「キョン君、少しよろしいですか?」
ん…古泉?
「話があるのですが。」
俺は古泉に呼び止められ部室に残る事になった。
…で、話とはなんだ?またハルヒの事か?
また厄介事でも起きたのか?
古泉はいつもの笑顔で
「いえ、今回は涼宮さんの事ではありません。」
…ハルヒの事では無い?なんだ?
「キョン君…あなたの妹さんの事ですが…」
妹?
「はい、キョン君の妹さん…可愛いですよね」
…何を言っているんだこいつは?
…ああ、可愛いな。歳が離れているから尚更な。
「いえ!そういう意味では無く一人の女性としてと言うか…何と言うか…」
…実は気付いていた…いや、気づきたくなかった…
「…古泉…お前は…」
コクン
古泉は頬を赤らめ頷いた。
『古泉はロリコンだった』

…神…神よ…
…もしやとは思ったが…まさか…落ち着け…俺、俺は普通の人間よりも超常現象には耐性がある…そうだ…OK。
それにいくらロリコンとは言え同じ人類だ。コミュニケーションはとれるはずだ。
…まずは本物かどうか確かめなくては…古泉!
俺は近くの野球ボールに
【妹】
と書き古泉に突きつけた。
このボールを俺の妹としよう
「キョン君の妹…」
次に筆箱から消しゴムを取り出し
【上戸彩】
と書き同じ様に突きつけた。
この消しゴムを上戸彩としよう。
「上戸彩…」
古泉は妹と上戸彩を持ち戸惑っている。
俺は古泉に告げた。
「この上戸彩をお前の好きにしても良いぞ。」
「な!…好きにしても良いとは!?」
「口に含もうが乳を揉もうが自由にしろ」
「!!!…そんな事しても良いのですか!?…事務所的に許されるのですか!?」
…古泉は驚愕の顔でつぶやいた。
事務所など気にしなくて良い…ただし!
「???」
妹を選ぶか上戸彩を選ぶかこの場で決めてもらおうか!
「なっ!?」
…どう出る、古泉?

古泉はしばらく考えたのち答えを出した。
「えいっ!」
古泉は消しゴムを投げ捨てた!
ああ…彩ちゃん
…古泉はボールに頬ずりしている。
「…本物か…」
ただでさえ超能力者という属性を持っているのにさらにロリコンの属性まで求めなくても…
「、と言う事で今日はキョン君のお家にお邪魔して晩御飯をご馳走になり、お父様とお母様に挨拶をしようかと…」
断る!
「即答ですか…」
当然だ…
「そうですか…参りまたね…」
ん、暗い顔して…どうした?
「いや、実は…」
…話を聞くと銀行の手違いで仕送りが遅れていて、明日にならないとお金を下ろせない、さらに昨日から何も食べてない…という事らしい…。
…そうだったのか。
「はい、恥ずかしながら…」
これで無視する程俺は冷たい人間では無い
…しかし、ハルヒの罰金で俺も手持ち金は無いし…でも家に連れて行くと妹が危ないし…
ん!そうだ、ハルヒだ!あいつにもたまには団長として飯でもおごらせよう!
よし、古泉!
「はい?」
ハルヒに飯をたかりに行くぞ
「…正気ですか?」
正気だ。
「涼宮さんの性格はご存知でしょう?」
もちろんだ。痛い程知ってる。

「あの天上天下唯我独尊、目の無い巨大台風、世界の中心でわがままを叫ぶ第六天魔王…等、の異名を持つあの涼宮ハルヒにですか!?」
…お前本人が居ないと思って言いたい放題だな。
「本人が居ないから言えるのです。…所でその自信…何か勝算でも…」
もちろんだ。これを聞いてみろ。
カチャ
………
「こ、これは!?…これがあなたの武器ですか…たしかにこれならば…」
勝てる…しかし問題が一つある。
「…閉鎖空間ですね。」
それだ。これを実行すれば巨大な奴が出来るかもな…
「…たまには良いでしょう。」
は!?
「最近バイト代が減っていた所です。…稼がせてもらいましょう…」
良いのか…それで…わかった。お前の覚悟は受けとった
「…はい。」
そこにはいつもの古泉一樹は居ない。
一人の戦人がいた。
…これより我らは修羅に入る!
「…鬼に会っては鬼を切り、仏に会っては仏を切る…ですね?」
さすが古泉。よく知ってるな。
まぁ、それくらいの覚悟がいるってことだ。
「はい」
…二人は戦場に向かう気持ちで涼宮ハルヒの元へ向かうのだった。
さてどうなるのか…

今一人の少女が帰宅した。
涼宮ハルヒ
これからこの少女に悲劇が訪れる…。
「ただいま~…って誰も居ないんだけどね…。」
彼女の両親は深夜まで帰宅しない。当然誰も居ないはずだった…が
ガチャ
「お帰りハルヒ。」
「お帰りなさい涼宮さん。」
「…」
ガチャ
再びドアを閉めた。
「…キョンと古泉君?…幻覚ね…疲れているのかな?」
ガチャ
再びドア開けた。
「何やっているんだハルヒ?」
「お茶煎れますよ。座ってください。」
「…な…な…な…なんで居るのよあんた達!!」
「…ハルヒ、夜だぞ。近所迷惑を考えろ。」
「ちょ…どこから入ったの!?」
キョンは無言でそれを掲げた。
「人の家の合い鍵を勝手に作るなぁぁぁぁぁ!!!!!」
ハルヒは素早くそれを奪い取った。
「まぁまぁ涼宮さん、落ち着いて下さい。どうぞお茶です。」
古泉はハルヒにお茶を差し出す。

「ああ、ありがと、古泉君…」
ゴクっゴクっ
「…ふぅ~…じゃなくて!何で古泉君まで此処に居るの!?」
「ハルヒ、落ち着いて話しを聞け…」
キョンはハルヒに古泉の事情を話した。
「…んな訳なんだ。だから団長として俺と古泉に飯を奢ってくれ。」
ハルヒも少し落ち着いたようだ。
「…話しは分かったけど…別にキョンが古泉君に奢ってやっても良いんじゃない?」
「あいにく俺はお前が課す罰金で貧乏だ。」
「んっ…でも家に招待して晩御飯ご馳走するぐらい大丈夫でしょ?」
「至極もっともな意見だな。しかし切実な理由があって奴に家の敷居をまたがせる訳にはいかないんだ。」
「…切実な理由って?」
「それは禁則事項だ」
「…何よそれ…あいにくだけど家には何も無いわよ。わたしも外で済ませて来たし。」
「それは確認済だ。見事に何も無いな…」
「勝手に家捜しするなぁぁぁぁ!!!!!」
「夜だ。近所迷惑を考えろ。」
「あんたは私の迷惑を考えなさい!!…何にも無いのは分かっているんでしょ?無駄足だったわね」
「大丈夫だ。今から外でお前に奢ってもらうつもりだから」

「な!…嫌よ。わたしは奢ってもらうのは好きだけど奢るのは大嫌いなの。」
「…これを聞いても嫌と言えるか?…古泉。」
「はい。」
古泉はカセットレコーダーを取り出した。
「な…何よそれ…」
「…ハルヒ、一昨日の放課後の部室。覚えているか?」
「一昨日の放課後の部室?…たしかあの日はわたしが一番に着いてしばらく誰もこなかっ…まさか!」
キョンは邪悪な笑みを浮かべて言った。
「人と言うのは悲しいな…。暇になるとつい自作の歌を即興で作り歌ってしまう…しかもその大半がかなり恥ずかしい物だ。」
…卑劣な…
「(本当卑劣ですね…僕もキョン君を少し舐めていたようです。)」
「ハルヒ…お前に選択肢は無い。」
ハルヒはキョンを睨みつけて言った。「…わかったわよ!奢れば良いんでしょ、奢れば!ライスでもライス大盛でも好きに自由にどうぞ!」

「…まだ自分の立場が理解出来て無いようだな…古泉。」
「…はい。」
カチャ
♪~♪~
陽気な声のかなり恥ずかしい歌が流れた。
「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!わかった!わかりました!何でも好きな物をお食べ下さい。成長期の二人は美味しいものを沢山食べないと駄目なの!」
「…古泉。」
カチャ
歌が止んだ。
うなだれるハルヒに笑顔の古泉が近づき言った。
「涼宮さん、ご馳走になります。」
「うぅ~(泣)」
キョンも近づき
「ハルヒ、素直なお前が一番カワイイぞ。」
「この鬼ぃぃぃぃ~」
…閑静な住宅街に少女の絶叫が響いた…

…夜道を三人の男女が歩いている。
「ここの高級レストランに入るわよ」
「高級レストランって…唯のファミレスじゃないですか。」
「まぁ、もう歩くのも疲れた。今回は此処で勘弁してやろう。次回はもっとましな所に連れて行けよ。」
「じ…次回って…」
そんなこんなで三人はファミレスに入って行った。

「ご注文はお決まりですか?」
「…コーヒー…」
「俺は高い順番に上から10品。」
「良いですね。では僕も彼と同じ物を…」
「…もう好きにして(泣)」
…その後の彼ら、一人はシクシクと泣きながらコーヒーを飲み、二人は成長期らしい食欲で膨大な料理を食い尽くしていった。
(…なんでこんな事に…覚えてなさいよ、二人共…)
そろそろ食事も終わりそうだ。
(あ~あ、いくらかなぁ~)
ハルヒは財布を探した…が…無い。

「あ…」
ハルヒは思い出した。自宅のテーブルに置いた財布の存在を…
(ヤバっ…どうしよう…)
チラッ
二人の様子を見る…満腹になったせいかいつもの顔になっている。
(…怒んないよね…)
「ねぇ、キョン、古泉君…」
「なんだ?」
「なんですか?」
(あ…笑顔だ。大丈夫)
「…あのね」
「うん」
ハルヒは自分で出来る最高にカワイイ笑顔を作って言った。
「財布忘れてきちゃった…テヘッ…。」
…すると笑顔だった二人の顔が…みるみると…
「ああ!?(怒)」
「ひっ!(泣)」
「古泉!今すぐ例のテープを流せ!大音量でだ!!」
「はい!大至急!」
「嫌ぁぁぁぁ止めてぇぇぇわざとじゃ無いの~本当にぃぃぃ~」
ハルヒの必死の制止により惨事は免れた。
…が問題が一つ。
支払いをどうするか…

「…沢山食べてしまったな…」
「…食べてしまいましたね…」
「…食べたわね…」
お金がありません。ごめんなさい。
では済まない量だと三人共理解していた。
「…」
「…」
(キョンも古泉君も困っているわね…ここは一つ団長として…)
「ねぇ、ここは素直にあやま…
ここでハルヒの言葉を遮り古泉が口を開いた。
「やはりこの方法しかありませんね…」
「!?…何とかなるのか?」
「…はい。」
(方法があるの!?)
「あれを見て下さい。」
そう言って指差した先を他の二人も見た。
「…幸いにも今店員は一人しか居ません。
まずキョン君…あるいは涼宮さんが店員の前に立ちます。」
「それで…」
「それでどうするの?」
「次にその店員にボディーブロウを入れるのです。…その隙に逃亡…どうですか?」

(ちょ!?それって食い逃げ…いや、この場合強盗よ!)
「ちょっと、古泉君、それは…」
「…その手があったか…」
(キョン!?)
「はい、しかしそれしか思い浮かびません。」
「上等だ…その役俺がやろう。」
「…漢ですね、キョン君流石です…」
(…正気…この二人…大体おかしいでしょ?いつものあなた達の役割は私が暴走するのを止める事…まるで逆じゃない!)
…涼宮ハルヒは知らない…彼らが修羅に入っている事を。
鬼や仏をも斬る覚悟の彼らにとって店員にボディブロウを食らわすぐらい朝飯前である。

この時ハルヒの頭に最悪の光景が浮かんだ。
回る赤色灯
掛けられる手錠
「団長の…団長の命令で仕方なくやったんです!」
「そうです。僕たちは嫌だといったのに無理やり…逆らったら死刑なんです!」
(…君が団長だね?)
刑事の声
(…少年院でゆっくり反省しなさい)
ガチャ(牢屋の閉まる音)
…………
嫌ぁぁぁぁ!!
涼宮ハルヒは一種のパニック状態に陥っていた。
逮捕の恐怖だけでは無い。
いつも周囲に
異常
変人
暴走機関車
等と言われ自分でも否定せずそれを受け入れ生きてきた涼宮ハルヒが、今、三人の中で一番常識人だということに気づいたからである。
二人は真剣に話しあっている。
「ボディーブロウはえぐり込むように…」
「…えぐり込む様にだな…」
一方ハルヒは
「あはは…あは…」
壊れかけていた。
(なるほど…キョンはいつもこんな感じなのね…)

(…しっかりしろ!涼宮ハルヒ!あんたが壊れたら最悪の結果が待っているのよ!)
(がんばれ!)
自分で自分にエールを送り気持ちを奮い立たせた。
「待って二人共!」
「ん?」
「何ですか?」
「…もう少し待ちましょう。きっと穏便にすむ方法があるはず…せめて後30分待ちなさい。」
「わかった。」
「わかりました。」
「…よし!」
涼宮ハルヒ、復活!
…しかしそう都合良く見つかるはずも無く、まもなく30分たとうとしていた。
「やっぱりあれしか無い。」
「駄目よ!キョン!」
「…しかし!」
そこに古泉の声が響いた。
「…かれこれ20分ほど不愉快な視線を僕たちに向けています…もう限界です。」
「なるほど…そう言う事か…」
「…」
「はい、これは向こうから喧嘩を仕掛けたも同然!詫び料として支払い分巻き上げましょう。」
「…流石古泉だな、俺が行こう。」
「…」

「大丈夫ですか?結構強そうですよ。」
「心配するな。伊達にハルヒに付き合ってきた訳じゃ無い…体力だけは無駄についた。」
「…ご武運を。」
キョンはその男の元へ向かおうとした…そこに…
「…待ちなさい。」
ハルヒだ…。
「何だ…まさか止めようって訳じゃないだろうな?」
「いいえ、あの手の奴はここできっちり締めとくのがよいわ。
払わないなんてぬかしたら骨の一本でも折ってあげなさい。
「あ…ああ。」
…ハルヒ…やっぱりあんたも同類だよ…
キョンは向かった。
「流石キョン君、早速胸ぐらをつかみましたよ!」
「がんばれキョン!」
…いや、違うの。違うの。…あのね…
「…まずいですね。素直に謝りそうな気配です…」
「キョン…失敗したら死刑よ!」

…はははは、そうだったのか…
「…打ち解けてしまった様ですね…」
「何やってんのよキョン!」
…キョンは笑顔で戻って来ました。
「…キョン君…あなたには失望しました…。」
「…もう一度行きなさいよ。このチキン野郎。」
「違う違う。古泉が行けば良いんだよ。」
「…へ?僕が?」
「…古泉君が?」
「そうだ。行ってこい。」
「???」
古泉は訳わからない様にして向かった。
「…ど~ゆ~事なの、キョン?」
「…ああ、あの男は
ホモ
なんだ。」
「…ホモ?」
「ああ、どうやら古泉に一目惚れしたみたいで…あの視線は熱い視線だった訳だ。」
キョンは手品の種明かしをするかの様に語った。
「…で支払いはどうするの?」
「大丈夫だ。事がすんだら古泉に渡すらしい。」
「…事って…まさか!」
…そして古泉は。
「…僕に用ですか?」
「…かわいい。」
「…何故僕の股間を弄るんですか?」

「…さぁ、トイレに」
「キョン君!、涼宮さん!助けて下さい!この男何かを狙っています!」
「(お前の肉体なんだよ(泣))」
「(あなたの肉体なのよ(泣))」
「キョン君!…何電話掛けるフリしているんですか!?それどう見ても電話じゃ無くてあなたが今履いてた靴でしょう!」
「…ああ、つぎの商談は…ああ、そうだ。」
「涼宮さん!テーブルの下に頭突っ込んで何やってるんですか!」
「プーさんでしゅ。プーさんでしゅ。蜂蜜食べたいでしゅ」
「助けて~…」
…古泉はトイレに消えて行った。
「許せ!古泉(泣)」
「許して!古泉君(泣)」
…なんて薄情なやつらだこいつらは…

~30分後~
「コーヒーおかわりください。」
「わたしも。」
…二人は古泉をまっていた。
コーヒーを飲みながら…
ガチャ
…トイレからフラフラになった古泉が出てきた。

「古泉!」
「古泉君!」
…古泉がゾンビの様に近づいてきた。

「…キョン君…涼宮さん…」
「遅かったな。」
「心配したのよ。」
…二人は額に汗をかいています。
「……僕…汚れて…しまいました…」

(古泉(泣))
二人は涙を流しながら古泉に近づいた。
「痛みに耐えて良く頑張った!感動した!」
「あなたはSOS団の誇りよ。終身名誉副団長の称号を与えるわ」
「…ところであの男から何か受け取らなかったか?」
「…ああ…これを…」
古泉はそれをキョンに渡した。
テレホンカード…一枚
「…テレホンカードか…しかも50度数…(涙)」
「…こんな物の為に古泉君は…(涙)」
…古泉一樹…
テレホンカード(50度数)一枚で純潔を失った男となる。
「…しかし…僕は悟りました…大切な物はお金ではありません…本当き大切な物は…」
「?」
「?」
古泉は頬を赤く染めながら言った
「…太くて大きい物…です。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「いやぁぁぁぁぁ!いぁぁぁぁ!!!!」
古泉はクラスチェンジした…ロリコンからホモになった。

「駄目だ!!行くな!!」
「そっちにいったら駄目ぇぇぇ~」
…何て事だ…まさかこんな事になるとは…古泉!お前はホモじゃ無い…ロリコンだ!
「…ロリ…コン?」
そうだ、心配するな。俺にまかせろ。必ず何処に出しても恥ずかしくないロリコンに戻してやる。
「…古泉君…ロリコンだったんだ…」
…ハルヒは少し引いてしまったようです。
「古泉、美人OLの脱ぎたてパンストと小学四年生の脱ぎたてブルマ…どっちが良い?」
「…ブルマ…」
「そうだ!…次、ビキニの水着とスクール水着…どっちだ?」
「…スクール水着…」
「最後だ!…上戸彩と俺の妹…どっちだ?」
「キョン君の妹…です。」
「古泉ぃ~」
キョンは古泉に抱きついた。
「思い出せ!お前は俺の妹(11)が好きなロリコンんだ!…思い出せ…」

「僕が好きなのは…キョン君の妹…」
…古泉の瞳に段々と光が戻ってきました。
「…キョンくん…」
「…何も…何も言うな!…くぅ~涙が止まらない。」
ふと隣をみるとハルヒも涙でクシャクシャです。
「…ひっく…古泉…君…お帰り…なさい。」
…いつまでもこうしていただろうか…
事象をよく知らない周りの人達がもらい泣きを始めそうなころ再びキョンは口を開いた。
「古泉、最後にもう一度お前の好きな人の名前を聞かせてくれ」
古泉は照れながらいいました。
「キョン君の…妹…」
キョンは涙を流しながら再び
「声が小さい!もっと大きな声でだ!」
彼はうなずき大きな声で言った。
「キョン君の妹…の」
の?
「の?」
「の?」
「…お兄ちゃん」
キョンの妹(キョン→妹)

お兄ちゃん(キョン←妹)
「…い……いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
キョンの絶叫が響きました。
「…古泉君…戻ってこれなかったのね…(涙)」

古泉は頬を赤くそめキョンにちかづいていった…
「キョン君…」
「ひっ…ひぃ~」
「キョン君…」
「…やめろ…俺を恋する乙女の目で見るな…」
どんどん追い込まれていきます。
(…このままでは…犯られる…)
その時です。
「古泉君!あっちにふんどし締めた美少年の集団が居るわよ!!」
「なんですって!!」
古泉がハルヒの言葉に騙された。
(今よ!キョン!!)
(…すまないハルヒ…お前がくれたこの一瞬…無駄にはしない!!)
キョンは素早く古泉の後ろに回り込み…これは…これは…
ジャーマンスープレックスホールドだぁぁぁぁ!!
グキ
「はぁ、はぁ、」
キョンは完全に気絶した古泉に向かい呟いた。
「すまない…こうするしか…こうするしか無かったんだ…」

「しかし…ロリコンからホモになるとは…」
「超サイヤ人3もびっくりな変身ね…目覚めた時またいつもの古泉君に戻っていると良いわね…」
「ああ…心から…心からそう願うよ…」
…その後店の店長から
「お代は結構ですから二度と来ないでください。」
といわれ三人は追い出された。
「…結局払わないで良かったな。」
「…結果オーライってやつね。」
二人は堅く手を握りあった。
「ところで…」
「うん…これどうしようか?」
もちろんこれとは古泉の事である。
「キョンのうちに泊めてあげれば?」
「馬鹿言うな!記憶が戻っていたら妹が、戻ってなかったら俺が危ない。」
「…放置しとく?でもここらへん野犬が出るとか…」
「…古泉なら多少野犬にかじられても大丈夫だろう。」
「…そうね。ところでキョン、送ってくれるんでしょうね?」
キョンは苦笑いをして答えた。
「お姫様がお望みなら…」
……って所で夢から覚めたのよ。
放課後、ハルヒは昨夜見た奇妙な夢のはなしをしていた。
朝比奈さんはポカーンとし、キョンは苦笑いをし、古泉は笑顔をひきつらせて聞いていた。
「んで感想は?…みくるちゃん?」
「え…感想ですか?…古泉くんはどうですか?」
「…この話で僕に振りますか…」
こめかみのあたりがピクピクしています。
「有希、どうだった?」
「…ユニーク」

おしまい。

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