ハルヒの力が失われて数日が経ったある日、朝比奈さんが自分の時代に帰る事になった。
昼間の内に俺以外のメンバーと別れを済ませ、今二人っきりで夜の部室に居る。
「キョン君、本当にお世話になりました。私、いっつもドジで迷惑掛けてばっかりでしたね」

「そんな事無いですよ朝比奈さん。あなたのお陰で毎日楽しかったですよ」

「えへへ、そう言ってもらえると何か照れちゃいますね。最後に褒めてもらえて嬉しいです」

「もう、絶対に会えないんですか?」

「えぇ、もう会う事は無いと思います。だから、最後に1つだけお願い事してもいいですか?」

「いいですよ。何でも言って下さい」

「じゃあ、お言葉に甘えて。私の事「みくる」って呼んで下さい」

「分かりました。えーっと、み、みくる?」

「はい、何ですか?」

「呼んでみただけです」

「もぉ、私の事バカにしてるでしょ!?」
いつかの様にみくるが俺の胸をポカポカ叩いてくる。
「あはは、すいませんでした」
少しするとみくるは叩くのをやめ俺の胸にすがり付いてきた。
「私、もっとキョン君と一緒に居たかった!もっと一緒の時間を過ごしたかった!!」
みくるの肩が震えている。
「俺もですよ。出来る事なら未来になんか行って欲しくない」

「キョン君、私も・・・私も帰りたくなんてないです!ずっと此処に居たいです!!」

「だったら・・・だったら行くなみくる!!ずっと俺の傍に居てくれ!!」
俺は力一杯みくるを抱きしめた。
もう絶対に何があっても放さない!!
と誓ったその時、みくるの身体が淡く光りだした。
「キョン君、もう時間みたいです。一緒に居てあげられなくてごめんね」

「みくる!!行くな!!」
俺は抱きしめる力を更に込めた。
「バイバイ、キョン君」
辺りが光に包まれる・・・
クソッ、結局俺には何も出来ないのかよ!?
・・・・・



光が止んだ時俺はみくるを抱きしめたまま見知らぬ場所に立っていた。
ここは何処だ?
「きょ、キョン君!?な、なんでここに居るんですかぁ?」

「それが俺にもさっぱりで。ってか、ここどこですか?」

「ここは私の時代です」
なるほど、道理で見たこと無い形の建物が多い訳だ。
しかし、俺も多少の事では驚かなくなってきたな。
「まさか、時間を越えちゃうなんて信じられません」

「それだけ俺のみくるへの想いが強かったって事じゃないですか?」

「もう、笑い事じゃないですよ!!」

「そうですね。でも良かった。みくると一緒に居られて」

「そ、それは私もです。キョン君と一緒に居れて嬉しいです」

「みくる・・・」

「キョン君・・・」
気が付くと俺とみくるは街中だというのにキスをしていた。



その後、みくるの組織によって元の時代に送り返されそうになった俺はそいつらを返り討ちにしてやった。
その結果、みくるの所属している組織に入り、今はみくるのパートナーとして多忙な日々を過ごしている。
「なぁ、みくる。今度からはもう少しドジしないようにして欲しいんだが・・・」

「そんなぁ、ちょっと位ドジしたっていいじゃないですかぁ!」

「あぁ、ちょっと位だったらな。だが、恐竜に踏み潰されそうになるのは流石にちょっととは言わないだろ?」

「ふみゅー、キョン君ひどいですぅ!私だって一生懸命やってるのにぃ!!」
一生懸命やってるのは分かるが、毎度毎度これでは身がもたない・・・
みくるのドジは相変わらずで、何度も死に掛けているのだがこれはこれで楽しいと俺は感じている。
「分かった分かった。じゃあ次からはよろしくな、みくる」

「はいっ、頑張りますよっ!!」


Fin

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