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無事年も明けて新学期が始まってくれたのは嬉しいことだが、この教室に暖房がない
のは我慢できないな。暖房に予算を使わないでなにに使ってるんだ?まったく。
いつもならこの後は文芸部室に向かうところだが、今日はそうもいかない
「すまんな、今日は帰らなくちゃならん」
ハルヒは途端に得意のアヒル口になる
「なに?SOS団の活動以上に大切な用事でもあるの?あたしが納得する理由
 じゃなきゃ明日一日タキシードで授業受けさせるわよ!!」
タキシードなんかもってねえよ、そんなことしたら進学できなくなっちまうだろ
「今日両親がいないんだよ、家に妹一人でいさせるのも心配だからな。」
「両親がいない?・・・ふーんそれじゃ仕方ないわね」
ん?なんだそのなにか期待したような顔は
「じゃあ夕飯はどうすんの?」
なんでそんなこときくんだ?
「コンビニで買って帰るさ」
なんでそんなにうれしそうなんだ?おれがコンビニ弁当を食べるのが嬉しいのか?
「あたしが作ったげようか?」
・・・・今なんつったこいつ
「だから・・・あたしが作ったげようかってきいてんの!!二回も言わせるんじゃ
 ないわよ!!」
「なんでわざわざ俺んちまできて夕飯作るんだ?」
おれがもっともなことを訊くと
「そ、そりゃあ・・・コンビニ弁当じゃ体に悪いし、団員の健康を守るのも団長の
 役目だからよ!!」
そうかい、団長の役目か・・・どうでもいいけどなんでちょっと照れてるんだ?
おまけに声がでかいんだよ、クラスのほとんどの奴がこっち見てるじゃねーか、
谷口何をニヤついてんだ!?
でもまあこいつの料理の腕は知ってるしな、いいとするか
「ああじゃあ頼むぜ、でも材料あんまりないと思うぜ?」
「なに言ってんの?買いに行くに決まってるじゃない」
いつ決まったんだ
「ほら早く行くわよ!!いつまでもぼさっとしてないの!!」
と言って100ワットの笑顔で強引におれの手を引いていく、ころころ表情を変える
奴だねまったく・・・
ハルヒはおれを引っ張ったまま部室に行き
「今日は休みだから!!」
と長門に告げて、校門を出てやっと走るのをやめた。
 女子と手をつないで下校なんてのは男のロマンだがこの状況じゃあロマンもくそも
ない、アホな犬に引っ張りまわされてる気分だ・・・でもまあハルヒが楽しそうだから
いいとするか、俺も嫌なわけじゃあないしな
 駅前のスーパーにつくなりかごにどかどか商品をいれていくハルヒ
「いったい何人分作る気だ?食うのは俺と妹とお前だけだろ」
「いいじゃない、それに料理ってのは大量に作ったほうがおいしいの!!」
まあこいつにおれがなんか言って聞き入れられたことなんてほとんどないからな
おれはそれ以上なにも言わないことにした。
「お会計5760円になります」
パートのおばちゃんが笑顔で言う、ハルヒは財布を出そうともしない
「なにやってんの?後ろにいっぱい並んでるんだから早くしなさいよ」
は!?俺が払うのかよ
「当たり前じゃないの、あんたあたしに料理つくらせてその上お金まで出させる気!?」
お前が勝手に言い出したんだろ、それにさっきもいったがそんな大量に必要ないだろ
「ぶつぶつ言ってないでだしなさい!!」
結局俺がだすハメになった、おかげで今月はジュースもろくに買えくなっちまった、
それになんで俺が荷物もちでお前はココアなんか飲んでんだよ、民事訴訟をこして
やろうか?
「まだぶつぶつ言ってんの!?それにあんたか弱い女の子にそんな重い荷物持たせる
 気!?」
か弱い女の子なんてどこにも見当たらないね・・・なんてこと言えるはずもなくおれが
黙って歩いていると
「仕方ないわね・・・ほら」
とか言って俺の顔2センチくらいのところにココアを突き出す
ごみを持てって言われてもあいにく俺の両手はふさがってるぜ
「馬鹿、あんたがココア飲みたいって言うから飲ませてあげようってんじゃない」
なるほどね・・・で、なんで照れてるんだ?
「べ、別に照れてなんかないわよ、いらないならいいわよ!」
と言ってそっぽを向いてしまった
「わるかったな、飲ませてくれるか?」
「最初から素直にそう言えばいいのよ」
寒い日に飲むココアってのはいいもんだね・・・・って一口だけかよ、
「一口で充分でしょ!?それにあたしは団長なんだから、団長と平団員じゃココアを
 飲んでいい量がちがうの!」
と言って一気に飲み干してしまった、やれやれまったくわがままな団長様だぜ
「間接キスだな」
おれがなんとなく呟くとハルヒは真っ赤になって
「小学生みたいなこと言ってるじゃないわよ馬鹿キョン!!」
先にいっちまった、そんなこと気にする奴だったか?まあいいか・・・
 
 家に帰ると
『キョン君へ  
 今日はミヨキチの家に泊まることになったからお留守番よろしくね。
 ちゃんとハミガキして寝るんですよ?」
と書いた手紙があった
うーんどうしたものか・・・ハルヒと二人きりか
「どうする?」
俺が訊くとハルヒは
「どうするってなにが?」
なにがってそりゃ・・・・
「長門と古泉と朝比奈さんよぶか?」
おいおいなんで寂しそうな顔なんてするんだ
「あたしと二人じゃ嫌なの?」
べ、べつにいやってわけじゃないが
「二人じゃいくらなんでも食べきれないだろ」
「そう・・・あんたがよびたいならかまわないけど」
なんとか機嫌を治してくれた様だな
よしじゃあSOS団超常トリオをよぶとするか
「よう長門か?おれだ」
「・・・・・・」
「今日俺んちでハルヒが夕飯作るんだがくるか?」
「・・・・・いく」
「じゃあ待ってるぜ」
「朝比奈さん今日はお暇ですか?」
「はい特に用事はありませんけど・・・どうしたんですか?」
「今日俺の家でハルヒが夕飯作るんですけどきませんか?」
「キョン君のおうちで?行ってもいいんですか?」
「ぜんぜんかまいませんよ、なんでです?」
「いえあの・・・はい、お邪魔します」
「じゃあ待ってますんで」
「今日ハルヒがうちで夕飯作るんだがくるか?」
「いってもよろしいんですか?」
「きたくないならこないでいい」
「いえいえお邪魔じゃないかと」
「何言ってるんだ?朝比奈さんと長門もくるってのに」
「そうですか、ではうかがいますよ」
まったく朝比奈さんも古泉もなにをいらんこと考えてるんだ?まったく
「みんなくるってよ」
「そう・・・じゃあキッチンかしてもらうわよ」
ちょっぴり残念そうなのは気のせいだろう
「エプロン貸してもらえる?」
「ちょっとまってろ、おふくろのでいいか?」
といってもおふくろのしかないが
「うん」
エプロンを渡してやる、おもむろに髪をまとめるハルヒ
「料理に髪の毛が入らないようにするためだからね!勘違いしないで」
どう勘違いかわからないが、エプロン姿にポニーテールのハルヒはそりゃもう
反則すぎるくらいに可愛かった・・・おれが食い入るように見つめていると
「なにジロジロ見てんのよ!!エロキョン!!」
と言ってスポンジをブン投げてきた、なんかいいねこの感じ・・・なんてニヤけてると
スポンジを顔面にくらっちまった、すごすごと退散するおれ、それでも楽しいのは
なんでだろうな。
30分ほどリビングでテレビを見ているとキッチンから非情にいい匂いがしてきた。
おれがのぞくとハルヒはオタマで味見をしてるところだった。
ポニーテールでエプロンで味見なんてしつこいかもしれないが反則だ、
世界エプロン姿選手権なんてのがあったら間違いなく優勝だろう。
どうやら味に納得したらしい、頷いて鍋をふりはじめた。テキパキ働くハルヒをみて
いると
[ピンポーン]
玄関のチャイムが鳴った、振り向くハルヒ、目が合った
「あんたいつからそこにいたの!?覗きなんてこの変態!!」
別に着替えを覗いてたわけでもないんだから変態はないだろ変態は、なんて考えてると
本日二度目、おれの顔面にスポンジクリーンヒット。
「早く玄関いきなさいよ!!」
なんて怒鳴ってるが笑顔じゃ迫力にかけるぜ。
 玄関を開けると長門が立っていた。やっぱり制服
「よくきたな、まあ入ってくれ」
「・・・・・」
無言でソファーに座る長門 こいつと二人でうちのリビングにいるなんて、なんか
変な感じだな、無言なのは部室と変わらないが
「有希いらっしゃい、ほらそんなとこ座ってないで手伝って」
ハルヒがきて声をかける
「おれもなんか手伝うか?」
おれが立ち上がると
「あんたは座ってて、足手まといにしかならないんだから」
足手まといで悪かったね、ったく善意で言ってやってんのにそんな邪険に扱うことも
ないだろうに。
[ピンポーン]
また誰かきたようだな
「なんだお前か」
「お招きいただき誠にありがとうございます」
いつでも丁寧なやつだな、でもおまえの場合馬鹿がつくな
「ッフお邪魔してもよろしいですか?」
ああ入れ
「では」
こいつとリビングに二人きりじゃあ面白くもなんともないな、かといってキッチンに
行ってもまたスポンジをくらうだろうし。
まあ話し相手にはなるからいいとするか
「今日はご家族はいらっしゃらないんですか?」
「ああ両親は旅行で妹は友達の家に泊まるそうだ」
「それじゃああなたは誰もいない家に涼宮さんを招いたのですか?」
結果的にはそうだが
「本当は妹がいるはずだったんだが、急に友達の家に泊まるっていうんでな、それで
 お前らを誘ったんだよ」
なに微笑んでやがる
「そうですか・・・あなたらしいですね、しかし本当にお邪魔してよかったんですか?」
どういう意味だ?
「いえただの独り言と聞き流してくれてかまいません」
[ピンポーン]
立ち上がって玄関に向かう、古泉お前はいい座ってろ
「こんばんは」
「あ、キョン君今晩は」
「すいません急におよび立てして」
「いいんです、よんでくれてありがとう」
「どうぞはいってください」
「はい、お邪魔します」
「みくるちゃん遅いわよ!はやくこっちきて手伝って」
朝比奈さんが靴を脱ぐと同時にハルヒが怒鳴る
「すっ、すいません、なに着てこようか迷っちゃいまして」
「いいからはやく!ほらほら遅いとメイド衣装に着替えさせるわよ?」
朝比奈さんはひえぇとか言ってるがもちろんうちにはそんなものないから安心してください
・・・またこいつと二人きりか
「それで今日はどこに行ってたんですか?」
どこもなにも買い物行っただけだよ
「お二人でお買い物ですか・・・羨ましいですね」
おまえの面ならいくらでも相手はいるんじゃないか?
「ええそれは否定しませんがなにぶん忙しいものでね、暇がないのですよ」
部室でゲームしてる暇はあるのにか?
「それが重要なんですよ、部室にあなたがいて朝比奈さんがいて長門さんがいて僕がいる、
 それが涼宮さんが望んでいることなのでね」
デートも出来なくて残念だな
「僕もそれを楽しんでいますから」
じゃあ羨ましいとか言うな
「そうですね、失言でした」
しかし否定しないとかちょっとむかつくな、べつに羨ましくもなんともないが
「キョン!古泉くん!料理できたから運んで頂戴!」
いいタイミングでハルヒの声がかかった
「いくか」
「そうですね」
古泉と料理を運ぶ・・・・作りすぎだろおい、でもまあハルヒと長門がいるから余る
ことはないだろうな
「これで全部ね!じゃあいただきます!」
「いただきます」
「いただきますぅ」
「いただきます」
「・・・・・・」
ものすごい勢いでほおばるハルヒ、無言で食べつづける長門、
いちいち感想を語る古泉、少し食べてはお茶を煎れたり、取り皿をもってきたりと
忙しい朝比奈さん、おれ?ハルヒの作った料理だ、かっ込んでるに決まってるだろ。
 こんな調子であれだけあった料理は綺麗になくなった。
「そうだ!キッチンにお酒あったのよね、飲まない?」
酒は懲りたんじゃなかったのか
「いいじゃないちょっとくらいなら」
おれの意見など通るはずもなく
「かんぱ~い」
宴会が始まってしまった。ハルヒが余った材料でちゃちゃっと作ったツマミが美味い
おかげでどんどん酒が進む、
朝比奈さんはもう寝息をたてている。
長門はザルどころかホースなのでまったく変わらず、
古泉は飲んでいるようだがどういうわけかコップの中が減っていない。
ハルヒはまったくペースというものを考えないで飲んでいる。そのうちつぶれるだろう

1時間後
そろそろおれも酔いが回ってきた、もうお開きにしたほうがいいだろうな
「ほら朝比奈さん起きてください、明日も学校ですから」
「う、う~ん・・・」
だめだこりゃ
「長門、古泉、肩貸してくれるか?」
長門と古泉が朝比奈さんの腕を持って立たせる
「任せて大丈夫か?」
「ええ僕が責任を持って送り届けますよ」
「ほらハルヒ!お前もそろそろ帰れ」
あれだけ飲んだのにハルヒは意外としっかりした声で
「あたしは後片付けして帰るからみんな先に帰っていいわよ」
「それじゃあ僕たちはこれで失礼しますか?」
「・・・・・コクッ」
無言で頷く長門
「今日は楽しかったです、それではまた明日」
ああまたな、朝比奈さんに変なことしたら承知しないぞ。
「・・・・・じゃあ」
ああまたな
[キキッ]
黒塗りのタクシーが停まる
「それでは」
タクシーが走り去る
リビングに戻るとハルヒがいない・・・トイレか?
「キョン?」
振り返るとハルヒが立っている、ポニーテールエプロンで・・・
「なにしてんだお前?」
微笑みながら近づいてくる
「あんたさっきこの格好してるあたしのことみてたでしょ?」
そら見てたけども
「もう邪魔者もいなくなったしゆっくり眺めていいのよ?」
さらに近づいてくるハルヒ・・・
「どう・・・似合う?」
もう吐息がかかる距離だ、こいつ完璧に酔ってやがるな
酔っ払いはもう帰れ
「誰が酔っ払いよ!!ほらもっと良く見なさいよ!!あんたポニーテール
 萌えなんでしょ!?」
いきなり怒鳴るなうるさい、それにクビに手を回すな手を
「フフフこれでどう?」
耳を噛むな耳を・・・もうどうにかなりそうだ
「すまんハルヒちょっとトイレいってくる」
おれは無理やりハルヒの手をはずした
「なによ逃げる気?30秒以内に戻ってこないと死刑だから!!」
怒鳴ってるハルヒをおいておれは自室に逃げ込んで鍵をかけた
まったく酔って絡んでくるなんてどこのおっさんだよ
[ドンドン!!]
「ちょっとキョン!!トイレじゃなかったの!!あたしから逃げようなんて
 1万と2千年早いのよ!!」
どっからきたんだその1万2000年は
「悪いことは言わないから今日は帰れ」
「いいから開けなさい!!団長命令よ!!」
酔っ払った団長の命令はきけないな
「開けてよ・・・」
急に大人しくなった・・・もしかして泣いてるのか?
「ハルヒ?」
返事がない、すすり泣く声だけ聞こえる
「おいどうした」
おれがドアを開けるとハルヒは膝を抱えていた
「泣いてるのか?」
油断してドアを開けた俺が馬鹿だった、ハルヒは突然立ち上がって俺にとびついてきた
「引っかかったわね!!」
ハルヒにとびつかれた勢いでベッドに倒れこむ
「離せ馬鹿!」
ハルヒは俺の上にのしかかったまま
「団長命令に逆らったら死刑よ!!でも死刑は可哀想だからこれで勘弁してあげるわ!!」
といっていきなりキスしてきた
「・・・・・・」
誰もいない家、ベッドの上、この状況でキスなんかされた日には健全な男子高校生なら
我慢できるはずないだろう、おれがハルヒを抱きしめると
「・・・・くぅ」
はぁ・・・寝ちまいやがった・・・まったく迷惑な奴だな
 ハルヒに布団をかけて部屋を出る
仕方ない今日は妹の部屋で寝るかな

翌朝
「ちょっとキョン!!どこいったの!?」
下から怒鳴り声が聞こえてくる
「あと10秒でこないと死刑だからね!!」
仕方ない、妹の部屋から出てリビングに向かう、リビングに入るなり
「なんであたしがあんたの部屋で寝てたのよ!!」
朝から元気な奴だ
「覚えてないのか!?」
ハルヒが一瞬たじろぐ
「何をよ!?」
「お前が酔って襲撃してきたんだろうが」
「・・・・それ本当?」
やっぱり覚えてないのか
「ああ、お前相当酔っ払ってたぞ」
「・・・あたしなんか変なことした?」
さてどうするかな、本当のことを言ってやるのも面白いがそれはそれで面倒だな
「部屋に入ってきてすぐ寝ちまったよ」
「・・・そう」
「そろそろ帰らないと学校間に合わないぞ?」
「もうこんな時間!?じゃあ学校で会いましょう」
エプロンしたままどかどか走って行っちまった
この後片付けはどうしようかね・・・まあ仕方ない おふくろの雷食らうのも
ごめんだしな、片付けるとするか
しかし酔ったハルヒも可愛かったな・・・また飲ませてみるか

その日の放課後
部室、ノックをするが返事がない、誰もいないのか?ドアを開けると
エプロンをしたポニーテールのハルヒが立っていた
「似合ってるぞハルヒ・・・・・」

終わり

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