バカップル保守ちょっとした同棲編
 


 
「キョンくん起きて~!」
「ぐっ……妹よ。顔に乗るのは反則だ」
「ハルにゃんとおかーさんの手作りご飯が待ってるよ! 先に行ってるねっ!」
「……朝ちゃんと起きれないのは俺だけか。やれやれ」
「そうよ。ちゃんと早起きしなさい」
「ハルヒ。おはよう。何しに2階に来たんだ?」
「…………。こ、これだけ! 早く降りて来なさいよ!」
 今のはアレだろうな。おはようのキスってやつだろうな。きっと。
 
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「キョン、おかわりは?」
「いらん」
「妹ちゃんは?」
「いる~!」
「あ、えっと……キョンのお母さんはいりますか?」
「うふふ……『おかあさん』でいいわよ。あたしはいらないわ」
 
「どうしてうちの親のことを『キョンのお母さん』なんて長ったらしく呼んだんだ?」
「……あんたには一生わかんないわよ。って、離しなさいよ。何で抱き付いてんの」
「無防備だったからつい……」
「ん……。あたしも無防備だから『つい』しちゃった」
 本日二回目のキス。これはこれで幸せだからいいかもな。
 
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「ねぇ。一緒に登校してもいいの?」
「当たり前だろ。何言ってんだよ」
「だってバレちゃうかもしれないのよ?」
「同じ部活の仲間だし一緒に登校くらい問題ないだろ。それに俺はバレたって構いやしない」
「……なんでよ」
「堂々とイチャつけるからだ」
 
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「ねぇキョン」
「どうした?」
「呼んだだけよ」
「あのなぁ……あ、気にせずに授業を」
「ちょっと耳近付けて」
「ったく……なんだよ」
「……今日はあたしも弁当よ。キョンのママと一緒に作ったから」
「……ほう」
「だからバカ谷口と国木田から逃げて屋上に来なさい。待ってるから」
「わかった。メチャクチャ楽しみにしとくからな」
「うん!」
「だから授業中だって言ってるだろ!」
「……二人とも立ってろ」
 
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「待たせたな」
「遅い! さぁ、食べるわよ!」
「あぁ。もう腹ぺこだよ」
「……ごめん、キョン。あんたの分のお箸忘れちゃった」
「……おい。手掴みで食えってのか?」
「責任取るわよ。はい、あーん……」
「…………」
「次は何がいい?」
「……卵焼き」
「あーん……」
「…………」
「次は?」
「ごはん」
「あーん……」
「…………」
「次は?」
「……ハルヒ。お前わざと箸忘れただろ」
「……うん。……ごめん」
 
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「……ごちそうさま」
「よしっ! じゃあ待っててね。あたしもちゃっちゃとご飯済ませるから」
「は? 何言ってんだ。早く箸かせよ」
「……え? じ、冗談でしょ? 食べにくいじゃない!」
「うるさい。はい、あーん……」
「…………」
「次は何だ?」
「ミートボール……」
「ほら。あーん……」
「…………」
「次は?」
「……明日からはちゃんと二組のお箸を持ってくるわ」
「そうしてくれ。ほら、ご飯だ。あーん……」
「うぅ……失敗したわ……」
 
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「良い天気ね……」
「そうだな」
「すー……すー……」
「寝るな」
「くー……くー……」
「……もうちょっと一緒に居たいのか?」
「……うん」
「やれやれ。6限はちゃんと出るからな」
「……うん」
 
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「キョン」
「ぐー……ぐー……」
「6限始まるわよ」
「すー……すー……」
「わかった、もうちょっと一緒に居たいんでしょ?」
「ぐー……ぐー……」
「しょうがないわねぇ。帰りのHRまでには戻るわよ」
「すー……すー……」
「……気持ちよさそうに寝てないでなんとか言いなさいよ、バカ」
 
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「あたしキョンのお嫁さんになるわ」
「何を唐突に」
「あんたの寝てる顔があまりにも可愛いくて毎日見たいから」
「そりゃどーも」
「今だってあんたの家に住んでるし何も変わらないわよね」
「…………」
「あ、そーだ。キョンのママに卵買ってきてって言われてたんだった。あんた先に帰ってて」
「あぁ」
「また後でね!」
「(やっぱりこのままじゃダメだよな。ハルヒの家、行ってみるか……)」
 
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「あ、ども。ハルヒの彼氏をやってるんですが……」
「えぇ、そうです。こないだ泊まったのも俺の家で、今もうちに住んでます。すいません」
「迷惑じゃないです。個人的には嬉しいし……でも、喧嘩したままじゃなんか後味悪いでしょう?」
「そうですそうです。俺だって一緒に住むなら合意の元でがいいですし……」
「今から話だけでもしに来てくれませんか? ……はい、ありがとうございます」
 
「(ハルヒ、怒るだろうな。下手したら別れるとか言われるかも……やれやれ)」
 
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「ただいま」
「おかえりキョン! ま、ママ……」
「話、しろよ。喧嘩してそのままなんてダメだ」
「嫌よ! だって、だって……」
「話をしないなら……俺はお前を嫌いになるからな」
「もう……バカ……。わかったからそんなこと言わないでよ……」
「悪いな。……俺の部屋使っていいからお前の母さんとしっかり話してこい」
「うん……わかったわよ」
 
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「……ん、終わったか。その笑顔を見ると……仲直り出来たみたいだな」
「ふふふ……やっぱりママはあたしの大好きなママだったわ!」
「そりゃよかったな。あれ、もう帰るんですか? ……へ? 『ハルヒをよろしく』? そりゃどういう……」
「んふふふ……」
「ハルヒ。その笑い方はなんだ。おい、母さん。どうなって……は? 何も知らないのは俺だけ? みんなで笑顔作ってなんなんだ?」
「つまりこういうことよっ!」
「うわっ! いきなり抱き付くな! まさか……おいおい」
「これからは2週間交代で引越しだからね!」
「な!? そんなバカな真似が……」
「問答無用ぉ!」
「うわっ! 親が見てる目の前でキスとかするなっ!」
 
バカップル保守ちょっとした同棲編 終
  


 
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最終更新:2020年03月13日 09:07