恐怖
…これは生きていくうえで避けては通れないものだ。
俺はこれからいくつの恐怖を味わうのだろうか…。
だが今、俺達が遭遇している恐怖は恐らく人生で1、2を争うものになるだろう。
…状況がわからない?
OK
では今回の出来事を振り返ってみよう。


~部室~
ハルヒ「暇ねぇ~。」
ネットサーフィンをしていたハルヒはそう呟いた。
キョン「平和と言え、平和と。」
古泉とオセロをしていた俺はハルヒにそう言った。
この前のつちのこの件をもう忘れたのか…。
そんなこんなでいつもの毎日を過ごしていた俺達の所に訪問者がやってきた。
コンコン
ガチャ
「こんにちは。」
ん?誰だ?
みくる「あれ、あなたは管さん?」
…朝比奈さんの話によるとこの人は朝比奈さんのクラスに転校して来た管、理人って名前の人らしい
…変な名前だ。

みくる「でどうしたんですか?」
管「耳に挟んだんですけど、あなた方は不思議な事を募集しているそうですね?」
みくる「ええ、まぁ。」
なるほど、ネタを持って来てくれた訳だ。
ハルヒ「詳しく話を聞こうじゃないの。」
ハルヒは目を輝かせてそう言った。
管「はい、それでは…。」
ハルヒ「ちょっと待った!」
管「はい?」
ハルヒ「その話の前に…あなたにも興味があるわ。」
…な!?
ハルヒ「…謎の転校生2人目ね。」
…ああ、そういう意味か…何だ古泉!その笑みは…。
みくる「そういえば何か理由があって転校して来たんですよね?」
管「…いや…まぁ…別に僕の事は…。」
ハルヒ「隠す所が気になるわね…不思議の匂いがするわ。」
古泉「たしかに気になりますね。」
キョン「まぁ…たしかにな。」
管「いや…ええと…言うんですか…?」
ハルヒ「ほら、観念して吐いちゃいなさい。」
ハルヒは目をギラギラさせている。
管「……わかりました。実は僕…。」
ハルヒ「ワクワク…ワクワク…」

管「…借金取りから夜逃げしてきたんです。」
!?
団員一同(めっちゃ現実(リアル)だあああああ!!!!!)
管「親父がギャンブルで借金作って、毎日毎日家に借金取りが押しかけて来て、親父も蒸発し、母と幼い弟達…」
ハルヒ「いやああああ!そんな汚い大人の世界の話なんて聞きたく無いいい!!」
ハルヒは耳を押さえて叫んでいる。
キョン「やめてくれええええ!!俺はまだ子供でいたいんだ!!」
長門を除く2人も耳を押さえもがいている。
管「…んな訳でここにもいつまでいられるか…こんな所です。」
…皆息絶え絶えな感じでひざまずいている。
ハルヒ「…聞いちゃった…聞いちゃった…最後まで聞いちゃった…」
みくる「…シクシク…シクシク…。」
古泉「…何ですか…この敗北感は…この闘わずして負けた感は…」
キョン「…聞いただろ…お前の勝ちだ!これで満足だろ!帰ってくれ!!」
管「…無理やり言わせといて何なんですかこの人たちは…そろそろ本題入って良いですか?」
長門「…ユニーク。」

…。
…。
…。
ハルヒ「…なるほど、謎の影ね。」
彼の話をまとめると、隣町に古い洋館があり、そこに謎の影が出る…と言う事らしい。
管「これがその洋館までの地図です。」
そう言って簡単な地図を渡した。
管「本当はそこまで案内したいんですけど、借金取りに見…」
キョン「もういい!もういいからその話は!」
管「それではこれで…。」
ガチャ
バタン
管理人は帰って行った。
ハルヒ「…影か…良い話を聞いたわね。」
古泉「それ以上に聞きたくない話も聞いちゃいましたけどね。」
ハルヒ「それじゃ、今度の休みに出動よ!」
…こうして俺達は謎の洋館へ行くこととなった。

~休日~
俺達は駅で落ち合い電車で隣町へと向かった。
ハルヒ「それにしても影って何だと思う?やっぱり幽霊かしら。」
キョン「…どうだろうな。ホームレスか何かが住んでました…なんてオチじゃないのか。」
ハルヒ「まぁ、行けばわかるってもんね。」
…まぁな。
ハルヒは鼻歌を歌いながら先頭を歩いている。
キョン「なぁ、古泉。」
古泉「何ですか?」
キョン「今回の件お前の所本当に関わって無いんだろうな。」
古泉「はい、それはたしかです。我々の機関は関わっていません。」
キョン「そうか…なら一体何なんだろうな…その影は…マジで幽霊じゃないだろうな…」
俺の呟きを聞いて古泉と朝比奈さんが笑いだした。
古泉「ははは、幽霊なんて居るわけないじゃないですか。そんな子供みたいな事言わないで下さいよ。」
みくる「そうですよ。キョン君もまだ子供ですね。」
長門「…非科学的。」
キョン「そこの超能力者と未来人と宇宙人…お前らが言うな。」
…それから夕方まで時間をつぶし、俺達はその洋館へと到着した。

~洋館内~
ハルヒ「本当に誰も住んで無いみたいね。」
館の中は荒れており人の生活している気配は無い。
ハルヒの持つ懐中電灯を頼りに俺達は進んで行った。
キョン「…みるからに出そうな雰囲気だな。」
ハルヒ「なによ、あんた怖いの?」
キョン「馬鹿言うな。」
古泉「しかし…不気味ですね。」
みくる「影って何なんでしょうね…。」
その時一人の少女が声をあげた。
長門「…何か居る。」
ハルヒ「!?」
キョン「!?」
古泉「!?」
みくる「!?」
…沈黙が流れた。
ハルヒ「ちょ…ちょっと有希、脅かさないでよ。」
長門「ここには私達以外の何かがいる。」
…長門が言うなら本当なんだろう。
よく見ると古泉と朝比奈さんの顔も恐怖が浮かんでいる。

古泉「ははは…参りましたね…お札が何か持ってくれば良かったですよ。」
みくる「…数珠ぐらい持ってくれば良かった…。」
長門「お札ならある。」
そう言って一枚のお札を俺達に見せた。
キョン「え!?長門お札なんか持って来てたのか?」
みくる「…何か意外です。」
ハルヒ「ん、でも何か随分古いわねこれ。」
長門は向こうを指差しながら言った。
長門「そこに貼ってあった。」
「!!!?」
キョン「なに剥がしてんだよ長門!!」
ハルヒ「い…今すぐ元の場所に戻して来なさい!!」
長門は頷くとお札を張り戻しに行った。
…やばい、本格的に怖くなって来た。
そこに…

みくる「きゃあああああああ!!!!」
ビク
朝比奈さんの悲鳴が響いた。
ハルヒ「どうしたの、みくるちゃん!」
古泉「一体どうされたのですか!?」
みくる「…ご…ご…。」
キョン「…ご?」
みくる「ごき…ごきぶりが…」
ハルヒ「ごきぶり?…ってなぁ~んだ。
キョン「そりゃごきぶりぐらい居ますよ…。ごきぶりぐらいで悲鳴を上げないで下さいよ。」
古泉「そうですよ。体長1mのごきぶりが出た訳じゃあるまいし…。」
しかし震える朝比奈さんの指差す方を見て俺達は…驚愕した。
「うわあああああああああああああああ!!!!!!」
…そこには体長1m50cmはあろうかというごきぶりがいたのだ。
みくる「…フッ」
朝比奈さんがそこで気を失った。
ハルヒ「にににに逃げるわよみんな!!」
俺は朝比奈さんを背負い全力でみんなの後に続いた。

キョン「長門!あれは何だ!?あの時のカマドウマと同じ様な奴か?」
長門「……。」
キョン「長門?」
長門「……。」
…完全に固まっている。宇宙人とは言えやはり女の子か…。俺達は広間へと出た。
ハルヒ「来たわよ!!」
奴は…Gは俺達を追って来やがった
…そして冒頭にいたる。
…Gと俺達の睨み合いが続いている。
こちらの戦力は俺とハルヒと古泉。
朝比奈さんは気絶しており長門は完全にフリーズしている。
ハルヒ「どうするのよキョン!!」
キョン「俺に聞くな!」
古泉「何であんなに巨大なGが…」
キョン「今はそんな事よりもどうするかを考えろ!
…もしもだ…もしも…」
ハルヒ「もしも…何?」
キョン「…もしも…あの巨体で"F・G・A"でも繰り出して来たらどうする!!」
ハルヒ&古泉「F・G・A!!」

『F・G・A』
F・G・Aとは「フライングゴキブリアタック」の略でGが繰り出す技の中で最凶最悪の威力を持つ技である。
実際これを顔に喰らった作者の妹(16)は精神崩壊寸前までいったのだ。
とにかく恐るべき技である。
キョン「あの巨体に喰らってみろ!精神崩壊じゃすまんぞ!!」
ハルヒ「…どうしよう。」
古泉「あ!!」
Gの背中がモゾモゾしだした…来る!!
遂にGがF・G・Aを繰り出して来た。

…くっ…これしかない!!
キョン(ハルヒ!)
ハルヒ(キョン!)
二人は一瞬のアイコンタクトの後…
ガシッ
ガシッ
古泉「…え!?」
…相殺するしかない。
キョン&ハルヒ「うおおおおおおーーー!!!」
古泉「ちょ!?ちょ!?まさか!?」
キョン&ハルヒ「F・K・A!!!!」
『F・K・A』
F・K・Aとは「フライングコイズミアタック」の略でキョンとハルヒが苦し紛れに繰り出した合体技…様するにただ古泉を力任せにぶん投げると言う古泉にとっては迷惑極まりない技である。
しかし古泉以外誰も傷つかないある意味クリーンな技である。

古泉「いゃああああああああ!!!!」
ゲシッ!
キョン「よし!相殺したぞ!」
ハルヒ「今のうちに逃げるわよ!」
俺は朝比奈さんを担ぎ、ハルヒは長門を連れて奥へと走った。
…古泉…お前の犠牲はけして無駄にはしない…。
俺達はさらに奥の広間へと駆け込んだ。
キョン「出口はどこだ!」
ハルヒ「暗くてよくわからないわ!!」
ガサガサガサ
キョン「なに!?」
ハルヒ「嘘!?」
…俺達の前にまた奴が…Gが現れたのだ…。
ハルヒ「…もしかして…もう…古泉君を…」
キョン「…よくも古泉を!!」
俺の体は怒りに震えた…が、だからと言ってどうとなる訳では無かった。
ピクピク
ハルヒ「また背中が震え出したわ!!」

…また来るのか!?
ガシッ
…え!?
ハルヒ「うおおおおおお!!!!!」
ちょ!おま!
ハルヒ「F・K・A2!!!」
『F・K・A2』
F・K・A2とは「フライングキョンアタック」の略で、たまたま「フライングコイズミアタック」と略が同じだったので2を付け加えたハルヒ渾身の大技…様するにただキョンを…ry
キョン「うっそおおおおん!!!」
ゲシッ!
キョン「うおっ!」
…痛てててて…ん?
G「……。」
キョン「うわあああああ!!!!!」
…俺は全力で逃げたタッタッタッタッ…バッ!
そのまま物陰に飛び込み息を潜めた。

「…誰ですか?」
ビクッ
キョン「だ…誰だ!」
「ああ、あなたですか…。」
…古泉?
キョン「古泉、無事だったか!」
古泉「…ええ、何とか…。」
古泉は憔悴しているようだ…ちくしょう…Gめ!

古泉「それであなたは?」
キョン「ああ…ハルヒの奴がF・G・Aの相殺に俺をぶん投げやがった…血も涙も無い奴だ…。」
古泉「一体どの口が言っているのか暗くてよく見えないのが非常に残念でなりません。」
キョン「……とにかくハルヒはともかくとしても朝比奈さんと長門は放っておけない。行くぞ!」
…俺達は再び地獄へと向かった。

キョン「…どこだ?」
古泉「あっちから声が聞こえます!」
声のする方へ向かうと…
ハルヒ「このバケモノ!あっち行きなさいよ!!」
ハルヒが2人を守りながらほうきでGと闘っていた。
キョン「…さすがにあの2人は投げなかった様だな。」
古泉「…そのようですね。」
キョン「G!ハルヒ達から離れろ!」
ハルヒが声をあげた。
ハルヒ「2人とも生きていたのね!!早く何とかしなさい!!
さっさと助けないと死刑よ!!」
…なんて言いぐさだ…とにかく!!
キョン「G!!お前の相手は!!」
Gが振り向いた。
G「…ジロリ。」
キョン「…この古泉一樹だ!」
古泉「ええ!?」


ガサガサガサ
近づいて来た!!
ガシ!
え?
…俺はGに組み敷かれていた。
キョン「ひいいいい!!」
俺、
絶 体 絶 命 !
この世には色々な悲惨な死に方があるがGに食われて死亡………!!
キョン「絶対いやだああああああああああ」
…火事場の馬鹿力とはよく言ったものだ。
気づくと俺はGをはじき飛ばしていた。Gは放物線を描いて…朝比奈さん!!
Gは朝比奈さんの所へ飛んでいった。
みくる「…ん…。」
また最悪のタイミングで目を覚まして…
G「……。」
みくる「……。」
Gと朝比奈さんはしばらく見つめあったあと…
みくる「い…い…いやああああああああ!!」
ドゲシ!
朝比奈さんは激烈な回し蹴りをGに喰らわした。
吹っ飛ぶG
キョン&ハルヒ&古泉「嘘おおおおおお!!」

みくる「いやああああああああ!!」
ゲシッ!
ドスッ!
ガスッ!
朝比奈さんははマウントを取りGを殴り続けている。
ゲシッ!
ドスッ!
ガスッ!
ハルヒ「…………。」
古泉「…………。」
キョン「…………。」
…いつしかGは完全に沈黙した…。
そのまま再び気を失った朝比奈さんを担ぎ俺達は洋館を後にした。
…その時沈黙が流れていたのは言うまでもない。

~部室~
キョン「結局あれはなんだったんだ?」
長門「わからない。恐らくは突然変異。」
放課後の部室で俺は長門と洋館の話をしていた。
ガチャ
古泉「おや、来てましたね。」
キョン「古泉、あれは何だったと思う。長門は突然変異じゃないかと言っているが…。」
古泉「長門さんが言うのならそうなのでしょう。
とにかくもうあそこには近づきたくありませんね…。」
それは同意だ。二度と行きたくない。
その後ハルヒも部室に来て後は朝比奈さんだ…。

ハルヒ「ねぇ…みくるちゃんだけど…」
キョン「朝比奈がどうした?」
ハルヒ「どうやら洋館に入ったぐらいから記憶が消えているみたいなの…。」
…なるほど、それで良いのかもな…。
古泉「そうですか…でも今回の事で僕は学びました。」
キョン「ああ。」
ハルヒ「そうね。」
ガチャ
みくる「遅くなりました~…すいません。すぐお茶入れますね。
ハルヒ「いやいや、良いのよ、みくるちゃん!今日はアタシが淹れてあげる。座ってて。」
ハルヒはお茶を淹れ始めた。
長門「…。」
長門は無言で椅子の埃を払った。
古泉「さささ、どうぞ。」
古泉は朝比奈さんにその椅子を勧めた。
キョン「朝比奈さん、どうぞ。」
俺はお菓子を差し出した。
みくる「…なんか、みんな今日は優しいですね。」
朝比奈さんはニコニコしている。
…。
…。
…。
『朝比奈みくるはキレたらヤバい。』
これが俺達が今回の件で学んだ事である…。
…。
…おしまい。

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