俺達は、今、高校三年である。
SOS団も2周年と言った所だろうか。
SOS団を設立した始まりは2年前の春…。
俺のクラスに変わった人がいた。それが、

涼宮ハルヒ

あの時、あいつが言ってた事は忘れもしない。
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、
あたしのところに来なさい。以上」
あの時の俺は、呆然したね。
変な奴だと思ったからな。
だが、今は違う、変な人だとしても、中身は普通の女の子だ。

…その後、SOS団を設立しようとしたハルヒは、俺に強制的に作れと言われたっけな。
ハルヒは、場所を探して見つけたらしく、俺は行って見たのは覚えてる。
その場所は、俺のクラスから離れた所に校舎がある。
その校舎の中に「文芸部」がある。そこからSOS団に生まれ変わった

SOS団とは、「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」略してSOS団である。
そんな中に、次々と仲間が出来た。

長門有希…自称、宇宙人。
無感情で、本を読む毎日として過ごしてる。
朝倉に襲われそうになった時に、助けに来てくれたのか、長門である。
俺にとっては、命の恩人でもあり、放っとけない存在である。

朝比奈みくる…自称、未来人。
朝比奈さんは、時々、ハルヒのオモチャにされたりするか、ハルヒとは仲良しである。
時には、過去を戻り、正しい方向へ変える…。
時には、朝比奈さん(大)に会う事がある。
朝比奈さんは、運命を変える女神である。…なーんでな、言ってみたかっただけだ。

古泉一樹…自称、超能力者。
古泉は、怪しい所があるんだが、演説好きで、よく聞かされる。
『機関』と言う集団の一員として涼宮ハルヒと俺を監視してる。
しかし、何で俺の考えてる所を読めたのだろうか。
つくづく、いけ好かない男だ。

そんな奴等と一緒に、ハルヒの中心として2年間活動して、今に至る。

三年になって、1ヶ月経った。
この年は、受験生の年だと言っていいのに、ハルヒは
「ダメよ!最後まで活動しないと意味が無いでしょ!」
最後って、1年間の事を言ってるのか?
「そうよ!」
普通なら、9月まで部活やって、後は受験勉強…と言うのが普通ではないのか?ハルヒよ。
「さぁ、ミーディングやりましょ!」
聞いちゃいねぇ…。
「仕方ないんですよ、ハルヒさんは、最後まで活動したいと望んでるんですよ」
と、古泉が言った。
「お前のスマイル顔はやめろ、何かムカツクんだが…」
「おやおや、すみませんね」
こいつ、反省してねぇ…
俺は、ふと窓側を見た。
そこに、一人の少女が座って本を読んでる。
「……」
長門である。
相変わらず無感情で本を読んでる。
そして…我らアイドルの…。
「キョン君、お茶ですよ」
朝比奈さんである。
「ありがとうございます。」
朝比奈さんは、大学合格し、無事に卒業したが。
たまに、ここへ訪れている。
それでも、昔とは変わらないSOS団である。
あの運命の日が来るまでは…

今の季節は、春が終わり、夏が来る頃だろうか。
もう少ししたら、衣替え始まるだろう。
「暑いわねぇ、キョン、あたしも扇いでくれない?」
「ダメだ、自分で扇げ!」
「…ムッ」
ハルヒは、仏頂面で唇を突き出していた。
全く、何でもやってくれると思うなよ、ハルヒ。
「はぁ~…暇だね、何か凄い事起こらないのかな?」
おぃおぃ、「1995年頃に起きた阪神・淡路大震災が復活しました」なんでやめてくれよ。
俺は、凄い事より小さな事がいいと思うけどな。
「はぁ~、やっぱ暇…」
やれやれ…いつものハルヒだな。
俺は、ハルヒが何か言ってるのを無視し、寝ようと思ってた時に、
「ん?」
誰かが見られてる、窓の外を見てもそれらしき人がいない。
「どしたの?」
「ん、いや…何でもない」
気のせいだろうか。多分、俺は気が抜けてるんじゃないかと思っとく事にした。

学校が終わり、放課後、俺はSOS団室へ向かった。
入る前に、ノックしてっと
「はい、どうぞ」
この声は、古泉だなと思い、扉を開けた。
「あぁ、キョンさん、ゲームしませんか」
今度は何だ?カードゲームか?人生ゲームか?
「いぇ、あなたの運命が決まるゲームですよ」
…何だって?
「どう言う事だ、古泉」
と、俺は椅子に座った。
「簡単なルールですよ。このコインを使って表か裏か決まるんですよ」
なるほど、バカバカしいゲームだな。
それで俺の運命が決まると?
「はい」
と、古泉はスマイルした。
俺は、古泉のスマイルを顔見ないで、窓の外を眺めた。
「…こんな手は乗らんぞ」
「これだったどうです?例えば…」
例えば…何だ。
「この世界は終わるか終わらないか」って事にしましょう」
「…古泉?」
「これも、運命ですよ」

…このコインを使って、「世界は終わるか終わらないか」を賭けるだと?
冗談じゃない。俺は確信してるさ、世界は終わらないとね。まったく…
「笑える話だな」
俺は、動揺を隠して言った。
「…冗談ではないですよ」
何だと?
「ハルヒさんは、今、この世界を何か起こって欲しいと望んでるんですよ」
それは、どう言う事…だ…ま、まさか…。

(「はぁ~…暇だね、何か凄い事起こらないのかな?」)

ハルヒが、あの時言ったからなのか。
「そのまさかです。ハルヒさんは冗談のつもりだったのかもしれませんか、それを実行したのです」
実行しただと?
「そうです」
ん、待てよ…冗談だとしたら、何故、実行するんだ?
「それは、僕には分かりませんか…多分、誰かがハルヒさんの話を聞いて、密かに実行したと考えていいでしょうか」
誰かだと?誰かこんな事を…。
「あなたは、今まで異変を感じた事ありませんか?」
い、いや…待てよ。
「確かにあった、朝だったな…誰かが見られてる気配がしたな」
「それなのかもしれません」
いつの間にか、古泉のスマイルが消え、真面目な顔になった。
「だろうな…」
俺は、下へ俯いたまま呆然した。

その時に、ドアを勢い良く開けた音がした。
「やっほーぃ!…ってあれ?」
ハルヒが言う。
「おまたせしました…あら?」
朝比奈さんが言う。
「ただいま」
長門が言う。
「どうしたの?古泉君にキョン、浮かばない顔して」
ハルヒは、気付いてないみたいだな。
「あ、いや…何でもないんだ!何か疲れてな…」
俺は、無理矢理、笑顔を作った。
「僕もですよ」
古泉は、いつものスマイルに戻った。
「ふーん、シャキッとしなさいよ!そうじゃないと、活動出来なくなるでしょ!」
ハルヒは、団長席へ行って座った。
俺は、団長の目を盗んで、長門に言った。

「長門、今日の異変に気付いたのか?」
「気付いた」
「じゃ、朝、誰かが見られてる気配したんだが、気のせいなのか」
「気のせいではない」
「どう言う事だ」
「それは不明」
俺は、今まで思い出してみた。
一つだけあった。
「…まさか、朝倉涼子だよな?」
「かもしれない」
かもしれないだと?すると、あいつはまだ生きてるというのか。
ヤバイ事になったな。
「…でも」
長門は、鞄の中にある本を取り出した。
「可能性は低い」
と、言って本を読み始めた。
低い…だとすれば、誰なんだ。
今まで、思い起こして考えて見たが…結局、手掛かりは無かった。

「じゃ、解散!まだ明日ね~っ!」
とハルヒは、部室から出た。
俺は、茶碗蒸しを片付けてる朝比奈さんに言ってみた。
「朝比奈さん、未来はどうなってるんです?」
「あ、はい…何やらヤバイ状況に陥ってるようです…」
朝比奈さんは、暗い顔で言った。
「…どれぐらい、持ちます?」
「残念ながら、明日の昼までです」
明日の昼!?おぃおぃ、こんな事をしてる暇ねぇじゃねぇか…。
「明後日の午後14時00分00秒に世界は終わる」
長門は言った。
そんな、そんなバカな…。
「っ!朝比奈さん!過去へ戻って、それを実行した奴をを捕まえてみましょう!」
「……」
朝比奈さんは、俯いたまま黙っていた。
「ど、どうしたんです」
「…過去へ行けません…つい先ほど、遮断されました…すみません!」
と言って、部室から出た。
遮断されただと!?そんな事は…。
「長門、この状況…変えられるか?」
「やってみた、でも…出来なかった」
な、何だって!?いくら長門でも出来ないとは…。
「…ごめんなさい」
長門は、部室から出た。
部室に残ったのは、俺と古泉だけだった。

「……」
「……」
二人は、沈黙したまま時間が過ぎて行く…。
やがて、沈黙を破ったのは…。
「やれやれ…仕方ないですね」
古泉であった。
「何で、仕方ないのだ」
古泉は、椅子に座り言った。
「この状況は避ける事は出来ないんですよ」
「じゃ、このままでいいのか?」
俺と古泉は、窓の外を眺めた。
「…一つだけ避けられる方法あります」
「それは何だ」
「あなたが、先ほど、誰かが見てる気配がしたと言ってましたね」
「あぁ…」
「そいつを捕まえるんですよ」
古泉は、いつものスマイルで言って部室から出た。

…捕まえるってか…。
俺は、団長席に座り、考えてた。
何故、こうなったのか。
それに、実行した人物は…本当に朝倉ではないのか。
じゃあ、この世界はどうなる、ハルヒはどうなる、SOS団はどうなるんだ。
「…っ!?」
胸が苦しい…。
目が熱い…。
喉渇いた気がする…。
俺は、泣いた…。
悔しかったのだ。ここまで生きて、なんでこんな運命が来るんだと…。
俺は、思わず叫んだ。
「一体、この世界はどうなってしまうんだよぉっ!!」
誰も居ない部室の中で泣いてしまった。

次の日、妹に起こされ、学校へ行った。
…これで、最後の登校になるのか。
いや、諦められない。
どこが、避けられる道あるはずだ。
絶対にあるはずだ。

学校に着き、教室の中へ入ると、目の前にハルヒが居た。
「ん、おはよう、キョン」
「…あぁ、おはよう」
ハルヒは可愛い。それでも告白出来ないヘタレな俺がいる。
今日は、最期の日…だから、告白したい。
「…ハルヒ」
「何?」
「昼休みにSOS団室へ来てくれ…話したい事ある」
「…分かったわ」

昼休み、俺は急いでSOS団室へ行って待った。
5分後、ハルヒが来た。
「…来たわよ、何か用?」
「あぁ…」
ここで、告白するんだ。今までの想いを。

「ハルヒ、今まで一緒に居て分かった。お前は可愛い、俺はついお前を守りたくなるぐらい可愛いんだ。
俺は、お前と一緒にいて本当に良かったと思ってる…正直、楽しかったし、面白かったよ。」
「……」
ハルヒは、動揺もせず黙って聞いている。
「ハルヒ、俺はお前の事が好きだ!愛してる!」
「……」
ちゃんと言えた…。
あとは、返事が来るのを待つだけだ。
「…キョン」
「何だ」
「あたしは、あんたに会えて本当に良かったよ。あんたのお陰で…あたしは、少しは変わったよ…。
ありがとう、キョン」
ハルヒは一旦、俯いて覚悟決めてるような雰囲気だった。
そして、顔上げ、言った。
「あ、あたしも…す、好きだよっ!好きだから、好きに決まってるでしょうか!」
ハルヒは、恥ずかしそうに、まだ俯いた。
「ありがとう」
「…キスして」
ん、今…なんで言ったんだ。
「今、何で言った」
「だから、キスしてって言ってるでしょ!」
「!…お、おぅ」
俺は、ハルヒにキスした。甘いレモンの味がした。
「…バカ」
「すまん…!?」
その時、二人の時間は終わった。

あの時の気配だ。どこだ…入り口の方?
「ど、どしたの?キョン」
ハルヒは黙ってくれ。
「う、うん…」
俺は、深呼吸して言った。
「…そこにいるのは誰だ!昨日といい、何で俺を見るんだ!」
と、扉は開いた。
俺は驚いた。
何故なら、アイツだったからだ。
朝倉でもない、長門でもない、朝比奈さんでも無い…

「やぁ、二人の時間は終わってしまいましたね、すみませんでした」

古泉である。

「な、何でお前なんだ…」
「昨日も僕ですよ」
古泉は、いつものスマイル顔で答えた。
「何でだ!何でお前が実行したのか!」
と俺が言うと、
「ふふふふ…ははははは…」
「何がおかしい!」
「確かに、アレも僕です」
「何だと!」
古泉は、椅子に座った。
「ちょっと、キョン…何があったの」
ハルヒは、戸惑っていた。
「スマン、ハルヒ…この先は、覚悟してくれ」
「え?ど、どういう事?」
その時に、朝比奈さんと長門が来た。
「朝比奈さん!長門!」
「あなたでしたね!時間を遮断させたのは!」
あ、朝比奈さんが怒ってる…初めて見たな。
「確かに、僕です」
まだ、スマイル顔だ。
「古泉一樹を敵性と判定する…」
長門も怒ってるみたいだな。
「はははは…敵にされるとは、悲しいですね」
全て、お前がやったくせに、何言ってるんだ。

「だけどね、僕には勝てませんよ」
スマイルが消え、真面目な顔になった。
「お前が…言う事かーっ!」
と、俺はパンチで殴ろうとしたが…。
「!?」
蹴られた…俺の腹にキックされたのである。
「くおっ!?」
軽く飛ばされ、冷蔵庫に当たった。
「キョン!」
「キョン君!」
「…!」
ハルヒとみくると長門は、俺の側へ駆けつけた。
「だから言った筈、僕には、倒せないと!」
「くっ…貴様!」

ゴゴゴッ…

突然、地響きがした。
「な、何なの!」
ハルヒは驚いてる。
「はははは…始まりましたね、この世界の終焉を!」
古泉は、嬉しそうに叫んだ。
「ふさげるな!」
俺は、反論した。

「何でですか?」
「お前の本当の目的は何だ!」
と、俺が言う。
「目的ですか…『機関』の命令ですよ…それは、新たなる世界に変える為ですよ」
「何だと!」
「この世界はどう思ってるんですか!腐ってるんですよ!」
「確かに、腐ってる! だけど、今の世界でいいじゃないか!」
「ふん、僕はですね…この世界は人々のエゴの塊の中にいるような感じがするんですよ」
「それは、違う!」
「違うと否定できるんですか!人と言う人のインテリは、もはやナンセンスに過ぎないんですよ!」
「それは、お前のエゴだ!」
「エゴだって?あなたは何も分かってませんよ」
古泉は、やれやれ…という仕草を見せる。
「分かってないだと?」
「そうです、この世界は…涼宮ハルヒ、あなたが動かしたんですよ」
まだスマイル顔に戻った。

「え?あ、あたし」
「そうですよ」
「おぃ、貴様!ハルヒ、お前は違うんだ!」
「違いませんよ、僕は超能力者…長門さんは宇宙人、みくるさんは未来人って事ですよ」
「う、嘘でしょ…」
「こぉぉぉいずみぃぃぃぃぃっ!」
俺は叫んだ。こいつ何を言ってやがるんだ…。
何で、そこまでハルヒに言うんだ。
何故だ、何故だ!
「涼宮さん…」
「みくるちゃん、あんた…未来人だったの?」
ハルヒは、悲しい表情で言った。
「…は、はい」
「そう…」
「すみません…」
「いいの…有希は」
と、長門に言った。
「私は宇宙人」
「…そうだったのね」
「ゴメンなさい」
「いいの!あんた達は、それでも友達よ!」
「涼宮さん…」
「……」
「もぅ、みくるちゃん…泣くんじゃないの!有希、ありがとね」
「は、はいぃ…」
「…うん」
ハルヒは、二人を優しく抱き締めた。

「これで、終わりですか?」
古泉が言う。
「古泉君、あんたは間違ってるよ!」
「何故、間違ってると言う事ですか」
「そ、それは…」
ハルヒの代わりに俺が言った。
「それは、お前が思ってる事は、間違ってる!」
「キョン…」
「こんな世界でも、皆、頑張って生きてるんだ!それなのに、何でそれが分からないのか」
「分かりますよ!しかし…僕は、限界なんですよ!こんな世界と付き合うのはっ!」
「貴様!」

ゴゴゴゴゴゴ…

段々、地響きがデカくなった。
「キ、キョン君!あと、一時間ですよ!」
朝比奈さんが言う。
「はははは…僕の勝ちです!誰も止めはしない…キョンさん、2年間お疲れ様でした」
「古泉!何とかしろ!」
「僕は、何とか出来ませんよ」
「…くっ」
もはや、これまでか…。
ゴメンな、ハルヒ…守ってやれなくて…。
長門…スマン。
朝比奈さん、すみません…未来へ帰れなくて…。

「あたしが止めるわ!」
ハルヒは立ち上がって言った。
「ハルヒ!」
「古泉君、あたしは、世界を変えられる力あるって言ったわね」
「えぇ、そうですよ」
「だったら…」
「ですが…そうは行きませんよ」
古泉のブレザーのポケットからピストルを取り出した。
「古泉!これは!」
古泉のピストルは、ハルヒに向けている。
「やったら、あなたを撃ちますよ」
古泉の顔は、スマイルではなく冷たい表情に変わった。
「うっ…あたしを撃つなんで、卑怯よ!」
「確かに、卑怯ですが…これは仕方ない事です」
「仕方ないのなら、やるな!」
「しかしですね!やらなきゃいけないのですよ!」
「古泉ぃ!」
くっ、万事休すってか…。
「…ブツブツブツ…」
ん、長門?
「……許可した…」
何をだ…。
「攻撃開始」

すると、古泉の真上から、数本の剣らしき物が現れた。
「!?な、何だ!?」
古泉が言った。
その剣達は、古泉に向けて降下した。
「ちぃっ!」
避けまくる古泉。
「…今、行くといい」
長門…すまないな。
「…(コクリ」
「古泉ぃぃぃぃぃぃっ!」
「!ちぃっ」
俺は、パンチした…命中した。
古泉は床へ落ちた。
「くおっ!」
「古泉、でめぇっ!」
まだパンチしようと思ったが。
「やらせるか!」
古泉が先にパンチされた。
「くっ!いてぇな!」
俺と古泉は、殴り合いをしてる。
血が出ても、止まらないほど殴り合いである。
「キョン、古泉君…もう、やめて…もう、やめて!」
ハルヒが叫び、喧嘩も止めた。
「キョン、やめてよ…古泉君もやめてよ…喧嘩するのはやめてよ…」
そうか、ハルヒは普通の女の子だったな。
男同士の喧嘩を見たら、心が痛むんだな。
「…スマン、ハルヒ…」
俺は、ハルヒを優しく抱いた。

「…どうやら、僕の負けのようですね」
古泉は、俯いたまま呟いた。
「そうさ、古泉!お前の負けだよ」
「そうよ、一緒に止めましょ」
「キョンさん、涼宮さん……分かりました」
古泉は、顔上げ…目を瞑り、何かを決心したようだ。
「あなた達の意思で止めてください…そして、僕は…」
「!?お、おぃ」
「こ、古泉君!」
「古泉くん…」
「……」
古泉は、ピストルを持ち、自分の頭に向けた。
「…これが、僕の償いです…早くして下さい…世界はどうなってもいいんですか?」
「し、しかし…」
「あなたは、ハルヒを守るために生きて来たでしょう…それを忘れないで下さい」
「古泉君…」
「涼宮さん、出来るだけ力を抑えといて下さいね…」
「古泉くん」
「みくるさん、あなたは時空を越えても、キョンさんと涼宮さんを見守ってくださいね」
「……」
「長門さん、キョンさんと涼宮さんの事を…頼みましたよ」
「…(コクリ」
「後は…頼み…ま…すよ…」
「!?」
俺は、今見たのだ。あの古泉が泣いてるのを…。
古泉、まさか…悩んでたのか。
『機関』に就くか、裏切るかを…。

「閉鎖空間、作りましたので…ここから脱出して下さい!」
「お、おぃ…!」
閉鎖空間へす、吸い込まれる!?
マジかよ!おぃ、古泉!
「古泉!お前も来るんだ!死ぬんじゃないぞ!」
「古泉君、あたしは許すから…来てよーっ!」
「古泉くん、私達の所へ!」
「お願い」

「ありがとうございます」
俺達が最後に見たのは、古泉の得意なスマイル顔だった。
「古泉ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……」
4人は、消え…古泉だけが残った。
「これでいい…僕はやるべき事をやりました…」
古泉は、部室の周りを見た。
「キョンさん、涼宮さん、みくるさん、長門さん…あなた達に会えて、本当に良かったです…
本当にありがとうございました」
古泉は、ピストルの引き金を引きながら言った。
「そうですよね…母さん…」

ダァーン…

「うっ…ここは…」
見上げれば、空は鼠色、壁は白…。
「ここは、閉鎖空間か…」
…あ、ハルヒは!朝比奈さんは!長門は!
周りを見ると、側に3人が倒れてた。
「おぃ、ハルヒ!ハルヒ!起きろ!ハルヒ!」
俺は、ハルヒを起こそうとしてる。
「…う…ここは…」
俺は心の底からホッとした…
続いて、朝比奈さんも長門も起きた。
「これからは、どうするんですか」
朝比奈さんが言った。
「古泉の言う通りにやるしかない…」
「でも、古泉君は…あたし達を…」
「…そうだな」
「……」
俺達は、古泉の事思い出すと、悲しくなった。

そして、長門は言った。
「このままでは、終わらない」
「うん、そうですね」
「うん、古泉君のために!」
「世界のために!」
「今、私達が祈りましょう!」
「祈ろう」
俺は、ハルヒを見つめる。
ハルヒも俺を見つめる。
俺達は、ここまで行ったんだ…だから、諦めない…
だから…
「俺達がいた世界へ!」
「帰ろう!」
「私達が生まれた!」
「…故郷へ」

キィィィイン…

こうして、世界は救った。
俺は、いつものように学校へ行き、放課後にSOS団室へ行く。
ふと、古泉が持ってたゲームを見る。
「…ふ、お疲れさん…古泉」

バァン!

扉が勢い良く開く音がした。
「ちょっと、キョン!」
「何だ」
「いいの見つけたわよ!」
「?」
ハルヒは、長門を呼んだ。
何なんだろうな。

「これ見て!」
と、ハルヒが見せたのは…猫だった。
「…これは」
「有希かね、見つけたのよ!」
「…(コクッ」

その時に、朝比奈さんがやって来た。
「遅くなって、すみませぇ~ん…あら、その猫…可愛いですね」
いやいや、朝比奈さんの方が可愛いですよ。
「でも、これ…誰が似てない? 」
よく見ると、スマイルな表情をした猫だった。
「名前はどうするのです?」
「決まってるわよ!」
「俺も決まってるぜ!」
「私も」
「あ、皆さんもですか?実は、私も決まってます」
俺達は、猫の周りを囲んだ。
「じゃ、いっせいので名前言うよ!」
「あぁ」「はぃ」「……」

「いっせーので

      「「「「一樹」」」」

「ニャァオー…」




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