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「それじゃ組み分け!」
…。
涼宮さんが笑顔で爪楊枝を差し出す…よほど彼と2人が楽しかったのでしょうか。
不思議探索午前の部が終わり皆で昼食を食べた後、再び組み分けが行われました。
さすがに連続で操作するのもどうかと思い長門さんと話し合った結果、今回はズル無しで普通にくじを引く事になりました。
さて、僕は……印無しですね、そしてパートナーは………。
…。
…。
…。

「……寒いな」
「寒いですね」
…。
今僕は彼と2人で肩を並べ歩いています。
もう3月だというのにこの寒さは普通じゃないですね……午前中は暑い所に居たので特にそう感じます。
…。
「ったく、何が悲しくてこの寒い中を男2人でうろつかないといけないんだ…」
「くじの結果です。仕方ないじゃないですか。こうなった以上楽しむ道を探しましょう」
…。
僕は笑顔で彼にそう言った。
…。
「楽しむ道ねぇ…」
…。
彼は不満そうにそう呟いた……ん?……何でしょうかこの感じは…?
彼を見ると僕と同じような顔をしています。
…。
「古泉…」
「あなたも感じましたか…この既視感を」
…。
前にも同じような事があったようなこの感じ。
…。

「まさかまた夏のようにループしてる…って訳じゃないだろうな?」
「いえ…それは無いと思いますが…」
…。
なぜなら僕は午前に長門さん、朝比奈さんと時間移動をしているから…まぁ、その後からループしている可能性は否定出来ませんが…。
…。
…。
…。
「あ!!」
「どうしました?」
「そうだ…夏だ。古泉、夏にもお前と2人になって同じような会話をしたぞ」
…。
夏?……あ!
…。
「あ-、そうですね、思い出しました」
…。
そうです、謎が解けました。
…。

…。
「それにほら、全く同じ道だぞ」
「ええ、偶然というのも面白いですね」
「ああ、たしかこの道をまっすぐ行って、そこで谷ぐ……」
…。
…。
…。
「……」
「……」
…。
…偶然というのは恐ろしい。
…。
「古泉」
「はい」
…。
僕達は回れ右をして元来た道を歩き出す。
…。
「ところで午前の探索はどうでしたか?」
「別に、特に何も無かったぞ」
「それにしてはずいぶんと涼宮さんの機嫌が良かったように見えましたが?」
「なんだその顔は…俺は別にあ……」
…。
「おい!」
…。
「……」
「……」
…。
「待てよ!」
…。

…やはり見つかっていましたか。
…。
「…仕方ないですね」
「…ああ」
…。
僕らは覚悟を決めて振り返った。
…。
「おお谷口、奇遇だな」
「こんにちは、谷口君」
「…お前ら気づいていただろ?」
…。
出会ってしまいました…夏と同じように道行く女性に声を掛けていたみたいですね、谷口君。
…。
「…わかってはいるが一応聞くぞ、何やってるんだ?」
「見てわからないか?ナンパだ!」
…。
彼は胸を張って答えました……あれから全く成長していませんね。

…。
「ナンパねぇ、この寒い中よくやるよ」
「馬鹿、寒いからこそやるんだ!寒いから女性は温もりを求めている、だからナンパの成功率も上がるってもんだ!」
…。
彼の呆れたような言葉に谷口君は前回と似たような言葉で返した……まったく懲りてません。
…。
「ん、古泉?」
「なんですか?」
…。
谷口君が突然僕に呼びかけました…?
…。
「いや……確かお前に何かあった様な…昨日…」
…。
-!?
…。
「……なんの事でしょうか?昨日はあなたとは会って無いと思いますが…」

「いや…朝に…お前と……あれ?ちょっと待て、すぐに思い出す…」
…。
馬鹿な…例のアレは長門さんの情報操作(?)により消去されたはず…思い出す事なんて…。
…。
「どうしたんだ谷口?」
「いや、昨日古泉と…な…な…な…」
…。
!?…そうか、死にかけた事により記憶が蘇った…僕も経験があります。
このままでは…。
…。
「…な…なが…なが…」
「なが?」
「あ!?そうだ!長……。」
…。
くっ!これしか無い!!
…。

「あ-!!!あんな所に松浦○弥が!!!!」
『なんだとおおお!!!』
…。
谷口君の言葉を遮るように叫んだ僕の言葉に彼と谷口君は反応し、僕に背中を向けた。
…。
チャンスは一瞬!
…。
僕の頭の中に新川さんの言葉が蘇る。
…。
(いいか?まずは足を天高く、天に蹴りを入れるように勢い良く上げるんだ)
…。
高く足を上げる!
…。
(それと同時に狙いを定め)
…。
狙いを定め!
…。
(そして目標に向かい振り上げた反動をそのままに一気に)
…。
振り下ろす!!
…。
ガッ!!
…。
「お゛」
…。

…。
…。
「…どこに居るんだ古泉?居ないぞ?」
「申し訳ありません、見間違いだったようです」
「なんだよせっかくアイドルに会え……谷口?どうした谷口!?」
「おや!どうしたんですか谷口君!?」
…。
彼が倒れている谷口君を抱き起こした。
僕達は気絶している谷口君に何度も呼びかける。
…。
「谷口!谷口!しっかりしろ谷口!!」
「谷口君!!」

「……ん…キョン…古泉…」
…。
谷口君が目を開けた。
…。

…。
「目が覚めたか谷口」
「……俺」
「あなたは突然倒れたんですよ……おそらく貧血でしょう」
「……貧血?…いや、何やら頭に…まるで背後から踵落としでも喰らったかのような痛みが残っているんだが…」
「何を言っているんですか!路上でいきなり踵落としを喰らうなんて事…この平和な日本であるはず無いじゃないですか!」
「古泉の言う通りだぞ、それにお前の後ろには古泉しか居なかったんだ。おそらく貧血で倒れた時に頭をぶつけたんだろう」
「……そう…だよな」
「そうですよ!」
…。
谷口君は頭を押さえながらゆっくりと立ち上がった。
…。
「ん?…古泉」
「なんですか?」
「……あれ?くそ!思い出したと思ったのに忘れちまった」
「一体何の事だか僕にはわかりませんが…そんな簡単に忘れる程度の事です。どうでも良いじゃないですか」
「そう…だよな、うん気にしないでおこう」
…。
…。
よし!!

…。
…。
「そうだ、キョン、古泉」
「なんだ?」
「なんですか?」
…。
予想はつきますが…。
…。
「一緒にナンパしないか?前回みたいに」
「断る!!」
「断ります!!」
「……即答かよ」
…。
当然です。
…。
「まぁ、そうだよな……実は、お前らに言って無かったけど前回……警察に捕まっちまったんだ俺…」
…。
……。
…。
「ほ…ほう…警察にね…」
「それは…災難でしたね…」
…。
「ああ、変質者って事でな…まぁ怒られただけですぐに帰してもらったんだけど…」

…。
…心が痛みますね。
なんせ通報したのは僕と彼なのですから…。
…。
「そんなつもりじゃ無かったんだけどな…もしかしたら今回はお前らを巻き込んでしまうかもしれない」
「…谷口」
「…谷口君」
「すまん、もう誘わないから」
…。
谷口君はそう言って僕達に背を向けた…なんて寂しい背中なのでしょうか…。
僕は彼を見る…。
…。
(…どうしますか?)
(どうするもこうするも…仕方ないだろ、あんな寂しい背中を見せられたら…)

(ええ…あの通報、今でも間違っていたとは思いませんが……仕方ありませんね)
…。
彼とのアイコンタクトを終え、僕達はやむなく動いた。
…。
「谷口、付き合ってやるよ」
「今回こそうまくやりましょう」
…。
谷口君は僕達の言葉に振り返り…。
…。
「本当か!くぅ~やっぱり親友だな!」
…。
そんな訳で僕達は谷口君とナンパをする事となりました…。
…。
…。
…。
…。


~続・三匹が行く~
…。
…。
…。
「さて、今回はどうする?」
「そうですね、今回はソロ活動では無く、最初からグループをターゲットにしましょう」
「ああ、それが良いだろう……谷口」
「なんだ?」
「あなたが選んで下さい、ただし今度は性格の良さそうな女の子達を選んで下さいね」
…。
前回のような失敗は無しにしましょう。
…。
「うへへへへ、うら若き娘たちが沢山居りますな…どれにしようかな♪」
…。
…谷口君
…。
「…おい、見ろよあの谷口の顔‥」
「…ええ、顔だけですでに懲役ものですよ」
…。
谷口君は思わずまた通報してしまいそうになる顔で女の子達を吟味していた……あまりにも危険な顔です。
…。

…。
「あ!」
「決まったか?」
「ああ、あの子達だ」
…。
谷口君が指差した方向には……見た目大学生ぐらいですかね、なかなかレベルの高い……何より胸が…。
…。
「古泉、行けるか?」
「はい、行けます」
…。
僕が向かおうとした時でした。
…。
「待て、古泉」
「どうしました、谷口君?」
「ここは俺に行かせてもらえないだろうか?」
『……はい!?』
…。
谷口君の思わぬ申し出に僕達は同時に驚きの声を上げた。
…。
「おい、正気か谷口?」
「俺は正気だ…なぁキョン、古泉。
俺気づいたんだ…お前らに頼ってばかりじゃ何も成長しないって」

「谷口」
「谷口君」
「まぁ、お前らを誘った時点で頼っているようなもんだが…。
お前らが後ろで見守っている…それだけでどんなに心強いか…。
だから今回は俺に行かせてくれ」
…。
そう言ったその顔はまるで戦に向かう若武者のような……。
谷口君…しっかり成長しているじゃないですか…わかりました、頑張って下さい。
…でもその前に。
…。
「わかった、だがその前にチャックを閉めろ谷口」
「お!すまん」
…。
チャックを閉めた谷口君は僕達に見送られ女の子の所へと向かって行った。
…。

「古泉」
「はい」
「お前のスカウターではあの子達のサイズは何をはじき出している?」
「はい、右からE、G、F…ですね」
「G…だと…」
「はい、未知の領域です。」
「…そうか…Gか…で、谷口のナンパ成功確率は?」
「……5%ってところですかね」
「絶望的な数字だな…くそ!EFGだぞ!」
「祈りましょう…神に谷口君の奇跡を…」
…。
…。
谷口君が向かって5分程たった頃です。
…。
「な…なんだと‥」
「谷口君…あなたって人は…まさか‥」
…。
僕達の目に腕で大きな○を作った谷口君が写った。
…。
「古泉…これは幻覚か?」
「いえ…起こったんですよ……奇跡が…」
…。
谷口君…頑張りましたね。
あなたの今の笑顔…最高に輝いていますよ。
…。
そして僕達は近くの喫茶店へと向かった。
…。
…。

…。
…。
「では、あらためて俺は谷口」
「僕は古泉一樹です」
「俺は……」
「こいつはキョン!」
「……おい谷口…俺の名前は…」
「さて、何を頼みましょうか」
「古泉!?…俺の名前……」
「いい加減にして下さい!!消されたいんですか!!」
「………なんでキレてんだよ…なんで消されるんだよ‥」
…。
自己紹介も終わり僕達は楽しい時間を過ごしていた。
前回と違い皆仲良くおしゃべりをしています。
谷口君を見ると、さっきから冗談を連発して場を盛り上げています。
今のあなた…今までで一番輝いています。

…。
「谷口君って面白いね」
「え-、そうですか?俺なんて…」
「わたし谷口君みたいな人…タイプかも」
「え!え!え~!!」
「谷口…この幸せ者が!」
「キョン君も結構イケてるよ」
「じゃあ私は古泉君ね!」
「ははははは」
…。
楽しいですね。今回は谷口君に付き合って正解でした……ん?…どうしました?
彼を見ると…固まっています。
彼の視線の先には………
…。
…。
…。
さて、どうしましょうかね……ええ、皆さんの予想通りです。
今、僕と彼の視線の先に……涼宮さん、朝比奈さん、長門さん…3人が凄い顔をして僕達を見ています。
……死んだ。
…。

(…古泉)
(…はい)
(俺たちは今日死ぬ)
(ええ)
(しかしただ座したまま死を待つか?それとも少しでも…ほんの僅かでも助かる可能性に賭けて逃げるか?)
(当然後者でしょう…たとえ助かる可能性がわずかでも…いや、たとえ無くとも…少しなら寿命が延びるかもしれません)
(…でどうする?)
(正面からは無理ですね…トイレに行く振りをしてそのままトイレの窓から逃亡、すぐにタクシーを拾いまっすぐ…行ける所まで……どうですか?)
(わかった…それで行こう)
…。
アイコンタクト終了。
…。
「お前らなにさっきから見つめ合っているんだ?」
「ああ、すまん。ちょっとトイレに行ってくるわ」
「あなたもですか?実は僕も…」
「お前もか…なら連れションと行くか」
「そうですね」
…。
僕達は席を立ちトイレに向かう。
…。

…。
「よし、脱出するぞ」
「はい……あ!!」
「な!?」
…。
僕達の目の前で窓が消え、そこはコンクリートの壁になっていた。
…。
「長門か!!」
「…逃げ場はどうやら断たれたみたいですね‥」
…。
ん?フロアから…。
…。
「キョンと古泉君はどこに行ったの!?」
「ひいいいいい」
…。
谷口君が涼宮さんに胸ぐらを掴まれ尋問されています。
…。
「…古泉」
「…はい」
…。
僕達は覚悟を決めフロアに戻った。
…。

…。
「あ!居ましたよ!!」
「キョン~!!古泉くん!!」
「……。」
…。
3人は凄まじい目で睨んでいます。
長門さん…僕を見るその瞳、久々に見ましたねその絶対零度の瞳…いや絶対零度を超えています。
黄金聖衣をも凍らせそうですよ…はい、死亡確定です。
短い人生でした…。
…。
「なんか取り込み中みたいね」
「私たち帰るね」
「それじゃ」
「そんなああああ!!!」
…。
ナンパした女の子達は帰っていった……谷口君‥。
…。
「さて…行きましょうか」
「…ああ」
「…はい」
「…なんで俺まで‥」
…。
僕達は涼宮さん達に連行されて行きました……行き先はおそらく処刑場でしょうね‥。
…。
…。

…。
…。
~公園~
…。
…。
…。
「…で?」
…。
涼宮さんの尋問が始まりました。
僕達は3人の前に正座させられています。
…。
「言いたい事は無いの?銃殺刑にする前に一応言い訳ぐらいは聞いてあげるわよ」
…。
銃殺刑ですか…。
…。
(古泉)
…。
彼がアイコンタクトを送ってきた。
…。
(なんですか?)
(なにか…生き延びる手段ないか?)
(…申し訳ありません…僕には思いつきません)
(こうなったら泣きながら土下座でもするか?命だけなら助けてくれるかもしれんぞ)
(…そうですね、可能性は低いですが…)

(キョン、古泉)
(谷口!?)
(谷口君!?)
…。
谷口君が僕達にアイコンタクトを送ってきた。
…。
(ここは俺に任せてくれないか?)
(しかし…手はあるのか?)
(もとはと言えば俺がお前らを誘ったのが原因だ…俺がなんとかする!)
(…しかしなぁ‥)
(いや、ここは谷口君に賭けてみましょう…彼は今日奇跡を起こしました…今日の彼ならば‥)
(……そうだな、賭けてみるか。頼んだぞ谷口!)
(おう!任せろ)
…。
アイコンタクト終了。
…。

「ねえ、みくるちゃん、有希、男って目だけで話せる生き物なの?」
「…いえ、そんなのわたしの時代でも……あ!何でもないです…え~と…無理だとおもいますけど‥」
「不可能」
「…そうよね」
…。
…。
「涼宮」
「なによ」
…。
谷口君が切り出しました…頑張って下さい。
…。
「別に俺達はお前らが思っているような変な事をしていた訳じゃ無いんだ」
「…ふ~ん…なら何をしていたの?」
「お前らは今日不思議探索なんだろ?なら俺達も不思議探索をしていたんだ」
「言ってみなさいよ」

「男にとって女は永遠の謎なんだ。俺達はその謎を少しでも解明する為に…」
…。
谷口君?…何を…。
…。
「はっきり言おう!!俺達は女体の神秘を探さ……」
…。
ゲシっ!!
…。
「…くぅ……ガク」
…。
谷口君は彼と僕、両側から同時に放たれた蹴りにより沈黙した……この野郎…。
…。
「何やってんの、あんた達…」
「いや、谷口の顔に蚊が…」
「谷口君の顔に蜂がいたもので…」
「そう言う事にしておいてあげるわ…で?」
…。
(古泉)
(はい)
…。

「俺達は嫌だと言ったんですけど、谷口君が無理やり…」
「はい、彼の言っている事は本当です。谷口君に脅されたのです…一緒に来ないと親兄弟を殺すと言われ…泣く泣く‥」
「聞いた?谷口が気絶したとたん谷口に罪をなすりつけ始めたわよ!」
「はい、しかもどっかで聞いた事のある言い訳ですね」
「無様」
「ああナンパしていたさ、それがどうした!男のロマンだ!!」
「さぁ煮るなり焼くなり好きにして下さい!!」
「ついに開き直ったわよ!」
「しかも前と同じです」
「逆切れ」
…。
打つ手なし!さぁ殺せ!!
…。
…。
…。
…。

~そして~
…。
…。
…。
「子供って無邪気だな」
「そうですね、僕達にもあんな時代があったんですよね」
…。
今、僕と彼は公園で遊ぶ子供達を見ていた。
…。
「古泉、お前はどんな子供時代を過ごしたんだ?」
「僕ですか?そうですね、僕は友人達にピンポンダッシュの帝王と呼ばれ常に緊張感のある少年時代を過ごしていましたよ」
「……さすがだな」
「いえ、たいした事ではありません」
「いや、褒めてないから…」
「そうですか……ところで今回はいつまで……」
「わからん、とりあえず当分はこのままだろう…」
…。
今の僕達の状態は…はい、その通りです。
布団ですまきにされ逆さ吊りにされています。
僕達それぞれに
【反省中】
【降ろすな】
と張り紙が貼り付けてあります。
…。

…。
「…しかしあれよりはマシだな」
「…はい、アレよりは」
…。
アレとは向こうのゴミ箱に頭から突っ込まれている谷口君です…。
【生ゴミ】
と張り紙が張られています。
…。
「…これで2回目だ」
「僕は7回目ですね」
「しかしこの布団…どこから持ってきたんだろうな?」
「まぁ長門さんですからね」
「ああ、もってきたのは長門だから何でもありだな…ところで古泉」
「なんですか?」
「お前最近やけに長門に懐かれてないか?」
「…気のせいですよ」
「そうか…古泉」
「はい?」
「泣かすなよ」
「………はい」
…。
この人は…自分の事には鈍いのに…。
…。

…。
…。
「キョンくん、古泉くんなにやってるの?」
「おお!我が妹よ!!」
…。
救世主が…彼の妹さんの登場です。
…。
「あたらしい遊び?楽しい?」
「妹よ、実はだな……こら!鼻をつまむんじゃありません!」
「えへへ~ムギュムギュ♪」
「お前に俺達を下ろして……こら!お兄ちゃんを回すんじゃありません!」
「わ~い!クルクルクル♪」
…。
…本当に面白い兄妹ですね。
…。

「ダ~メだよ!どうせまた悪さしてハルにゃん達にお仕置きされてるんでしょ?」
「駄目か…」
…。
儚い希望でした。
…。
「ところでお前はここでなにをしているんだ?」
「うん!いまからね、友達と砂場でお城つくるの~♪」
…。
砂場で…お城?
…。
「そうか、暗くなる前に帰るんだぞ」
「うん♪」
「それとあそこのゴミ箱に入っているお兄ちゃんには危ないから近づいたら駄目だぞ」
「なんで~?」
「爆発するかもしれんからな」
「は~い♪」
…。

妹さんは元気に返事をした後、友達の所に戻って行った……しかし…。
…。
「あの…よろしいですか?」
「なんだ?」
「たしか妹さんは今年6年せ……」
「言うな!!」
「……」
「……頼む…言わんでくれ‥」
「…はい」
…。
苦労しているんですね‥。
…。
…。
…。

~夕暮れ~
…。
…。
「まだ頭に血が上っていますよ」
「自業自得」
…。
彼と僕がようやく許されたのは日がかなり落ちてからでした。
今は長門さんと2人、夕暮れの中を歩いています。
…。
「まだ…怒っていますか?」
「あなたは罰を受けた…だからもういい」
「そうですか…良かった」
…。
帰ってからさらにお仕置き…なんて事になったらどうしようかと思いました。
…。
「今日は何だか濃い1日でした」
「そう」
…。
午前は時間移動で過去に行き、午後は午後であわただしい…疲れました。
さて…。
…。

「今日の夕食は何にしましょうか?」
「カレー…」
「は昨日食べましたよね、何にしましょうか?」
「…あなたが決めて」
…。
どんな美味しくても連日はちょっとですね。
…。
……ん?この音は…長門さんの携帯ですか?
長門さんはしばらく携帯を見つめた後…。
…。
「もしもし……そう……了解した」
…。
通話終了ですか?
何やら表情が暗いような…。
…。
「古泉一樹」
「なんですか?」
「部屋の修繕が終了した」
「え?…明日の筈では?」
「予定より早く終わったと…」
「そう…ですか」
「そう……帰る」
…。

長門さんが帰る…なんですかね……この寂しさは…。
今夜までいると聞いていたので…。
しかたないですね。
…。
「…じゃあ帰って荷物をまとめないといけませんね、引っ越し手伝いますよ」
…。
僕の言葉に長門さんは何も言わずただ頷いた。
…。
「……」
「……」
…。
それからしばらく沈黙が続いた…長門さんが今日帰る…。
はい、寂しいです。
長門さんを見ると…表情は…自惚れかもしれませんが間違いなく寂しい顔に見えます…。
…。

…。
「長門さん」
「なに?」
「お祝いしましょう」
「お祝い?」
「ええ、部屋の修繕が終わったお祝いです。僕の部屋で鍋でもやりましょう。」
「鍋?」
「寒いですし、それに鍋には自信があるんですよ、涼宮さんにも負けませんよ」
…。
長門さんは黙って僕を見ている。
…。
「お祝いですから少しお酒でも飲みますか?明日は日曜日ですし良いでしょう。
なんなら今日までうちに泊まっていきませんか?」
…。
その言葉に長門さんは目を見開いて…。
…。

「いいの?」
「ええ、引っ越しは明日でも遅くは無いと思いますが?…あ…長門さんがどうしても今日帰ると言うならばしかた…」
…。
フルフルフルフル
…。
長門さんは激しく首を振り…。
…。
「古泉一樹、今夜まで世話になる」
…。
はっきりとした笑顔でそう言った。
…。
…。
…。

「さて、鍋ですけど…寄せ鍋でいいですね」
「いい」
「具は白菜にネギにとうふ、鶏肉に豚肉と…」
「ミノタウ…」
「却下です」
「…しかたない」
「締めは雑炊ですね」
「古泉一樹」
「なんですか?」
「今夜こそは間違いは…」
「起きません」
「…そう」
「長門さん」
「なに?」
「彼に言われましたよ……長門さんを泣かすなよ…と」
「…そう…なら今夜は間違い…」
「起きません」
「…そう」
…。
…。

…。
それから買い物をして帰宅し、2人でお祝いをしました。
あんなに買った食材が全部無くなるんですから…本当に凄い食欲ですね。
長門さん曰わく
…。
「涼宮ハルヒの作った鍋より美味しかった」
…。
との事です。
お褒めの言葉をいただき光栄です。
気がつくといつの間にか深夜になっていました。
お酒が入ったせいか時間の感覚がわかりませんね。
もう寝る事にします。
え?間違いですか?起きませんよ。
たとえ何か起きたとしても…それは間違いではありませんから。
…。
…。

こうして、箱に入ってやって来た宇宙人娘との生活がとりあえず終わりました。
はい、とりあえずです。
また何かあったら世話になるそうです。
…その日は遠くないような気がします。
なんだか待ち遠しいような…え?…はい、楽しかったですよ
…。
…。
…。
…。
…おしまい
|