平成20年 俺は今ハルヒの墓の前にいる あいつはちょうど1年前 帰らぬ人となった
何故死ぬ間際あいつの傍にいてやれかったのか そのことが俺の胸を今でも締め付ける・・・

― 平成19年夏―
「明日は遠征に行きましょう 飛行機もったいないから電車で」
すまん 用事が入ってる
「何よ そんなに行きたくないわけ?」
断じて違う 遠い親戚の葬式だ
「葬式なら仕方ないわね そうね・・・私たちが帰ったらレポート5枚書きなさい」
多いし何を書けばいいのかわからん
「今後の企画の予定をレポートに書けばいいじゃない 簡単でしょ?」
簡単って・・・そりゃお前がすりゃ簡単だろうが・・・
「よし 決まりね」 おいっ!
「では解散! キョン以外は明日駅前7時集合ね 来ないと死刑だからっ」

―翌日AM9:00―
俺は妹の読んで字の如くの追いはぎを受け 眠い目をこすりながら居間に下りたわけだ
『・・・・・・で事故が発生』 ん?
とりあえず聴覚だけゆり起こしてみよう お~い 起きろ~
『~線で事故が発生 死亡者は数十人にのぼる』
~線ってハルヒたちが乗った・・・
『・・・涼宮ハルヒ 朝比奈みくる 古泉一樹・・・』
な!? 
『・・・谷口・・・以上76名の死亡が確認された』

訳がわからない 昨日までピンピンしていたんだぜ あいつら・・・
『なお 生存者の1人に話を聞いてみましょう』
『涼宮ハルヒ・朝比奈みくる・古泉一樹と一緒に行っていると突然・・・』

長門・・・

長門の話によると電車が発車してから10分後に急ブレーキがかかったという
だがスピードに乗った電車がカーブで耐え切れるわけもなく横転
電車はぺしゃんこ 乗客のほとんどはいまだ見つかってないという

俺は葬式など忘れ 現場へ向かった 長門!!
「キョン・・・」
長門は無事か?
「無事」
み・・・みみみみみ・・・みんなは・・・・
「生命活動の停止を確認した 3人は死亡したと考えられる」

長門・・・
「何」
俺って無力なんだな
「・・・」
長門も精一杯頑張ってくれたんだろうな
「できるだけ保護・処置をした けど手遅れに近かった」
俺も・・・一緒に行ってればな・・・みんなと一緒に・・・
「気づくのが遅かった私のせい あなたは関係ない」
長門から慰めの言葉をもらったが 一度流れ出した涙は止まらなかった

― その翌日―
俺はSOS団の部室へ向かった
長門だけしかいないだろう だけど長門がいるという事実が俺を向かわせた
ガチャリ
誰もいない? なんだこの紙

『涼宮ハルヒの死亡により私の役目は終わった 宇宙へと帰るとする』
おいおいあんまりだろ・・・長門・・・俺の希望は絶望に変わった
『けど・・・もっとあなたと一緒にいたかった』

俺は仲間を4人も無くしてしまった
くそっ・・・あそこで・・・俺が寝坊をして駅へ向かってれば・・・こういうことには・・・
俺の人生のパズルは砕け散った


気づけば俺は高層ビルの屋上に立っていた
何もしない 何もできない 何かしようと努力をしない
そういう自分に嫌気が差した

一歩一歩フェンスへ近づいていく・・・
俺もお前らのところへ行く
向こうでまた笑いあおうじゃないか
叶わないだろうが 同じ仲間としてまたこの地で再開しようじゃないか

そろそろ落下・・・
とそのとき激しい光が俺の視覚を一時的に奪った

「なにしょげてんのよキョン あたしたちがいないと何もできないの?」
「わたしたちはもうキョンくんとは一緒にいる事はできません」
「けど・・・またあなたが寿命を全うしたときに 会いましょう それまで死を早めるなど許しませんよ」
な・・・ハルヒ・・・朝比奈さん・・・古泉・・・

「私も今度は人間としてあなたを好きになってみようと思う」
長門・・・

激しい閃光は瞬きを再度すると完全に消えていた

俺はフェンスの内側にいた

俺は帰り際 今日のことについて考えていた
俺は確かにあの4人の声を聞いた だが実体はない
あれは俺への最後のメッセージ?
それは無気力な俺に対しての最後の喝入れだった・・・

俺に・・・生きろと・・・

日が暮れ 町にも灯が目立つようになった

確かに俺が馬鹿だったよな
今までつるんでた仲間が居なくなっただけで・・・
あいつらは亡くなっても俺の事を心配してくれてたんだな
それならば その心配に答えてあげなければならんな

もう俺は大丈夫 安心して永眠れ みんな

「やればできるじゃない」
そう聞こえた気がした

事故から1ヵ月経ち その間にもいろいろあった
まず非認識ながらも保ち続けていたSOS団は
俺1人だけという理由で生徒会が排除した
文芸部も部員0なので当然の如く廃部

だが涙は出なかった
いや出さなかった
本当は出したかった
だが 出したら誓いなどが折れてしまいそうで怖かった
だから寸前で食い止めた

蛻の殻となった文芸部室で俺は今までのことを振り返ってみる
楽しいこともあった・・・いがみ合ったこともあった・・・
しかし・・・終わりはいつか来るんだよな

仕方ない泣くか これが最後の涙だ
もう・・・同じことをできるだけ繰り返さないように・・・

そして今に至る 月日とは早いもので 早1年たった
希望の大学にはギリギリいけるだろうという判定を貰った
だが俺は行かない 俺にはまだ残ってる仕事があるからだ


世界の不思議を探しに


「~中出身 ~~~~ ただの人間には興味ありません この中で宇宙人、未来人・・・・」
新たな芽吹きを 俺はこのときまだ知らなかった

end

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