キョン「誰か助けてくれ…」

高校のころは毎日が楽しかった。ハルヒの基地外っぷりに振り回される毎日が、どうしようもなく面白かった。
戻れるものなら、今すぐにでも1年前に戻りたい。
高校生活を無事卒業した俺は
ハルヒにワンツーマンで勉強を教わった成果があったのか、又は無駄に高い退屈な予備校に通った成果があったのか
都内の3流大学に合格できた。
ハルヒは地元の国立大学に合格したらしい、どうでもいいが古泉の奴は例の機関に就職したらしい。
みくるさんは未来に帰らず都内の大学に在学中だったかな。
長門は情報統合思念体との関係が断たれたらしく、今は古本屋でバイトしているとか。
みんなそれぞれの人生を歩んでるなか俺は

ひきこもっていた。

俺が引きこもった理由はいろいろあるが、まず大学で友達ができなかったことだ。
都内に出て、誰も知らない世界で一人暮らしをすることがこんなにも辛いことだとは知らなかった。
気がつけばいつも一人。すると、自分の存在が笑われている錯覚に陥る。
いや、実際笑われていた。もうどうしようもなかった。
部屋の中で脱法ドラッグ、タバコ、エロゲー、ネトゲーの毎日。
どうしようもなくなっていた。
部屋を出たくない。
外が怖い。人が怖い。
こんな俺の姿を誰よりも一番見せたくない人がいる。それは
ハルヒだ。

あいつは今頃楽しい大学ライフを送ってるんだろう。俺のことなんか忘れろ。
今も届くハルヒからのメール
『キョン!今度の休日こっちに帰りなさい。SOS団はまだ続いてるんだからね』
俺は無視した。今の俺の惨状をハルヒにだけは見せたくない。今の俺を見てハルヒはきっと俺のことを嫌いになる。
だが幾ら無視してもあいつのメールは止まらない。
『私のメールを無視するなんていい根性ね!こんど無視したら死刑よ!』
『いいキョン!これ以上無視するとこっちからあんたの家に乗り込むんだから!わかってるの?』
ハルヒよ、いいかげん駄目人間の俺のことなんか忘れて彼氏でも作れ…。俺はもう駄目なんだ。

しかしだ、本音をいうと本当は会いたかった。いますぐにでもハルヒに会いたくてしょうがなかった。
この寂しい毎日を俺は脱却したかった。ハルヒに会いたい。
でも、怖い。こんな俺を見て嫌われたどうしよう。そんな不安に駆られる。
だけど、こんな駄目になった俺を素直に受け入れてくれそうな人間が頭に浮かんだ。
いや、人間じゃないな。対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース
ようするに長門だ。
あいつならこんな俺にも救いの手を出してくれるかもしれない。
無口で無表情で何を話していいかわからない長門だが、いまの俺にとっては天使に近い存在だ。
よし、長門に会いにいこう。

久しぶりの電車に乗る、窒息しそなぐらい息苦しい。
人の少ない夜更けの時間を選らんだが、やはり人はいる。
酔っ払いのリーマンやらコンパ帰りの大学生やら、とにかく息苦しい。
ようやく地元の駅に着いた、懐かしさで胸がいっぱいになる。
懐かしい街並を眺めながら長門のマンションに向かった。
玄関の前までいくと、なぜか緊張した。
長門は変わってないだろうか?
まて、もしかしたら長門は引っ越したのではないか?
インターフォンを押すのを躊躇う。
その時だった。私服姿の長門が俺の前に現れた。
キョン「よお」
長門「…………」
よかった。長門は相変わらずだ。

キョン「遅い帰りだな、彼氏でもできたか?」
長門「バイト」
長門の部屋は相変わらず殺風景だった。
こんな相変わらずの長門が俺を妙に和む、というか落ち着く。
キョン「ところでハルヒから連絡はあったか?」
長門「時々…」
やっぱりな、ハルヒのやつSOS団を存続させる気でいるらしい。まったく、もっと大学生活を桜花したらどうだ。
長門「今日は何のよう?」
以外にも長門から話を持ちかけてきた。
キョン「いや、久しぶりに会いたいと思って」
長門「そう…」
少し変なことを言ってる俺の返答を素直に受け入れてくれる長門は、やっぱり落ち着く。

結局、長門の家に泊まることにした。別に疚しい気持ちなんてない。
ただ長門の家にいったのが夜中だっただけだ。
俺は客間で寝ることになった。いつか朝比奈さんと冷凍冷却された部屋だ。
俺は横になり目を瞑ってみたが、全然眠くない。昼夜逆転の生活を送っていた俺にとってこの時間帯は活動時間だ。
俺はしかたなく、長門を起こさないように外にでた。
近所の公園でタバコをふかしながらボーとする。
少し元気になった俺がいた。
すると目の前にトボトボとあるく人影が現れた。
長門「寝ないの?」
長門だった。
キョン「寝れなくてな」
長門はしばらく黙っていた。
妙な間だった。
長門「涼宮ハルヒ」
キョン「えっ…」
長門「あなたが会いたいのは涼宮ハルヒ、私ではない」

長門からこんあ言葉が出るなんてな。俺はタバコを踏んづけた後長門にいってやった。
キョン「違うよ、ハルヒにも会いたいけどお前にも会いたかっいた。
   俺はまたSOS団に会いたいんだ」
長門「…そう」
キョン「でも、今の俺にはSOS団に戻る資格なんてない」
長門が神妙な面持ちで俺を見つめる。
素直に言うんだ、駄目になった俺の惨状を。俺が半年間まともに人と話していないことを。
その時長門は俺に優しくいった。
長門「無理しなくてもいい、私がそばにいる。面倒もみる」

どうやら長門は俺のことをお見通しらしい、さすが対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース
まてよ、長門は情報統合思念体と関係を断ってから能力はなくなってるはず…まぁいいか。とりあえず、長門のその言葉に助けられた。

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