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「喜緑」
「何でしょうか、会長?」
「辛いなら構わないんだぞ」
「何の話でしょうか?」
私は会長の背中を追ってSOS団の方々を皮肉る光景を見せられてから生徒会室に戻った直後だった。
その口は少しだけ哀れむように歪んでいたが少しだけ人間味はそこにあった。
普段感じてイメージが仮面道化師であっただけに少しエラーが起きる。つまりは戸惑っていた。
「とぼけなくとも良い。お前、SOS団の誰かに思慕を抱いてるな」
思わず息が詰まるかと思った。気付かれていた?それかカマをかけられているのか。
私は冷静を装って返答を返す。
「どういう意味でしょうか?」
「お前、キョンが好きなんだよな。違うか?」
私はそこでふと会長が何故こんな事を聞いて来たのたろうかと疑問に思った。
そして『機関』の外部協力者である事を思い出した。となると、結論は決まっている。
「古泉一樹の代理ですか?」
そう言うと会長はククッと暗鬱でも爽やかな笑みをうっすらと漏らした。
「その通りだ・・・ふふっ。困ったもんだな。どうして気付いた?」
「貴方がそんな事を聞いてくるとは思えませんから。と、なると違う思惑、つまりは第三者の介入を疑うのが妥当かと思いまして。
そしてプライベートで会長と関係があるのは知ってる範囲では古泉一樹しかいない」
「流石は有能な秘書だ・・・ふふっ。でも、事実であろう?キョンが好きであるのは」
この人にはどんな嘘も見抜かれる。私はコクリと頷いた。
「はい。ですがそれが古泉一樹にバレては私は困る事になります。言ってる事は解りますか?」
「あぁ。俺は演技を見破られた。つまりはある種の勝負に負けた。だから古泉には否定したと伝えておこう」
「ありがとうございます」
「俺とて古泉一樹の言う事を全て鵜呑みにするつもりはない。生徒会長である以上はその職務をこなさなければならない。その上で有能な秘書は必要だ」
「そうですか」
会長はどこか機嫌良さそうに会長席から立ち上がると鞄を持つ。どうやら帰るらしい。
私も鞄を持ってその後を追うように生徒会室から出た。そこで
「さて、噂をすれば何とやらだな」
会長が楽しそうに笑った。そこに彼が立っていたからだ。
「喜緑くん、お茶を出してあげなさい」
さっと指示が出て私は生徒会室に行く。
「あぁ、いえ、お構いなく」
「ここに来たという事は用事があるのだろう?俺は帰るから何かあるようなら喜緑に尋ねたまえ」
少し強引に会長はキョンくんを生徒会室に押し入れる。こうして二人きりになった。
これは会長なりの優しさだろうか?なら少し恥ずかしい。だけど、喜ぶべきだろうか。
「会長ってあんなに明るい奴だったか?」
キョンくんが首を傾げる。
「あれが彼なりの勝者への品物のようですよ」
「はい?」
私はクスッと笑う。キョンくんは解らないから必死に更に首を傾げている。
「キョンくん。膝枕をして頂けますか?」
「えぇ、もちろん。大好きな人が望むならね」
 
―――あなたの膝枕に私の髪が絡む。
―――ただそれだけの事に感じる。
―――幸せ。
―――眠たくないけどやっぱり寝ます
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