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それは冬も寒さが増してきてもうすぐ冬休みだ、と期待している俺に立ちはだかる期末試験の壁を越えようとしているとき出来事だ。


俺は放課後にSOS団の部室で勉強をしている。分からないところがあっても万能な仲間たちに教えてもらえるし、天使に入れてもらったお茶を飲みながら勉強することができる。
その上勉強の邪魔になる物はほとんど無く、また集中していなかったり他の事をしているとハルヒが激怒してくるため俺は仕方無しにも集中し、それが良い結果をもたらす事が分かっているためだ。
強制労働のように勉強させられている。しかし頭には凄い入ってくる。少し寒いのが難点だがこの勉強場所は最高だと思っている。もっとも試験期間以外は勉強はしたくないが。

期末試験はすでに始まっていて、残すところあと3日、7科目という状況で本日も3教科の試験を受けて残すところあと4教科となった放課後、いつも通り文芸室で俺は勉強している。

「キョンくんがんばってますね」
そう言ってくれたのはSOS団の天使である朝比奈さん。そうなんです、親に試験の結果が悪かったら家を追い出すと言われまして、と答え、古泉と共に問題を解いていた。
朝比奈さんは試験の残りは得意科目と選択科目らしく、軽い復習をすれば平気らしい。古泉はもともと頭がいいので俺の勉強を手伝わせている。
長門はいつも通りの定位置で読書をしていて、ハルヒはまだいない。

「お前は勉強してるようには見えないが、いつ勉強してるんだ?」
そう俺が聞くと、少し苦い顔をして機関で叩き込まれている事を教えてくれた。成績を上げるためによほどの苦労をさせられているんだろう。
学があることは将来役立つぜ、俺にはムリだが、と言っておいた。古泉はやはりいつものように苦笑いして、あなたらしい、なんて言ってきた。
「ところで長門は勉強する必要はないとは思うがしてるのか?」
そう聞くと、一応勉強らしい事はしているらしい。読書好きな長門なら教科書を1日で全部読んでしまうだろう。しかしどんな勉強すれば試験で楽できるんだろうか。

「簡単に学力は増加できる。問題は理解力。」
そうかい、じゃあ俺にはムリだなと呟くと
「理解力が無い有機生命体が学力を向上させる為には時間をかけて理解するか、より理解しやすい解説が必要。」
なら長門の理解力を分けてくれたらな、とか思いながら今回の今日までに受けた試験は珍しく高得点を狙えそうだった俺は明日の教科の勉強を始めた。


分からないところがあったら長門に聞き、古泉に解説させるというパターンで明日の勉強を終わらせた。
明日は平気そうだが、明後日に俺の苦手科目があるので明後日の分も今のうちに勉強しておくことにしてハルヒがくるまで勉強していよう。

もう少しでキリのいい所、ここまでで今日は勉強を終わらせようとしているとハルヒがやってきた。
これが終わった頃に来てくれるとちょうど良かったのにな、と思いながらもハルヒに挨拶をし、勉強しなさいと怒鳴られた。
かつてないくらいの集中力で勉強していた俺は疲れていたんだと思う。

「じゃあ家に帰って勉強するとしよう」
十分勉強して明日は安泰だと思ったから家着いたらすぐに寝ようと思っていたが、そんな事を言ったら殺されかねないので言わないでおく。
「待ちなさい! あたしがしっかり明日の分を教えてあげるわ!!」
もちろん明日の分は何とかなると思ってるし、明後日の方が不安なので明日の分に時間は割きたくない。どうせするなら明後日の分の勉強を教えてもらいたい。
「明日のは長門に教えてもらって何とかなりそうだから、明後日の分を教えてくれないか?」

ハルヒは明日の教科にそうとう自信を持ってるらしく、教えると言って聞かない。明日の教科を勉強しないと明後日の勉強は教えないと言われた。
「しかしなぁ、全教科平均的にあげたい俺としては明後日の試験が不安なんだよ」
「決裂ね! キョンが明日の勉強をしない限りは明後日の分は教えてあげない。自力でやりなさい?」
ハルヒは俺が折れると思っているのだろう。勝ち誇った顔で言ってきた。正直、明後日の教科は苦手なので1人で勉強しても焼け石に水な事は俺もハルヒもわかっている。
ハルヒはわかっているからこそ、俺が折れるだろうと言ってきた。

俺は今日は帰って寝たかったので、
「なら俺は1人で勉強して平均点とって団長様を驚かせてみせよう」
と言った。ハルヒは不機嫌そうな表情になり、
「できるものならやってみなさい!」
と言い、もう教えないだの平均クリアできなかったら罰ゲームだの言い出した。平均クリアできなかったら1ヶ月間ハルヒを学校帰りに送らなければならない事になった。
そんな約束してまで家に帰りたかった訳ではないが、何となく了承した。
「じゃあ今日はもう帰りなさい!」
不機嫌そうに言われて俺は何となく従った。



家について俺は飯も食わずに寝た。相当集中していたのか、すぐに熟睡できた。
そして弊害として朝早くに起きた俺は罰ゲームの事を思い出して登校時間まで勉強をする。もちろん明後日の教科だ。
ほどよく勉強した俺は早めの朝食を取ろうとリビングに行くと母親に小言を言われた。勉強はしているのか、何で勉強しないであんなに早くに寝るのかなど。

聞き流して学校へ行き、本日の試験を受ける。思った通りの手応えで、あとは明日の試験を残すだけだ、と思って文芸部室に行って勉強をする。
文芸部室には朝比奈さんと古泉が勉強していて長門は本を読んでいる。俺も定位置で勉強を始めるとハルヒが来た。

「どう? 平均クリアできそう?」
ハルヒは俺の厳しい現状を知っていて言ってきた。
「正直、今のままでは厳しい。」
「言っとくけど謝っても許してあげないわよ? そうね、教わりたかったら一発殴らせなさい!」
そんなに怒っているのかと思ったが、殴られるのも罰ゲームも嫌だった。
「殴られるのは困る。そうだな、長門は教えてくれないか?」
「有希! 教えたらダメよ!」
「何でだ? 分からないところを聞くくらいはいいだろう?」
ハルヒはダメと言い張り、結局1人で勉強することになった。1人で勉強するなら家がいいだろうと考えてそのまま帰宅することにした。


家に帰り、部屋で1人で勉強してると親が30分置きくらいで様子を見に来る。集中できないから図書館に行ってくると言い、家を出て行こうとしたら親に非常に怒られた。
学校でも家でも勉強してる様子がない俺が図書館に行って勉強できるはずがない、という事らしい。必死にやってるのに。
今回は今までにないくらい勉強していて疲れている上に、家で勉強できないのは親が様子を見に来るからということもあって文句を言ってると喧嘩になった。
そして最終的に「そんなに家で集中できないならでていけ!」と言われ、売り言葉に買い言葉で「そうする。もう知らん」と言って家を飛び出した。

冬の寒さに震えながら当初の目的地である図書館に着くまでに、厚着してくればよかった、とかこの年で家出か、とか考えていた。
しかし今回は俺は非は無い。その上出て行ってすぐに帰るのはみっともないのでとりあえず図書館で閉館まで勉強しながら考える事にした。



図書館に着くとあいつがいた。今日も寡黙に読書していた無口な宇宙人だ。
「よう長門」
と声をかけるとこちらに振り向いて小さく頷いた。

「あなたは勉強しなければならないはず」
そうなんだ、俺は明日の授業で来月の楽できるか苦労するかが決まる。
俺は家で勉強できない理由を言い、ここで勉強しようと思ったこと、できれば明日の勉強を教えて欲しいということを長門に言った。

「ならあなたはうちへくるべき」
とりあえず、落ち着いて勉強をできる場所を確保した。名言こそしてはくれなかったが長門ならきっと勉強を教えてくれるだろう。
「家族と和解するまではうちにいるといい」
そこまでは考えていなかったが、今さら家に帰るのも嫌だったのでお願いすることにした。

そして俺は長門に勉強を教えてもらっている。普段は古泉の解説がないと理解できないくらい高度な解説をしている長門だが、今日は非常にわかりやすい。
深夜まで勉強をして、手応えを感じた頃に眠りについた。俺はコタツに突っ伏したまま寝ていた。
翌朝に長門に起こされると、朝食を食べてから一緒に登校した。


定番と言えば定番なのであろう登校中にハルヒ含むSOS団や谷口に見つかるといった事もなく登校できたのは朝早くに起こしてくれた長門のおかげだろう。
そして試験前にも最後の追い込みをしてた。が、ハルヒに邪魔をされてはかどらなかった。
試験中にはハルヒの消しカスが飛んできて集中できなかった俺は、平均点をクリアできるか微妙だった。

「あれだけ大見得きったんだから平均点くらいクリアしてみせるんでしょうね!」
わからん、微妙だと言うとやっぱりあたしがいないとダメねなんて言われたが、お前のせいで集中できなかったとは言わずに「そうかもな」と言っておいた。。
最後に、来月は楽しみにしてなさい! と言われていったん会話は終了した。

「ところで今日はSOS団は休みよ!」
「何故だ?」
「打ち上げパーティの準備があるのよ! じゃあ急ぐから! じゃあね!」
そういってハルヒは帰っていった。

俺はいったい何をさせられるんだろうな、何て考えながら中止の旨を伝えるべく文芸部室に向かう。


部屋に入るとハルヒ以外の全員がいた。挨拶もそこそこに、古泉が「どうでした?」なんて聞いてきた。
「正直、微妙だ」
「そうですか。平均点をクリアしているといいですね」
「そうだな、今は祈ることしかできない。ところで今日は活動は休みだそうだ。試験が終わったから打ち上げパーティをするようだが、その準備のためにハルヒは帰った。」
「わかりました。では僕は帰りますけどみなさんはどうしますか?」
「えっと、わたしも帰ります。キョンくんはどうするんですか?」
「古泉も朝比奈さんも帰るのか。俺はどうしようかな。長門、どうする?」

「帰る。あなたは今日もわたしの家に泊まるべき。あなたにやってもらいたいことがある。」

古泉と朝比奈さんは驚いた表情を見せた。それはそうだ。今日も泊まるべきという事は昨日も泊まったことになる。しかも万能選手に頼み事を頼まれた。
俺は簡潔に事情を話したら納得してくれたようだった。古泉から、ハルヒには知られないようにとの忠告を受けて俺は素直に受け取った。
「では朝比奈さん、お邪魔者は帰るとしましょうか」
「ええっ」

そう言って古泉と朝比奈さんは帰っていった。

「それはそうと、俺は何をしたらいいんだ?俺は一泊の恩も勉強を教えてもらった恩もあるし、出来ることならやってあげたいが命に関わる事はやりたくないんだが」
「これは生命には関係ない事。うちに来て」
俺はわかった、と言い長門と長門の家へ向かった。



「ここに座って」
長門の部屋に着き、リビングに通された直後に言われた。
俺は言うとおりに座る。長門はキッチンに消えていく。これから俺はいったい何をすればいいんだろう。

少しするとお茶を持った長門がやってきた。
いつかのようにお茶を3杯ほど飲むと、長門は言った。
「あなたは疲れている。今日は風呂に入ってすぐに寝るといい」

昨日もほとんど寝てないし普段からは考えられないくらい集中して勉強して疲れ果てていた俺は長門の提案を受け入れた。 
そして風呂場でその疲れた脳みそを働かせて考える。

もしかしたら長門の頼みごとは肉体労働なんだろうか。だから今日休ませて明日働かせようとしてるのか。
だけど今までの長門の恩を考えれば肉体的にきつくてもやってやろうと考えていた。

風呂から上がって長門の用意した、何故か俺にぴったりの服を借りてリビングに戻ると今度は長門が風呂に入っていった。
入る前に今日は布団が用意してあり、先に寝てていいと言われたので素直に寝ることにした。明日はどんな労働が待っているのかわからないし。

布団の中に入り寝る体勢を整えてから、布団が一つしかない事に気付いて長門はどこで寝るんだろうと考えていたら長門が風呂をでた。
どうするのか聞いてみようと考えてたら長門が寝室に来た。そして俺が口を開く前に布団に入ってきた。
「なっ長門?」
「あなたに頼みたいこと、それはエラーの解消」
またしても俺が口を開く前に長門は俺に寄り添って、言った。
「あなたの近くにいるとエラーが解消される。昨日あなたが来たときにエラーの解消が確認された。あなたは何もせずにそばにいてくれればいい」
俺は心臓をドキドキさせながらも必死で平坦な声をだして、「そうかい、わかったよ」と言い、何だかほっとした。。

長門によると、俺とハルヒが仲良くしているのを見るとエラーが発生するらしい。
それは有機生命体の『嫉妬』という感情だぞ、と教えてやった。そして長門が俺の事を想ってくれている事を感じた。

長門が俺を頼ってくれるのも、そばにいてくれればいいと言う発言もうれしかった。
そして軽く長門を引き寄せて頭を撫でてやると俺の心臓も落ち着きを取り戻した。心臓どころか心も非常に落ち着いた。

そうして長門の頭を撫でていると、最初は嬉しそうな顔をしていたがいずれ眠りに着いた。
そんな表情をする長門を見ていると何だか無性に長門が可愛く思えて、恥ずかしくなって俺も眠りに着いた。



俺が起きた時はすでに昼だった。今日は試験休みというありがたい休日だった。
長門はすでに起きていてリビングで読書をしていたが、俺がリビングまで行くと遅い朝食をだしてくれた。
そして食後に親からの電話で、試験は終わったんだから帰って来いと言われて返事をする前に電話を切られた。
「エラーは昨日の時点でほとんど解消された。あなたは家に帰るべき」
じゃあ俺は夕方には家に帰るよ、夕方までは長門の近くにいると言い、長門は少しうれしそうにしながら俺に寄り添ってきた。

俺に寄り添ったまま本を開いている長門は、たまにでいいからきて、エラーを解消してほしいと言われた。
「なら、たまにとは言わずに行ける時はできるだけ行くようにするさ。それと、エラーを溜めさせない為にもハルヒを2人きりにならないように心がける」
俺も長門が好きだし、長門といると落ち着くからな、とは言わなかった。
長門は頷くと視線をこっちに向けた。

それにしても長門といると心がこんなに落ち着くなんて。俺は軽く長門を抱いてみた。
長門はうれしそうな、それでいて少し困った表情で言った。
「明日以降は昨日までのように私に接することを推奨する」
「情報統合思念体の意思か? それとも長門は嫌なのか?」

「私という個体は今の状態を望んでいる。しかしその結果あなたと涼宮ハルヒが疎遠になることを情報統合思念体は望んでいない」
そうか。でも俺たちにはまだまだ時間はあるんだ、ゆっくりでいいさ。ハルヒの前でだけ前みたいに接すればいいんだろ、いつかはハルヒも思念体もわかってくれるさと思いながら、でも今だけはと思い少し強く長門を抱きしめた。

それから俺は長門の作ったカレーと食べて、親に電話してからもう一泊する旨を伝えた。明日からはハルヒを筆頭にSOS団員の前では今まで通りに接しなければならないし、接しようと決めたからだ。
学校が始まったらSOS団の目に着く可能性のあるところでは今まで通りに接しなければならない。長門と完全に2人きりなんていつなれるかわからない。

それに、今は少しでも長い時間を共有していたかった。




夜になると、もろくも俺の誓いは崩れ去る事になる。
突然かかってきたハルヒからの電話で、今から長門の家で打ち上げパーティをすると言われた。長門に了解を得てないどころか、知らないうちなのに。
その後長門にも同じ電話がかかって来て、30分後に現地集合となった。すでに現地である長門の家にいる俺は早く着いたことにする。

10分もしないうちに、中身は食料品と思われるあり得ないくらいの量の袋を持ったハルヒが来た。

「キョン! なんであんたがいるのよ!」
「お前に呼ばれたから来たんだ」
「早すぎるでしょう!?」
「たまたまここいらを散歩してたんだ。近かったからそのまま来た」
「キョンが最後だと思って罰ゲーム考えてきたのに」

そういうとハルヒは袋を端に置いてコタツに入った。
それから5分くらいすると古泉と朝比奈さんが来た。定例のあいさつをして四人でコタツを囲む。長門はお茶を入れている。

「涼宮さんもあなたもずいぶんお早いお着きでしたね。一緒に来たのですか?」
「断じて違う!俺が一番に着いたんだ。なのに何で俺が一番に来たときに限って罰ゲームはないんだ?」
「それは涼宮さんがあなたに罰ゲームをしてもらいたいと望んでいるからではないですか?」
「ハルヒはそんなに俺の事嫌いなのか?」
「いえ、逆ですよ。好きな人に意地悪してしまうあれですよ」
よくわからん。

長門がお茶を持ってきた時にはハルヒは既に酒を持ってきてた。もう飲まないって言ってたのに。
そして四角形のコタツに4人座っているので座るところがない長門にハルヒが気付いて言った。

「何やってるのよ有希、座りなさい!」
「座るところがないから立ってるんだろ? 俺が退くからここに座っていいぞ」
「そう」
「キョンは退かなくていいわ! 有希、キョンの上に座りなさい!」
「そう」

そう言うと長門は俺の脚の上に座った。足を組んで座っているので変にフィットしている。
古泉と朝比奈さんは知った顔でニヤニヤしている。言い出したハルヒは少し不機嫌そうにして酒を煽った。

「そうだ!」
ハルヒはすでに相当飲んだらしく真っ赤な顔で先ほどの大きな荷物から非常に大きな服を取り出した。
「キョン! 二人羽織しなさい!」
「なぜだ!?誰とだ!?」
「うーん、古泉くんだと入らなさそうだからあたしかみくるちゃんか有希ね」
俺は3分の2であたりを引けると思い承諾した。外れが誰だかは言わない。
「みくるちゃん、やってみる?」
「えぇ??恥ずかしいですぅ」
「大丈夫よ! お酒呑めば恥ずかしさなんて忘れられるわ!」
そう言ってハルヒは朝比奈さんに度数の高い酒を飲ませ、朝比奈さんをノックアウトした。そして確立は二分の一まで下がった。

「みくるちゃ~ん起きなさい!」
「寝させてやれ。無理やり起こすことはないだろう?」
そういうと俺は朝比奈さんを抱えて布団の敷いてある部屋に寝かせた。
「朝比奈さんはダウンでいいじゃないか。」
「それもそうね、じゃあどうする?」
「涼宮さんがやってみてはどうでしょう?」
俺は俺にはずれを引かせようとした古泉に酒を飲ませた。ノックアウトまであと3杯ってとこか?

「ハルヒは俺と二人り羽織やりたいのか?」
「進んでやろうとは思わないわね!」
計算どおり。意地っ張りなハルヒは例え俺と二人羽織したくても素直に言わないと思ったんだ。そして長門なら断らない。
「長門は俺と二人羽織するか?」
「する」
「じゃあハルヒに悪いから長門に頼む」
よかった。外れを引いたら何されるかわからないからな。古泉が何か言ってたので酒を飲ませた。大分つらそうな顔をしてる。あと2杯くらいでノックアウトできるだろう。
そうして俺は非常に大きい服をきて、背中に長門を入れた。
「じゃあ有希! これをキョンに飲ませなさい!」
ハルヒは一杯の透明な、度の強そうな酒を渡した。

長門は見事に俺の口へ運んでくれて、まるで違和感が無かった。しかしきつい酒だな。

「すばらしいコンビネーションですね」
とりあえず俺は古泉に酒を飲ませた。予想よりも1杯早くノックダウンした。そのまま古泉は放置する。
「もう1杯行きましょう!」
ハルヒ、俺はダウンしそうだぞ。

またも非常に違和感なく俺の口へ入ってきた。しかしさっきよりもコップの角度があるため一気飲みに近い形になった。
頭がくらくらする。
「ハルヒ、このお酒は強すぎるんじゃないか?」
「なによ、もうダウンするの? いいわ!有希、出てらっしゃい?」

長門が背中からでてくると、今度は俺の隣に座った。俺はそこで座ってられなくなり、長門の膝の上に頭を乗せる感じで倒れこんだ。
ハルヒが何かを言っているが聞こえない。長門が撫でてくれるのが気持ちいい。そうして俺はブラックアウトした。


俺の目が覚めた時には全員起きていた。長門以外つらそうだった。

「おはよう」
「わかったわ!!」
「朝から何がだ?」
「あんたと有希の気持ちよ!」
「だから何がだ?」
「酒は本性を出すって言うでしょ?」

と前置きをしたハルヒによると、酒を飲んで本性をだした俺と長門を見ていると、どうやらお互い好きあっているらしい。でもお互いに自分の気持ちにも相手の気持ちにも気付いてない、と言った。
酒を飲ませただけでそんなにわかるか! っと言いたかったが半分は当たってるし何も言えなかった。
当たっている半分は、お互い好きあっていること。外れている半分は二日前に気付いたお互いの気持ち。
そうして俺は投げやりに言った。

「そうかい、そういうことにしておくよ」
俺はそう言いながら、ハルヒが認めたってことは思念体も認めざるを得ないと考えて、これからは長門とどうどうと一緒にいれると思って歓喜した。


その後に朝比奈さんに聞いたんだが、ハルヒは俺と長門の気持ちに気付いていたらしい。
そして、やけ酒飲んで忘れようとしたとか。ハルヒは常識的なのか非常識なのかわからない。しかし最大の障害は無くなった。
ハルヒが俺と長門の関係を許すとしたら俺はハルヒの鍵ではなくなったという事になるだろう。

ハルヒの気遣いには感謝しながらこれからは長門と一緒に歩いていこうと思う。きっと長門とならずっと一緒にいれるだろう。
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