どうもこんばんは~!
童顔、巨乳、コスプレでお馴染。
守ってあげたいキャラ第一位の朝比奈みくるで~す!
…ん?
自分で言うなって?
黙れ、この鼻毛野郎!!
むしるぞコラ!!

…なーんてね!
今日は機嫌がいいから許してあげるわ♪

え?
なにがあったかって?
……そこまで教える義理はないです。はい。
あまり調子に乗らないようにしてくださいよ。

歩いていると『SOS団』と書かれた板が見えた。
教室の入り口あたりにあるアレよ。
あーあ。鬱だわ…。
この部室の扉を開けるのが一番嫌なのよね。
絶対不愉快なことが起きるんだもん!

「あーあー」
あたしは声を確認して扉を開けた。
今日はどんな不快な事件が起きるのかしら…?

ガチャ
「こんにちは~」
……あれ?返事がない…。部屋の中を見るとホモが目に入った。
なんだよ、居るのかよ!!ざけんなゴラ!!

「こんにちは朝比奈さん」
挨拶をしてきたホモはいつものように笑顔だったが、
少し疲れていたように見えた。

「こんにちは古泉君」
あたしは笑顔で挨拶をしてやった。
どうだ?疲れも吹っ飛ぶだろ?
部屋を見た限りでは宇宙人はいないみたいだわ。

ん~、あのバカップルもいないのか?
あたしがそう思っていると、
「……グスッ……ヒック……」
泣いてる声が聞こえた…。
よく見るとキョンの野郎が床に寝かされていて、
涼宮が隣にしゃがんで泣いていた。
なんだこの状況は…。
あたしはやや戸惑っていた。

「ど、どうしたんですか?」
戸惑いながらもあたしは二人の方へ駆け寄った。
カバンを下ろすこともしないで。
あたしが慌てんのも無理はねぇだろ?
だって部屋入ったら泣いてんだぜ!?

あたしが声をかけても涼宮は泣いていて気付いていない。
本来なら抹殺してるが、今は過去に類をみない事態なので見逃してやった。

よく聞いてみると
「…ヤダよ…ヒック……キョンってば……グスッ……死なないでよ……」
と言っていた…。
おい、今「死なないで」って言わなかったか!?
なんだ!?どうした!?
あたしの頭の中を混乱の二文字が埋め尽した。

とりあえず状況を理解しようと、あたしは涼宮に話しかける。
「な、なにがあったんですか!?」
軽く肩を揺すると、涼宮が涙で崩れた顔であたしを見て言った。



「キョンが……病気なの……」
声は震えていた……。

なんの病気だ!?
あたしはすぐに訊き返したしたが、涼宮はすでにキョンの胸のあたりに顔を押し付け、
体中の水分がなくなるほど泣いていた…。
「キョン……やだよぉ……グスッ…」
とても返事ができそうな状態ではない。


仕方ないのであたしは古泉に訊いた。本当は嫌だった。
「一体なんの病気なんですか!?」
あたしは焦っていた。
なぜならあの涼宮が人目も気にせず大泣きしてるのだ…。
ただ事ではないことぐらいはわかる。

「…キョン君の病名は…」古泉が見たこともないくらい真剣な顔で話す。

あたしは息を飲んだ…。

「…………………です」
え?なんだって?
あたしはその病気がなんなのか分からなかったが、
難しく長い病名に命の危険性を感じた。
あたしはその病気について古泉に訪ねようとした…。


その時、キョンが目を開けて口を開いた…。




「なぁ……ハルヒ……」

キョンが喋ったことに驚いた涼宮は顔をあげる。
「キョ…ン…?」
涙が一瞬止まっていた。

「…俺は…もう…ダメだ……助からない……」
キョンは弱々しく言葉を繋ぐ…。


「そんなこと言わないでよ……!!
…グスッ…あたしを置いてかないでよ…!!」
涼宮は泣き叫んでいる…。
あたしの心に涼宮の感情が少しずつ流れ込んでくるような気がした…。




……スッ


涼宮が泣いているとキョンがそっと手を伸ばし、
涼宮の涙をふいた…


「…泣くなよ…ハルヒ……。お前のそんな顔見たくないぜ…俺は…」
消えいりそうな優しい声…

「…じゃあ生きてよ!!
……生きてあたしを笑わせてみなさいよ!!」
涼宮の瞳からはとめどなく涙が流れる…





「…ごめんな…。ずっとお前の近くにいたかった……。
ずっと…お前の隣で一緒に笑い合いたかった…。
すぐに無茶するお前を…俺が支えてやりたかった…。
ほんとに……ヒック……ごめんな……」

気付けばキョンの目からも涼宮と同じものが流れていた…。


「……グスッ…なんでよ!?
ずっとあたしの近くに入ればいいじゃない……。
あたしのことこれからも支えてよ…!!
団長命令なんだから…!!」
泣き崩れる涼宮…


するとキョンが両手を伸ばしてやさしく涼宮の頭を抱き寄せた。

「…ヒック…ごめんなハルヒ…ごめんな……。最後までダメな団員で…。
でも最後に俺の頼みを訊いてくれないか…?」


ハルヒは顔を伏せたまま静かに頷いた…



「…俺の大好きなハルヒの笑顔を見せてくれ…」

キョンが優しく言うとハルヒはキョンの制服で涙を拭き、顔をあげると、
これ以上ないくらいの笑顔をキョンに見せた……。

その笑顔はまるで天使のようで………


………あたしの頬を熱いなにかが流れる……
それはキョンと涼宮に流れるものと同じだった……。

あぁ……涙ってこんなに熱いんだ………


頬を伝うのはいつもの嘘のナミダなんかではなく紛れもなく本物の涙で……


あぁ……悲しいって……苦しいんだ………


生まれて初めて感じた心の痛みは本当に苦しくて………




ガクッ…
力なくキョンの腕が落ちた…。

「キョン……?ねぇ?起きなさいよ……。
キョンってば……!!
ホラ…!
あたし笑ってるわよ?
あんた好きなんでしょ…!?あたしの笑顔が好きなんでしょ…!?」

そう呼び掛ける涼宮の顔は全然笑えていなかった……

「見なさいよっ……
あたし、あんたのためだけに笑うからっ……特別なんだからっ!!」
涼宮は再び泣き崩れた…


あたしは古泉に言った。
「…ねぇ…!?
キョン君は…グスッ…助からないの…?
なん…で…救急車も来ないのよ…!?」
畜生っ、うまく喋れねぇよ…
すると古泉が言った。
「…救急車を呼ぶ必要はありません」

……は?人が一人死にそうなのになにを言ってるんだ?
言い表しようのない怒りがあたしの心を侵し始めた…


……しかし次の古泉の言葉でそれは絶望へと変わる…



「急性横隔膜痙攣…。いわゆる『しゃっくり』です」
…あたしは言葉も出なかった…。

イマナンテイッタンダ?


すると涼宮がキョンの異変に気付いたらしく…

「みくるちゃん!まだキョン生きてるわ!!
数え間違えたみたいなの!」

………ナンダコレハ……
……このカンカクは……

「みくるちゃん、キョンを驚かせてみて!
みくるちゃんが最後の希望なの!!」


ドックン!!

あたしの心臓が大きく波打った……

…あぁ……驚かせてやるよ……。

今回だけは許せねぇからよおぉぉおお!!!!!!


殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!


あたしは未来のデパートで買った電磁式小型ナイフをふたりに全力で投げつけた
「死にやがれ!この糞野郎!!」

あたしの投げたナイフは涼宮の顔面めがけて鋭く飛んでいく……

「きゃあぁああぁあぁ~~~~!!」
涼宮が悲鳴をあげる…


よっしゃあぁあぁああ!とうとうやっちまったぜ!!
ざまぁねぇな!!
死ね死ね死ねえぇぇえ!!!!
あたしは奴の死を確信した。

ガキンッ!
そうそう、奴の顔にガキンと……

……?
ガキン?

あたしは目を疑った……。
今までいなかった……


そう、長門有希の持つ刀があたしのナイフを斬り裂いていた…。


「うぉっ!どうしたんだハルヒ!!」
涼宮の悲鳴に驚き飛び起きるキョン。

「キョン……しゃっくりとまったの……」?
不思議そうに見つめるハルヒ。
「あっ!ホントだ!!」

「バカキョン!!」
涼宮はキョンに抱きついた。

キョンの復活に喜ぶあまり完璧にこちらを忘れている。おまけに助けてくれた長門までだ!!

舐めやがって…っ!!
あたしをコケにしやがって!!
あたしは2本目のナイフを投げようとした…

まさに一瞬だった……
「……させない。」
長門はそう言うとあたしの体を切り裂いた…

「であぁぁい!!!」


「な、……斬撃……が…みえ…なか……」

そうか……その刀は…

バタッ
あたしは力尽きた……

「心配かけてごめんなハルヒ……。
でもまたハルヒの笑顔見れるんだよな…?」
「好きなだけ見せてあげるわよ!!」

「笑えてないぞ、ハルヒ?」
「うるさい!……グスッ……誰のせいよ!!」
「ごめんなハルヒ…。ずっと一緒だからな」
「あたり前じゃない…。バカキョン…///」

抱き合う二人……
二人の愛は永遠のものとなった…


「さすが長門さんですね。
その刀…『斬鉄剣』を使いこなせるのはあなただけですよ」

「ふっ……またつまらぬものを切ってしまった……」
「まったく…。あなたは本物の剣豪ですね……」

「…という夢をみた……」
「…………」
さすがに言葉も出ないみくる。

「ハルヒっ!俺はハルヒを残して死んだりしないからな!」
「……グスッ…あたり前よ…!
そんなの絶対許さないんだからね!」
静かにお互いの体温を確かめ合う二人…

「なぁハルヒ……」
「……なに?」

「…キス…していいか…?」
「…うん。みんな見てるけど気にしないわ。
キョンと一緒に生きてる証が欲しい……///」

そっと重なる唇……
二人の愛は長門の夢をきっかけに更に深くなっていく……。


長「…出番が少なかった」
古「まぁいいんじゃないですか?あの二人の顔を見てください…」

長「……幸せそう……」


しあわせや愛は目に見えない……

だが今この場所には確かなしあわせと揺るぎない愛が存在した……






「…………私は?」



あぁ…涙ってこんなに熱いんだ………



終わり

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最終更新:2007年01月14日 22:08