狙われた憂鬱



木曜の夕方。赤々とした夕日が部室に差し込んでくる。部室には俺とハルヒしかいない。
俺は某私立大学の赤本を片手に大学受験への準備に勤しんでいる。俺ももう三年生だ受験戦争の真っ只中におかれ少々焦っている。ハルヒは相変わらず勉強しなくても問題がないらしく、団長席でふんぞり返りながらネットサーフィンを楽しんでいる。うらやましい限りだ。
「ちょっとキョン……」
ハルヒが話しかけてきた。ただいつものようなはっきりとした声ではなく、小声で話しかけてきた。珍しい。こいつが満面の笑みで話しかけてくるときはたいてい俺がくたびれる予兆なのだが、こういう風に静かに話しかけてくるときはさらに警戒が必要だ。
何分、何が起こるかわからない。そうあの灰色の世界に閉じ込められる直前が良い例だ。
なんとなく諦めという覚悟を決めている最中ハルヒは続けてこう言い出した
「おかしくない?」

まったく意味がわからない。せめて主語を言ってほしい。いやこいつの言動は主語があっても意味がわからないのだが……

「……何が?」
「世界がよ」

ああ、意味がわからない。大体規模が大きすぎるし意図が汲み取れない。
第一この世界を作ってるのはお前じゃないか。その世界がおかしいと?
とは口に出さず胸中にとどめる。こいつが自分の能力に気がついたときに世界は崩壊するんだっけ。ずいぶんと大仰な爆弾を押し付けられたものだ。
俺が理解できないことを悟ったのか苛々とした声で「ちょっと、わからないの?」と言い出す。

何か思い当たる節は無いかと今日の行動を思い出してみる。
朝、妹に起こされて(それも、俺の上に乗っかって飛び跳ねるというかなり乱暴な方法で)ああ、かったるいなと思いながら制服に着替え、朝食を味わう暇もなくかきこみ、いつもの様に強制ハイキングコースを登って登校し、つまらない古文の授業を受け、何とか睡魔を撃退し授業を乗り切って部室に来た。
うん。
何もない。

変わった事というかいつもと違うことは今この部室には、ハルヒと俺しかいないということだ。
ただこれだって言うほど珍しいことではない。長門は図書館に本を返すといってさっさと帰ったし、古泉はバイトだといってさっさと帰った。
閉鎖空間でも出来たのかと廊下に出て問うと「いいえ。機関に月例報告に行くだけですよ」とあのにやけ顔で答えた。
朝比奈さんがいないのは当然だ。今から6ヶ月ほど前にニコニコ顔に涙を流しながらあの人は、大学へ進学してしまった。
しかし、週末に行われる捜索に彼女も参加しているので、寂しいわけではない。彼女の甘露は恋しいが。

そんな風に考えをめぐらせてみたがやはり何も変化がない。
ただの日常である。

しかし、こいつにはぬぐいがたい違和感のようなものがあるらしい。実際になんとなく、悄然とした面持ちである様にも見える。
そして、もうひとつの違和感の存在に俺は気がついた。
ハルヒがおとなしいということだ。
いや、これはハルヒ自身が感じている違和感の影響らしいので、事態の解決に一役買いそうにはないが、こうおとなしくされると帰って調子が狂うというものだ。
具体的に何がおかしいのか?
それをハルヒの問うが、「それがわからないから困るんじゃない」と答えられた。
正しく違和感だったらしい。
違和感というものは往々にして具体性に欠けるものだ。だが、これでは解決のしようがない。俺は深い迷宮に足を突っ込んでしまったようだ。
とりあえず帰るか。そうだ。ここにいても埒が明かない。外に出れば俺も違和感を感じるかもしれない。具体的な根拠はないが少なくともここで思案に暮れるよりは良いだろう。
「そうね。かえりましょ」
ハルヒは素直に応じた。やはり俺の最大の違和感はこいつが素直であるということだった。
いったい何なんだ?疑念が俺の脳内に巡る。しかし、答えは出ない。また、志向の迷宮に足を突っ込んでしまった。
「ほら行くわよ」
俺はハルヒの声で我に返った。考え事をするとすぐこうだ。ハルヒみたいにすばらしい思考能力があるわけではないので、致し方ないといえば致し方ないのだが。
部室の鍵を閉めて家路につく。しかしさっきのハルヒの話が気になる。一緒に帰っているというのに、会話のひとつもない。ただ無言である。
おそらくハルヒも違和感について考えているのだろう。
ふと、煙草の自販機が目に留まった。煙草でも吸うか……
と煙草を買おうとすると、「ちょっとキョン!まだ煙草やめてなかったの!?」と怒鳴られた。いやはや煙草というものは恐ろしいもので、受験勉強のストレス発散に一服したら、もう病み付きになっていた。
健康志向のこいつに怒られるのは致し方ないが、それでもやめられないのだ。
いいじゃないか。あの神宮寺三郎だって、何も思いつかないときは煙草を吸うんだぞ
あの名探偵は煙草を吸うと解決の糸口をつかむ。俺もそれにあやかろうという魂胆だ。
小銭を5枚入れて女物の「PianissimoOne」という煙草のボタンを押す。軽い煙草だとみんなは言うがそんなことはないと思うぞ。と雑念を交えつつ、吸おうとすると、「ダメよ!禁煙しなさい!」と怒られ、煙草をひったくられた。
一本だけ吸わしてくれよ。そしたら禁煙する。
と何とか説得し一本だけ吸う権利を勝ち取った。
ふー

さっきはあのように宣言したが残りの19本をどうやって吸おうか思案している。これだから禁煙できないのだ。
と胸中で自嘲しながら、煙を呑む。
数度ふかした後舌の上をピリッとした感覚が襲った。

次の瞬間。

俺は病院のベッドに寝かしつけられていることに気がついた。
隣には病室に備え付けられている机に突っ伏して眠るハルヒ。時計は夜の7時を指している。
どういうことだ?
まったく意味がわからない。
俺は確か一服していて……
そして、辛みを感じて……
ダメだそこから先が思い出せない。煙草を吸ったのが5時半ぐらいだから都合一時間半ぐらいの記憶が抜け落ちている。
何気なく、ハルヒの姿を見やる。制服のままだ。ということは帰ってないのかこいつ。
それに、俺の体を襲う異様な疲労感は何だ?まるで、何か運動でもした後のようだ。それに背中全体に鈍痛のような痛みがある。

病室のドアが開く。妹が飛んできた。泣き付かれる。まったく意味がわからない。遅れて父さんと母さんがやってくる。2人は俺が無事に起きてる様を見てひどく安心した表情を見せた。
この喧騒にハルヒが起きた。
「ちょっとキョン!……バカ!心配かけて……よかった……あたし……あたし……」
一瞬怒る様な声で叫んだかとと思ったら泣き出した。いったい何が起きたというのか?こいつの支離滅裂ぶりは今に始まった事ではないが、これは常軌を逸している。
ハルヒをなだめて説明を求めると、俺が煙草を吸っていきなり倒れたのだそうだ。それで病院に担ぎ込まれたわけか。医師の診断によると貧血らしい。
おかしいな今まで貧血になんかなったことないのに。まあ、いいや。貧血ならなんとなくこの体を突き抜ける疲労感についても説明がつきそうだ。
ハルヒも落ち着いてきたようだし、俺も少し休みたい。面会時間も終わりに近いようだったので、家族とハルヒには帰ってもらおう。
その旨を俺が言うと、ハルヒは少し不服を訴えたが、俺のいうことに一理あると思ったのかやすやすと引き下がった。どうもこいつが素直に言うことを聞くというのには違和感がある。

すこし、考え事をしていた。
いったいなんだって言うんだ。今になって考えると少々違和感がある。
貧血で倒れただけだというなら、あのハルヒのリアクションは合点が行かない。まるで意識不明の重体で数日間生死を彷徨っていた人間に対するリアクションではないか?
それに背中が痛いのはなぜだ?
疑問符がいくつも生まれていく。そしてそれに対する回答は見つからない。いいや、寝よう。明日に先送りだ。
俺は目を瞑るとうつらうつらとし始めた。そしてすぐに夢の世界にダイブする……
翌日、医師に退院を許された。本当にただの貧血らしい。2限目から登校した俺は谷口や国木田からやたらと心配され、そしてハルヒにも心配された。体はぴんぴんしているので問題はない。
そして、俺は授業の後真っ先に部室に向かった。ハルヒに説明を求めたい。あのリアクションの件を。

ハルヒはすでに中にいる。さっきHRも受けずに教室を出て行ったからだ。律儀にHRを受けている俺よりも早くいるのだ。
コンコンとノックし「いいわよ」とあの晴れやかな声が中から聞こえる。
俺は入るなりハルヒを問いただす。
ハルヒ。昨日はありがとうな
「いいわよ。別に」
そうか、ただ聞きたいことが二、三ある
「何よ?」
まず俺は貧血で倒れたって言ってたがどうしてあんなに心配していたんだ?あれは心配のし過ぎではないか?
「悪い?」
悪くはないが……後それともうひとつ。どうして俺の背中に鈍痛が走っていたんだ?何か心当たりはないか?
こう問い詰めるとハルヒはため息をつき、「そうね。真相を話してもいいわ」と話してくれた。
その話の内容は驚愕すべき内容だった。
何でも、煙草を吸っているといきなり俺の目つきが変わって野獣のように咆哮し、そして暴れだした。ハルヒのバカ力で押さえつけられてもまだ抵抗していたがいきなり糸が切れた人形のように気絶した。
これが俺の記憶のない時間帯の全行動らしい。どういうことだ。まったく意味がわからない。
俺が何の理由もなく暴れだした?
why?何故?
「私にもわからないわよ。でもとにかく禁煙してよ!」と団長様からの叱責を賜っていると、長門と古泉のニヤケ野郎が入ってきた。
「おや、あなたはもう退院して平気なんですか?」ああ。あの病院は居心地が良いのでな、さっさと退院させていただいたよ。
「そうですか。それは何より」とニヤケ面とともに苦笑する。やたらと似合うなこの男の苦笑というのは。
「大丈夫?」ああ、大丈夫だ。むしろいつもより元気じゃないか?ってぐらいだ。「そう」長門は味気ないが心配してくれたのか。こいつも人間らしくなってきたじゃないか。
と感慨にふけっていると、ハルヒが、「これはSOS団始まって以来のSF的事件よ!」と言い出した。
なるほど。こいつの目の前で不思議現象を演じてしまった俺はこいつのSF的興味をかきたててしまったというわけか。これはいけないかもしれない。
こいつの中のSF的なものなんて存在しないという常識が覆ったらどうなるんだ?地球上のまちを宇宙人が闊歩するような世の中の到来か?勘弁してくれ。
「とりあえずこの煙草を調べないとね」
といい一本取り出して揉み解す。するとタバコの葉の中に小さな赤い結晶のようなものが出てきた。
なんだこれ?
「何これ、古泉君何か心当たりある?」団長様はニヤケを指名した。何故だ?
「突然のご指名ですね。何でしょう?ちょっと思い当たる節はありませんね。芥子でしょうか?」
思い当たらず苦しみながらも答えを出す。こいつはそういう奴だ。当然、苦笑交じりのあのニヤケ顔である。
「有希は?」
「わからない」
こいつは正直だ。答えがわからないときは候補すら出さない。
「でもこれが原因であることは間違いなさそうね。何しろほかに変なもの入ってないもの」
妥当な判断だ。こういう判断をするときのハルヒは信頼できる。むちゃくちゃしないハルヒだ。ハルヒがどれだけこの事件の解決に意欲を燃やしているのかがわかる。本質的には頼れるいい奴なのだ。
するとあれか?この赤い結晶は向精神薬みたいなもので、ハイになった俺が暴れだしたと?
「そうよ。だけど問題はそんなことじゃない。こんなことを誰がしたのかってことよ」
うーん確かにそれが問題だ。誰がやったか次第ではハルヒの精神は乱れて閉鎖空間を大増産させることになる。
古泉も穏便に解決したいと思っていたのだろうがハルヒは事件性を強める証拠を発見してしまった。
団員に毒牙が向いた際のハルヒのストレスというのは経験則的に大きなものであるということを知っている。誰かの悪意が働いているのは明白だ。
しかし、その誰かがわからない。警察に届け出ようかということになりかけたが、そんなことをされては俺の喫煙がばれて停学になってしまう。それは困る。
結局わからないまま時間が過ぎ、そのまま解散となった。今日も夕日がきれいだ。昨日のように。
隙を見て古泉に話しかける。
「閉鎖空間は?」
「発生していません」
「何?」
「今回の出来事はどうやら我々の範疇を越えているらしいです。長門さんはどこか別の星の有機生命体の仕業ではないかと推測する始末です」
「それじゃあ何か?長門の所属する情報何とか以外の星の連中が煙草に向精神薬を?」
「そうです」
「馬鹿な」
こういう問答をしていると。後ろから無機質な声で
「でもそれしか可能性はない。あの赤い結晶は地球上では生育しえない植物の実」
という説明が入る。長門である。
でも宇宙人の仕業って決め付けるのは早計じゃないか?
うーむ。とにかく帰ろう。ここで話し合っても埒が明かない。
俺はハルヒとともに家路についた。昨日と同じように。

「でも何なのかしらね?喫煙者がウザイからってあんなもの仕込まなくたっていいのに」それはないと思うぞJTが喫煙者を恨んでどうする。

「……!」
ハルヒは驚きのような声にならない声を発した。

おい、どうしたんだ?
ハルヒの視線の先にいた者。それは、

俺だった。
「よう、キョン、ハルヒ。俺はジョン、ジョンスミスだ」
言っている意味がわからない。ジョンは俺だ。しかしハルヒは混乱している。
「ジョン?あのときの?でもキョン?意味がわからない!」
これほどまでに取り乱すとは。確かに、あのジョンはハルヒの思想の一端を担っているが、相当な度胸を持つ女だ。
「とにかく上がっていけ。我々は待っていたのだ。歓迎するぞ」
しかしジョンを名乗る男はかまわず、勝手に話を進める。
アパートの一室に通された。昭和三十年代にタイムスリップしたかのようだ。間取りは四帖一間の和室風呂もトイレもない。今にも崩れそうなぼろアパートだ。
部屋の中央にぽつんとちゃぶ台が備え付けられている。
で、なんだ?
「教えてやろう」
と、次の瞬間!
ジョンの体は2Mほどの怪獣のような姿になってではないか!?
「実は1967年から我々は地球侵略計画を練っていたのだ。そしてお前が吸った煙草も私の同志が仕込んだものだったのだよ」
何?
「ちょっとどういうことよ!?説明しなさいよ!事と次第によっては容赦しないわよ!」
ハルヒは激怒した。
「いやーすばらしい結果だね。これを使えば、人類はたちどころに反目しあい自滅するよ。おろかな人類を絶滅させるにはもう一押し必要なんだが、これはそのもう一押しになるね。
確かに君の大事な人を実験材料にしたのはすまなかった。だが、君たちはもう用済みなのだ、よくも考えてみろ。人類のエゴを」
この場合の君たちは人類全体を指すのか。人類代表を俺たちに押し付けるとはなんとも人類全体に無礼な話だ。
「生活排水は母なる海を汚し、汚した海の上に橋をかけて縦横にまたぎ、そこに生活する人々のごみは造成地という形となってその領域を増していく。地球は力を失い力なき生物は滅ぶ。こんなことが許されると思うかね?」
怪獣はこう話した確かに一理あるがお前たち侵略者に言われる筋合いはないな。

「そんなの詭弁ね。それにあなたたちは何様のつもり?人の星に押しかけ問答して、挙句住んでる連中が馬鹿だから粛清するって事でしょう!?それこそエゴね!聞いてあきれるわ!」
ハルヒが啖呵を切る。当然だ。こんなところで消されてたまるか!
「もとよりそのつもりだ!君たちには消えてもらおう!」
そう怪獣は啖呵を切り返した見る見るうちに巨大化する!なんということだ!巨大化なんて反則だぞ!
「残念だったわね!」
ハルヒなに言ってるんだ!
「私のキョンに手を出したことを後悔させてあげる!」
とハルヒが叫ぶと世界が暗転した。そして明転。
するとなんと閉鎖空間のなかにあの巨大化した怪獣と俺たちがいるじゃないか!どういうことだ!
「ごめんね。あんたまで巻き込んで」
今更謝られても遅い。今のこの状況もついても、俺の普段の苦労もについても。
後ろからいやに耳につく声が聞こえた。
「いやー、いきなりの呼び出しとはね。災難ですよ」
この声は古泉!?何故ここにいる!?
「私だけじゃないですよ。みんないます」
小さい影と悩ましい曲線の影が映し出され向こうから歩いてくる。
長門!朝比奈さんまで!?どうして!?
「ばれてしまいましたか涼宮さん」
古泉の観念した声が聞こえる。ああ、こいつは自分の能力に気がついたのだ。そして意図的に怪獣をこの中に呼び込んだ。一瞬の判断だっただろう。でもこいつはやってのけた。神になっていたのだ。
ああ、世界終わったな。この怪獣に滅ぼされるまでもなく終わったな。そんな諦めの境地にも似た覚悟が俺の中にあった。
「この世界は滅ぼさせない!肝に銘じなさい地球にはSOS団がいるのよ!」
とハルヒが絶叫する。テンションも最高潮のようだ。
すると神人が現れた。こいつまさか神人と怪獣を対決させる気なんじゃ……
「みんな手をつないで!有希は情報処理能力を!みくるちゃんは時間制御能力を!古泉君は神人狩りの能力を!そしてキョン!あんたはみんなの力を増幅して!さあ、あの神人に送るわよ!」
なんとなくしか意味がわからないが、この5人が力をあわせて始めてあの神人は戦えるんだな?
「そういうこと!つべこべ言わずにやりなさい!」
まったく人使いの荒い神様だ……
ささやきえいしょういのりそして、ねんじろ!

行け!神人!

勝負は一瞬だった。まるで剣豪と剣豪の戦いのように。
全速力で交錯し飛び掛る双方。あの地球侵略を宣言した怪獣はもろくも崩れ去った。

元の世界に戻った。何もなかったかのように静かだった。
赤い夕日に照らされてハルヒがきれいに見えた。ただそう思った。




エピローグ
地球を侵略しようとしたあの宇宙人は消えたが、ハルヒという新しい脅威がいる。
しかし、ハルヒは脅威にはならなかった。
「私はこの世界が好き。だからこの世界の人たちに私の力を分けてあげたいの」といい、自分の能力を全世界へ分割したためだ。こうしてハルヒはその能力を放棄した。
ハルヒの能力がほぼなくなったのでこの高校に用のなくなったほかの団員たちも自分の意思でこの高校やこの近辺に残っている。よかった。まさしく大団円だ。
そして、俺はハルヒと付き合う事になった。どうやらお互い気がついていなかったがずいぶん前から相思相愛だったらしい。鈍感のきわみとは我ながら情けない。

「ちょっとキョン!煙草くさいんだけど!」
あれから俺はまだ煙草をやめられていない。

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