俺は高校を3年で中退して、お先真っ暗なニート。
そんな俺は、とんでもないことになっていた。
 
―すこし時間を遡ろう。
「あー、暇だな」
俺はあいも変わらず、ニートを満喫していた。
「そろそろ金魚とカメにエサをやらんとな」
趣味は生き物の飼育や、観葉植物の栽培。
へへ、ニートとしてはなかなかいい趣味だろ。
しかし、一日のほとんどの時間は、パソコンの前に座っているか、
ゲームをしているかだ。
そして、一日の終了。
つまり、寝る前には必ず妄想をしている。
あるときはアニメの主人公を自分とすりかえたり、音楽CDを聴いて
そのヴォーカルが自分で、大勢のファンの前で歌っていたり・・・。
まぁ、様々だ。
 
そして、いつしか妄想は具現化へと向かっていた・・・。
「おおきな ゆめ ゆめ すきでしょ♪」
妹達は学校へ。親父とお袋は仕事へ行っている時間。
そう、午前中が俺の一番楽しみな時間だ。
大声で歌を唄い、大音量でギャルゲーやエロゲをやる。
なぜ、午前中にしかできないかと言うと、やはり夜では大きな声で唄えないし、エロゲをやるにしても、いつもまにか親が後ろに立っていた!
なんて事態を避けるためだ。
 
ピンポーン。
 
チャイムの音が聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。
 
ピンポーン。
 
ここで俺は息を潜めて、客が諦めて帰るのを待つことにした。
別に出迎えてもいいのだが、俺の幸福の時間を奪われるわけにはいかんのだ!
客が帰るまで、エロゲのエロシーンでも見てるか。
 
「対馬センパイ・・・」
「なごみ・・・」
 
そう、これは現在流行中の某ツンデレゲームだ。
いつしか俺の右手は息子へとそえられていた・・・。
「おお・・・、やはりなごみんは何度みても萌えるな」
 

・・・自分のペースにあわせてシーンを進め、ヒロインが絶頂を迎えると同時に、俺も果てるという寸法で自慰行為を行っている。

 
「今すぐその行為を中止すべき」
 

なんだ?誰もいないはずなのに、声が聞こえてきた。
一気に戦慄が走る。
なぜ?玄関の鍵は閉めてあったし、窓も全部閉じている。
 
「一つ一つのプログラムが甘い。だから(以下略」
 
?!
この台詞はまさか・・・・!
密かに俺が好意を抱いているキャラクター。
長門?!
いやいや、待て。
さすがにそれはないだろう。
長門は涼宮ハルヒの憂鬱というアニメ(小説、漫画含)のキャラだろ?!
どう考えてもおかしいだろ!
ああ、妄想のしすぎでついに幻聴まで?!
病院いくかっ!俺ええええ!
 
俺はおそるおそる後ろを振り向いた。
 
長門が立っていた。
あぁ、俺は幻聴どころか幻覚まで・・・。
 
「あなたが私を呼び寄せた」
 
なに言ってんだこいつ。
いや、これは俺の脳内の出来事か・・・。
 
「あなたの妄想から、私は生まれた。この場面に覚えがあるはず」
 
あぁ、確かにあるよ。
だってこれは、昨日俺が妄想したシチュエーションだからな!
 
おおよそを説明すると、こうだ。
現在ニートの俺の生活が堕落しきっていて、それを都合よく察知したどっかの機関が、俺を真人間へと成長させるべく派遣した人間。
それが長門ってわけだ。
それから炊事、洗濯、金銭援助まで何から何まで俺に尽くしてくれる。
※妄想の中では、長門は金持ちで、かつ、前の学校では恋人同士。そんな設定だ。
いわゆる、デレ。
ツンデレではない。完全にデレ状態ってわけ。
 
とりあえず話を戻そう。
問題は、なぜここに長門がいるのかってことだ。
―落ち着くためにまずタバコを吸おう。セブンスターのライトだ。
これはまじでうまい。みんなにもお勧めの一品だ。

・・17歳ということには目を伏せて欲しい。

 

「あなたは今、タバコを吸おうとしている。それは体に悪い。喫煙はやめるべき」

 

何言ってんだお前。これは俺の安定剤だからいいんだよっ!

 

「やめるつもりがないというのなら、実力行使をさせてもらう」

 

俺はタバコを取り出し、愛用のZippoで火をつけようとしたその瞬間。
―俺の口からタバコが消滅した。

 

「な・・・・」

 

今まで口にくわえ、手に持っていたものが突如として最初から何もなかったかのように、
消えてしまったのある。

 

俺は気づいた。
これがまぎれもない現実だということを。
ふっ、俺は結構何でも信じるから、これくらいのことなんとも無いぜ!

 

「なぁ・・・」
「何?」
「これは俺の妄想が具現化したって事でおk?」
「そう。あなたは小学4年生から、妄想をやめたことがない。それがなんらかの作用を起こし、具現化する
能力を得たみたい。情報統合思念体は、あなたの事を興味深く思っている。だから私が派遣された」

 

おいおい、俺はハルヒかよっ!
いやまてよ。その情報なんたらってのはアニメで見た限りでは宇宙人っぽいの?なわけだ。
でも俺の妄想の中では、長門は普通人なんだぞ!
宇宙人に設定した覚えはない(゜д゜)

 

「この会話をしている時点で、あなたの妄想は上書きされている。だから、これからは妄想どうりになるとは
考えないほうがいい」

 

ええええ!じゃあ俺の妄想の意味って何?!
これはまずい事になった。
俺は妄想の中で、都合の悪い部分は自分のいいように設定を変えてしまう癖がある。
これからはそれができないってわけだ。
都合の悪い部分ができる→修正できない→マズー(゜д゜)
ってわけだ。

 

それにまだ問題はある。
家族だ。
妄想の中では、家族は旅行に行ってる設定にしているのだが、現実ではそうはいかないだろう。
「ちょっと質問があるんだけど」
「何?」
「俺の親とかの設定ってどうなってんの?旅行に行ってるとかない?」
「それはない。これから世界は通常通り回る」

 

大問題だ。
親や妹が帰ってきたとき、長門はどう説明する?
まさか拾ってきましたじゃあ、ダメだろうな・・・。それじゃ俺は変態になってしまう。
―妄想してる時点で変態なのかもしれないが。

 

そうだ。それよりも大きな問題があった。
長門の姿が、俺たち現実の人間より少し違うのだ。
つまり、 ア ニ メ 絵 の ま ま な の だ ッ (;´Д`)
これで俺が一人暮らしなら、狂喜乱舞するだろう。
だが、現実はどうだ。
17歳ニート。
当然、家族とは同居中。

 

まずいぜまずいぜー!
これはやばすぎな匂いがプンプンするぜぇーっ!
どっかに隠しておくか?!
いや、バレるのも時間の問題だろう。
どうする?
ドウスル?

 

「問題はない」

 

なんだ?何が問題ないんだ?

 

「世界は通常通り回るが、あなたには私たちと同じところで生活してもらう。つまり、あなた達の世界で言う、アニメの中」

 

・・は?なんですと?

俺がアニメの中に?これなんてエロゲ?

 

「ここでは私の生活に支障をきたす。だからアニメの中に来てもらったほうが、都合がいい」

 

はは・・・。もう既に俺の妄想ジャネーヤ・・・。
確かに妄想の中では、俺がアニメの世界に行くことだってあった。
しかし、それは妄想の中だけであって、現実におきようとは・・。

 

「そこには涼宮ハルヒをはじめ、キョンなどもいる。私はそこで、あなたを真人間にする」

 

つまりハルヒのアニメのキャラがいるってことなのだろう。
ってことは小泉も?!
マッガーレ!
アナルの危機!

 

「申し出はありがたいけどさ、やっぱ俺もこの世界に未練があるっつーk」

 

俺が話してしてる最中、突然白い光に包まれる。
長門は高速で呪文を逆再生させたようなことを言っている。
な、なんだ?これはいったい・・・。

 

「・・・ついた」

 

俺はしばらく呆気に取られていた。
見事なまでのアニメ絵。
背景、建物、通行人、そこにある全てのものがいつもテレビ越しに見える、見慣れたものに変わっていた。
俺が自分の置かれた状況を理解するまで、少々の時間を要した。

 

「大丈夫。ここではあなたも私たちと同じように見える」

 

あれ?俺はアニメの世界に来てしまったのか?
えっと・・・、(;´Д`) ?

 

「俺の意思は無視っすか(;´Д`) 」
「あなたの意思は、もはや重要ではない。これは決定事項」

 

おいおい、何いきなりファンキーなこと言ってんだ。
俺の意思こそが最重要だろうが!!
このボケナスが!
俺の子供を孕ませてやろか!

 

「・・・などとは死んでもいえないな」
「?」
「あぁ、なんでもない。こっちの話だ」
「そう」

 

つーかさ、俺ここにきたのはいいけど、これからどこで生活すりゃいいわけ?
このわけ分からん世界で、果たして俺は生きていけるのでしょうか・・・・。

 

「あの・・、俺はどこで暮らせばいいわけ?」
「心配はない。あなたは私と同じマンションで暮らす」

 

きた・・・。
キタヨキタヨ(゚∀゚=゚∀゚)キチャッタヨー!!
これぞ妄想の醍醐味。
これから何かとおいしい生活ができるのであれば、ここでの生活も悪くないだろう。
そういや、俺の家族とかどうしてんのかな。
めんどくさいから聞かないでおくけど、あっちの世界は時間が止まってますよーに。

 

「ここ」

 

おおー、原作どおり高級なマンションだぜ!
てか、俺元の世界に戻れるのだろうか。
まぁそこはアニメの世界のトンデモパワーでなんとかなるのだろう。

 

「あなたはこれから、私たちの学校に転校してもらう」

 

いや・・・、転校っつったって手続きとかどーすんの。
だって俺、世界が違うわけじゃん。

・・・あぁ、そうかここは長門が得意の情報操作とやらをするわけだな。

朝倉を突然外国に転校したことにするくらいだからな、それくらいの事は造作もないのだろう。
そんなこんなで夜になった。

 

「なぁ、タバコ吸いたいんだけど」
「だめ、私にはあなたを真人間にする使命がある」
「てゆーか、俺の財布とか携帯とか通帳とかは?」
「こちらの世界には転送していない」

 

―なんてこった。
俺は高校1年の頃からバイトしていて、通帳には200万は貯まっていたのだ。
それらがすべて無駄になった俺の気持ちを考えていただきたい。
しかも、財布にはいろいろとポイントカードが・・・・。
俺の10枚のアニメイトカード等、貴重なものも入っていた。

・・・しかもやべえ!パソコンはどうよ?!

開きっぱなしじゃねえか!
エロ画像満載じゃねーか!あとエロゲも^q^;
あぁ、現実の世界の俺の人生\(^o^)/オワタ

 

俺が悲しみに打ちのめされていると

 

「もうおそい。今日は寝る」と長門。
「そうだな・・。寝るか」

 


ね・る?
この部屋で俺と長門は寝るわけだ。
フヒヒwなにやらエロゲー的予感。
長門と俺が一緒の布団で寝るなんてこと・・・・
あるあ・・・・あるあるwwwwwwwwwwwwww
よーし、今夜は頑張っちゃうぞー。

 

「あなたは右側の布団。私は左側の布団で寝る」

 

どうやら俺の妄想はなかったようだ。
でも、こんな所で挫けるボクじゃないのよ!

 

「あぁ、分かった」
「じゃ、おやすみ」
「あぁ」

 

ふふ、俺と長門は一緒の部屋に寝ているわけだ。
と、いうことは2人を隔てる壁がないのいうことっ!
長門には悪いが、寝込みを襲わせてもらう事にする。
フヒヒwすいませんwげ、下品ですが、勃っちゃいましてwwwww
深夜3時、俺は頃合と思って布団から這い出した。

 

そして・・・
長門にむかってダイブ!
カムヒア!俺の青春ッ!

 

が、次の瞬間。俺の身体は長門に到達しなかった。
ガゴッ
「ぐぉ・・、なんだ・・・」
俺がぶつかった場所に手を当ててみると、なにやら壁ができているようだ。
畜生ッ!完全にぬかったぜ。
これじゃ俺は生殺しってわけか。
しかも長門がいることによって、俺は必然的にオナ禁することになる。
別にトイレとかでやってもいいんだけどね?
あんまり長い時間篭ってると、ウンコかと思われそうだしな。
てかここパソコンねーじゃん!ニートのネット中毒の俺にとっては最悪な環境だった。
長門がいるのに襲えない。オ○ニーできない。エロゲできない。ネットできない。VIPできない。
そういやカメとか金魚だっていねーじゃねーか!ぬおおおお、俺の生きがいが・・・。
しゃあねえ、寝るか。
そして俺は、いつものように妄想しつつ深い眠りに落ちたのであった。

 

次の朝。
俺は夢を夢と自覚できるので、夢の途中を自分で改変し、構築することができた。
ふ、これも長い妄想から生まれた産物であろうか。
夢の中、長門、ハルヒと両手に花状態のデートをしていた。
なぜこの2人なのかというと、俺の嗜好なので突っ込まないでいただきたい。
俺の腕に手を絡めてくる長門、それを怒るハルヒ。
あぁ、妄想っていいよなぁーっ!
その後ホテルに行って素敵に恥ずかしい大人行為する予定だったのだが、邪魔が入った。

 

「おきて」
「ん・・、あれ?お前俺とktkrしてたんじゃあ・・」
「・・・・・」

 

やべ、夢の話だった。
あまりよく分からないが、長門の表情が曇ったような気がした。

・・・気まずい雰囲気だぜ(あれなぜか変換できる)

ん?コタツの上に制服らしきものがあった。

 

「あれ?この制服は?」
「これはあなたの。今日からあなたも学校に行く」
「急な展開ktkr」
「?」
「いやなんでもないっす」

 

とは言ったものの、俺は学校がダルかったからやめたのであって、
今更行きたいと思えるものでもなかった。
まぁ、ハルヒ達とフヒヒwな関係になれるなら、別にいいか。
俺の気持ちの切り替えの速さはハンパじゃないって教師や友人に言われてたので、これくらいなんともないぜ!
それはそうと、メシだメシ。

 

「メシ食いたいんだけど、俺の分ってある?」
「ある。どんどん食べて」

 

俺の目の前に置かれたのは、カレーだった。
何を隠そう。俺はカレーはあんま好きじゃないのだ・・・。

 

カレー嫌いなんだ。
こういうわけにもいかず、引きつった顔でカレーを食べるのであった。

 

よし、シャワーも浴びたし、歯も磨いた!
んじゃあ学校に行くか。
当然のように、俺と長門は一緒に登校ということになる。
うはwwwwおkwwww

 

程なくして学校についた。
俺はまず職員室に案内された。

 

「あとは先生の指示に従えばいいから」
「分かった、サンクス」

 

そして長門は、踵を返し廊下へと消えた。

 

てか長門。ちゃんと学校側への情報伝達はすんでるんだろうな?
君誰?なんて言われて、不審者として警察に通報されるなんて嫌だぞ・・・。

 

「失礼します」
「おー、君が鈴木一馬君か。待ってたよ」

 

それも杞憂に終わったようだ。
ここで説明しておくが、断じて俺の本名ではない。

・・俺の本名をちょっといじった程度だが。

 

「君は1年○組ってことになったからよろしく」
「分かりました」

 

1年○組と書いたのは、断じてハルヒ達のクラスを忘れてしまったからではないぞ。
でも知ってる人がいたら、こっそり教えてくれると嬉しいぞ。
ちなみにハルヒとキョンのクラスだ。
つーかさ、俺また1年生からかよwwwwww

 

「そういえば17歳だったね。留年したのか?中学卒業してから働いてたの?」
「はい・・・、まぁそんなもんです」

 

・・・・長門よ。せめて年齢設定変えてくれよ。

 

「じゃあ、そろそろ行こうか」
「はい」

 

何せ久々の学校だ。
緊張してないと言うと嘘になるな。

 

「あー、今日から転校生がくることになった。紹介するぞー」

 

おおー!と教室から声が上がった。
「男か?!女か!!」
などと無責任な期待を抱いているものもいるが、俺は前者だ。残念だったな。
そして、いよいよ自己紹介のようだ。
よし、ここはちょっとファンキーにキメてやるとするか!

 

「あー、今日からこの学校に転校してきました。鈴木一馬軍曹であります!
趣味はアニメ、ゲーム、読書、生き物飼育や、植物の栽培等、多趣味です。みなさん、よろしくお願いします」

 

―教室が凍りつく。
やべ、完全にはずしたみたいだ。
つーか転校先の高校の名前も知らない俺ってどうよ?

 

そんなこんなで一時間目はクラス全員の自己紹介となったようだ。
まぁ名前と趣味をちょこちょこっというだけの、簡単なものだったが。

 

そして休み時間。
真っ先に涼宮ハルヒがすっ飛んできた。

 

「ねぇねぇ、あんた宇宙人?!」

 

相変らずの変人っぷりのようだ。
ここでちょっとギャグでもカマしてやるか。

 

「いや、異世界人です。長門につれてこられました」
「やっぱりー!転校生って絶対何かあるもんねー!」

 

と目を輝かせて言うハルヒ。

・・・やべっ、間に受けちまったか。

本当の事なんだけどよ・・・。

 

「ちょっとー!キョン聞いた?!鈴木君って異世界人なんだって!」
「おいおい、ハルヒ。そんなことあるはずが・・」
「あの、涼宮さん。それはちょっとしたジョークで・・」
「四の五の言わない!あんたは異世界人なの!自分でそう言ったんだからね!」

 

oh、これはなんてイカした展開なんだ。
×ゲームで俺はホモですって言えと言われ、クラスの教卓で言わされ、それからずっとあだ名がホモになった
ような心境だ。
一応言っておくが、俺はそんな体験したことないぞ。

 

多分ハルヒにはSOS団に入団しろと言われるだろう。
普通ならば断る。だが、俺は入るつもり満々だった。
なんせ、これからフラグがたつんだからなwwwwwww

 

「鈴木君!あんた、SOS団に入りなさいよ!」
「おいおい、ハルヒ。一般人を巻き込むのはやめろとあれほど・・」

 

予想通りきた。
これをフラグといわずになんと言うっ!
でも、ここは知らないふりをしておこう。

 

「SOS団って部活?」
「そうよ!宇宙人とか未来人とか超能力者を探して出して、一緒に遊ぶの!」
「ほう、それはなかなか楽しそうだね」

 

ふふ、ギャルゲーの選択肢が見えるようだぜっ!
ここで肯定しておくのが、高感度アップに繋がるのだろう。
本来ならばセーブ機能とロード機能が欲しいところだが、俺の手腕で乗り切ってやるぜっ!

 

クラスメイトからの質問攻めにあいつつも、放課後になった。
ちなみに昼飯は食ってない。弁当を買う金もないし、長門が用意してくれなかったからだ。
ガッデム。

 

「鈴木君!部室でね!来なかったから死刑だから♪」

 

と言い残し、ハルヒは去って行った。
「おいハルヒ」とそれを追うようにキョンも消えた。

 

よく初対面の人に、死刑などと言えるものだ。と呆れつつも和んでいた。

・・・ここで問題が発生した。

SOS団て、どこ?w

 

教室で立ち尽くしている俺に対し、クラスメイトが話しかけてきた。

 

「何してるの?」
「SOS団の部室ってどこにあるか知ってる?」
「鈴木君、SOS団に入るつもりなの?」

 

光栄な事に、名前を覚えてもらっていたようだ。
しかし、何やら不安げな顔だな。

 

「ちょっと何をしている部活なのか、興味があってね」
「それよりもうちの陸上部に入りなよ。君運動神経よさそうだしさ」

 

嬉しいことを言ってくれる。へへ、ここまで言われちゃ入ろうかな。

 

「あぁ、それじゃあ―」

 

と俺が言いかけたところで

 

「ちょっと!鈴木君はSOS団に入るんだから、邪魔しないでよ!」
「あ・・・涼宮さんごめんなさい。じゃあ鈴木君、またね」
「あ、うん。またー」
「ちょっと鈴木君!あー、なんか呼びにくいわね。もういっちゃんでいいや。
いっちゃん!何ですぐに部室にこなかったの!死刑になりたいの!」

 

このアマぁ。勝手にあだ名を「いっちゃん」した上に死刑だと?!
部室くらい教えろカス( ^ω^)
と言おうとしたが、心の中に留めておいた俺はなかなか自制心があるようだ。

 

「今日来たばっかで、部室わかんないっす(´・ω・`)」
「あー、そうだったわね。いいわ、案内してあげる。でも今日だけだからね」
「あい」

 

と俺は部室に連れていかれた。
「今日からSOS団に入団することになった。いっちゃんよ!みんな
仲良くしてあげてね!」

 

あだ名じゃなくて本名で紹介して欲しかったな。

 

「いっちゃんさんですか~、よろしくお願いしますね」

 

とみくるが挨拶する。
うーん、やっぱりメイド服なんだな。
ほんとのほほんとするなぁ。キョンの気持ちがよくわかったぜ。
いっちゃんのままで覚えられるのは嫌なので、自分で自己紹介しておいた。

 

「えーと、鈴木一馬です。今日からSOS団に入団することになりました。まだまだ
わからない事だらけですので、よろしくお願いします」

 

「よろしくお願いしますね。いっちゃんさん」

 

古泉の野郎。おちょくりやがって。

 

「ちょっと失礼します」

 

と言うと、いきなり俺の後ろに回りこんできた。

 

「な、何?」

 

ここで俺が動揺するのも無理もなかった。
あの悪名高い古泉だ。
俺は【涼宮ハルヒののSS in VIP @wiki】というサイトで、こいつがどんなキャラかと把握していた。

 

「マッガーレ!」

 

?!
いきなり何か叫んだかと思えば、俺の引き締まったケツを揉んできたのだ。

 

「合格ですね」

 

何が合格だこの野郎。
いきなり人のケツ揉みやがって。
俺は言葉で返す代わりに、キッと古泉を睨みつけた。

 

「おやおや、怒らせてしまったようですね」

 

いつもと変わらぬ笑顔で、オーバーリアクションで肩をすくめてみせた。
その光景を見て、みくるは唖然としている。

 

「いっちゃんさんって、その気あるの?」

 

と、うるうるしている。
ない。断じてない。
古泉の野郎。いらぬ誤解を招きやがって。
いやまて、今は弁解が先だ。

 

「いや―」

 

俺が口を開くより先に、完全に空気になっていたキョンが弁解してくれた。

 

「朝比奈さん、これは古泉の性癖ですから鈴木にその気はないと思いますよ」
「ふぇぇ・・・、そうなんだ。ごめんね、いっちゃんさん。誤解しちゃって」

 

かまいませんよ。と俺がなだめる。
それにしても古泉。こいつだけは許さねぇ。

 

「―昨日」

 


さっきまで分厚い本で読んでいた長門が口を開いた。

 

「昨日、私が寝ている時に襲ってきた」

 

――!
なんて事を言いなさる。
つーか起きてたのかよ・・。

 

「だから一馬は至ってノーマルだと思われる」

 

長門・・・?まさか庇ってくれてるつもりなのか?
いや、それ以前に一緒に住んでる事がバレてしまったわけで・・・。
それを俺が・・・
いやまてまて、これでSOS団での俺の立ち位置は変態になってしまったわけだ。
正直、どうしよう。

 

「――――っ」

 

古泉と長門を抜かした一同は唖然としている。
それもそうだろう。
同居している上に、俺が長門を襲ったという事実を告げられたのだ。

 

「いや・・・その、正直に言うと・・」

 

しかし、俺の言い訳は虚しくもハルヒによって遮られた。

 

「言い訳無用!あなたはSOS団に入団禁止!それじゃ出てって!」

 

ハルヒを始め、キョンとみくるはかなり激昂しているようだ。
これは帰ったほうがいいな。
もう、学校もやめたほうが良さそうだ。
あぁ、死にてぇ。

 

「これはチャンスですね」

 

俺が部屋を出る間際、古泉が何か言っていたが、俺は耳を傾ける余裕がなくなっていた。
帰るか、と玄関で靴を履いている間、誰かの靴音がした。
    • 古泉か!と咄嗟に隠れる。
が、現れたのは息を切らした長門だった。

 

「ごめんなさい・・。あなたは自分がホモだと言われてる事に対して、不本意だと思っていた。
だから、昨日の出来事を言った。それがこんな結果になるなんて、私の不注意だった。本当にごめんなさい」

 

―そうか。
そういうことだったのか。長門なりに気を使ってくれたんだな。

 

「いや、いいんだ。こうなったのは残念だけど、長門なりの誠意だもんな。嬉しいよ」

 

表面上、そうは言ってみたものの、やはり心に負ったダメージはぬぐいきれなかった。
正直、かなり情けない顔をしていたのだろう。

 

「私のせいで、あなたは心にかなりショックを受けている。償いとして、私はあなたに対して何でもする。
あなたの好きにして」

 

と、親に怒られた子供のような顔をして言ってきた。
?!
なんと言いました?
俺が長門を好きにしていいだと?

 

「それじゃ長門」
「あー、いたいたぁ!有希いきなり走りだしてどうしたの。そんな強姦魔なんかから離れなさい」

 

ハルヒが俺の話してる最中に割り込んでくる。
今の言葉は悲しかった。自分でも泣いてるなじゃないかと錯覚したほどだ。
続けてハルヒはこう言った。

 

「さぁ行きましょ。そうそう鈴木、明日から学校来ないでね。あんたと同じ空気を吸うのも嫌だから(苦笑)」

 

「・・がう」

 

ん?

 

「違う。あれは言葉のあや。私が一馬を襲った」

 

な、なんだってー?!
うぅ、長門なんて優しいんだ。

 

「いいんだ長門。俺がお前を襲おうとしたのには変わらないし、この事実は変わらないんだ」
「でも・・」
「サンキューな。お前の気持ちは嬉しかったぜ。んじゃあな」

 

そして俺は喧噪の中に消えた。

 


――
―――

 

ずいぶん長い間歩いた気がした。
今は何時だろう。携帯がないから時間が確認できない。
それにあんな事があったんだ。今さら長門の家に行けないしな・・。
ずいぶんと軽率な行動をしたもんだ。

 

そう、修学旅行の時に沖縄の美ら(ちゅらうみ)海水族館でブーンして、クラスのねらーにVIPPERだとバレた
時くらいの気分だな。
いや、それ以上か(笑)

 

「これから、どうっすかな」

 

死のう。さらばこの世界。
長門!俺の妄想がちょっとだけ現実になって嬉しかったぜ!
んじゃ(´・ω・`)ノシ

 

まだ完結してないっぽい気がしますが、気が向けば編集します。

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