このところ一段とドジっ子属性に磨きがかかっていた朝比奈さんだったが今日は団活終了間際のタイミングで俺のマフラーにピンポイントで紅茶をこぼすというドジっ子イベントと相成った。
「ごめんなさいです~、代わりにあたしのマフラー使ってください~」
これは何のフラグだろうと一瞬思ったがオロオロする朝比奈さんに紳士的なところ見せるべく俺はフォローしようと試みた。
大丈夫ですよ朝比奈さん、どうせ100円ショップで買ったものですし今日くらいならマフラー無しでも~
「仕方ないわねキョン、マフラー無しでみくるちゃんが風邪をひいても困るしあたしのマフラー貸してあげるから有難く使いなさい」
えっお前のってハルヒはどうするんだ?
「気合の問題ね!今日だってサムイわけないじゃない、あんたみたく弛んでるとサムイとかいいだすのよ!」
そういうなりハルヒは有無を言わせず自分のマフラーを俺の首に巻きつけた。
おいハルヒ!(出来れば俺が朝比奈さんのマフラーで朝比奈さんがハルヒのマフラーの方が良かったんだが)
「うるさいわね、人の好意は素直に受けるもんよ」
仕方ないこういうときは逆らっても無駄だ有難く借りておこう。
古泉と朝比奈さんが意味ありげに目配せしあったのは気の所為だろ、きっとな。
しかし確かに寒さには強そうだスカートだって短いしな、そこっ俺がハルヒの足に見とれてるとか勘違いするなよ。

「あっあたしは教室に忘れ物しちゃったから皆先に帰ってていいわよ」
あぁそうかハルヒ、マフラー借りとくぞ悪いな。

「おそろい」
んっ長門、何か言ったか?
「あなたとおそろい」
おそろいって誰が?
無言のまま長門は遠ざかるハルヒへと視線を移す。
おそろいって俺とハルヒがか?
「そう」
一体どこが?
「照れている理由はそれ」
あ~ますますわからん照れてるってハルヒがか?
「あっ、涼宮さんカバン忘れてますよ」
じゃぁ俺が持ってきますよ朝比奈さん、どうせ五組の教室なんだし。


というわけでハルヒのカバンを持って我が教室へと向かったのだが長門がいうおそろいって一体なんだ?
長門のことだから間違いってことは無いはずだが……
しかしハルヒが貸してくれた毛糸のマフラーは結構派手だな赤地に白抜きで大きくHかハルヒのHってことかな?
あれ?この編み目ってひょっとして……ハルヒが自分で編んだのか?
女の子の手編みのマフラーをするだなんて思春期男子の9割が夢見るものだがこういう形でかなうってのは……
できれば朝比奈さんの手編みの方がよかったがね。

おっと我が教室だ、ハルヒはまだいるよな。
「きゃっ!」
扉を開けたら出会い頭にハルヒとぶつかった、どんなフラグだよ。
おいハルヒ大丈夫か?独りで起きれるか?ってスカートが短いからめくれてパンツが丸見えだぞ
てかハルヒよ、毛糸のパンツってなんだよ、そりゃ寒くは無い筈だよな。
しかもマフラーと同じで赤地に大きく白抜きでHかこれもハルヒが自分で編んだのか?
長門がいうように確かに俺が今してるマフラーとおそろいだな。

「だっ大丈夫よ、どこも怪我なんかしてないわよ」
そうか良かったな、俺の手につかまれ。
「……それよりキョンあたしの見たでしょ、エロキョン、すけべ、エッチ!」

いやハルヒあれは不可抗力だし……しかしまぁハルヒ確かに俺が見たのはHだったよ……

「馬鹿……」


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「かっ勘違いしないでよね、口止め料よ口止め料!さっきのことキョンが言いふらしたら困るし……」
はいはい、わかりましたよ団長様、あなたの秘密(毛糸のパンツ)は誰にもいいませんよ。
「それにアンタが手編みのマフラーで弁償とか強要したらみくるちゃんがかわいそうだじ……」
はいはい団長としての義務で朝比奈さんの身代わりなんですよね、さっきも聞きましたよそれ。
「それでキョン、マフラーは何色がいい?青?それとも黄色?そうだ手袋もいるわよね」
はいはい俺の家で採寸するんだろ、案内しますよ団長様。

団長様の分の晩御飯もちゃんと用意してもらってますよ、席は俺の隣ですハイ。

「遅くなりそうだからあたしんちまで送ってよね」

はいはい帰りは平団員の俺が団長様をご自宅まで送っていきますよ。

どうやら団長様特製のマフラーと手袋は来週には出来上がるらしい、そしてそれを学校や不思議探索で身に着けないと俺は死刑だそうだ。
ハルヒと同じデザイン(青地に白抜きでKだそうだ)の手編みのマフラーだなんてSOS団の仲間や谷口達クラスメイトにどんな言い訳したらいいのかね?

えっ?マフラーを断ればいいじゃないかって?
おいおいハルヒの手編みのマフラーなんて断れるわけがないだろ?
彼女が自分のために編んでくれたマフラーなんて男子高校生の夢なんだからな。


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