*舞台は驚天動地編の翌日です。

 
「涼宮さん、おはようなのねん、ちょっとお話したいけどお時間大丈夫かしら?」

あっ阪中さん、おはよう、大丈夫よ乗る電車にはまだ時間あるし。
阪中さんもこの駅だったのね、……それにしてもなにかしら? ……キョンは今からでるってメールしてきたから時間はあるけど……

「……それで一昨夜はどうだったのねん、キョン君お持ち帰りしたんでしょ?」

…ずばりきたわね……、えと……クラス会のあと……キョンと一緒になって……

「涼宮さんとキョン君のコトだから結局カラオケとか漫画喫茶じゃないかって皆で噂してたんだけど……」

……その……駅前の……ラブホに……ずっと…朝までその……
隠してもしょうがないわね、どうせ谷口が知ってるんだし。

「「「「えーっ!? ホントに」」」」

おっ大野木さん達までいつのまに……、ていうか周りの人がこっちみてるじゃない、もう少し声を落として……

「そっそれでどこまでいったのねん?」

その……入って直ぐにキョンが寝ちゃってあたしも眠くなって……気が付いたら朝で……
そしたらキョンが……あたしを好きだって告白してくれて……それであたしも好きって返事して……

「「「「ふんふん、それで」」」」

そしたらチェックアウト時間の内線連絡がきたからそのままチェックアウトして……

「……そっそれは…なにも無かったということなのね?」

えっキョンが告白してくれたっていったじゃない。
 
「それ以外は?」

……それは……なにも無かったわね……。

「ホントに何もなかったの? クラスの皆には内緒にするから……」
「そうそうあたし達だけの秘密よ」
「口はカタイのよあたしたち」
「絶対漏らさないのねん」

ホッホントにそうだったのよ……。

「……流れに身を任せた熱く激しい抱擁は? 情熱の一夜は?」
「初々しいカップルのようなぎこちない口づけは?」
「激しく熱い情熱的なキスは?」
「脳みそがとろけるような甘い甘い濃厚な接吻もなかったのねん?」

…なっなんにもなかったわよ……、キョンたら……その……

「ちょっと待つのねん、ラブホで一晩中一緒だったのよね?」

そっそうよ、でも殆ど寝てたし……その…なにもなかったわ。

「……二人とも」
「「「超ヘタレね!」」」

……皆していいたい放題ね……orz。

「あっキョン君がきたみたいなのねん」
「あぁそうね、あそこで自転車で信号待ちしてるのキョン君だわ」
「旦那様が来たんじゃ私達お邪魔虫は退散ね」
「じゃ奥様、ご機嫌よう」
そうあれはキョンね、相変わらずの間抜け面で……でも昨日はちょっと悪いことしちゃったかしら。
でも最後はキョンも納得したし……。

「……旦那様、奥様って言われても言い返さない所を見ると確かに二人の仲は進展したみたいなのねん」
「「「そうみたいね…」」」

いやだって……あたし達……、その……昨日入籍したし……。

「「「「!?」」」」

「にゅっにゅうせきって入籍のこと?!」
「「「「えーっ!」」」

だから声が大きいってば……。

「なんでそういうことになったのねん、詳しくはなすといいのねん」
「そうよあたしたち友達でしょ」
「なんでも打ち明けてちょうだい」
「秘密厳守は任せて」

……その…ラブホの件がキョンのご両親とあたしの親にバレて……
そしたらケジメだから入籍だけでもって……
 
「ケジメもなにも何にも無かったんでしょ?」
「「「そうよねぇ……」」」

そうなんだけど親同士で勝手に盛り上がっちゃってあたし達の話を聞かなくて……
それで誤解を解くためにキョンと一緒にあたしの家にいって親父達と2対2で話してたらキョンのご両親がきて4対2になって……

「…それでどうなったのねん?」
「「「……」」」

来るなりキョンのご両親が『あたしがキョンのお嫁さんになってくれて凄く嬉しい』とか『あとはこの婚姻届に二人が名前を書くだけ、準備は全部整ってる』とか言い出して……
婚姻届の用紙見たり『キョンのお嫁さん』って言葉聞いたりしたらあたし…舞い上がっちゃって……その……
熱くなって…気が付いたら…婚姻届にあたしの名前書いてて…そしてみんなと一緒になって5対1でキョンを責め立てて……。
そしたらキョンが『やれやれ』っていいながら婚姻届にサインしてくれて……その足でみんなで市役所の休日窓口に提出してきたの。
だって……だって……キョンのお嫁さんなんだもん……。

「……とりあえずおめでとうといっておくのねん」
「まさに電撃婚よね」
「結婚おめでとう涼宮さん」
「あっ苗字変わったのよね?」

みんなと話したんだけど苗字は学校卒業するまで涼宮のままかな、式や披露宴もその時にと思ってるの……。

「…ということはその…昨夜は新婚…第一夜なのねん?」
「ちょっ阪中さん露骨過ぎ!」
「初夜って言わないだけましよ」
「言ってるジャン、キョン君優しくしてくれた?」

そっそれが……届けを出したあと親たちが内祝いとか言い出してあたしの家で鯛の尾頭付きとか取り寄せてどんちゃん騒ぎを……
親父達がキョンにお酒を無理やり飲ませて……キョンが酔いつぶれちゃって…そのまま親御さんたちがキョンを連れて帰って結局何も……。
 
「……やっぱり二人とも」
「「「超ヘタレね!」」」

いっいいじゃない、いい加減ほっといてよ。あたしとキョンのことなんだから!
大体阪中さんたちこそどうなのよ、いつも女子四人で固まってるけどあんた達こそ彼氏とかいるわけ?

「「「「!…」」」」

「……あっなんだか急に急用を思い出したのねん」
「「「あっあたしも!」」」

「という訳で失礼するのねん、キョン君とお幸せに、あと式には呼んでほしいのねん」
「「「ごゆっくり~」」」

なによ阪中さん達ったら……

「おはようハルヒ待ったか? 今の阪中達か?」

遅いわよキョン、時間は有限なのよ。
まったくキョンはあたしがついてないと駄目なんだから…。

「あぁ…ハルヒ…」

なによ?

「ずっと…お前のこと大事にするから、これからも宜しくな」

バカっ……、あたしも…こっこちらこそ宜しく…。

- 以上で完結です、お粗末でした。

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最終更新:2020年03月13日 03:44