
シ「………」
うーん、いきなり元気がなくなったな。
そうだ、これでどうだ。さっきハルヒ(ry)がじゃれているのを見て取って来たんだ。猫じゃらし。
ヒラヒラ
シ「にゃ」
やっぱり猫の習性か。動いているものに猫パンチをしたくなるのは。
シ「にゃぁあー」
み「……鈍感」
長「……CHE.R.RY」
み「長門さん、それは曲名です(歌は最近の曲なんですね)…言いたい事は分かりますが…」
長「…そう。…指先で送るキミへのメッセージ♪」
み「!」
長「(修正に若干の瑕疵があった…うかつ)」
シ「にゃあ」
ほれほれ。
シ「にゃあ」
いや、これは面白いな。だがそろそろやめないと怒り出すかもな。
み「キョン君、お待たせしました」
あ、すみません。ありがとうございます。…ハルヒ(ry)はやっぱりTシャツ一枚か。
長「ぱんつーm」
二度目は寒いだけだ。止めとけ。
長「…うかつ」
み「涼宮さん(ry)、眠いみたいですから寝かせますね」
ハ「にゃ」
ハルヒ(ry)は布団に潜り込んだ…
み「今日は十分遊んだから外には出ないでしょう」
ありがとうございます。
み「どういたしまして」
長「…いい」
しかし、風呂上がりの朝比奈さんはぽわぽわしており実に艶かしい。眼福この上ない。
長門に関しても白い肌はやや紅潮し、髪の毛が濡れているせいか、いつもより小さく見え、可愛らしい。
シ「フー!」
ん?なんだ?怒っているのか?猫じゃらしで遊び過ぎたか?
長「マヌケ面」
なにっ…!長門今何と?
長「ねこ(ry)の声を人間に分かるように翻訳した」
そうか、一瞬長門が言ったと思ってびっくりしたぞ。
しかしシャミ(ry)よ、マヌケ面で悪かったな。元々こんな顔だ。
長「そうゆう意味じゃない。」
ん?じゃあどうゆう意味だ?
長「あなたにもそのうち分かる時が来る」
み「(キョン君の場合、かなり先のような気がしますけど)」
朝比奈さん、何か言いましたか?
み「あ、いえ!今度はねこさん(ry)を散歩に連れて行った方がいいと思いますよ。体の方も動かしてあげないと」
…そうゆうもんですか。仕方ない。もう一回りして来ます。
み「今度はお供しますよ」
長「…私も行く」
二人とも?ハルヒ(ry)が起きたらどうするんです?
長「大丈夫。暫くは起きない」
そ、そうなのか。しかしこれは両手に花、デートだ。これはついている!
シャミ(ry)さえいなければな…
シ「………」
…三人と一匹、散歩中…
さて、どこに行くのがいいかね。
長「体を動かすだけだから、どこでもいい」
み「新しいお茶も買いたいことですし、お茶屋さんに行きたいのですが、宜しいですか?」
いいですね。ではそこに。
み「うーん、これなんか甘みがあって良さそう。でもこっちの方が淹れやすそう…。焙じ茶の淹れ方も覚えたいな…」
朝比奈さんは何やら悩んでいる。
そんなに悩まなくてもあなたの淹れたお茶は利久や織部すら咽び泣いて喜びます。
他の奴に与えるなどそんな罰当たりなことは俺が許さないが。
お茶選びに興味のない俺と長門は、シャミ(ry)とじゃれあって遊んでいた。
み「お待たせしました。付き合わせてごめんなさい。少し疲れましたし、お茶にしましょう」
そうですね。近くにコーヒー専門の店があったはずだ。そこに行きましょう。
…そして、俺はシャミ(ry)と店の外で深煎り焙煎のウォータードリップを飲んでいた。
何故かって?その店が「ペットお断り」だったんだよ。
最初シャミ(ry)に待ってもらうように外へ出したんだが、シャミ(ry)は俺に飛び移って放れなかった。
結局、俺だけ入れずじまい。まあ外でも注文受け付けてくれたのは助かったが、折角の両手に花が…
シ「にゃ♪」
しかも自分の分まで注文しやがって。
コーヒーを注文する猫なんて前代未聞だ。
しかも何を思ったのか、ホットを注文しやがった。
シャミ(ry)は俺を睨んでいた。はいはい、分かりましたよ。俺は息をかけて冷ましてやった。
シ「にゃあ♪」
忌々しい。猫にコーヒー飲ませて大丈夫なのか?
あと、ここのコーヒーは結構高いんだからな。絶対後から請求してやる。
※ハルシャミ保守 2日目(佐々木編)につづく