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――ある金曜日の放課後――
ハルヒ「暇! 退屈! っていうか何でみくるちゃんも有希も古泉くんもいないのよ!」
ハルヒ「あーもう! 暇暇暇暇! 宇宙人でも部室に現れないかしら」
???「ご要望があるようなので!」
ハルヒ「は?」
宇宙人「(どーんと部室の扉を開けて登場)こんにちは! 宇宙人です!」
ハルヒ「(部室にあわれた中学生ぐらいの少年をうさんくさそうに見つめ)どこが宇宙人よ。どうみても地球人じゃん」
宇宙人「我々の科学技術により精巧にこの星の人間と似せているのです」
ハルヒ「大体、何で日本語しゃべってんのよ。おかしいじゃない」
宇宙人「勉強のたまものですね! いやーなかなか大変でした。毎日テレビを見続けて」
ハルヒ「それは勉強じゃない!」
宇宙人「覚えられたからOKです。しかも、この星の文化も習得できて一石二鳥!」
ハルヒ「文化? へー見せてほしいモンだわ」
宇宙人「良いでしょう――フォー!」
ハルヒ「(゚Д゚)」
宇宙人「セイセイセイセイセイセイセイセイ!」
ハルヒ「(゚Д゚)」
宇宙人「バッチコーイ! ……どうですか? これで僕の努力も信じていただけるかと」
ハルヒ「帰れ! この不審者!」

◇◇◇◇


ハルヒ「(宇宙人の頬をのばしながら)何が目的? きっとSOS団の活動が気にくわない謀略機関の仕業ね! 白状なさい!」
宇宙人「信じてくだひゃーい!」
キョン「(部室にやってきて)なんだ、今日は児童虐待をやる日なのか?」
ハルヒ「そんなわけあるか! この不法侵入者を尋問中なのよ!」
キョン「尋問じゃなくて拷問だろそれは……」
ハルヒ「ちょこざいなつっこみはノーサンキューよ! で、とっとと白状なさい!」
宇宙人「だから嘘じゃなくて本当に僕は宇宙人なんですよ~!」
キョン「(宇宙人をハルヒから解放し)とにかく昨今いろいろあるのにこれはまずいからやめろ。で、宇宙人? この少年が?」
宇宙人「そうなんです。でも全然信じてくれなくて」
キョン「(ぽんとハルヒの肩に手を置き)良かったなハルヒ。ついに宇宙人に巡り会えたじゃないか。今日は記念日だな」
ハルヒ「これのどこが宇宙人よ! どっからどうみても純粋なる大和民族じゃない!」
キョン「ずいぶん細かく分類するんだな」
ハルヒ「うっさい! とにかくこのSOS団団長を騙そうなんていい度胸じゃない! みっちり絞り上げてやるわ」
キョン「まあ、とにかく落ち着け。で、少年。ここは高校関係者以外は立ち入り禁止だぞ。どっから入り込んだんだ?」
宇宙人「……宇宙人に対してそんな冷静な指摘をしないでください」
キョン「宇宙人でも部外者は部外者だ。UFOに乗っていようが、超能力が使えようが関係ない」
宇宙人「(反論しようが無くなり)うっ……。というか宇宙人を目の前にしてずいぶん冷静ですね」
キョン「すでに(あわてて口を止め)別に信じていないしな」
宇宙人「そ、そんな~」
ハルヒ「(すっと団長席の机に座り)大体、一体何を根拠に自分を宇宙人と証明するつもりなのよ。遺伝子でも見ればいいわけ?」
宇宙人「(得意げに)遺伝子を解析しても無駄です。この星の人間に完璧にあわせていますから」
ハルヒ「じゃあ、証明しようがないじゃん。私は宇宙人ですって」
宇宙人「…………」
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
宇宙人「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

◇◇◇◇


宇宙人「(途方に暮れて)シクシク……」
キョン「で、どうするんだよ。こいつ」
ハルヒ「知らないわよ。あたしが連れてきた訳じゃないし」
宇宙人「シクシク……」
キョン「とりあえず、家はどこだ? 電話番号を教えてくれれば、連絡を取ってやるぞ」
宇宙人「住所は宇宙の果てです。電話番号は0120-888-888」
キョン「……おまえな」
宇宙人「(むくれて)本当なんです!」
ハルヒ「大体住所聞かれて宇宙の果てって何よ、それ。どうせならアンドロメダ星雲105番地とかにしなさい」
キョン「そりゃ一体どれだけ番地があるんだよ」
宇宙人「(さらにむくれて)あんなところに人は住めません!」
キョン「つっこみどころはそこかよ!」
ハルヒ「……まあいいわ。電話番号がわかるならえーと0120-88……ってダック引越センターじゃない!」
キョン「ナイスボケとつっこみだ」
ハルヒ「(顔を紅潮させ宇宙人の頬を引っ張りながら)どれだけあたしをコケにすれば気が済むのよ……!」
宇宙人「(涙目で)家の電話番号は本当にそうなんですっ!」

◇◇◇◇


キョン「とりあえずだ。ここにいても良いが下校時間になったら出ていててもらうぞ」
宇宙人「ああ、なるほど。それ以降はあなた達二人っきりになるということですね。わかりますわかります」
キョン「全然わかってねえ!」
ハルヒ「はいはい。いい加減疲れちゃったわ。これ以上時間は無駄にできないわよ。明日の不思議探索の件もあるし」
キョン「ああ、そういやそうだったな。しかし、そろそろあきらめたらどうだ?」
ハルヒ「そんなわけにはいかないわよ! まだ何も見つけていないんだから!」
キョン「でも、長門も朝比奈さんも古泉も参加できないっていっていたぞ。さっきメールが届いた」
ハルヒ「(眉毛をひく付かせて)どうしてあたしじゃなくてあんたに連絡してくるわけ……!?」
キョン「おまえがそういう反応をするからだろ」
ハルヒ「……でもまあ、ダメなら仕方ないわね。キョン、明日は二人でやるわよ」
キョン「あきらめるという選択肢はないのか、お前の辞書には」
宇宙人「(すっと手を挙げて)はーい質問デース。不思議探索ってなんですかー?」
ハルヒ「不思議探索ってのはね! 町中をパトロールして何か変わったものがないか調査する事よ!」
宇宙人「(ぱっと笑顔を浮かべて)おもしろそうですね!」
ハルヒ「そうでしょ!」
キョン「いきなり意気投合しやがった」
宇宙人「明日やるんですか? 僕も是非参加したいんですが!」
ハルヒ「良いわよ! じゃあ、明日いつもの場所でね!」

◇◇◇◇


ハルヒ「おっそいわね」
キョン「まだ予定時刻の30分前だぞ。無理もない」
ハルヒ「全く……参加するなら1時間前集合を基本よ。SOS団団長を待たせるなんて信じらんないわ」
キョン「ま、気長に待とうぜ」
ハルヒ「ただでさえ今日はあんたと二人だけなんていう良くない状態だってのにさ」
キョン「俺は別に構わないぞ。二人っきりでも」
ハルヒ「(眉をひそめてアヒル口で)……それは本気で言っているわけ?(実は耳まで真っ赤)」
キョン「嘘だよバーカ」
ハルヒ「殺す!」

◇◇◇◇

宇宙人「あれ? 皆さん早いですね。9時からじゃなかった出したっけ?」
ハルヒ「遅い! 団長を待たせるなんて最低の違反行為だわ! 罰として喫茶店おごりの刑ね」
宇宙人「ええっ!? ……わかりました。仕方ありません」
キョン「(ま、実際にはこんな子供に払わせる訳にもいかないから俺が立て替えるかと思いつつ)じゃあ、喫茶店に入ろうぜ」

◇◇◇◇


ハルヒ「(喫茶店で地図でコースを説明しつつ)今日は3人しかいないから班分けはしないわよ」
キョン「それで構わん」
宇宙人「いつもはもっと人がいるんですか?」
ハルヒ「あと3人ほどね」
宇宙人「なるほど。いつもは5Pってやつですね!」
キョン「でかい声で誤解を招くようなことを言うな!」
宇宙人「(狼狽しながら)え? 五人パーティーってことじゃないんですか?」
キョン「(こいつ本当に宇宙人だったりしないのか?と思いつつ)悪い。俺の早とちりだが、その表現は誤解を招くからやめろ」
宇宙人「は、はい……」
ハルヒ「なに訳のわからないことを言ってるのよ。さあ、コースも決まったし出発するわよ」
宇宙人「(財布を取り出し)わかりました。会計は僕の方でやります(財布の中には万札がぎっしり)」
キョン「(それを見てから大まじめな顔に変わり)少年」
宇宙人「はい?」
キョン「(微妙に口からよだれを垂らしつつ)色々言ってすまなかった。俺、君のことをサポートしたいと思っている」
宇宙人「は、はあ……」
キョン「(電話番号を書いた紙を渡して)何かわからないことがあればすぐに聞いてくれ。大丈夫、下心はないから」
宇宙人「そんな下心丸出しの顔で言われても……」
ハルヒ「ほらっ! バカな話してないでとっとと出発するわよ!」

◇◇◇◇


宇宙人「で、具体的になにをすれば良いんですか?」
ハルヒ「(地図を見ながら)歩きながら普段とは違うようなものを探すのよ。見たことのないマンホールとか電柱とか」
宇宙人「ほうほう」
ハルヒ「で、見つけたら……まあ、写真を撮りましょう。それが証拠になるわ」
宇宙人「あ、カメラなら持ってきましたよ(鞄からポラロイドカメラを取り出す)」
キョン「こらまた古いものを持ってきたな」
ハルヒ「今時、携帯電話でも写真が撮れるって言うのに」
宇宙人「でも即座に写真が出せるのはいいですよ。それにこのカメラにはちょっとした秘密があるんですよ」
キョン「なんだよそれ」
宇宙人「(得意げな顔で)これのカメラで写真を撮ると、目には見えないものが映るんですよ」
ハルヒ「(ぱっと100W笑顔を輝かせ)ホント!? ひょっとして霊界カメラとか、UFOカメラとか!?」
キョン「(額に手を当て)なんだそれは……」
宇宙人「まあ見ていてください。こうやってなにもない空を撮っても……」
ハルヒ「(わくわく)」
キョン「(やれやれ)」
宇宙人「(現像された写真を二人に見せて)ほらこんな感じに写るんです(青空にUFOが写った写真を見せる)」
ハルヒ「なにこれ!? すごいじゃない!」
キョン「(困惑の表情を浮かべ)マジかよ……」
宇宙人「どうですか? このカメラの実力は。何でも好きなものを写真に写せるんですよ」
ハルヒ「は?」
宇宙人「(カメラの脇からUFOが描かれたスライドのようなものを取り出し)ここにこれを入れれば写真に写せるんです」
キョン「インチキじゃねーか!」
宇宙人「え? 何か問題でも?」
ハルヒ「大ありよ! あたしたちはUFOビリーバーを釣るためのインチキ写真を撮りに来ているんじゃないんだからね!」
キョン「微妙に問題発言をするなよ」
ハルヒ「うっさい。とにかくそんなんじゃ絶対にダメよ。あくまでも本物を探すんだから!」
宇宙人「は、はあ……」

◇◇◇◇


宇宙人「団長! 怪しいものを見つけました!」
ハルヒ「でかした! で、なに?」
宇宙人「(草の葉っぱについたカタツムリを指差し)これです! 見たこともない軟体生物!」
ハルヒ「……あんた、カタツムリも見たことがないわけ?」
宇宙人「え? これがあのカタツムリなんですか? 僕が知るものはこんな渦巻き状の殻なんて無かったような」
キョン「それはナメクジだ」
宇宙人「……これがそうなんですか。うーむ、覚え間違えました」
ハルヒ「覚えたって割には隙だらけの知識ね」
宇宙人「(ふてくされたように)テレビじゃそんな違いまでは覚えられないですよ」
キョン「普段、どんなテレビを見ていたんだ?」
宇宙人「BBC(びわ湖放送)、TVN(奈良テレビ)、WTV(テレビ和歌山)」
キョン「やたらと地域密着な放送局ばかりだな」
宇宙人「あと家族そろってでチャンネル桜を」
キョン「……ノーコメントだ。NHK教育も見た方が良いぞ」
宇宙人「NHK? 日本引きこもり協会?」
キョン「それは引きこもり漫画のタイトル」
宇宙人「日本ホモ協会?」
キョン「アナルでやれ」
宇宙人「(怪訝な顔で)アナルって何ですか?」
キョン「(うっ……と唸り)何でもない忘れろ、ただの妄言だ」
宇宙人「は、はあ……」

ハルヒ「(良いこと思いついたと)ねえ自称宇宙人」
宇宙人「自称はいらないです」
ハルヒ「(無視して)あんた、宇宙人って言うならこのカタツムリを食べて見せなさい」
宇宙人「これを食べるのと宇宙人といったい何の関係があるんですか!?」
ハルヒ「あたしの認識している宇宙人ってのは、こうハエとかを、舌を伸ばして捕食するっていうイメージがあるのよね」
宇宙人「僕はカメレオンじゃないです!」
キョン「カメレオンは知っているのか」
宇宙人「大体こんなグロテスクなものは一部の珍味マニアしか手を出さないです。やっぱり納豆・ご飯・みそ汁・鮭が基本ですね」
キョン「ますます生粋の日本人じゃないか」
ハルヒ「食べたら信じてあげるわよ、あんたが宇宙人であるって事を」
宇宙人「(苦悩の表情を浮かべ)くっ! わかりました! 食べたら信じてくれるんですね!(葉っぱごとカタツムリを捕る)」
ハルヒ「(え? 本気?と困惑した顔をしながら)ちょ、ちょっと……」
宇宙人「(口元にカタツムリを運び)行きます!」
ハルヒ「ああああ! 待って待って! 嘘よ冗談よ!(あわててカタツムリを取り上げ草むらに放り捨てる)」

◇◇◇◇



宇宙人「(プンプンしながら)食べたら信じてくれるって言ったのに……」
キョン「(宇宙人には聞こえないように)どうしてあんなに必死なんだ?」
ハルヒ「(宇宙人には聞こえないように)あたしに言われてもわからないわよ」
宇宙人「一体どうすれば信じてもらうことが……」
ハルヒ「(宇宙人には聞こえないように)でもノリは良いわね。他の団員には無いタイプだわ」
キョン「(宇宙人には聞こえないように)まだ子供で純粋なんだろ。それなりに裕福みたいだし」
ハルヒ「(宇宙人には聞こえないようにふふっと笑い)でもなんか楽しいな」
キョン「(宇宙人には聞こえないように)めずらしいな」
ハルヒ「(宇宙人には聞こえないように)何だかあたしたちにこ――なんでもないなんでもない失言よ失言! 気の迷い!」
キョン「?」

◇◇◇◇


宇宙人「(小高い丘の崖にやってきて)団長! 見つけました!」
ハルヒ「今度はなによ?」
宇宙人「(がけの下を指差し)あそこに見たこともない花が!(崖の一部に毒々しい形の花が一輪咲いている)」
ハルヒ「(がけの下をのぞき)おおっ! 確かに見たこともない花だわ! ひょっとしたら魔界の種子が花咲いたのかも!」
キョン「陰謀論並の論理飛躍だな、おい」
ハルヒ「(悔しそうに)あーでも、取りに行くには難しそうね。もっと準備を整えないと」
宇宙人「足を滑らしたら崖下まで落ちていきそうですね」
ハルヒ「こんな時に宇宙人がいてくれれば、こう腕をにゅーんと伸ばして取ってくれるのに」
キョン「おまえの頭の中の宇宙人は軟体生物なのか?」
宇宙人「(かっと気合いを入れて)わかりました! 腕は伸ばせませんが、僕が降りて取ってきます!」
ハルヒ「(びっくりして)待った待った! 落ちたら怪我じゃすまないわよ!(そう言って少年の襟首をつかむ)」
宇宙人「離してください! 宇宙人と信じてもらえるなら火の中水の中!」
キョン「待て待て! あのな。宇宙人だと信じてもらいたい熱意はわかる」
宇宙人「(ふてくされた表情)…………」
キョン「だが、こんな電波女のためにそこまでしても後で後悔するだけだ。そりゃ20年後ぐらいに笑い話にはなるかもしれんが」
宇宙人「むー」
ハルヒ「(シャーと猫が威嚇するように)電波女って……」

◇◇◇◇


ハルヒ「(時計を確認しつつ)今日はもう終わりね。解散にしましょう」
キョン「(宇宙人に向かって)だそうだ。続きはまた今度な」
宇宙人「(もの悲しげな表情で)実は僕は今日自分の星に帰らないと行けないんです」
キョン「(目を合わせずに)……そうなのか。それならまた来ればいい」
宇宙人「次に来れるのはいつになるかもわからないんです……ひっく(泣きじゃくり始める)」
キョン「おいおい泣くことはないだろ。ひどい事したってなら謝る」
宇宙人「(泣きながら)いえ皆さんは悪くないんです。自分で自分が宇宙人であることを証明できなことが情けなくって……」
ハルヒ「(ふっと笑みを浮かべ)信じてあげるわよ」
宇宙人「え?」
ハルヒ「これだけ一生懸命なんだもん。最初は怪しい陰謀かと思ったけどね。そうでないなら、信じるしかないじゃない」
宇宙人「ほ……本当ですか!?」
ハルヒ「約束するわ」
宇宙人「(ぴょんぴょん跳びはねながら)やったやった! よかったです! ありがとうございます!」
キョン「感謝されるようなことはしてないけどな」
宇宙人「また来て良いですか?」
ハルヒ「(親指をびしっと上げて)大歓迎よ!」
宇宙人「絶対にまた来ます」
キョン「ああいつでも歓迎するぜ」
宇宙人「(名残惜しそうに)そろそろ帰ります。一瞬まぶしくなりますが、それが終われば僕は消えています」
ハルヒ「じゃあまたね」
宇宙人「(涙目で)さようなら……(ぱあっと閃光が走る)」

◇◇◇◇


キョン「(つぶっていた目を開けて)消えてねえし(全速力でどこかに走っていく宇宙人を見つめる)」
ハルヒ「(つぶっていた目を開けて)まったく最後まで甘いんだから。もっと手を込んだことをすればいいのにね」
キョン「なあハルヒ」
ハルヒ「なによ?」
キョン「おまえ本当にあいつが宇宙人だって信じたのか?」
ハルヒ「(すっと夕焼けの空を見上げ)……そんな訳ないじゃない」
キョン「……そうか」
ハルヒ「(キョンの方に100W笑顔で振り向き)でも、あんなに楽しい宇宙人ならいつでも大歓迎よ!」

 ――二人を見下ろす空は、どこまでも高い――

◇◇◇◇


ここからは俺の後日談だ。
キョン「(長門と一緒に部室へ向かう廊下を歩きながら)なに? あの少年は本当に宇宙人だってのか!?」
長門 「そう。この惑星以外に生息する有機生命体。なぜこの惑星に来たのかは不明。観光程度の理由だと思われる」
キョン「(額に手を当て)なんてこった。しかし、長門とは全然違うタイプだったな。なんかそそっかしかったし」
長門 「あの有機生命体は科学技術レベルこそ高度なものを保有しているが、遺伝子レベルで性格に問題がある」
キョン「そうなのか?」
長門 「感情的な先走りで論理的な破綻を起こしやすく、支離滅裂な結論に到達しやすい。飽和な思考は打算的な結果を導けない」
キョン「わかりやすくいうと?」
長門 「(少し考えて)ドジで間抜けでおっちょこちょい」
キョン「ありがとう。すごくわかりやすかった」
谷口 「(キョンたちが通りがかったトイレから出てきて)おしっこおしっこるんるんるん~♪ ――ん? キョンじゃないか」
長門 「(すっと谷口を指差し)そうちょうど彼のような性格の個体が非常に多い」
キョン「……あの宇宙人、今度はたくさん来たりしないだろうな。こんなのが増殖したら地球は大混乱だぞ」
谷口 「(手をハンカチで拭きつつ)??????」


~~終わり~~

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