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キ「どなたかな、おやその声はおゆきさんじゃな」
ゆ「そう、お見舞い」
キ「これは忝い、ハルヒ姫様のお使いかなにかでござるかな」
ゆ「私の一存」
キ「左様でござるか、とりあえずお上がりくだされ」

ゆ「婆婦亜燐」
キ「おおそうじゃ、ハルヒ姫様よりの薬があったのぅ、早速服用せねば」
ゆ「いけませぬ」
キ「ん、何ゆえでござるかな」
ゆ「食後に服用、さもなくば危険」
キ「おぉ左様でござるか、そういえばおゆきさんが調合してくれたのじゃの」
ゆ「左様」
キ「とはいえ、食べるものがのうてな、これから粥など作らねばならんのじゃ」
ゆ「持ってきた、これが粥鍋、今から煮込む」
キ「これは忝い、七輪はそこでござる、ただ火を落としておっての」
ゆ「……大丈夫すぐに温まる」

キ「またその…忍術でござるかの」
ゆ「そう、すぐに火がおこる」
キ「(おゆきさんはあぁ見えても実は九の一(女忍者)だからのぅ
 九の一であることはハルヒ姫様にも秘密だが……)」

キ「(谷口が申すにはおゆきさんは家中美女番付の三役格だそうじゃ
 そのような見目良き娘御が九の一などとはとても信じられんが
 あのような幻術を見せられては信じる他はないのぅ)」
ゆ「出来た、伽哩(カレー)粥」
キ「むっこれはまた、南蛮の料理でござろうかの」
ゆ「天竺(インド)料理」
キ「天竺、御仏の国の粥でござるか、寿命が延びそうですな」
ゆ「おいしいかの」
キ「これは美味い、腹のそこにズンッとくる」
ゆ「よかった……」
キ「ちと辛いが食が進むでござる、馳走になり申した」
ゆ「薬……忘れぬうちに」
キ「おぉそうじゃった、おゆきさんが調合してくれたのじゃのいかい世話になる、どれこの水で」
ゆ「婆婦亜燐は飲むと眠くなる」
キ「おゆきさんは物知りでござるな、おやもうお帰りかな」
ゆ「気をつけて、また一緒に御書物蔵に……」
キ「おぉ(相変わらず素早いのぅ、もうおらぬぞ)」

……おゆきさんに初めてあったのは初出仕の日であったのぅ
拙者は学問所でも道場でも並以下の成績しか取れなかったによって
婿入りや養子の口などあるはずもなくハルヒ姫様からの仕官の誘いを二つ返事受けたのじゃった
父上も母上も大変に乗り気であったのぅ……

古「大公儀の御旗本の出といえど当家に仕官したからには
 御家の御流儀に従わねばならぬぞ」
キ「承知仕りましてございます」
古「では只今より姫様にお目通り致すゆえ同道いたすのじゃ」

古「姫様、本日は-」
姫「おぉキョン乃進かよくぞまいった、古泉堅苦しい挨拶は抜きじゃ」
古「姫様、またそのような」
姫「よいのじゃ、これ朝比奈みなに茶を」
朝「はい只今」

姫「今茶を申し付けたのが朝比奈でそのとなりがゆきじゃ、このゆきは中々の学者でのぅ
 本ばかり読んでおって難しい蘭書なども読みこなすのじゃ
 かとおもうと中々にすばしこいところもあり正に文武両道なのじゃ」
古「あぁそのところで姫様、本日の朝比奈殿のお召し物は……」
姫「あれか正羅亜服と申して南蛮の水夫達の着る装束じゃ」
古「また南蛮の装束でございますか……」
姫「しかし南蛮装束をきたところなどまるで朝比奈は南蛮人のようじゃの」
朝「ひっ姫様、わっ私は江戸生まれの江戸育ちそのような胡乱なものでは決して」
姫「わかっておる、冗談じゃ冗談」

姫「さてキョン乃進、忍びの者なぞは見つかったの、苦しゅうない直答をゆるす」
キ「恐れながら申し上げます、あれより心付けて探しましたがこれといった手がかりはございませんでした
 しかしながら伊賀などには忍術指南を看板に掲げる者どもがおるやに聞き及びまする
 そのような者どもを一度召し出してみてはいかがでございましょうか」
姫「それなればすでに父上に頼んで召し出していただいたが話にもならんのじゃ
 それがもう子供騙しで、泳がずに川を歩いて渡るなどと申すゆえ、どのような術か聞いてみたのじゃが
 これがなんと重しをつけて川底を歩くというのじゃ、素直に泳いだ方が速いに決まっておる
 ためしにそこの池で潜らせて見たのじゃが渡りきるどころがすぐに息が切れたとみえて
 重しを捨てて泳いで戻ってきおったわ、埒もない者どもよ」

キ「恐れ入りましてございます」
古「姫様、以前より伺いたかったのですが左様な者どもを探していかがなされる御積りなのですかな」
姫「知れたことよ。忍者、南蛮人、天狗を探し出して召抱えるのじゃ!」
古「!」ゆ「!」朝「!」

古「……はっはっはっ!さすがは姫様、中々豪気でございますな」

……あのあとじゃったのぅ、おゆきさんが忍者、朝比奈殿が南蛮人の子孫、古泉殿が天狗の化身と
それぞれ教えてもらったのは、あの時は驚いたのぅ、おや、また誰かきたようだが今度は誰じゃ……


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