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「二人のハルヒ ハルヒの気持ち」

さて、キョン君に代わって、未来の涼宮ハルヒである私が語るわ!

北高校に教師を勤めて間もない頃。
家を買ったので、生活するのに必要な物を買って帰った。
自宅の途中に公園に入って通る事になる。
そこで、一人の少女が俯いたまま座り込んでだ。
よく見ると、この時代の涼宮ハルヒだった。
私は、気になって声かけてみた。
「何をしてるの、ハルヒちゃん」
その彼女は吃驚して顔上げた。
いつ見ても、可愛いわね…。
だから、モテたんだな…私って。
「え、あ…あなたは、確か…キョンの従姉の…鈴見ハルカさん…ですよね」
そういえば、そうだった。
私が勝手に決めた設定だったわね。
「で、こんな所にいて、どうしたの」
ハルヒちゃんは、まだ俯いた。
「それは、その…えっと…」
ははーん、さてはキョン君の事ね。
この頃の私って、ウブだったっけ。
「もしかして、キョン君の事で悩んでたりして?」
ハルヒちゃんの肩を少し動いてたのは見えた。
…図星なのね。
私は、買い物で缶ジュースを思い出し、袋の中から取り出した。
「はい、喉渇いたでしょ、飲んでいいよ」
「あ…ありがとう」
私は、ジュースを受け取ったのを見てハルヒちゃんの隣に座った。
それにしても、こんなに落ち込むような事あったかしら…。
色々思い出しても答え見つからないわね…数年前の出来事だったからね。
「で、どうしてキョン君の事で悩んでるの」
いきなりの質問で、ハルヒちゃんがかなり動揺してた。
「それは!その…」
「大丈夫よ、キョン君には言わないから言っていいよ」
ハルヒちゃんは、ゆっくりと顔上げた。
「あたし、前に夢見てたの…周りに巨人が出た夢を…」
あー、あれね。
思い出したわ、最後は確か…。
「あたしの側にキョンがいたの、それで巨人が出た途端…キョンがあたしを連れて
逃げたわ。あたしはあの世界がいいと思ったの…でも、キョンは「俺達がいた世界がいい」
と…。その後、キョンは私の肩を捕まって言ったの「俺、実は…ポニーテール萌えなんだ」と…。
それを言った後…その…えっと、キ…キスしたの…」
あぁ、そうだった…アレがファーストキスだったわね。
「それなら、いいじゃないの」
「ダメよ!アレは夢だったんだから、実際どう思ってるのが怖いのよ!」
と、ハルヒちゃんが叫んだ。
ちょっと、こんな所で叫んだら近所に迷惑でしょ…。
「キョンは、分かってないのよ!あたしの気持ちを…」
ハルヒちゃんは、まだ落ち込んだ。
古泉君、悪いわね…仕事入っちゃって…。
キョン君は鈍感だから、分かってないのも無理も無いわね。
「…うっ…ひっく…キョンなんか…ひっく…あたしの気持ちをぉ…」
あらら、ハルヒちゃんが泣いちゃったよ。
でも、私は知ってる…いつか告白されるのを…。
「ねぇ、ハルヒちゃん…聞いてくれる?」
ハルヒちゃんは、泣きながら頷いた。
「私はね、昔…そうね、高校時代だったわね…。
私は、入学式当日にある男の子に出会ったの。
その人はキョン君に似てるぐらい優しい男だったのよ。
アレから何ヶ月経ったかな、部活に入ったんだけど…その人も同じ部活に入ったのよ。
偶然としか言いようが無いよね、その後、部活の仲間と一緒に楽しく活動したわ。
で、数ヵ月後…私は夢見たの、静かな世界で私とその男の子だけ残った夢を。
その男の人は何したと思う?」
「…キス?」
あら、分かったわね。
「そうキスしたの、した途端、目覚めたのよ。
夢なのか現実なのか分からなかったわ、それでもあの人の側にいたいとね。
私は、あの人は実際どう思ってるのが怖かったけど。
告白されるまで、頑張って、彼の側に居ようと必死に必死にやって来たわ。」
「あの、その人とはどう…なったの」
いつの間に、泣くのを止んだみたい。
「ん、ちゃんと告白されたわ。アレから何年経ったかな…その人とは無事に結婚したのよ。」
「そうなの…」
ハルヒちゃんが、いつものハルヒちゃんになった。
「あたし、待った方がいいの?」
「うん、待ったらいいよ…だから、頑張りなさい」
私は、ハルヒちゃんの頭を撫でてやった。
「うん、頑張るよ!」
この調子で頑張ってくれたら、告白されるのは私は分かってるから安心していいよ。
「あら、ハルヒ…こんな所にいたのね」
ん、今のは…。
「お母さん」
え、お母さん!?
「あ、こんにちわ…と言っても、こんばんわですね」
私は、呆然してたが慌てて。
「えっと、こんばんわ!」
社会のルールとして、お辞儀した。
「あ、お母さん!この人は新人の先生で、あたしのクラスの担任の先生よ」
私は、まだ慌てて自己紹介した。
「あ、えっと、私は最近、北高校に就職しました。えー…す…鈴見ハルカです!」
危ない危ない、『涼宮ハルヒです』と言ったら終わりになる所だった。
「はい、分かりました…あぁ、この子をよろしくお願いします、この子は無邪気でね……」
喋り続けるお母さんを姿を見ると、涙が出そう。
だけど、我慢しないと…会いたがった人が目の前にいるとは思わなかった。
思い出す…あの日を…。

とある病院で…。
『お母さん!お母さん!』
『ハルヒ…ゴメンね、私はもう…』
弱くなったお母さん。
『いやよ!このままで別れるなんで…』
『…ハルヒ、あなたを育てて…本当に良かったわ』
震える母の手をゆっくりと挙げた。
私は溜まらず母の手を掴んだ。
『ハルヒ、これからも生きてね…私の…大切な娘…うっ!』
『お母さん!』
『ありがとね…さよ…なら…』
掴んでいた母の手は静かに崩れる。
そして、心電図はピーと言う音がずっと鳴る。
『うっ…ひっく…おかあぁさーーーーーん…』

あの日はずっと泣いた。私はお母さんの事を愛してた。お父さんも…。
「…では、もう遅いので、これで」
私は、ずっと考えてたから、全て話を聞けなかった。
「あ、はい!}
お母さんはお辞儀したのを見て、私も慌ててお辞儀した。
慌てるのは、これで3回目だっけ。
「えぇ、これからも、よろしくお願いします」
まだお辞儀する私。
そろそろお辞儀する癖はやめようかしら。
「ハルカさん、ありがと!明日から頑張るよ」
「頑張りなさいよ」
私は、ハルヒちゃんとお母さんが去るまで見守った。

言えなかった言葉…今なら、言える。

「ありがとう、お母さん」

私は、誰も居なくなった公園を後にして、自宅へ歩きながら夜空を見上げ思った。

あなたは、昔とは変わらないわね…。
必死に、私を楽しくしたり、私を守ってくれたんだよね。
だから、そういうあなたが好きよ。
あなたの事を愛してるわ。
私は深呼吸してから叫んだ。

「そうでしょーーーー!」

夜空に、一つの流れ星が流れた。

翌日、学校の廊下で歩いてると後ろから何やら騒いでる。
私は、何かなと思って振り向いた。
「バカキョン!いい事思い付いたわ!」
「だーかーらー、ネクタイを引っ張るなって!破れるから」
「つべこべ言わなーいっ!ほらほら、早く!」
やっぱりね、いつものハルヒちゃんとキョン君を見ると安心出来るね。
少しでも、からかっちゃおうかな。
っと、その前に…キョン君ゴメンね、あなたの代わりに私がやるわね。
私は、少し溜息してから。
「やれやれ…」

          完
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