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冒頭陳述
 被告人キョンは、現在、北高に在学する学生であるが、同高に在学する涼宮ハルヒが自己に好意を抱いていることに気づかず、また、自己も涼宮ハルヒに好意を抱いているにもかかわらず、それを素直に表さず、涼宮ハルヒの心の平穏を乱したものである。
 罪状:鈍感罪及び第一級ツンデレ罪

 


(長門裁判官)「被告人は、罪状を認めるか?」
(キョン被告人)「まったく身に覚えがねぇな」
(長門裁判官)「被告人は、罪状を否認したものと認める。弁護人、何か意見はあるか?」
(朝比奈弁護人)「ええと、鈍感なことはわざとじゃないですし、キョンくんに罪はないと思います。
みんな、キョンくんは素直じゃないっていいますけど、好きなのを態度で表すって恥ずかしいじゃないですか。
それに、ツンデレといえば、涼宮さんも同罪です。キョンくんばかりを責めるのはいけないと思います」
(長門裁判官)「検察官、弁護人の主張に対して反論はあるか?」
(古泉検察官)「弁護人の鈍感罪に対する主張は、故意を否定したものといえましょうが、鈍感罪は過失犯です。故意の有無は関係ありません。
まあ、確かに、涼宮さんも素直じゃないですが、被告人とは一年間以上も同じクラス及び同じ部活ですごしてきました。それほどの時間を共有していれば、涼宮さんの態度が被告人に対する好意を表すものであるということは、一般平均的な男性なら容易に分かることです。
しかし、被告人は、一般人に要求される注意義務を果たさず、これに気づかなかった。これは、重大な過失といえるでしょう。
 また、弁護人は涼宮さんのツンデレを主張しますが、被害者がツンデレだったからといって、加害者のツンデレの罪が軽減されるわけではありません。
それに、涼宮さんのツンデレはまだ好意が分かりやすいところがあります。せいぜい第二級ツンデレ罪といったところでしょう。
それに対して、被告人のツンデレは、誰にも聞かれないモノローグですら素直でないという非常に重度なものであり、情状酌量の余地はありません。第一級ツンデレ罪による厳重な処罰を求めます」
(長門裁判官)「弁護人、検察官の主張に対して反論はあるか?」
(朝比奈弁護人)「ええと、ですから、わざとじゃないんですから、厳重な処罰とかじゃなくて、そのう……もっとやさしくてください……」

 


(長門裁判官)「これより、証拠調べを行う。検察官、証拠物の提出を」
(古泉裁判官)「ええ、事前に提出しました『涼宮ハルヒ』シリーズ全9巻をもって証拠物といたします。これは、被告人の過去一年以上の言動を正確に記録したものです」
(長門裁判官)「弁護人、証拠物に対して何か意見はあるか?」
(朝比奈弁護人)「特にないですぅ。キョンくんのありのままですし」
(長門裁判官)「被告人、何か意見はあるか?」
(キョン被告人)「それが、何で犯罪の証拠になるんだかさっぱり理解できねぇな。どっからどう見たって、俺の品行方正な日常の記録だろうが」
(長門裁判官)「検察官、被告人の主張に対して反論はあるか?」
(古泉検察官)「被告人は、証拠物に記述されている内容の真実性については、否定しないのですね?」
(キョン被告人)「ああ」
(古泉検察官)「裁判官、被告人は証拠物の証拠能力を認めました」
(長門裁判官)「了解した」
(キョン被告人)「おいおい、だから、なんでそれが俺の犯罪を証明することになるんだよ?」
(長門裁判官)「被告人の主張は、証拠能力の否定ではなく証明力の否定。弁護人、そう理解してかまわないか?」
(朝比奈弁護人)「ええと、よく分かりませんけど、たぶんそうかなぁ……」

 

 


(長門裁判官)「これより、証人尋問を行う。証人、被害者涼宮ハルヒ、前へ」
(証人涼宮)「キョン! 年貢の納め時よ! 観念しなさい!」
(長門裁判官)「証人、不規則発言は慎むように。では、証言を」
(証人涼宮)「キョンったら、私がこんなにも……(1時間ほどの発言内容は中略)……これはもう、死刑に値する犯罪だといっても過言ではないわ!」
(長門裁判官)「弁護人、この証言に対して何か反論はあるか?」
(朝比奈弁護人)「涼宮さん。確かにキョンくんも悪かったと思いますけど、涼宮さんの態度も問題だったと思います。涼宮さんが素直に好きだっていえば、キョンくんだって応えてくれたんじゃないですか?」
(証人涼宮)「だって、恥ずかしいし……」
(朝比奈弁護人)「恥ずかしいのは分かりますけど、キョンくんみたいな人には直球勝負じゃないと通じないんです!」
(古泉検察官)「裁判官、発言の許可を求めます」
(長門裁判官)「発言を許可する」
(古泉検察官)「弁護人の主張は、被告人の犯罪の成否には無関係なものです。せいぜい情状酌量の際の考慮要素といったところでしょう」
(長門裁判官)「弁護人、検察官の主張に反論はあるか?」
(朝比奈弁護人)「ええと……ありません……」
(長門裁判官)「被告人、証人の証言に対して何か反論はあるか?」
(キョン被告人)「黙って聞いてりゃ、勝手なことぬかしやがって。おまえのあの態度のどこに好意があるってんだ。誰だって分かりっこねぇつうの。
そもそも、何で俺がおまえみたいな奴を好きになんなきゃならねぇんだよ」
(証人涼宮)「往生際が悪いわね! 素直に認めなさい!」
(長門裁判官)「証人、被告人の量刑について、何か意見はあるか?」
(証人涼宮)「死刑! って……いいたいところだけども、私も鬼じゃないし、素直に罪を認めるんなら、軽くしてやってもいいわよ」
(長門裁判官)「以上で、証拠調べ及び証人尋問を終了する」

 


(長門裁判官)「検察官、最後に主張したいことはあるか?」
(古泉検察官)「さきほどの被告人の発言からも分かるように、被告人の罪状はきわめて悪質です。法定刑の上限、無期懲役に処するのが適当だと申し添えておきます」
(長門裁判官)「弁護人、最後に主張したいことはあるか?」
(朝比奈弁護人)「確かにキョンくんも悪かったですけど、涼宮さんだって悪いところはあったわけですし、キョンくんもわざとじゃないですし、そんなに厳しく罰しないでくださいですぅ」
(長門裁判官)「被告人、最後に主張したいことはあるか?」
(キョン被告人)「だから、俺は何にも悪くないっつうの!」
(長門裁判官)「以上で、審理を終了する」

 


判決
 被告人を懲役十年に処す。ただし、刑の執行を一年間猶予する。猶予期間中は、保護観察に付し、涼宮ハルヒとの同棲を条件とする。

 

 


(キョン)「ちょっと待て! なんでこんな奴と同棲しなきゃならんのだぁ!」


(古泉)「往生際が悪いですね。年貢の納め時ですよ」
(朝比奈)「キョンくん、素直になってくださいね」
(長門)「自業自得」


(涼宮)「さぁ、行くわよ、キョン! 夢のスイートホーム!」
(キョン)「誰か助けろぉー!」


(古泉)「やれやれ」

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