赤の世界 キョン

いやあ、今ほど明日を楽しみに待つ日々は初めてだろうねぇ。
明日行うことはだいたい整理した。
まず教室に入って、真正面に常に俺よりも早く登校してくるあいつに、
今回はグーで殴るか。パーだとあいつの汗がこびり付いて汚いことありゃしない。
いつものとおりに椅子ごと後ろに倒れたあいつに、
俺様特性の先端に鉄をしこませた上履きで蹴りを、そうだな、
今回は耳にやろうか。さすがに眼球とかだと後々面倒くさい。
そんなんでも抵抗しない涼宮が不思議でたまらない。
ヤクでも打ってんのかね。
そうすれば、あのうざったい演説も精神病としてみられて即隔離だな。
うむ、我ながらすばらしいアイデアだ。
そんなこんなでも、クラスからは誰からも参加者が来ない。
相当のビビリだ。情けない、嗚呼情けない。
ああいう奴はさっさと転校してもらうほうがいいだろ?

お昼時には涼宮にお似合いなトッピングを弁当にのせる。
あいつにぴったりなキャットフードを毎日たらふく食っているシャミセンの糞だ。
よーくかき混ぜてから食えよ。
そんなことをしてもあいつは黙々と飯を食えるから不思議だ。
めがねかけたほうがいいんじゃないでしょうか。
もちろん付けてきた暁には、俺の全体重でめがねレンズの耐久度を計ってやるよ。

そういえば、元SOS団の長門、朝比奈さん、古泉は俺に何も言ってきてはいない。
まあ話す内容もたかが知れている。
古泉がこの学校を退学したのも俺の責任なのかも知れない。いや、そうだ。
すべては俺が悪いんだ。
すまなかった。
長門も俺と会うたびに目線をどこかへ泳がし、朝比奈さんは俺を完全に無視している。
もうあの極上スマイルを見られないというのは、ただ残念の言葉に尽きる。
だけど、俺は止めない。こうなったらすべてを犠牲にしてもいい。
俺は、涼宮を殴り続ける。

それだけだ。


|