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「絶対おにいちゃんを見つけるんだから!」
あたしは今部活の友達と市内を歩いてる。あの日突然消えたおにいちゃんを探す為に……。

「やっぱりいませんね……」
「この辺りには住んでないんじゃない?引越ししてたり……」
もう!あきらめるのが早いよ!おにいちゃんは絶対いるんだもん!
「そうは言っても……これだけ探してもいないという事はやはり引越したのでは……」
「そんなことないもん……おにいちゃんはあたしをおいてどっかに行ったりしないもん……グスッ」
「あ~あ、泣かしちゃった。ダメよ一樹君。後でお仕置ね」
「ヒッ!は、はい……」
最近この二人はなんだか仲がいいな。なんかあったのかな?
「じゃっ。諦めずに探しましょ」
「うん!」
その後あたし達はお日様が隠れるまで辺りを探し回った。だけどおにいちゃんは見つからない。
やっぱりどこかにお引越ししたのかな?……やだよ…あたしを置いていかないでよ……。

「もう暗くなってきたし帰りましょ。はるひちゃんは私が送って行くから一樹君は……また後で、ね?」
「はい……」
その時、あたしの目に見慣れた男の人が見えた。
「あれは……」
「おにいちゃん!!」

あたしはおにいちゃんの所に走った。でも、おにいちゃんの側には知らない女の人がいて……。
「えっ?おにいちゃん?ちょっとキョン、この子誰?」
「ん~?誰だっけ?」
「おにいちゃんあたしの事忘れちゃったの?あたしだよ!はるひだよ!?」
「はる…ひ?あれ?でもハルヒはそこに……なんだ?頭が…」
おにいちゃんは頭を押さえてうずくまってしまった。どうしたの?あたま痛いの?
「ちょっとキョン!?どうしたのよ!?」
すかさず女の人がおにいちゃんの側でおにいちゃんを揺さぶっている。
「あんた、誰?キョンに何したの!?」
うっ……こわいよぅ。でも、ここで逃げちゃダメ。がんばれあたし!
「あたしは涼宮はるひ。お姉さんこそ誰なんですか?あたしのおにいちゃんとなんで一緒にいるの!?」
自分でもおこってるのがわかるくらい大きな声をだしていた。女の人は口を大きく開いて、でもすぐに怒った顔になって
「あんた何言ってんの?涼宮ハルヒはあたしよ。それにキョンとあたしは付き合ってるんだから一緒にいたって問題ないでしょ?」
付き合ってる?……おにいちゃんとこの人が?嘘。そんなはずないもん。おにいちゃんはあたしのお婿さんなんだもん。

「なんで?」
「は?」
「なんでお姉さんはおにいちゃんと付き合ってるなんて言うの?おにいちゃんはあたしのお婿さんなのに……なんで!?なんでなの!?」
口を開けて呆然とする女の人にあたしはさっき思った事を叫んだ。
「それは、キョンとあたしが好きあってるから……」
嘘。そんなの嘘に決まってる。おにいちゃんはあたしのもの。こんな女に渡さない。
「そんなはずないもん。おにいちゃんはあんたの事なんか好きなんかじゃない!」
「なっ!?」
途端に女の人が顔を真っ赤にして言い返してきた。
「いいかげんにしなさいよ!なんなのよあんた!?いきなり現れた癖にキョンはあんたお婿さんですって?バッカじゃないの?」
「いい?キョンのお嫁さんはあたしなの?あんたの出る幕なんてないのよ!!」
そう言って指にはめた銀色の物をこっちに向けてくる。それは……。
「よく見なさいよ。これがあたしがキョンのものだって証よ」
それは婚約指輪だった。そんな……なんで?おにいちゃんがこんな女の人と?
「なんで?おにいちゃんは……あたしのお婿さんになるって……グスッ…ヒック……」
もうなんにも信じられない。おにいちゃんがそんな事する筈ない。でも、そんなの見せられたらもうなんにも言えない……。
「ちょっ…泣かないでよ……」
あたしは声を出して泣いた。ずっと…ずっと。

その後あたしはずっと泣いてた。しばらく女の人も側にいたけど、すぐに頭を抱えて気絶したおにいちゃんを引きずってどこかにいっちゃった。もう……帰ろう。
そう思って顔を上げた時。一人の女の人と目が合った。その女の人は少し驚いたような顔をして、すぐにあたしの所に歩いてきた。
「あなたは……」
誰だっけ?こんな人知らないけど……。
「大丈夫?」
え?
「泣いている」
ああ、あたしさっきまで泣いてたんだっけ。
「うん、ちょっと転んじゃったの」
本当の事は言えないから嘘をつく。だって、知らない人におにいちゃんを取られたなんて言ってもどうしようもないもん。
「そう。少し、いい?」
女の人はあたしの目をみてそう言った。
「なに?」
「話がある」

それからあたしは女の人に連れられて一つのお店に入った。喫茶店って言うところらしい。
「話ってなに?」
この人はあんまりお喋りするのが好きじゃないみたい。だから、あたしから聞いてみる。
「あなたの事」
あたしの事?
「そう、本来あなたはここにいるべき存在ではない」
「どういう…こと?」
「あなたは涼宮ハルヒが生み出した擬似世界内の人物。その時彼がその世界に飛ばされた。しかし、私が彼を救出してその世界は消滅した筈だった」
よくわかんないけど、彼っておにいちゃんのこと?
「そう。消滅した筈なのにあなたはここにいる。何故?」
消滅って無くなったって事でしょ?あたしはそんなのしらないよ。突然おにいちゃんがいなくなったりしたけど……。
「そう…(なるほど……恐らく、彼によるあの時のジャミングによって消滅を免れたのだろう)」
なんだろう?なんかさっきから考え事してるみたいだけど……。
「あなたの知る彼、いわゆる『おにいちゃん』はどんな人だった?」
えっ?おにいちゃんのこと?
「うんっとね~。優しくて、かっこよくて、それでね、将来はあたしのお婿さんなの!」
あ、そうだ…もうお婿さんじゃないんだった……。
「何故泣いているの?」
「だって……もうあたしはおにいちゃんのお嫁さんにはなれないんだもん……」
そう考えると涙が止まらない。だってあたしはおにいちゃんが好きなんだから。
「諦めるの?」
「え?」
「まだなにもやっていないのにもう諦めるの?やるからには徹底的に。もうこれ以上何も出来ないという程行動してからでも諦めるのは遅くない」
そう、かな?でも……
「でも、おにいちゃんとあの人はもう婚約して……」
「そんなものは関係ない。あなたが彼を奪ってしまえばいいだけ」
えっ?あたしが……おにいちゃんを…奪う?

「そう。奪ってしまえばいい」
「それ……いい、かも……」
そうか!取られたら取り返せばいいんだよね!
「うん!あたし頑張ってみる。ありがとう!お姉ちゃん」
多分今のあたしは笑ってると思う。だって、おにいちゃんを取り返せるかもしれないんだから!
「いい。後はあなた次第。頑張って」
「うんっ!じゃあね!」
そう言ってあたしはお店を出ようとして足を止めた。
「あ。お姉ちゃんのお名前は?」
するとその人は微笑んで。
「私の名前はいい。敢えて言うなら、魔法使い」

その後あたしはおにいちゃんの通う学校を突き止めて、あの人と熾烈な奪い合いを続けている。でも絶対負けない。だっておにいちゃんのお嫁さんはあたしなんだから!


――――――――――――
消滅した世界の人間がこちら側に来るとは予想GUYだった。彼女にもこちらの彼女と同じ力があるのだろうか……。
だが、今となってはそれはどうでもいい事。彼のロリ属性もすっかり無くなった今。彼女に賭けてみるしかないのだから。
「これでロリ属性が復活すればまたガチホモと一緒に奴をゆすって……BLビデオ撮り放題wwwwwプーックスクスクスクスww」
――――――――――――

『はるひの奔走』 終
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