「じゃあ 私着替えてからかえりますから、」


あの終わらないかに見えた夏休みも終わり、2学期に無事はいった
今日部室でのSOS団の活動は終わり皆が帰宅するのを見送って
私も帰宅の準備を始める


あの夏休後半の2週間の報告の後、急に一時帰還命令を
受けた、なんかいろいろ調べることがあるらしい


TPDDを機動し、コントロールにコンタクト、
個人認証IDと帰還命令コードを暗証するとすぐに
私はジャンプした


【朝比奈みくるの弁明】


ふっと体が軽くなる
しばらくぶりなので、ちょっと足元がふらつく


<朝比奈みくるの帰還を確認、503でメディカルチェックをうけてください>


指示をうけて私はそのまま指定された部屋へ移動する
この時間平面に戻ったことにより禁則とされていた暗示がとかれる
頭もふっと軽くなる


 ここは、地球の衛星軌道上にある日本の学術研究用長期滞在型宇宙ステーション「白鳳」
 私はここで時間移動の研究をおこなっている両親の元14年前に生まれ育った
 私もまた基礎学習の終了後そのままこの研究施設の研修生となり時間移動研究の一線の
 一翼をになっているといえるかもしれない


 この時間平面においてもまた時間移動は一般的な技術ではなく、研究機関での試行錯誤が
 続いている状態である、特につい最近判明した20xx年代における時間平面の大きな断絶の
 原因究明に関してはまだまだ未知の領域が大きい


 そんな中で私があの時間平面への駐在任務を担当することになった理由は、観測対象である
 涼宮ハルヒ また あの時間平面での協力者となる鶴屋家の時期当主と同姓であり年恰好が
 近いことに加えて、私は時間移動に関して抜群の適性をもっていたことによる


 私がキョン君と一緒に時間移動を行う際に彼を一時的に意識不明にしているのは、時間移動が
 禁則事項であることももちろんなのだが、さらに時間移動に適性が低いと酔うのだ、研究が開始
 された当初3日前に時間移動した被験者が時間移動したのち時間酔いでその後1週間は使い物に
 ならなかったなんで笑い話もあるくらいである



 時間移動研究者を両親にもち、この衛星軌道上で生まれた私は、最初の時間移動からまるで
 なにごともなかったように平気であった、どうやら地上生まれの人より私のような衛星軌道生まれや
 月面生まれの者のほうが時間移動への適応性が高いようである


<朝比奈みくるのメディカルチェックおよび検疫を終了、問題は発見されませんでした
帰還報告のため2061に出頭してください>


 0.8Gの人口重力の中、指示をうけて研究室へ移動する、久しぶりの帰還なので
 やはり懐かしいなんて思いながら移動していたら2度ほど曲がる場所を間違えた


「ただいま おとうさん」
「おう みくるかえってきたか」


主任研究員のひとりである父にこの春から夏にかけての報告を行う
8月後半の2週間、報告が途絶えた件に関しては、他の駐在員の報告やこちらからの観測結果など
も勘案、また私の制限事項などの事情も考慮して特にお咎めなしということになったものの
夏合宿での 船に対する感想と、夏祭りでの浴衣に関するコメントに関しては不用意な発言ということで
口頭注意をうける


でも私、この時間平面では、地上に降りたこともなければ当然海を見たのもあの時が始めてだったし
船の構造に関しても知識ではしっていた・・・(ちょっとあやしいけど)けど実物をみたらとても浮かぶ
ようには見えなかったし、それに私の国籍は日本(両親も日本人だし、この宇宙ステーションも日本領)
だけど、だけど、軌道上生まれの私にとっては、日本は両親のふるさとくらいの認識しかない


そんなようなことを父に対してぶつぶつ言い訳をしながらも、心の緊張が解けてゆくのが判る


確かにあの時間平面上の地上はすばらしく素敵な場所だった、ここでは風を感じることも、その風に
香りがあることも新鮮な驚きだった、衛星軌道上では特に香りに関しては厄介な問題が多いため
無臭が原則だったから
でも私にとっては、人口200名たらずの小さくて、人工的な空間こそが、生まれ育った故郷、どんなに
あの場所が素敵ば場所であったとしても、きっと私の帰る場所はここなんだろうと漠然とそんなことを
感じていた


今回は1週間ほど休暇、父への報告が終わったら久しぶりに基礎学習コースの友人たちにいろいろ
自慢話をしにいかなきゃ


あでも何とかしてお茶だけは持って帰れるよう交渉しよう


おしまい



おまけ


【朝比奈みくる(両親)の憂鬱


みくる父「みくるから連絡あったか」
みくる母「ええ、なんとかなったみたいよ」
みくる父「しかし、うちの人材不足を困ったもんだな、本人のフォローを本人(大)に
頼むようじゃこの先どうなるやら」
みくる母「あ、みくるから連絡はいった」
・・・・・・
みくる母「そうわかったわ、あ、おとうさんにかわる?」
みくる「あqwsでrftgyふじこ」
みくる母「わかったら、じゃああとで」
・・・・・・
みくる父「みくるなんだって?」
みくる母「なんでも、明日お弁当もっていくんで手伝ってほしいんだって」
みくる父「なんじゃそりゃ、食事の支度もできないのか、あいつは」
みくる母「いやできないわけではないんだけど、ほら夏に一度TPDDの臨時利用の騒ぎ
あったじゃない、覚えてる?」
みくる父「ああ、突然あいつから半日のジャンプ申請がでた時か、あれも原因不明で
おまえもサポートでいったんだよな」
みくる母「ふふ、あのときもあの娘、例の団体で海に行くとかでお弁当をつくっていて
朝までにできなくて泣きついてきたのよ、各方面の調整にとれだけ苦労したか」
みくる父「・・・」
みくる母「そうゆう訳で久しぶりだし半月ぐらい、ついでに向こうの様子みてくるわ」


みくる父「人選まちがえたかな・・・」



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