「・・・」
僕はクラスで授業を受けている。何事も無い平和な時間が過ぎている。
思わず、猫みたいにうにゃ~んとしたくなる。僕、実は女の子ですから。性別が関係あるかはともかく。
冬特有の澄んだ日差しで睡魔に蕩けたくなってくる。
しかし、油断してはいけない。それは僕にとっては命取りなのだから。
だからこそ近隣住民を皆避難させているのだから。
この学校の中心に半径2000mには人は居ません。
この学校の生徒を除いて。
ふと僕は窓の外を見た。


そして、突っ込んでくるロケットランチャーの弾が見えた。


咄嗟に僕は掃除用具入れの中へと飛び入った。
むにゅ、という感触が・・・えっ、むにゅ?
「ひゃうっ!!か、感じちゃった・・・えへへ☆」
「何やってるんですか、森さん・・・」
制服を着た森さんが何事も無いかのようにそこに居た。
「此処なら安全と思ってずっと隠れてましたぁ。森ちゃん天才ちゃん☆てへっ♪」
森さんが言い終わると同時に爆音が轟いた。
「「「モルスァアアアアァァァァァアアァァアアァァ!!」」」
教室からクラスメイトの断末魔の叫び声が聞こえた。
ごめんね。助けられなくて。
そう思いながら用具入れから出る。
「よっ、古泉。お前は無事か」
何気ない表情で僕の隣の席に座っている理工田 或徒(りこうだ あると)、もとい新川さんが無傷で笑っていた。
ちなみに顔には自称メイクをしたとの事ですが、どう見ても童顔です。どんなメイクという魔法を掛けたんですか。
それよりも今更ですがその名前は無いと思いますよ。どう見ても名前がアルトリコーダーです。っていうか、
「貴方は不死身ですか」
あの爆風の中よくもまぁ無事で。
よくよく考えれば掃除用具入れごときに隠れていた僕や森さんが無事なのもおかしい話ですが。
「いや、忍術使ったんだ。自分の身代わりに何か別のものをおいて逃げるとかいう」
「それ身代わりの術って言うんですよ」
「マジで!?・・まぁ、いいや。これで生徒会長のアナルを彫りに・・・・」
「その前に彼を守る事を優先してください!!」
「あらかわーん・・・」
カチンと来た。新川さんのショボーン顔に。ただ、カチンと来ました。


※しばらく音声だけでお楽しみ下さい
「うわ!やめ、OK、度が過ぎたのは謝るか(バキッ)ぎゃー!!
痛い、痛いって、うぎゃぁぁぁあああ!!ジィィィイィザスゥゥゥゥーーーー!!!
ちょ、待てって!それ食らったら死ぬ!死ぬって!!」
「主よ、この不浄を清めたまえ!!」
「もぎゃぁぁあああぁぁぁぁあああああぁぁ!!
 マイアナールが!!マリアナ海溝並に深く。まさしくマリアナル海溝だね。
 うお、古泉落ち着け。よ、余裕じゃないんだって!!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁァッッッーーーー!!」


ドスドスッ!!グチャッ!!バキバキバキバキバキッ!!ゴキッ!!ベチャッ!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「さて、多丸兄弟と合流しないとな」
傷だらけの新川さんはそう言いながらプルプルと震えながら無線機を取り出した。
あれだけ攻撃食らわせたのにまだ生きていられる新川さんの異常な生命力には感心します。
「聞こえるか」
『OK』『OK』
無線機から重なって二人の声が聞こえてくる。やっぱり兄弟ですか。
「これより反機関を真正面からぶちのめす。遠慮はするな。気になる奴が居たらアナル掘っても良い」
『それはあんただけだ』『それはあんただけだ』
同じ回答が同時に無線機から発せられる。
「あらかわーん・・・」
あぁ、むかつく。新川さんのショボーン顔。
ほら、どこからともなく殺気が二つ近づいてきましたよ。
『・・・俺達』『多丸兄弟』
『今』『貴方の』
『後ろに』『居るの』
「え・・・うぎゃぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!」


※もう一回しばらく音声だけでお楽しみ下さい
「うわ!やめ、うん、再び度が過ぎたのは謝るか(ベキッ)モルスァァァアアアッッッーーー!!
痛い、痛いって、もぎゃぁぁぁあああ!!イエェェェスゥゥゥゥゥゥゥーーーー!!!
ちょ、待てって!それ食らったら逝く!今度はマジで逝くって!!」
「サタデーナイトフィーバー!!」 「出番あるねー!!」
「もぎゃぁぁあああぁぁぁぁあああああぁぁ!!
 マイテドドーンが!!テポドンとノドンよりも高く高く!!まさしくハイスペックテノドドンだね。
 よし、多丸落ち着け。どちらの事を言ってるんだって二人ともに決まってるだろ!!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁァッッッーーーー!!」


ドスドスッ!!ベキベキベキッ!!チャンッ!!ドンッ!!ゴーンッ!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「みんな!敵さんが来るよー☆」
森さんの言葉に僕たちはハッとする。
そうだ。こんなド変態に関わっているような暇は今は無い。
今日は反機関組織が学校に襲撃を掛けてくると言う訳解らん事をしでかしてくるという事で学校内に機関の人を沢山配備させたのだ。
近隣住民を避難させたのもその為。相手は過激な行動を取る事で有名なのだ。
そんな最中に学校生徒が居るのは森さんが学校に手配を回すのを「てへっ♪」と忘れたため。
おかげでクラスメイト一気に四十人近く昇天です。南無南無。
「他の生徒は大丈夫なのか?」
完全に自己再生した新川さんが尋ねてくる。
「長門さんと喜緑さんに頼んで教室から出ないようにしてもらいました。
 各教室には外部との接触をすべて断つプロテクト掛けてあります。外部の音や景色、および外部へ出る事が出来なくなっています。
 ただ、外からの攻撃は銃弾なら防げますがさっきのようにロケットランチャーは防げません」
「っていう事は、会長は生徒会室に閉じ込められている・・・アナル掘るには、最高にハイって機会だぜぇ!!」
ズガーン!!
新川さんの頭にゼロ距離で森さんが無言の笑顔でIWS2000をぶっ放す。
その体が吹っ飛んで壁に衝突する。
「痛いぜ、森」
頭から脳髄垂らしながら笑ってそう言える貴方は間違いなく不死身です、新川さん。
「さぁ、いっくよー♪きゃはは☆」
森さんはそれを無視していつになく楽しそうに笑顔を浮かべています。
機関ってこんなアホみたいな人の集まりでしたっけ?
「あ、ストップ新川さん。腸がはみ出てますよ」
「お、本当だ。サンキュー、古泉」
緊張感無いですね、僕たちは。
どこのどいつですか。こんなメンバーにしたのは。
他のチームは既に銃撃戦になっているというのに僕たちはのほほんとしてます。
さて、新川さんを先頭に置いて僕たちはそれぞれの武器を構えた。ちなみに僕はサコーM60。
選んだのは僕ですが、正直言って腕が痛いです。ミニミの方が良かった・・・かも。
・・・IWS2000を片手で振り回す森さん見てると口に出せませんが。
「わぁい♪死んじゃえー☆あははははー♪」
・・・本当に、口に出せません。怖いです。怖いですよー!
「ちっ、銃弾が切れたか」
新川さんが呟いたのが聞こえる。新川さんを見ると、折りたたみナイフ、もとい折りたたみ鉈を手に構えていた。
「逝ってくるぜ」
なんていう男らしさ。
あ、撃たれてる撃たれてる。不死身っていいなー。・・・しかし、怖いですね。
臓物引きずりながら鉈で遅い掛かるその姿は間違いなくゾンビです。
「アハハハハハハハハハハ!!君達は転校しないよねーー!!!!!!!」
ネタが微妙じゃありませんか、新川さん。
ふと多丸兄弟が見当たらないのに気付いた。あたりを見渡すと。
居た。手にカールグスタフ構えた二人が。
「装填OK!!」 「よっしゃー!!」
ドカーン!
「装填OK!!」 「よっしゃー!!」
ドカーン!
機関総動員で周辺住民非難させといてよかった。
あ~、マンションに当てちゃった・・・あ、倒壊した。
っていうか、いくら近隣住民非難させてるからって・・・これは暴れすぎな気がします。
「今回襲ってきた反機関組織のボスが見えたぞ」
いつのまにか完全に再生していた新川さんがいつの間にか横に立っていた。
「どれですか?」
「あれだ」
僕は指差す方向を向く。そして、目を凝らしてその人物を見る。
あれ・・・


温水よう○ちですか?凄く似てるんですけど。
「あれを消せば良いわけですね」
「そうだ。奴の名前はジャンピエール・チイウヨ・ズミクヌ」
「見た目の割にはいかにも敵っぽい名前ですね」
と、その時、ジャンピエ(略)に飛んでいくロケットランチャーが。
ドカーン!
・・・あれ?終わった。っていうか、倒しちゃった?
あ、みんな後退していく。本当にこれで終わり?
これで良いんだろうか。なんだか微妙な気分なんですが。
ふと、森さんがぷるぷると震えながら泣いていた。そして、
「多丸兄弟・・・森ちゃんの獲物取るなぁぁあああぁぁぁああ(泣)」
そう叫んで多丸兄弟にIWS2000を多量にぶち込んでいた。
お二人とも、ご愁傷様です。
「今回は撃退に成功しましたね」
「そうだな」
僕は大好きな彼を守れたという気持ちで胸がいっぱいだった。
「とりあえず死体処理班に死体処理させましょうか」
「そうだな」

 

その後。
不可視プロテクトの排除を長門さんに頼んだ途端に、学校はパニックとなった。
なんと言っても校庭は大荒れ。遠くのマンションは倒壊してる。
でも、外で何があったかプロテクトで解らないのでチンプンカンプン。
キョンくんや朝比奈さんには前もって言っておいたので良いのですけどね。
ただ、クラスメイトが一気に死んだ事についてどう処理すべきか・・・ん~。
まぁ、機関に任せちゃいましょう。
そして、僕たちは屋上にいた。
「古泉、大変だっただろう」
キョンくんが僕に缶コーヒーを渡してきた。奢ってくれるそうです。
「えぇ、まぁ大変でしたよ」
主に機関の変態が。
「でも良いんです。貴方を守る為ならね」
「キモいこというな。俺は同性愛者じゃないんだぞ」
「失礼」
表面上では笑顔を取り繕って謝罪する。だけど、もし、もしですが。
僕が本当は女の子と知ったら、貴方はどんな顔をするんでしょうか。
いつかはバレるかもしれないこと。その時を思うと不安に囚われる。
その不安を拭うように、
「マッガーレ!!」
「いきなりかよ、アッー!!」
ただ彼のアナルを掘った。そして、彼の温もりに安心を抱いた。


ちなみに、学校内からは生徒会長の悲鳴と新川さんのダンディな喘ぎ声が聞こえたとかどうとか。

 

 


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