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パラレルワールズ

エピローグ

このインターネット時代に手紙などと言う古風なことをするのもおかしなものですが、
メールでは機関その他に見付かる可能性があるので手紙にしました。
今回の件、最初から我々は蚊帳の外だったようです。驚くべき真相を
僕は機関から告げられました。おそらく、長門さんや朝比奈さんも各々の
所属組織から情報提供を受けているでしょうね、今ごろ、事ここに至っては。
でも、あなたには教えてくれる上部組織などないでしょうからこういう形で
お知らせします。読み終えたら、この手紙は即刻、燃やしてください。

今回の件のキーポイントは、なぜ、涼宮さんや長門さんのみならず、我々3人にも
改変の能力と機会を与えられたのか、ということです。結論からいいましょう。
そんなものは「与えられは」しなかった、というとあなたは驚かれるでしょうね?
我々は3人とも最初から世界を改変する能力を有していたのですよ。
考えても見てください。なぜ、涼宮さんの様な危険な能力の持ち主を抑えるのに
我々のような何の能力もない高校生が配置されるのでしょうか?
また、実際、なぜ、我々は往々にして涼宮さんの力の発動を抑えることが
できたのか?答えは簡単です。我々がそれを望んだから。涼宮さんの
能力が発動しないことを望んだからです。

機関は世界改変能力を持っているのが涼宮さんだけではないことに早くから気づいていました。
僕とあなたもその能力を持っていました。で、考えた。毒を持って毒を制す、と。
我々は涼宮さんが世界改変能力を持っていると「半分だけ」真実をつげられ、
その発動を制するように無意識のうちに仕向けられました。
朝比奈さんは確かに未来人ですが、彼女も我々と同じ能力を持っています。
彼女もまた、涼宮さんに対する安全弁としてここに送られたのですよ。
おそらく、彼女は我々3人のうちの誰かの子孫なのでしょう。
朝比奈さんが、自分の任務について異様な程わずかの情報しか与えられなかった
理由もいまとなっては明らかですね。何ひとつ、知らせるわけにはいかなったのですから。

そういう意味ではSOS団結成は、規定事項だったわけです。あなたが朝比奈さん(大)と名付けている
あの女性の任務こそは、SOS団の結成と維持です。我々全員が能力者であること。これこそが
彼女の最大の禁則事項だったんですよ。彼女があなたに「わたしとあんまり仲良くしないで」
と言ったのを覚えていますか?あなたはあれを「涼宮さんが焼き餅を灼くから」と解釈したの
でしょうけどね。実際は、彼女は今回の様な事態を恐れていたわけです。朝比奈さんのあなたへの
想いが高まりすぎで世界改変を辞さないまでになってしまうことをね。その心配は
現実になってしまったわけですが。

長門さんは最初から観察者ではなく、力の制御者でした。我々4人の能力をうまく拮抗させ、
バランスさせる指揮者の役目。そうでなければ、単なる情報端末たる長門さんが、
涼宮さんの力を借りてとはいえ、情報統合思念体さえも消去させるような改変を
行うことなどできませんよ。彼女の不幸は、力の制御者としての彼女の役割が
彼女の意識下に抑え込まれて埋め込まれていたことです。前回の世界改変は
彼女の意識下の機能の暴走だったのですよ。

今回の改変が起きたのは我々自身の結束が弱まったからです。涼宮さんの力の発動頻度も減り、
平穏がつづき、心の緩みがあった。引き金を引いたのは誰かでしょう。
朝比奈さんかもしれません。で、今回の改変では能力者足る我々は彼女の先導する
改変に巻き込まれるのを無意識に拒否して、その結果、別の世界をつくり出してしまったわけです。

涼宮さん、ですか?さあ、彼女が自分の能力についての知識を今でも保持しているのか
我々にはわかりません。機関は失っていると見ています。彼女にとってはあれは夢か
何かだということになっているんですよ。我々4人の中でなぜ、彼女だけが
「能力者」としての存在を周囲に公知されているか気づいたことがありますか?
それは、彼女が我々の中でもっとも「常識人」で自分の力に気づきにくい存在だからですよ。
普段の彼女の言動からすると意外ですがね。

我々のことですか?さあ、どうすべきでしょうね。我々は自分達の能力をしってしまった。同時に
能力の発揮が必ずしも周囲や自分を幸せにするわけではないことも学んでしまいました。
長門さんが言う通り「神であることは簡単ではない」というわけですね。
これから、この力をどう使うべきか、あるいはそもそも封印すべきか、を
我々は個々に考えなくてはならないでしょうね。

それでは、くれぐれもこの手紙の焼却処分をお忘れ無く。こんなことをしているのが
機関に知られてたら、僕は本当に消去されかねませんから。では、また、明日、学校で。


   追伸:実は我々4人の他にもう一人能力者がいて、
   彼女も6番目のパラレルワールドを作っていました。
   幸いにも彼女は今回の帰還に簡単に同意してくれましたがね。
   その女性が誰であるかはここでは告げないことにします。
   いくら焼却処分を約された手紙とは言え、
   書かないで済むことはそれに越したことはありませんから。
   それにそれが誰であるか、まっさきに気づくのは間違いなく、あなたでしょうから。
    今度こそ本当に、それでは。
   

俺が古泉から来た手紙を部屋で燃やしていると部屋に飛び込んで来た奴がいて、こうまくしたて始めた。
「ねぇねぇ、キョン君、あたしとっても『リアル』な夢を昨夜見たんだよ。それでね、そこでは
  キョン君とあたしがね....」
 

                  お・し・ま・い。

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