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―――前略、オフクロ様…あなたの息子は只今、男子生徒の大群に追われてます…
 
……理由?そんなの決まってる。どっかの聖人君子が亡くなった日に、世の女性がおもに好きな男に甘い糖分の塊を渡す日が原因だ。
 
―――そう、バレンタインデーがやってきたんだ…
 
 
 
朝、今日もいつも通りの一日が始まったのだと思っていた。
いつも通り妹の目覚ましフライングボディプレスを空中で捕らえて、ジャーマンスープレックスでおはようございますした後に、いつも通りの歯磨き。いつも通りの朝食。いつも通りの妹とのセクロス。いつも通りの着替え。
本当にここまではいつも通りの一日だったんだ。
 
異変は家を出たときから始まったのだろう。
俺は眠い目を擦りつつ早朝ハイキングコースをケツだけ歩きで登っていた。
なんか周りの男共がそわそわしているように見えるが、きっと地震の前触れか何かだろう。そんなことがよくナマズとかで言われてるし、人間も例外じゃないんだろう、多分。
ぼんやりと坂を上っていると後ろから声を掛けられた。
 
「よっキョン!」
 
とりあえずシャイニングウィザードでおはよう。
 
「WAWAWA!?」
 
そんな悦ぶな気持ち悪いぞ、谷ぐ……
 
 
 
……俺は絶句した。
なぜなら俺は谷口が声を掛けてきたと思ったからだ。いや、こいつも谷口なんだが……谷口にして谷口に非ずって感じだ。
何を言ってるのかわからんかも知れんが、つまりは今日の谷口は異常だったのだ。
 
今の谷口の格好は頭から被ったズボンのチャックから顔が出ているだけであり、他は黒いスパッツのようなもので覆われていた。
お前はショ○カーか?ていうか制服を着ろよ。しかもなんだよ、チャックから顔って、どんな自己主張だよ。よし、今からお前のあだ名はチャッカーに決定だな、うん。
俺は頭の中の激しいツッコミを堪え、教室へと向かった。(チャッカーは校庭の花壇に埋めといた)
 
 
教室についた俺は愕然とさせられた。
 
「すごく…大きいです…」
 
今、イヤラシいことを考えた奴は今すぐ腹筋五万回してくれ。
それはさておき、目の前の光景はあまりにも不可解なものであった。
俺が教室に入るとなぜだか俺の机が三倍ぐらいの大きさになっていた。
さっきのセリフはこのときにあまりの驚きで出てしまったものだった。
 
さすがにこれは物理的に無理な気が……
ほらミシミシいってるもん。いや無理だって。ちょ、やめてって、やめてよ、やーめーろーよー。
 
 
爆発寸前の机にさらに何かを入れようとしている女子たちを自慢の指テクで黙らす。
その後俺は恐る恐る机の中身を覗くと、中には綺麗な包装がされた箱がたくさん詰まっていた。
 
なるほど……謎は全て解けた!じっちゃん、俺やったよ!
今日はバレンタインデーだったのだ。すっかり忘れていたな。
おっと、誰が送ってくれたのか一応確認しなきゃな。ホワイトデーにお返しをするのに困るからな。
俺はハッピー・うれピー・よろピクねー♪な気分で一つ一つ、箱の中身を確認していった。
 
まず最初は……キターーー(・∀・)ーーー!朝比奈さん!
淡い色の水玉模様のラッピングにハート型のチョコ。そしてその真ん中にホワイトチョコで書いてある『魅紅流』と可愛らしい丸みを帯びた文字で書いてあるのがなんともグーです。
いいね、いいね。出だしから調子いいよ~♪
 
さてさて、お次に続きますは……ながもん!これもまたスゴい!
なんと、おっぱい!正確にはおっぱいチョコだが、大きさ・形から察するにこれはながもんのおっぱいの異成分同位体だな。
脳内データベースから過去のながもんおっぱいを計測しても、合致するという答えに至った。
ぐっふっふ、舌なめずりが止まりませんの~。
 
 
 
その後も次々とチョコが机の中から発掘あるある大辞典だったのだが、なにしろ俺のチョコは108式…ゴホン。108個まであったもんだから、他のものについては割愛させて頂こう。
しかし俺がこんなに人気があるとはな……キョン、感激っ!
 
感動の余韻に浸りつつ、最後の箱の中身を確認しようとしたところで岡部がやってきたので、後回しにすることにした。
岡部は教室に入って来るなり(といってもうちのクラスは屋上なんだが)
こう言った。
 
「今日はバレンタインデーなので授業は無しだ」
 
それだったら俺らは何で学校に来させられたんだ?といった野暮なことは言わないでおこう。
周りからは歓喜の声が上がるが、俺は意外とテンションが上がらなかった。どうせゆとり教育の一環だろうと思ったのもあるが、そのとき俺は重大なことを気づいてしまったのだ。
 
ハルヒからのチョコが無い………。
 
そして未だに俺の後ろの席は空いたままである。
ハルヒ大好きっ子の俺にとって、これはさっきまでの天にも昇るようだった気分を一気に地獄の底に追いやるくらいのものであった。
だがまだ希望は捨ててはいけない。なぜなら、まだ未開封の箱が残っているのだ。
俺はハルヒからのものでありますようにと実際に叫びながら、残された最後の箱にゆっくりと手を伸ばした。
 
 
このときに朝の時点からクラスの男子が殺意の眼差しを向けていたことなど、激しく気分の浮き沈みしていた俺には気付きようもなかった。
 
最後に残された箱を丁寧に開けていく。しかし、この箱は全ての箱の全体積のうちの3分の2を占めるほどの大きさだった。手間取りつつも箱を開け、中身を覗くとそこには―――
 
……………カカオ?
 
箱の中には桃太郎の桃並のデカさの産地直送・丸ごとカカオが入っていた。
どうする、どうしよう俺!?続きはwebで!!
と、いきたいところだが俺の菊門はしっかりとイヤな予感を感じ取っていた。そして、それは的中した。
 
「させませまさせ~♪愛はマッガーレ、男はテドドン、ハッテンの国の王子……いっちゃん!」
 
パカン、と小気味良い音を立ててカカオが真っ二つに割れて、中から全然可愛らしくない全裸のガチホモが出てきた。
いっそのこと、きびだんごやるからどっか行ってくれればいいのに。マジで。
 
「恥ずかしがらなくていいよ、キョンタン♪」
 
死ね!氏ねじゃなくて、死ね!
俺は心の底から、そう思った。
 
「ふふふ、そんな強がりもいつまで持ちますかね……?」
 
古泉の野郎がテドドンをパチンと鳴らすと、視界にゆらりと立ち上がる多数の影が見えた。
 
 
 
立ち上がった影はクラスの男子であった。しかし、すでに目が正気ではない。しかもなにやらブツブツと呟いている。
 
「まいんど☆コントロールです。といっても彼らの心情を強化しただけですがね♪」
 
この世界ではやりたい放題の本来なら地域限定の超能力者が微笑みながら言った。全裸だけどな。
ていうか…もしかして俺、命の危険にさらされてたりする?
あちこちから聞いてはいけないような言葉が聞こえてくる。
こんな奴らにもし武器なんか渡したら――って、おぉい!ちょっと待てぇ!朝倉ぁ!
 
「どうかした?」
 
どうかした、じゃねぇよ!なにちゃっかりと武器を渡し歩いてるん…うわ!サバイバルナイフをこっちに向けるな!そしてそれを奴らに渡すな!
 
「うん、それ無理♪だって私はあなたに本当に死んでもらいたいんだもん」
 
随分と他力本願な急進派である。
と、そんなことより早く逃げなくては!この前ながもんから聞いたインターフェース用語を真似して、スピードを限界まで高めて教室から逃げ出した。
 
よし、脱出成功。
上手くいったが、インターフェース用語の体にかかる負担は半端ではなく、一回が限界だ。あとは自分の足で逃げきるしかない。
俺は明日を生きるために走り出した。
 
 
 
―――そして、冒頭に至る。
 
俺は全力疾走で校内を駆け抜けていた。
しかし後ろから迫りくる猛り狂った男たちは次々と仲間を呼び寄せて溢れんばかりの大群となっていた。
そしてその先頭を行くのは、あのガチホモである。何度も言うがこの男、全裸である。
右手に高々とカカオを掲げ、女の子走りで走ってくる。
クネクネと腰を振る走り方のために、テレビならモザイクが入る部分が大いに揺れて、右から左―左から右へと吉宗もびっくりの暴れん坊将軍である。なんでこんな解説をしてしまったのだろう。気持ち悪くなってき――
 
「いつもより多く振ってますよ~♪」
 
………どうやら確信犯のようだ。
しかしそんな悠長にもしていられない。まだ余裕はあるものの、古泉より基本的な身体能力が劣るために徐々にではあるが距離が縮められていた。
その前になんとか打開策を打たなくてはならないな。なんとかならないかと考えていると前方から野球のランナーコーチのような声が聞こえた。
 
「まWAれ、まWAれー!!」
 
帰ってきたチャッカー!
そしてさようなら。
 
「WAWAWA!?」
 
俺はチャッカーこと谷口を利用して、直角に進行方向を変えた。
 
 
 
哀れチャッカーは俺に蹴り飛ばされる形となった。しかも後ろからは大群。谷口よ、骨は拾ってやらなくもないぞ。
さらにその大群も俺の急な方向転換についてこれておらず、幸いにも俺の飛び込んだ場所は廊下の角教室で、大群は行き止まりにぶち当たった。
しかし、事情を知らない後続が前へ前へと出ようとするため………あ、やっぱり。重圧に耐えられなくなった壁が壊れて人が落ちていった。見ろ!人がゴミのようだ!その人ゴミの中から全裸一名、チャック一名を確認。合掌。
 
さて、無事逃げきったようだな。改めて教室を確認するとどうやら空き教室のようだ。ただ、空き教室のようなのだが――
 
……国木田と阪中が絡んでいた。いや、絡むという表現は不適切だな。一方的だからな。ん?何が一方的だって? キョン、おとなじゃないからわかんなーい。
ふぅ上手く誤魔化せたな。全く、このドSとドMめが。通りでさっきから喘ぎ声がすると思ったよ。
 
「あ、キョン。君もやりたいのかい?」
 
断固拒否させていただく。
国木田の提案を華麗にスルーして外の様子を伺う。
どうやら静かになったようだな。とっとと、こんな空間からはオサラバしよう。
 
 
 
両手にロウソクと鞭を持つパピヨンマスクとそいつを恍惚の眼差しで見つめる雌犬に背を向け教室から立ち去ろうとした。
 
しかし人生とは往々にして上手くいかないものである。
すっかり油断していた俺は安心して廊下に出たのだが、壊れた壁の方から、
 
「殿中でござる!殿中でござる!」
 
全裸のガチホモが自身のイチモツを振り回し、テドドコプター(命名、俺)にして宙に浮かんでいた。
――しまった!
俺は再度、逃避行するハメになってしまった。
がむしゃらに走り抜け、今は舞台は部室棟へと移っていた。
 
大群はいなくなったものの、古泉はしつこかった。逃げども、逃げども追ってくる。
結局は先程と似たような状況となり、このままではジリ貧になるのは目に見えていた。
ここで俺は賭にでることにした。やらないで後悔するよりも、やって後悔したほうがいいだろう。
……なんだか思考パターンが某急進派インターフェースと似ているが気にしないことにする。
 
俺は一回限度のながもん直伝インターフェース用語の2回目の使用を決断した。
懸命に走りながら、祈るような気持ちで俺はインターフェース用語を口にした。
 
 
 
よし!逃げきったぞ!
しかし、インターフェース用語の使用限度を超えたためにすでに俺の体は限界だった。だが古泉からは逃げきった。
ざまぁみろ古泉!追いつけなかっただろ!
俺は勝利の雄叫びをあげた。そのとき、後ろから聞こえるはずのない奴の声がしたのである。
 
「いゃーがなぁ(お前がな)」
 
縮地法かってんぐわぁー!!!
なんと古泉の野郎は反則的な動きで俺についてきていたのである。
そしてここにきて俺、 絶 対 絶 命 !
もはや体は1ピクリンも動かす元気などない。俺は全ての負けと菊門を差し出すことを覚悟したが――
 
突然、近くのドアから一人の人が現れて、俺を窮地から救い出してくれた。
 
―――ハルヒだった。
 
ハルヒは俺を抱えてそのまま文芸部室へと入り、鍵・カーテンを閉めた。
外ではガチホモが「くそっ!結界の内側へ逃げよったか!」などと言っているあたりから奴はさすがにここへは入れないようだ。
 
ひとまず俺は命と貞操の危機を乗り越えて安堵した。
 
 
とりあえず恩人であるハルヒに感謝を述べようとすると、
 
「そぅりゃあ♪」
 
おぅあ!?ハルヒは急にドラム缶一杯の溶けたチョコを俺にかけてきた。
何をするんだ!!
俺が叫ぶとハルヒが答えた。
 
「それはね……こうするためよっ!」
 
言うや否や、ハルヒが飛びかかってきた。
すでに疲労困憊である上に、チョコも徐々に固くなってきて、もはや身動きはとれなかった。
その間にもハルヒはチョコまみれの俺の全身を舐めており、更には制服を脱がし始めた。
ちょ、それはさすがにマズいだろ!
服の間から入り込んだチョコのおかげで地肌もところどころ隠れてはいたが、ハルヒの暴走は止まらなかった。
ハルヒは躊躇いもなく俺の股間をまさぐりだした。
そして俺の息子を取り出して、それに優しくキッスをして言った。
 
 
「いっただっきまーす♪」
 
 
 
アッーーーーーーーーーーー!!!!!
 
fin...
 
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