俺と長門が隠れて付き合いはじめてから2ヶ月が立つ。
おそらく古泉は気づいてるだろうが何も言ってこない。まあいいだろ、そのほうがこっちも楽だ。
 
最近になって長門の新たな一面を発見した。
それは、SOS団がいつも集まる喫茶店での話だ。
 
俺がトイレで用を足して出てくると長門が目の前にいた。
 
キョン「・・お、長門もか・・・」
 
俺はあたふたしてそう言った。なんてデリカシーのないセリフだ。
けど自分の後に好きな女の子がトイレに入るのかと思うと、なんともいえない嫌な気分になる。
 
しかしそのとき長門は用を足しにきたわけではなかった。
 
長門「キスしてほしい」
 
俺は驚いた。確かにみんなのいる位置からここの通路は見えない。
しかし長門からそんなお願いをされるとも思っていなかったし、他の客だっている。
それに万一SOS団の誰かが来たら・・・・
 
長門「キスしてくれないのならまた世界を再構成する」
 
そう言うと長門は呪文を唱えはじめた。
 
キョン「え?え、ちょ、ちょっと長門・・・・全く」
 
俺は長門の呪文を唇でふさいだ。
 
長門「ん」
 
どれくらい経っただろうか。実際には30秒くらいだろうが俺には一時間にも二時間にも感じられた。
舌を絡めた深いキス。
 
キョン「ほら、これでいいだろ。もうそういうことは言うなよ。」
 
俺は照れ隠しのようにそういうと、長門はほんのほんの少し、イタズラっ子のような笑みを浮かべ、
 
長門「保証はできない」
 
そう言ってトイレに入っていった。
俺は嬉しいような悲しいような、いや、はやり嬉しいんだろう。
どうしたもんかなあ、とりあえずいつものように溜息をつくと、
 
ハルヒ「そんなとこでずっと突っ立って何してんのよ」
 
キョン「うわあああ!!?!」
 
店中に響くような声で驚いてしまった。前を見るとハルヒがいた。
 
ハルヒ「邪魔で通れないんですけど」
 
キョン「あ、ああ、悪い」
 
ハルヒはそういってトイレのほうに入っていった。
 
しかし、長門が俺にいじわるをするとは・・・・・ひょっとしてあいつSっ気あるのか?
 
これからのことを考えつつ、また俺は溜息をついた。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年03月12日 20:31