バカップル保守 同棲編
 


 
「お前の部屋か……」
「な、なによ。そんなにマジマジ見ないでよ!」
「意外に可愛い部屋だな。黄色が基調か」
「好きなのよ、黄色。カチューシャもそうでしょ?」
「確かにな。んで人形も多い、と。……ん? 一個落ちてるぞ」
「あーバカバカっ! それ触んないでっ!」
「……俺、か?」
「み、見りゃわかるでしょ。服に名前書いてあるんだから……」
「ハルヒ」
「なによ……もう……」
「顔真っ赤で可愛いぞ」
「う……う……バカっ!」
 
バカップル保守
  


 
「うおっ、俺の部屋よりいいベッドだな」
「でも、あたしはあんたの部屋のベッドのが好きかな……」
「どうしてだ?」
「ほ、ほら。狭い分だけ距離が近く感じるしさ……」
「ハルヒっ!」
「あんたキャラ違う! いきなり抱き付かないでっ!」
 
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「そろそろ離してよ。ご飯作んなきゃ」
「…………」
「寝たフリしてもダメ。早く離しなさい」
「…………」
「ほんとに寝たの? ……じゃあちょっと待っててね。ママを手伝ってくるから」
「……寝たフリすりゃもうちょっと一緒にいられると思ったのにな」
 
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「しかしハルヒの部屋に一人ってのも落ち着かないな」
「勝手にいろいろ見たら殺されそうだしな……アルバムか。これくらいならいいだろ」
「……このアルバム、俺が写ってるやつばっかだ」
「キョン、ご飯出来……ちょっと何見てんの!」
「アルバムだが。……付き合う前からか?」
「う~……」
「そう赤くなるなよ」
「だって恥ずかしいじゃない! あんたと団を作ってからずっとよ! あんたが写った写真は焼き増ししてこのアルバムに入れてたのよ!」
「……二人で写ってる奴はスタンドに飾ろうぜ」
「……うん」
「ははは、顔真っ赤だ」
「う、うるさい!」
 
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「ん、このコロッケ美味いな」
「それはママが作った奴よ。美味しいでしょ」
「この卵焼きも美味い」
「それもママ」
「この煮物も美味いな」
「……それも」
「炊き込みご飯も美味い。絶品だ」
「……あんたね! 少しはあたしが作ったのにも感想を言いなさいよ!」
「どれを作ったかわかんないだろ?」
「うぅ……もういい!」
 
「お、ハルヒ。片付け終わったのか?」
「…………」
「何ふて腐れてんだよ」
「…………」
「俺がお前の作った物がわからないわけないだろ?」
「…………」
「わざとお前の母さんの料理だけ褒めてみたんだよ。ちょっと意地悪したくってな」
「……あたしの作ったのは何?」
「肉じゃがとサラダうどんだ」
「……味は?」
「肉じゃがは最高に美味かったな。サラダうどんはうどんが少し固かった」
「……意地悪しないでよね。あたし本気でショックだったんだから」
「ごめんな」
「もういいわよ。その代わりギュッとしてよ」
「任せろ」
「んっ……。そのまま30分ね」
 
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「なんだと?」
「だ・か・ら! お風呂一緒にはいろ? って言ってんの!」
「……じゃあ俺は寝るから。おやすみ」
「こらっ! 大丈夫よ、背中合わせでもいいからさ。ね?」
「狭いだろ? 無理無理」
「あーあ。キョンはあたしのこと嫌いなのね。あーあ……」
「おい、違うだろ」
「いいもん。あたしもう寝るから。泣き顔見られたくないからあっち向いて寝るわね……あーあ」
「わかった、わかったから!」
「ほんと!?」
「この野郎……やれやれ」
 
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「んっふっふ~……しあわせ~」
「いいか、今日だけだぞ」
「やだ! 週一で一緒に入るわよっ! んふふふ~」
「お、毎日って言わないんだな」
「週一のほうがしあわせを感じれるじゃない! ふふふふふ~」
「ハルヒ。笑いすぎだ。気持ち悪いぞ」
「何とでも言いなさい。あたしね、これするの夢だったのよ。うふふふ~」
「……ほんとにしあわせそうだな」
「だってしあわせだもん。あー、あんたの方を向きたいくらいだわ……ふふふ~」
「こっち向いたら二度と一緒に入らないからな」
 
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「…………」
「ん、どしたの? あたしの顔になにか付いてる?」
「風呂上がりのお前ってなんだか色っぽいな……」
「ば、ばばバカっ! なななに言ってんのよ!」
「風呂の時とは違うくらいにウブに戻ったな」
「……うっさい」
「綺麗だ」
「は、恥ずかしいからやめてよ……」
「可愛い」
「えへへ……や、やめなさいよ。恥ずかしいじゃない」
「ま、とりあえず部屋に戻ろうぜ」
「(え、なに? なんなの!? もしかしてキョン、あたしを今日……)」
 
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「…………」
「何かしこまって座ってんだよ」
「いや、ほら……だ、だってさ……」
「……ははーん。お前、俺が何かすると思ってるだろ。それでさっきから顔が赤いのか」
「ち、違うわよ! 寝るからねっ!」
「……したいのか?」
「う……ダメ?」
「無理すんな。今日は……っと」
「ん……む……うぅ……んぅ……」
「ここまでだ」
「うぁ……キス、やらし、エロキョン……」
 
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「(バカキョンのせいで眠れない……うぅ……ドキドキする……)」
「…………」
「(呑気な顔で寝てるわね……あたしだけドキドキしてるって……)」
「…………」
「(でもすっごい気持ちよかった。キョンってキスしたことあったのかしら?)」
「…………」
「関係無い! 今の彼女はあたしなんだからっ!」
「……うるさい。寝れないから黙って寝てくれ」
 
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「(……もう4時。まだドキドキするわね)」
「(あー、目の下にクマとか出来たらやだなぁ……)」
「(クマ出来ちゃったら休もっと。仮病使って……キョンが看病してくれるかも)」
「(風邪ひきたいな……)」
 
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「うぅ……」
「ハルヒ、おはよう……ってどうした?」
「寒い……」
「おい、こんなに暖かいだろ? まさか……」
「寒いのよ……キョン……」
「お前……スゴい熱だぞ! 何しやがった!」
「知らないわよ……バカキョン……」
「ちょっと待ってろ! 今ハルヒの母さん呼んで来るからな!」
「……待ちなさい。一緒に居てくれるだけでいいから」
「でもな……」
「あんたがずっと一緒にいたら、目を覚ましたら治ってるから……おやすみ……」
「おいおい。どんな理由だよ」
 
もちろん誰かの能力が発動したバカップル保守
  


 
「ようやく起きたか。熱は?」
「全然へーきみたい。……キョン、一瞬も離れずにいてくれたでしょ」
「確かにそうだが……なんでだ?」
「あたしの風邪が治ってるから。寝ちゃう前に言ったでしょ?」
「あのな……。そんなので治るかよ」
「治るのよ。病は気からっ!」
「……おい。ということはお前は病気になりたいって思ったのか? 病は気からなんだろ?」
「……そ、そんなわけ無いじゃない!」
「なんだ、その間は。やれやれ」
 
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「すいません遅刻しましたー」
「…………」
「ん、あぁ。ハルヒとはそこでたまたま会って……」
「…………」
「どうぞ授業を」
「バカキョン。諦めなさい。みんな薄々気付いてるわよ」
 
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「……まぁ、付き合ってるのは言うまでもなく、同棲中……だ」
「えへへ……」
「谷口も阪中もそんなに驚くな。国木田を見習え」
「あーやだ、恥ずかしくてなってきちゃった」
「というわけだ。まぁ……何も変わりはないから」
「キョン。あたし部室でサボるから昼には来てね」
「ん……いや、俺もサボるからちょっと待ってろ。……3人とも、そんな目で見ないでくれ」
 
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「あ、有希」
「長門? まさか……お前もサボリか?」
「そう」
「ふーん。まぁ有希もあたしと同じくらい頭がいいから授業なんてつまんないわよね」
「……じゃあ頭の悪い俺は授業に戻るかな」
「あーうそうそ! 冗談よっ!」
「あ、そういえば長門は知ってるのか? 俺たちが……」
「知ってる」
「うれしくってあんたと付き合った日にみんなには電話しちゃった」
「人に相談もなく……」
「あー! ごめんって! 悪かったからふて寝なんてしないで!」
「ここは文芸部室。お静かに……」
「「……すいませーん」」
 
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「……なに」
「お、目を覚ましたか。けっこうグッスリと寝てたな」
「有希の寝顔、バッチリ写真に収めたわよ」
「…………」
「あたし、有希みたいな子どもが欲しいわ。だって有希ってば可愛いんだもん!」
「子ども作るには行為がいるんだぞ」
「……そだ! 有希、あんたあたし達の養子になりなさい!」
「まだ結婚はしてないぞ」
「あぐ……。じゃあ一緒に住むわよ!」
「諦めろ。長門にもいろいろあるんだからな。それより飯は……」
「あぁっ! 教室に置いてきちゃった!」
「じゃあ取りに行くか。長門、また戻ってくるからな」
「……静かに本が読みたい」
 
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「んふふ~」
「いくら授業中だからって学校内で手を繋ぐなよ」
「いいじゃない。誰も見ないわよ」
「もう授業が終わる時間だからそろそろ人来るぞ」
「大丈夫よ。あんたしか目に入らないから」
「さらっとそういうことを言うな」
「あ、珍しくキョンが照れてる。可愛いわよ」
「……お前の方が可愛いけどな」
「ばっ……もう! そういうこと言うのやめなさい!」
「お、またハルヒが照れてる。可愛いぞ」
「うぅ……バカッ!」
 
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「ほら。長門、お前にも差し入れだ」
「……ありがとう」
「3人でご飯食べましょっ!」
「今日は箸忘れて無いよな?」
「もちろんよ! ……あ、あれ?」
「おい」
「……ごめん」
「やれやれ。結局またこれか」
「ほんと……ごめん。あーん……」
「長門の見てる前でこれは羞恥プレイだな……」
「…………(順番に一人ずつ食べる発想が出来ないバカップルっぷり)」

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「あれ? 有希、帰っちゃうの?」
「……午後からは図書館に行くつもりだったから」
「出て行ったな」
「……出て行ったわね。気を遣ってくれたのかしら?」
「だな」
「……甘えていい?」
「よく我慢したな」
「大好き。ほんと我慢してて疲れたわよ……」
「帰るまでは腕までだぞ」
「……いいじゃない。ケチケチしないで抱き付かせてよ」
「ダメだ」
「あ、じゃあ一瞬でいいからキスしてよ」
「ダメだって」
「けち……」
「我慢したら帰ってからたくさんしてやるから」
「約束だからね」
「あぁ」
「じゃ、あたし達も帰るわよっ!」
「……その手があったか」

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「キョン。ここはどこでしょっ!?」
「ハルヒの部屋だな」
「約束は?」
「帰ったらたくさんしてやる……だったか?」
「ん~……」
「唇を突き出して待つな。アヒルか、お前は」
「そんなことどうでもいいの! 我慢したんだから早くしなさいよ!」
「はぁ……やれやれ。とりあえず着替えさせろ。制服は窮屈だ」
「む~、わかったわよ。待って……んむっ!? ん、んぅ……んー! んー!」
「この前より一段階アップな」
「……びっくりした。ダメ、あたしドキドキして動けない」
「動く必要無いだろ? しばらくは家にいるんだし」
「不意打ちな上に抱き締めながらなんて……。あ、まずいわ……」
「どうした?」
「今日の夜も寝れない……たぶん。ねぇ、あたしの心臓の音聞こえてないわよね?」
「聞こえるわけないだろ? 大袈裟だぞ、ハルヒ」
「(ほんとバカなんだから……。この前のキスの時の音より3倍は大きい音がしてるのよ)」

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「…………」
「ねぇ。なんでいきなり昼寝なのよ」
「…………」
「あたし寝れないって言ったでしょ?」
「…………」
「意地悪しないでよ……」
「…………」
「ね、早く起きてよ。どっかに遊びに行ってそのまま晩ご飯の買い物行こ?」
「…………」
「ずるい……あんたは寝れるけどあたしはドキドキしっ放しなのよ?」
「……これなら落ち着くだろ。寝ろ」
「(あ……そういえば初めて腕枕してもらっちゃった。余計に眠れなくなったけどしあわせだからいいや……)」

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「そろそろ晩ご飯の買い物行かなきゃ」
「……ハルヒの母さんは?」
「まだみたい。でも今日は2人で行けばいいじゃない」
「ダメだ。ちゃんと3人で行くぞ」
「あたしと2人じゃ嫌だって言うの!?」
「逆だ。2人だから一緒にくっついていたいんだろ?」
「あ……しょ、しょうがないわね! ママがいないと荷物を持ち切れないからなんだからねっ!」
「ハルヒ。うれしそうだな」
「そんなわけ無いじゃない! 早くママ帰って来ないかな~!」
「(とか言いつつ最高に良い笑顔してるんだもんな)」


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「あ、ママ帰ってきた」
「…………」
「ちょっと。行くわよ。離して立ち上がってよ」
「……ハルヒの母さんが呼びに来るまでは一緒に居ようぜ」
「何言ってんのよ! もうママ来てるわよ!」
「……ハルヒ。今日はお前の炊いた米食ってみたい」
「わかったわよ。あたしが炊いてあげるから……え? どうしたのよ、ママ。キョンの顔を指さして……」
「……違うって。来週は映画だ」
「ね、寝言……。ま、ママ! そんなに笑ったら可哀相でしょ! ……二人で買い物行こ」
「……バカハルヒ。好きだぞ~」
「はいはい。あたしも大好きよ。言ってきます……チュッ」

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「…………」
「キョン。ご飯出来たわよ……ってなんで怒ってんのよ?」
「なんで起こさなかったんだよ」
「起きなかったのよ」
「俺、そんなに寝てたのか?」
「そりゃもうグッスリよ。ママが大笑いしても起きないくらい」
「全然気付かなかったな。……なんだ? 今日はえらく豪勢な飯だな」
「ま、ママが良いことがあったからたくさん食べたいって言ったの!」
「ふーん、そっか。あ、ハルヒのお母さん、おめでとうございます。何かわからないけどよかったですね」
「(言えないわ! 気がついたらキョンの好きな食材をたくさんカゴに入れてたなんて言えない!)」

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「あ、いえ。荷物持ち出来なかった分は片付けを一人でさせてください」
「はい。大丈夫ですからコーヒーでも飲んでゆっくりしててください」

「なによ、ママ。ニヤニヤして……」
「そうじゃ無いわ。キョンはお人好しなだけよ」
「だから! あたしは尻に敷いてないってば!」
「ハルヒー。聞こえてるがたぶん尻に敷かれてるぞ、俺」
「あんたは黙ってなさいっ!」
「ママ! 『ほら、やっぱり』とか言わないで! ……あたしがぞっこんなだけなんだから」
「い、言わないでよ。キョンに今の言葉聞かれたら恥ずかしくて死んじゃうから」

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「久し振りにあれだけの量を洗ったな……疲れたぞ」
「お、お疲れ様……」
「どうした? やけにグッタリしてるな」
「ママに苛められたのよ……」
「はははっ。そりゃ大変だったな」
「大変よ……。あーあ、癒して欲しいなぁ……」
「ほらっ。来ていいぞ」
「ん。……やっぱりここが落ち着くわ」
「そりゃどーも」
「あたしの特等席だわ。……誰にも渡さないからね」
「浮気なんかするかよ」
「よろしいっ! お風呂まではあたし、特等席で寝るから。おやすみ……」
「……そういえばお前寝れないはずだろ。まだドキドキしてて」
「……バレちゃった? 離れてほしくなくて」
「一言そう言えば離しはしないっての」

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「今日も良い湯だったな」
「一緒に入りたかったのに……」
「週一のはずだろ」
「なんで週一なんて言っちゃったんだろ……」
「俺が知るか」
「ふ、ふんっ! あたしがお風呂に入ってる間に孤独でも感じてなさい!」

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「エラく早い風呂だったな?」
「あんたが淋しがってると思って早く上がってやったのよ。感謝しなさい」
「お前な……。入る前にあたしが~~とか言って……お、わかったぞ。お前が孤独を感じて淋しくなったんだろ?」
「ち、違うわよっ!」
「あ、じゃあ俺コンビニ行ってくるから」
「え? ちょっと……」
「あー、誰かが淋しいから行かないでって言えばやめるけどな」
「…………」
「じゃ、ハルヒ。行ってきまーす」
「……淋しいから行かないでよ。バカキョン」
「わかったよ。しょうがない奴だな」
「いつか絶対仕返ししてあげるんだから……」

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「やっぱり寝れない……はぁ」
「しょうがないな」
「あら、キョン。起きてたの?」
「いいか、ハルヒ。俺の言う通りにしろよ」
「よくわかんないけど……わかったわよ」
「まずは目を瞑れ」
「うん」
「ほい。普通にしてろよ」
「抱き返しちゃダメ?」
「ダメだ」
「あ、気持ちよくて落ち着く……」
「俺がこうして撫でてても喋るなよ。もう口を開くな。わかったら頷け」
「…………」

「ハルヒ」
「すぅ……すー……」
「よし。寝付いたか。おやすみ……」
「すぅ……すぅ……」

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「寝顔、メチャクチャ可愛いよな」
「…………」
「ま、普段も可愛いけどな」
「そんなにドキドキしないでくれよ。結婚式の時は大勢の前でキスなんだからな」
「……ごめん」
「起きてたのかよ……」
「あんたが可愛いなんて言うから起きたの。……また寝るから」
「おやすみ……どした?」
「撫でて」
「あぁ。さっきのか」
「ふふ……おやすみ」

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