先に動いたのは古泉だった。
…。
ガッ!!
…。
殴った!……続けてハイキック…。
古泉の攻撃が続いている。
…。
「本気で殺すつもりみたいね」
…。
朝倉?
…。
「全て急所を狙っているわ」
…。
たしかによく見ると
ここにだけは喰らいたくない…
ってな感じの所に古泉の攻撃は命中している様に見える。
…。
「まずい」
…。
長門?
…。
「このままでは古泉一樹は敗北する」
「なんでだ?俺には古泉の方が優勢に見えるが?」
「攻めているのは古泉一樹、急所を狙っているのも事実。ただ……」
…。
…。
…。


~古泉一樹~
…。
…。
……クソッ…なんだコイツは…。
さっきから目の前の俺に攻撃をしているが……ほとんどダメージを与えてない。急所を狙っても寸前でポイントをずらされている。
…。
「この程度ですか?」
…。
-!?
…。
ドスッ!
…。
「グッ!!」
…。
右拳が俺の腹に突き刺さる。
…。
「野郎!!」
…。
…。
…。


~キョン~
…。
…。
ホモ泉の拳が腹に突き刺さり悶絶する古泉……古泉は怒りの表情を浮かべホモ泉に飛びかかる。
…。
「あの2人の力量は同じ…ただ、古泉一樹は冷静さを失っている」
「冷静さか…」
…。
あんな自分を見て冷静でいろ……ってのが無理があるように思うが。
…。
…。
…。
「…はぁ…はぁ…」
「もう息があがったみたいですね」
…。
まずい事になってきた……最初の勢いはすでに無く、今の古泉は動きに切れが無い……まさかホモ泉はこうなるのを狙っていたのか?

…。
「……朝倉さん」
「なに?」
…。
古泉が朝倉に話しかけた。
…。
「ナイフを貸してもらえませんか?」
…。
なんと!?
朝倉はしばらく考えた後…。
…。
「はい」
…。
朝倉はポケットからナイフを取り出し古泉に投げた……ってか朝倉…ヤッパリ持ってんのな…。
…。
「ありがとうございます朝倉さん」
…。
古泉はナイフを構えホモ泉に向けた。
…。
「おや、武器を使いますか」
「卑怯とでも言うつもりか?別に俺はお前と試合をしているつもりは無い…お前を殺せればそれで良いんだ」
…。
古泉がホモ泉に飛びかかる。
…。
-!?
…。
ホモ泉の頬が切れ血が吹き出た。
…。


「……とっさにかわさなかったら目をえぐられていた所ですよ……本気みたいですね」
「次は外さない」
…。
なんだこのバイオレンスな状況は…古泉、お前完全にキャラが変わっているぞ。
…。
「長門!このままでは……」
「素敵」
「ナイフの扱いが甘い」
「おい……朝倉!」
「私なら外さなかったわ」
「ちょ!?……喜緑さん!」
「ごめんなさい、私穏健派ですから」
「意味がわかりません!」
…。
宇宙人共は当てにならん!


…。
「古泉!おま…そこまで…」
「あなたは黙っていて下さい!」
「古泉…」
「こいつは悪魔です……なんとしても殺さないと」
…。
本気かよ…。
…。
「悪魔とはずいぶんな言われようですね…しかし武器を持たれるとさすがにこちらが不利…ならば」
…。
ホモ泉はそう言ってポケットに手を……それは!?
…。
「僕も道具を使わせてもらいます」
「……貴様…どこまで…どこまで俺を…」
…。
ホモ泉…なんて凶器を持ち出しやがったんだ…。
ホモ泉はア○ルバイブを手にし、微笑みを浮かべていた。


そしてホモ泉は古泉に飛びかかった。
…。
-!?
…。
古泉の頬から鮮血が飛び散る……なんでそれで切れるんだよ…。
…。
「次はあなたのア○ルに突き刺してさしあげます」
「やれるものならやってみろ!!」
…。
…キン…キン…キン
ぶつかり合う金属の音…ナイフファイトが始まった……いや、片方はナイフじゃないが……。
一見互角のように見えるが……駄目だ、古泉の顔に全く余裕が無い……このままじゃ…。
…。
「長門!このままでは!!」


「駄目、これは古泉一樹の闘い。わたし達が手を出しては駄目」
…。
ここの世界の長門はそう言った。
…。
「そんな……長門?」
…。
俺の世界の長門をみると…。
…。
「……」
…。
握りしめられた長門の拳からは血が流れていた。
…。
「……長門」
…。
-!?
…。
「グッ!!」
…。
古泉の肩から血が飛び散る……駄目だ、このままでは古泉が殺られる!いや…犯られるの間違いか…どちらにせよただでは済まない。
……ん?長門?
見てみると長門がこの世界の宇宙人3人娘と見つめ合っている……何だ?
…。


…。
「そう」
「わかったわ」
「わかりました」
…。
3人は呟き……うを!!
…。
…。
…。
すごい光景だ……宇宙人4人が同時に呪文を唱えている……何が起きるんだ!?
…。
ズン
…。
な!?……この感覚は…この空気…これは…。
…。
「この空間を閉鎖空間にした」
「長門!?やはりか…って事は」
…。
古泉達を見ると……2人は両手に光の球を持ち睨みあっていた。
…。
「ふんもっふ!!」
…。
古泉が光をホモ泉に向けて投げつける。
それをホモ泉は紙一重でかわし、自らも光を投げる。


古泉は左手の光でそれを相殺……自らを光に変えホモ泉に向かう。
ホモ泉も光に変わり、空中で2つの光がぶつかり合っている。
…まぁ、なんだ。やっぱりコイツら2人共変態だ。
…。
「長門」
「なに?」
「閉鎖空間にしたは良いが…何が狙いなんだ?」
「通常の戦闘では古泉一樹が不利と判断した、もう閉鎖空間での戦闘にかけるしかない」
「もしも…これで負けたら…」
「……大丈夫。もしもの時は……私が切り込む」


…。
長門は力強い目をしてそう言った。
…。
「それは不許可」
…。
え?…長門?いや、この世界の長門だ…不許可って…。
…。
「そうよね。ここで長門さんが手を出すのはフェアじゃないわね」
「そっちの世界の長門さん…それは駄目です」
…。
どうやらこの世界の宇宙人3人娘は長門が手を出すのを認めないようだ……どうする長門?
…。
…。
…。
2つの光がぶつかり合う中で、宇宙人3人娘と長門が睨みあっていた……おいおい、何なんだこの状況は…。
…。


「もしもあなたが手を出すと言うならば……私達はあなたを阻止する」
「そう言う事よ」
「長門さん、我慢して下さい」
…。
3対1…長門…さすがに分が悪いと思うぞ。
…。
「断る、古泉一樹を失いたくないと私という個体は強く思っている……邪魔をするなら容赦はしない」
…。
…長門、お前……しかしお前と同じ力の3人相手じゃ…。
…。
「私達3人と闘いあなたが勝利する確率は0%……あなたは早く謝るべき」


「同じ力を持つ者が3対1で闘ったらどうなるかどんな馬鹿でもわかるでしょ?
気持ちだけじゃ現実は変わらないのよ」
「長門さん、あなたの行おうとしている事は自殺と同じです」
…。
長門…謝った方が良いかもしれないぞ…。
…。
「同じ力?…あなた達は誤解をしている」
「誤解?」
「どういう意味よ?」
…。
長門の体からプレッシャーが広がっていく…おい…。
…。
「…え!?」
「…こ…これって…」
「…まさか!?」
…。
長門の瞳が紅く染まって行く…。
…。
3人娘が驚愕の顔で呟いた。
…。
「…ジ…ジェノサイドモード…」


…。
ジェノサイドモード?なんだその物騒な名前は?
長門はゆっくりと3人娘に近づいて行く……同時に3人娘はゆっくりと後ずさる。
……この状況はマズい、どっちにしても寝覚めの悪い結果になりそうだ…こうなったら…。
…。
「はいそこまで!」
…。
俺は両者の間に入りそう叫んだ。
…。
「なんでお前らが争う必要があるんだ!これは古泉とホモ泉の闘いだろうが!すこし冷静になれ!」
…。
4人の宇宙人は驚いた顔をして俺を見ている。
…。


「長門!」
「なに?」
「古泉が勝てば問題無いんだよな?俺は古泉が必ず勝つと信じているぞ!お前は信じてないのか?」
「……私は…」
「…今は見よう、古泉の闘いを…信じて」
…。
俺の言葉に長門はコクンと頷き古泉に目を向けた。
…。
…。
とりあえず宇宙人同士の闘いは避けられたか……古泉…後はお前が勝てば良いんだ。
頑張れ、古泉!!


…。
…。
2つの光の球は激しくぶつかった後大きく離れ、元の姿に戻った。
古泉を見ると……ボロボロだ…立っているのもやっと…って感じだな。
ホモ泉は……こちらも古泉と負けず劣らずボロボロになっていた、余裕の笑みはもう無い。
どうやら閉鎖空間での闘いでは古泉が優勢だったらしく素手やナイフで闘っていた時のダメージの差は埋まったようだ。
…。
今の所ダメージは同じ。
おそらくは……。
…。
「次で終わる」
「ああ、おそらくな」
…。
決着の時は近い。
…。
…。
…。


古泉は右手を上げ、頭上に巨大な光の球を作った。
…。
「これで終わりだ!!」
…。
古泉はその光を投げた。
…。
「甘い!!」
…。
ホモ泉は右手を光で包み向かってくる光を受け止めようとした……そこに!
…。
-!?
…。
ホモ泉の右肩にナイフが突き刺さった。
…。
「な!?」
…。
古泉は右手で光を投げたと同時に左手でナイフを投げていた。
巨大な光に気をとられていたホモ泉はナイフに気づかなかった。
呆然と右肩に刺さったナイフを見ていたホモ泉の全身を光の球が包んだ。
…。


「馬鹿…な…」
「消えろ!!」
…。
そして光の中で……ホモ泉は静かに消滅した…。
…。
…。
…。
「俺の……いや、僕の勝ちだ!」
…。
…。
…。
こうして古泉とホモ泉の闘いは終わった。
……な~に真剣に実況してんだろうな俺は……。
…。
…。
…。
~そして~
…。
…。
「おつかれ、古泉」
「ありがとうございます」
…。
長門に傷を治してもらった古泉に俺はねぎらいの言葉をかけた。
…。
「古泉一樹…頑張った」
「長門さん」
…。
…なんだか絵になる2人だな……軽く嫉妬…。
…。


「キョン君」
「ん?なんだ朝倉」
「古泉君が勝ってくれて助かったわ」
「なんでだ?」
「だって……もしもあの時古泉君が負けそうになっていたら長門さん…間違いなく飛び出していたでしょ?」
「おそらくな」
「そうなったら私達も飛び出さないといけない訳で……そしたら間違いなく私達は長門さんに消されていたから…」
…。
そんなにヤバいのか…ジェノサイドモード‥。
…。
…。
…。


「それじゃ戻りましょうか」
「涼宮ハルヒが待っている」
「そうだな、戻るか」
…。
元の世界に戻る俺達を長門、朝倉、喜緑さん、そして俺が見送っていた。
…。
「長門、みんな、世話になったな」
「いい」
「正直楽しかったわ」
「今度は遊びに来て下さいね」
「これで古泉に犯られない生活が送れる…ありがとうな」
…。
よかったな…俺。
…。
「じゃあ戻りましょう」
「ああ…ってなんで長門をお姫様抱っこしているんだ?」
「いえ…これが世界移動の時のスタイルですが」
「俺はどうすれば良いんだ?」
…。


ガシッ
…。
「これで良い」
…。
長門が俺の腕を掴んだ……これで良いのか?…まぁ良い。
…。
「それじゃ…」
「あ!待って!」
…。
朝倉?
…。
「さっき聞いたわよね?そっちの私ってどうなっているの?」
…。
あ…。
…。
「なんか私がそっちでは居ないみたいな感じだったけど…」
「……え~とだな…朝倉…お前は…」
…。
さて…どうするか。
…。
「朝倉涼子」
「ん?長門さん?」
…。
長門?


…。
「私達の世界のあなたはすでに消め…」
…。
-!?
…。
「長門!!」
「……?」
「…なに?私はすでになんなの?」
「いや…俺達の世界のお前も元気だぞ。
クラス委員で体育祭や文化祭もお前が盛り上げてくれて……クラスの人気者だ」
「本当!…でもなんで私見た時に驚いたの?」
「ああ…それは…お前は先週からカナダに旅行に行っているんだよ。クラスの仲の良い女の子達とな。帰ってくるのは春休みが終わってから…って聞いていたからな」
「なんだそうだったの…うん、わかった。じゃあそっちの私によろしくね」
「ああ、伝えておくよ」


「ふふ、じゃあね」
…。
ついても良い嘘って……あるよな?
…。
「世界移動を開始する。目を閉じて。」
…。
言われるまま目を閉じた……ぐっ…やっぱり立ちくらみか…。
…。
…。
…。
…。
「目を開けて良い」…。
目を開けるとそこは校舎裏だった。
…。
「戻れたか……はぁ~」
…。
安堵の溜め息をついた俺を古泉が妙に優しい目で見つめている……なんだ気持ち悪い。
…。
「いえ…朝倉涼子の事ですが…あなたらしいなと思いまして」
「その事は……さぁ、部室に急ぐぞ」
「ふふ、そうですね。急ぎましょう」
…。


…。
…。
~部室~
…。
「キョン!どこほっつき歩いていたの!罰金!!」
…。
へいへい、すまんかった。
…。
「さて、これでみんな揃ったわね…んじゃあ春休みの事だけど……」
…。
やっぱり引っ張り回されるのか…。
…。
「恒例の合宿を行います」
…。
マジですか…。
…。
「……んで、どこに行くんだ今度は?」
「それは…古泉君!」
「はい、多丸さんがまた新しい別荘を購入しまして、僕らにまたぜひ遊びに来てもらいたいと言われるものですから」
「…なる程な…で、また何か企んでいる訳だ」


「企むとは人聞きの悪い……まぁ企画は考えてありますけどね」
…。
ふん、まぁ良い。
…。
「反対は無いわね?それじゃ決定!」
…。
反対した所で同じだろ。
ウンザリしながらも少しワクワクしている自分……随分染まっちまったな……俺。
…。
…。
…。


…。
…。
~あの世界~
…。
…。
「帰ったか…」
…。
俺達は異世界から来た3人を見送った。
…。
「慌てて帰る事ないのに…」
「そうですね」
「あっちの世界はどんな世界なのかもう少し聞きたかったのにな」
「本当にそうです。僕もあちらのキョン君ともっと話したかったですよ」
「お前もそう思うか、古いず……な!?」
「おや、どうしましたか?」
「なんで何事も無かったかの様にここに居るんだお前!消滅したんじゃないのか!?」


「ふふふ、根性があればたとえ素粒子に分解されたとしても復活出来るのですよ」
「お前は根性の意味を履き違えている!!」
「……やっぱり復活した」
「さて、復活もした事ですし……キョンたん」
「ちょ!?お前…」
「さぁ!いきますよ!!」
「ちょ!?…やめ…おい!……アナルだけはアナルだけは」
「ふんもっふ!!」
「アッーーー!!!」
…。
…。
…。
…。
…おしまい。

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