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8月ももう後半だというのにこの暑さは一向に収まる気配が無い。
そんな中でも俺達SOS団はクーラーも無い文芸部室に律儀にも全員集まっていた。
何でも今日は重大な会議があるとか。

ハルヒ「み、みんなよく集まったわね。さ、古泉くん説明して。」
ん?何か今日は様子がおかしいな。

古泉「僕の親戚の富豪が田舎に大きな屋敷を持っているんですが、そこに出るらしいのですよ。
   幽霊がね。そこでこれはSOS団の活動にも嵌るのではないかと思って屋敷探索を提案したんです。」

ハルヒ「そういうことなのよ。でも、みんなが恐いっていうならこの探索は中止にしてもいいわよ。
    それに夏休みもまだ残ってるし、みんなにも予定があるんじゃない?」

キョン「俺は別に平気だが」
長門「平気」
朝比奈さんは恐がって行くのを躊躇するかと思われたが意外にも乗り気であった。
みくる「屋敷で肝試しですか?孤島でやったのよりも楽しそうですね。」
未来には肝試しという習慣は滅びているのか?朝比奈さんはやけに夏のイベントに積極的だ。
それに超科学を普段から目にしている未来人の彼女には幽霊などちっとも恐くはないのだろう。

ハルヒ「みくるちゃんにキョン、強がらなくていいのよ?ここで逃げたって誰も責めはしないわ。
    もちろん私は行きたいけど、一人でも欠席者が出たら、全員での思い出が作れないからね。
    きっぱり中止するわ。」

キョン「俺は平気だって。」
どうせ今回のこれも古泉とその機関が用意したサプライズパーティーだろ。
それに朝比奈さんが非常に興味津々だし、俺も屋敷探索に賛成しておく。

ハルヒ「そ、そう。ならいいのよ。それじゃ各自準備しておいてね。」

その日の帰り道、俺は古泉に今回の提案について問いただした。
キョン「今回も機関が関わってるのか?」
古泉「いえ、今回は機関は全く関係がありません。本当に出るらしいんですよ。
   その僕の親戚というのが、普段は冗談を言いそうもない堅物なお方なのですが、幽霊を見たなどと
   騒ぎ出してしまいましてね。とても嘘をついているようには見えないのです。
   もしかしたら非現実的な何かがあの屋敷にいるのかもしれません。」

宇宙人や未来人や超能力者が現に俺の周りにいるのだから、本物の幽霊がいたとしても
たしかに不思議ではないな。俺は途端に恐くなった。
古泉と別れたあと、長門に相談してみた。

キョン「なあ長門、さっきの古泉の話聞いてただろ?あいつの言ってることは本当なのか?
    本当は機関も関与してるパーティーなんじゃないのか?」
長門「古泉一樹は嘘は言っていないと思われる。」

ヤバイ・・・恐い! 行くのが嫌になってきた。
だが朝比奈さんは行くのを楽しみにしてるようだし、ここでやっぱり行くのやめたなんて言ってみろ。
朝比奈さんに根性無しだと思われるではないか!

行くしかないのか・・・

探索当日、電車を乗り継いで屋敷に向かった。
古泉や朝比奈さんは楽しそうにしていたが俺はとてもそんな気分にはなれない。
やっぱり本当に幽霊やらゾンビやらが居るかもしれないとなると恐怖を抑えきれない。
古泉「僕も少々恐怖はありますがね、涼宮さんなら何とかしてくれるだろうと思っているんです。
   だからこそこの提案を持ち出したのですよ。何も無ければそれはそれで安心ですし。」
と俺に耳打ちをした。

ハルヒだが、何だかコイツも元気が無いように見えるのは気のせいか?
顔は笑っているが、何だか無理に表情を造っているような感じだ。
泳げないのに泳げると嘘をついて友達にプールに誘われてしまい、プールに着いて水に入る前の
小学生みたいな表情だ。わかりにくい表現でスマン。

そうこうしてるうちに屋敷に着き、いかにも頑固そうなオジサンが門の前に居た。
オジサン「キミ達が一樹の紹介でやってきた霊媒師か! 早く除霊を頼む! 金ならいくらでも出すから!」
どうやらこのオジサンは屋敷の中で生活することができず、ずっとホテルで生活していたようだ。
何かだんだんマジっぽい状況になってきた。寒気がしてきた。恐い。

古泉「任せてください。ですがこの屋敷相当大きいですね。オジサンにも道案内のために
   一緒に入ってほしいのですが。大丈夫です。彼らの傍にいれば平気ですよ。」
そう言ってオジサンを先頭に立てて俺達は屋敷に入った。

こういう状況がこの中で一番好きそうなあの女、涼宮ハルヒは、
オジサン・古泉・朝比奈さん・長門、という順番で入っていった列の長門のすぐ後ろに
着いて歩き始めた。意外だな。てっきり前に着いて俺達を先導するのかと思いきや。
ハルヒ「キョ、キョン。ああアンタは私の後ろね!早く来なさいよ!」

まさかコイツは・・・

俺達は屋敷内をくまなく捜索したがとくに怪しい物はなく、幽霊やゾンビといったものにも遭遇しなかった。
そもそも幽霊って目に見えるのか?という疑問はさておき、この屋敷にはとくに何も無さそうだ。強いて言えば蚊が多いな。
オジサンが幽霊だと騒いでいたのも、窓から入る風の音が呻き声に聴こえたとか、
その程度の勘違いだろうという結論を下した。

やっぱ幽霊なんているわけないよな。

ハルヒ「なーによ、幽霊の奴、私たちにビビってどこかに隠れてるんじゃないの?出て来なさいよ!」
ハルヒにいつもの元気が戻った。まあお前の気持ちはわからないでもない。俺も恐かったしな。
キョン「俺は最初から幽霊なんているわけないって思ってたがな。でもこんなでかい屋敷で
    本格的な肝試しも悪くないな。」
オジサン「ふん、バカバカしい。やはり霊能力特番みたいな下らない番組など見るんじゃなかったわ!
     キミ達もこんなことに付き合わせて悪かったね。少ないけどこれで美味しい物でも食べなさい。
     ワシはちょっとトイレに行く。・・・一樹、まだ少し恐いからついてきてくれるか?」

そう言ってオジサンは古泉を連れてトイレへ行った。情けないジイサンだ。

ハルヒ「でも少し拍子抜けよね。幽霊をとっ捕まえてSOS団の団員にしてあげようと思ってたのに。」
キョン「いいなそれ。そいつが雑用係になってくれたら俺も少しは楽になるってもんだ。」

ギャアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーー!!

トイレの方から叫び声が聞こえた。俺とハルヒ、朝比奈さんに長門は急いでトイレに向かった。
トイレの前には古泉がいて、しきりにドアをノックしてオジサンを呼んでいた。
古泉「どうしたんですか!チャックに皮を挟んだのですか?あ、みなさんドアを破るのを
   手伝ってください! オジサンがチャックに皮を挟めたようなので!」

ドアを蹴破るとそこには青白い顔で倒れているオジサンの姿があった。
オジサン「赤い着物の女が・・・赤い着物の女が・・・」

俺達は倒れているオジサンを布団まで運んで寝かした。それでも寝言を言い続けている。
オジサン「赤い着物の女が・・・・こっちに来る・・・・」

キョン「これはあれだ。昔泣かした女の幻覚でも見たんだろ。」
古泉「オジサンは女に泣かされても泣かしたことはありません。」
キョン「じゃあ何だ?これは赤い着物を着た女の仕業だとでも?」
古泉「わかりません。ただ得体の知れない何かがいるのは確かでしょうね。」
みくる「やっぱり幽霊ですか・・・?」
キョン「そんなわけないっすよ。どうせオジサンはチャックに皮を挟んだショックで倒れただけですよ。」

キョン「俺は幽霊なんて非科学的なものは断じて信じない。アホらし。付き合いきれねえよ。
    みんな帰ろうぜ。」

そう言って俺は立ち上がった。

古泉「・・・何ですかこれ?」
長門「・・・・・・」
俺は右手で長門の手を掴み、左手で古泉の手を掴んで屋敷を立ち去ろうとしていた。
キョン「い、いや、お前らが恐がってると思って気を使って手を繋いでやったんだ!」
長門「手が汗ばんでる・・・」

古泉は俺の気遣いを振り払い、いきなり嘘を叫んだ。

古泉「 あ っ! 赤 い 着 物 の 女 が そ こ に ! ! 」

ガッターン!ガサガサ・・・
俺はすぐさま押入れに飛び込んで隠れた!

みくる「何やってるんですかキョンくん?」
キョン「いやあの カブト虫がいた気がしたので捕まえようと・・・」
みくる「キョンくん、もしかして幽霊が・・・・」
キョン「ビビってないですって!ホントです!」

古泉が人をバカにしたようなニヤケ面をしながら肩をすくめていた。
古泉「意外と臆病なんですね。女性陣は平然としていらっしゃるのに貴方ときたら・・・。
   涼宮さん、どう思いま・・・・」

ガタ! ガタガタ!
置き物のでかい壷の中に一生懸命隠れようとしているハルヒの姿があった。

古泉「涼宮さん・・・一体何を・・・?」
ハルヒ「いやあの エデンへの入り口が・・・」

古泉・朝比奈さん・長門の無言の冷たい視線が俺とハルヒに向けられる。

キョン「何だその目は! 待て待て! 違うんだ! ハルヒはそうかもしれんが俺は違うぞ!」
ハルヒ「ちょっ、ビビってるのはアンタでしょ! 私はあれよ。胎内回帰願望があるだけよ!」

古泉「ハイハイ。わかりました わかりました」
長門「エデンでも胎内でもどこへでも行けよ」

急に古泉・朝比奈さん・長門が沈黙をし、目を見開いて俺達の後方を凝視した。
その目が次第に恐怖を感じているときの目に変わっていった。

キョン「何だオイ。驚かそうたって無駄だぞ。同じ手は食わん。」

それでも三人は固まって俺達の後ろを凝視している。顔が真っ青だぞ。

ハルヒ「ちょっと・・・しつこいわよ。」

古泉「ウワ―――――――ッッ!!」
みくる「キャ―――――――ッッ!!」
長門「!!!!!!!!!!!!!!」

三人は悲鳴を上げながら大急ぎで走って逃げた。

キョン「ったく、手の込んだイタズラしやがって。朝比奈さんまで・・・」
ハルヒ「バカね。こんなくらいで驚くわけないじゃない。」

二人が振り向くとそこには赤い着物を着た女が逆さまになってこちらを凝視していた。

キョン・ハルヒ「・・・・こ、こんばんは~・・・・・・・・」

ギャアアアアアアアアアアアアア―――――――ッ!!

場面は走って逃げている古泉達に移る

長門「見ちゃった・・・本当にいた・・・」
みくる「キョンく~ん! 涼宮さ~ん!」
古泉「二人のことは忘れましょう!もうダメだ!」

古泉がふと振り向くと、キョンとハルヒが走って来ていた。

みくる「あ、何とか切り抜けてきたようですね。」
古泉「いや待ってください。 しょってる! 着物女をしょってますよ!」
みくる「イヤ―――――――ッ!」
古泉「こっち来るなァァァ!」

走って古泉達に追いつこうとしているキョンとハルヒは・・・
ハルヒ「ちょっと! みんな何で逃げるのよ! コラー! みくるちゃんに古泉君に有希!
    待ちなさーい!」
キョン「なあハルヒ、やけに背中の半分が重いんだが、お前はどうだ?」
ハルヒ「そういえば重い・・・キョン、ちょっと確認してくれない?」
キョン「うるせーな自分で確認しろよ。」

ハルヒ「じゃあこうしましょう。せーので同時に振り向いて確認ね。」
キョン「お前も絶対見ろよ?裏切るなよ?」

せーの!

恐ろしい顔した女が俺とハルヒの背中に乗っかっていた。
どおりでハルヒから離れて走ることができなかったわけだ。

ギャアアアアアアアアアアアア―――――――――ッ!

ギャアアアアアアアアアアアア――――――――ッ!

・・・・・・・・・・・

古泉達は外にある物置の倉庫に隠れていた。そこでキョンとハルヒの悲鳴を聞いていた。
みくる「悲鳴が・・・」
古泉「今度こそやられたのでしょう・・・」
長門「しめた。これでヒロインの座は私のもの」
古泉・みくる「言ってる場合か!」

みくる「何でこんなことに・・・」
古泉「実は以前に彼(キョン)を亡き者にするために外法で妖魔を呼び出そうとしたことがあるんです。
   あの化け物はもしかしたらそのときの・・・」
みくる「何てことしてるんですか!貴方のせいでキョンくんと涼宮さんは~!」
古泉「ちょ、ここせまいんですから暴れないでくださ・・・」

古泉がふと戸の隙間を見ると、そこから自分達を覗き見ている女の顔が・・・

古泉「ぎゃあああ―――――――!
   出、出、出すぺらァど――――!」

古泉は女に向かって急に土下座を始めた。
古泉「スミマセン!とりあえずスミマセン! マジ スミマッセン! ほら見て!マッガーレ!マッガーレ!」

古泉はみくると長門の頭を掴み、地面に叩きつけて無理矢理に土下座をさせた!

古泉「テメーらも謝れバカヤロー! 心から頭下げればどんな人にも心通じんだよバカヤロー!」

ハルヒとキョンは池の近くにある草むらに隠れて着物女をやり過ごしていたようだ。
その着物女が古泉達の元に行っていることを知らず、また古泉があんなことになっていることも知らずに
二人は怯えながら隠れていた。

ハルヒ「ね、ねえキョン。よーく考えたらあの女って幽霊でもオバケでも何でもない、ただの人間じゃない?あんたビビりすぎよ。」
キョン「そういやそうだな。足もあったし口が裂けてたわけでもないし、ちょっと顔が恐いだけの女の人だったような。ビビってんじゃねーよハルヒ」
ハルヒ「そ、そうよ!古泉君達があの人を見ていきなり驚いて逃げるもんだから、てっきりオバケかと思ったけど」
キョン「よく考えたらオバケのわけないよなw古泉も臆病なヘタレ野朗だな。次会ったらただじゃおかねー」
ハルヒ「あの女もとっちめてやるわ。まあ私は逃げてる間もアンタと違ってあの女にメンチ切ってたけど」
キョン「俺なんてずっと奴をつねってた」
ハルヒ「小さいのよアンタは。私なんて・・・」


             ガ    サ   ッ      !   !


ドボン! ドボン!
急な物音にキョンとハルヒはビビッて池に飛び込んだ。
その物音の正体がただのカエルの仕業だったことに気づいて安堵した。

ハルヒ「さ、さーて、水も浴びてスッキリしたことだし、そろそろ反撃といくわ」
キョン「む、無理すんなよ声が震えてるぞ。女と古泉は俺が仕留める。ヘタレは帰れ」
ハルヒ「ビビッてんのはアンタでしょ?ホントは股間が濡れてるから池に飛び込んだんじゃないの?」

キョン「俺達がここで争ってもしょうがねー。俺達を驚かして楽しんでるあの女に説教の一つでもしてやるぞ。」

そう言って俺達は歩き出し、古泉達とその女を発見した。着物女に一生懸命土下座していた。

古泉「あのホント、靴の裏も舐めますんで、勘弁してくださいよ!」
何しとんじゃアイツ・・・

古泉は朝比奈さんと長門の頭を地面にめり込ませながら土下座をしまくっていた。
しかし俺達が駆けつけると女はすぐにどこかへ逃げて消えた。それでも古泉は気づかずに土下座を続けていた。
キョン「古泉・・・」
古泉「うわああ!すいませ・・・。ああ、貴方でしたか。これは彼女を油断させてから取り押さえようという僕の作戦
   でしてね。朝比奈さんと長門さんにも協力してもらおうと思って土下座をさせたんですよ。」

俺とハルヒの無言の冷たい視線が古泉を攻める。

古泉「信じていないようですね。まあ次に彼女が出てきたら僕に任せてください。
   すぐに片付けますから。 赤い着物を来たお方、出て来なさい!この僕が引導を」

赤い着物の女「なんだァァァ!やれるもんならやってみろォォォォ!」

古泉「ヒィィィィィ―! 出たァァァ!」
ハルヒ「ダ―――ッ!もうヤバイもうヤダ!」

キョン「ハルヒに古泉、よく見ろ。彼女は幽霊でもゾンビでもない。普通の人間だ。」

ハルヒと古泉は恐る恐る彼女を凝視した。人間であると確認するやいなや、彼女を強引に取り押さえた。
ハルヒ「もう逃げられないわよ!観念なさい!」
古泉はクールな顔でカッコつけて彼女を護身術みたいなすごい技で取り押さえた。
コイツら急に強気になったなw

ハルヒ「さあ白状しなさい!何で貴方はこの屋敷にいるの?」

女「本当にすいませんでした。彼(屋敷の主)に中出しされたせいで子供が出来ちゃったんです。
  私は彼と一緒にこの子を育てたかったのに彼は生涯一人で生きると言って認めてくれなかったんです。
  そこで私はオバケのふりをしてこの屋敷に潜伏し、彼を驚かしていたの。
  彼が一人でいるのが恐くなれば私と結婚してくれるかと思って」

阿呆だなこの女。でもお腹には子供がいるのか・・・。

古泉「そういうことだったのですか。オジサンもスミに置けませんね」
みくる「何だか気の毒ですね・・・。」

オジサン「知るか知るか!あの夜はワシは酷く酔っていたのだ。どんなゴリラでもいいから
     一発やりたい気分だったんじゃ!でなきゃ誰がこんな女と。こんな女のためにびた一文たりとも
     金を使う気はない!出てけー!」

ハルヒ「・・・・・・・・・」


   ガタン! ガタガタ! バリーン! 

何だ今の音? 俺達はその音がした方向へ向かった。
棚に置いてあった重く高価そうな壷が落ちて割れていて、額に入って飾られた絵も落ちていた。

古泉「地震も無かったのに妙ですね・・・。野良猫がこんな重い壷を動かせるとは思いませんし・・・。」
オジサン「棚にも特に変化がない・・・不思議だ・・・」
ハルヒ「もしかしてこの屋敷、まだ何かいるんじゃ・・・」

オジサン「そ、そんな・・・。おい女、これもお前の仕業か!?」
女「私は本当に知りませんよ・・・?」

たしかに妙だ・・・

オジサン「一体何だというんだ! 誰がやった!」
古泉「我々は彼女も含めてたしかに全員揃っていました。そしてこの壷はそう簡単に倒れるような物ではありません。」
ハルヒ「得体の知れない何かがこの屋敷にいるってこと?」
オジサン「ヒィィィッ!そんな!」

不穏な空気が辺りを包む中、ハルヒが口を開いた。
ハルヒ「ねえオジサン、この屋敷、何か霊的なものが潜んでそうでオジサン一人じゃ恐いでしょ?ずっとホテルに住むわけにはいかないし、
   新しい家を建ててもこういう霊ってついてくるものよ。この際だから彼女と一緒に住んじゃえば?
   そうすれば恐怖も和らぐだろうし、それに賑やかな家庭には霊やオバケは現れないものよ。」

オジサン「・・・そうじゃな。おいお前さん、良ければワシと一緒に住まないか?
    さっきはゴリラなんて言ってすまなかったな。ワシ、照れ屋なんじゃ。」

こうして二人は一緒に住むことになったらしい。

これはハルヒが望んだことなのだろう。
彼女を不憫に思ったハルヒが、またあの奇妙なデタラメパワーを使って壷を割り、オジサンを恐がらせることでオジサンを素直にさせた。
俺はそう思いたい。

―翌日―
恐怖の幽霊探索ツアーを終え、翌日の月曜の放課後、いつもの如く文芸部室に俺、ハルヒ、古泉、長門が集まっていた。朝比奈さんはまだHRが終わってないらしい。

ハルヒ「幽霊に会えなかったのは残念ね。とっ捕まえてSOS団のパシリにしてやろうと思ったのに。」
ビビってたくせによく言うぜ。

古泉「所詮は霊や妖怪と言ったものは、人が恐怖を感じるもの・・・例えば腐敗した死体や夜の暗闇、災害などを大袈裟に捉えたものらしいですからね。
  また、言うことを聞かない子供に恐怖を与えて言うことを聞かせようとするためにオバケなる存在を考えたとか。」
もうお前が何言っても笑えるよw

ハルヒ「でもあの女の人、幸せになれるといいわね。」
古泉「オジサンはああ見えて出来たお方です。少し照れ屋なだけなのですよ。大丈夫、あの二人ならいい家庭を築けますよ。」

まあ実際に幽霊やゾンビと言ったものに出くわさなくてよかった。そんなものがいるわけはないが、この団長様の前ではどんな常識も無効化されちまうからな。
それにしてもあのハルヒにも弱点があったとはなw オバケが恐いなんて可愛らしいところも・・・

ガチャ・・・・       ガッターン!    バリーン!

みくる「あ、あ、あ、すみませ~ん。普通に開けたはずなのに、いきなり外れちゃいました・・・。」

度重なるハルヒの乱暴なドアの開け方のせいで寿命が早まったドアは、朝比奈さんがドアを開けたそのときに外れて倒れた。
それはもう物凄い大きい音で倒れて壊れた。

みくる「・・・み、みなさん、何をしているんですか?・・・」

俺、ハルヒ、古泉の三人はビビッて机の下に隠れていた。

キョン・ハルヒ・古泉「いやあの コンタクト落としちゃって」

長門「ヘタレが三人」  

ところであのオジサンの屋敷はもう大丈夫なのだろうか?
二人の仲のことじゃなくて、おそらくハルヒが生み出したであろう霊的な現象は収まったのだろうか。

まあ幸せな家庭には霊やオバケは現れないとかハルヒ自身が言ってたし、
オジサン達が仲良くやっていればもう何も起きんだろう。




屋敷にて

女「アナタ、最近帰りが遅いけど一体どこで何してるの?」
オジサン「黙れ黙れ。ワシがどこで何をしようとワシの勝手だ。お前はただ家事だけをやっていれば・・」


         バリーン!


オジサン「ヒィィィィィィッ!」


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