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○第二章

翌日も天気は崩れることがなく、俺たちは時間前に全員集合した。
奢り役はもちろん俺であった。
「キョンくんありがとっ! いつも頼りにしてます!」
ぽんと俺の肩を叩くのは性格ノーマライズされた長門である。いやそんなにまっすぐ礼を言われるとどういたしましてとしか言えないな。
「僕もあなたには感謝していますよ」
古泉が擬音をつけられそうな微笑で言った。そんな感情の無い声で言われてもありがたくも何ともない。
「あたしも。キョンくん、いつもありがとう」
ありがてぇ。本当にありがたいですよ朝比奈さん。長門がお礼を言うようになっても、あなたの言葉は別格です。
「キョンは義務を果たしてるにすぎないの! 当たりまえよそんなの」
ありがたいと思っていないのはこいつくらいである。……ハルヒ、お前もたまには長門くらい快活に感謝してくれ。
「何言ってるのよ。ほら、さっさと行くわよ」
別に怒ってるわけじゃないらしいが、ハルヒはずかずかと喫茶店に駆け込む。
俺たちはそれぞれに安心したような面持ちで後に続く。まぁ、こいつだけはこうでなくちゃ俺の調子は狂う一方である。


「……」
絶句。他でない、長門でない、俺のものである。
なぜかと訊くかい?
「ねぇ! どこ行こっか? キョンくんと二人だけってひさしぶりだなぁーっ!」
「先に訊いていいか」
俺は長門に言った。
「なぁに?」
長門は喜びをその歩調で表現しながら答えた。
「クジいじってないよな」
「いじってないよー、むーっ!」
頬を膨らませる長門であった。その行動全てが俺には未知のものであり、昨日初めて知り合った人間と同行しているのと違わぬ気分である。
「キョンくんに頼まれなきゃいじらないもん! わたしの役目は観測だからねっ」
長門は怒ってるのやら笑ってるのやら分からない表情で言った。
「そうか。ならいいんだけどな。……図書館はダメなんだっけ?」
「だめ。前の性格の時にさんざん行ったから。それに今は本が好きじゃないの」
「それじゃ行きたい所を言ってくれ」
「へへへ。ついて来てっ!」
長門の言葉と先導に従い俺は歩く。やっぱり慣れないな。姿を同じくした別人としか思えない。今までの長門の行動からして、図書館を避けるほど強烈に人格を曲げてしまうことは考えにくいのだが。


「これはどうかな? 似合う?」
「いいんじゃないか」
長門有希ファッションショーインスプリングを鑑賞している俺であった。
春物の服がほしいそうで、つまり早い話が買い物だ。
「さっきもそう言ったー! むー!」
元々長門は幼く見えるが、この性格が平均的な高校一年生のものとは思いがたかった。その辺の設定はどうなっているんだろうね。
「普通に全部似合ってるんだからしょうがないだろ。お前、服のセンスいいな」
「えっ。そうかなぁ……? もう、キョンくんったら」
あからさまに照れる長門さんであった。冗談抜きに洋服はどれも似合っていたからな。前の長門が冬なら、この長門は春のイメージだ。
「全部買っちゃおうかなぁ……」
「足りるのか? すごい量だぞ」
「うーん……やっぱり、やめた方がいいね。この国の貨幣経済に影響を及ぼしすぎるのは問題だもん」
この辺は確かに長門なんだが、いかんせんずれていて受け入れがたいのは俺だけじゃないはずだ。……と言っても今まで誰も俺に賛同してくれていないのだが。
結局長門は二着だけ服を買って、持ってきていた鞄にしまった。さすがに買い物袋を提げて再集合するのは問題だと思ったのだろうか。
説明が遅れたが今日の長門は私服である、持ってきている鞄も北高のものなどではなく普通のトートバッグだ。
「帰ったら着ーよう! ふふ、楽しみー」
屈託なく笑うのは朝比奈さん的であるが、笑みのベクトルが若干異なる。朝比奈さんは柔らかく、この長門はまっすぐである。他に上手い言い回しが見当たらないので、伝わらなかったらすまない。


全員集合した後、昼食はファミレスで済ませ、二度目のくじ引きとなる。
「げ!」
「何よ! 久しぶりの組み合わせじゃない。文句あんの?」
ねーよ。というか、俺が今満足できる組み合わせなんぞ朝比奈さんとのペアくらいだから、そんなジャストミート低確率に期待したりしないさ。
そんなわけで今度はハルヒとペアである。ふたたび両手に華となった古泉は柔和に手を振って駅向こうに消えていく。そういや、俺が三人側になったことって滅多にないな……さてなぜだろう。
「とりあえず歩くわよ、ついて来なさい」
こいつといて助かることといえば行く場所に困らないことくらいだ。ハルヒとのペアはあの第二回市内探索以来であり、そういう意味では感慨がないわけでもない。
ハルヒは無駄に歩くペースが早い。本人はひょっとすると普通の速度で歩いているつもりかもしれないが、客観的に見れば軽い競歩レベルだ。
「どこ行くつもりだ?」
「座れるところ」
俺の質問にハルヒはぶっきらぼうに言う。答えになってないような気もしたが、ここは黙って付き従っておくのがいいんだろう。
ハルヒが向かった先はなんと朝比奈さんとの思い出ベンチだった。……偶然だよな?
「座りなさい」
ハルヒはバシバシとベンチを叩いた。特に反抗する理由も無いので指示通りにする。
1分ほど俺たちは沈黙していたが、やがてハルヒが言った。
「ねぇ、あんた。また何か隠し事してる?」
一瞬凍りついた俺であった。何だ急に。お前に対する隠し事であればそれこそ数え切れないくらいしている。だがそれは亭主が浮気を妻に隠すとかそんなレベルではなく、言ってみれば世界平和のためである。
「何かってなんだよ。そんな漠然と言われても、俺にはさっぱり分からないぜ」
こいつに対して平静を装ってしらを切るのにも慣れてきていた。冬以降、ハルヒは核心に迫る質問をたびたび俺にするようになっていたからな。
「分からないけど。あんたって嘘つくと一瞬顔をしかめた後に何食わぬ顔するクセがあるのよ、知ってた?」
ハルヒは俺を挑発するように言った。
それは知らなかった。ってことは今もそうしてたのか俺は? 今後の参考にさせてもらおうじゃないか。
「冗談よ。ただのあたしの勘。やっぱりあんた、何か隠し事してるわけ?」
くっそやられた! ハルヒの扱いには慣れたとか言ってた数分前の自分を小突いてやりたい気分だな。
「長門が気になってな」
俺は正直に言った。まぁ、宇宙人属性について話せるはずはないが。
ハルヒは未だに探るような目つきをしつつ、
「有希のことって、あのいつかの転校話?」
言われて思い出した。あの雪山に閉じ込められた時か。そういやそんなこともあったな。
折角だからその話に乗ってやることにする。
「あぁ、まだ決着がつかないらしくてな。長門が急に元気に振舞うようになったのは、そのせいかもしれない」
あながち嘘でもない。直接訊いたことはないが、長門はいつか統合思念体の一部に戻ってしまうことを怖れているのではないかと俺は思っていた。年末の病室、夜中に長門が言ったあの一言は、俺の記憶にある印象的な台詞ベスト3に入っている。ハルヒが、長門には極端なところがあるからと言ったのも遠からずだ。古泉の言うように、長門は単に変わろうとしただけなのかもしれない。自分でよかれと思って性格を変えたのだ。だが、だからこそ俺はどこかもどかしい気持ちになる。
「そうなの。またあんたを頼るなんてね。どうしてあたしやみくるちゃんに言わないのかしら」
「それは簡単だ」
ハルヒの問いに俺は答える。
「長門はお前や朝比奈さんを親友だと思っているからだ。だからこそ話してほしいとお前は思うかもしれないがな、
あいつはあいつで気を遣ってるんだ。悪気があるわけじゃない」
「それであんたに話すわけ? ……なんか納得いかないわ」
ハルヒは少しむくれたようになった。俺はふっと息を吐く。
「昨日お前たち3人で仲良く何か話してただろ。そして俺と古泉は2人で話してた。その時の話を互いに言ったり
しないだろ? それと似たようなもんだ。たまたま長門がこの話をしやすかったのが俺だってだけだよ」
ハルヒを諭す役割もいつしか俺のものになってしまっている気がした。一体俺は何役こなせばいいんだ?
「そうなの。……それじゃ、有希があんたを頼ってきた時だけよろしく頼むわよ」
だけ、って何だだけって。長門が俺を頼ってもお前は俺を信頼してないみたいな言い草だな。
だがこれは思うだけに止めておいた。仮にもこいつは団長だからな、色々思うところがあるのだろう。
「この後どうするんだ? まだもう少し時間があるぜ」
俺は立ち上がってそう言った。この話はおしまいでいいだろう。
「え? あぁ、うんと。……そうね、一度駅の近くに戻りましょう」
ハルヒもベンチを離れた。気を取り直してくれたのなら何よりである。
俺たちは来たときより若干歩調を緩めて、駅前を目指した。


午後四時に全員が集合地点に戻り、この日は解散となる。
「明日はひさびさに野球をするわよ! ……って言っても、試合するわけじゃないから。適当にメンツを集めて、
その人数で遊びましょう!」
ハルヒは翌日の予定を朗々と告げて去って行った。
「野球かぁ。ひさしぶりだなぁ、楽しみだねぇ!」
ふふふと笑って長門はハルヒの背に手を振った。一方で朝比奈さんは若干に青ざめていた。
「や、野球ですかぁ~」
俺たちもやがて散り散りに分かれ、俺は自転車置き場を目指す。
「キョンくん!」
肩をとんとん叩かれた。この慣れない感じで振り向かずとも長門だと分かる。
「何だ?」
案の定ショートカットの笑顔娘がそこにいた。
「キョンくんの家に寄っていいかな?」
あっけらと長門は言った。俺の心にまたもさざ波が立つ。何だ急に。以前にも増してこの長門の行動は読めない。
特別ダメと断る理由がないのが考えものだった。
「……あ? イヤかな? 困った顔してる」
勘がいいのはハルヒと鶴屋さんだけで十分なのだが。長門もそうだったのだろうか。
「嫌じゃないがな。何の用があるんだ?」
「別に用なんかないけど行きたいの。……だめかな?」


夕暮れの道を俺の自転車が走る。荷台に長門さんを乗っけて。
「キョンくんの自転車夏以来だよねぇ。あの時は大変だったなぁ……。いちばんつらかったよー。今のわたしだっ
たら耐えられなくて泣いちゃってたなぁ」
俺の心にぐさりと来る台詞をあっさりと吐いてしまう長門であった。
そうだ。こいつがエラーをやたらとため込んでしまったのは、あの数百年に及ぶ夏休みの繰り返しのせいだろう。
単純に過ごした日数に比例するならばの話だが。
「キョンくんに相談してたらよかったのかなぁ。例え記憶を消しちゃうとしてもさ。……どっちがよかった?」
あまりに軽快に話すから世間話のようであるが、俺は即答などできない。
確かに忘れてもいいから相談してほしかった。それか本当は相談していたのに記憶を消されているのかもしれない。長門が隠していただけかもしれない。そう考えると結局どちらでも一緒じゃないか。
「でもどっちでも一緒だよね。最後には忘れちゃうんだからさ」
ぞくりと背筋が凍りそうになる。……長門さん、額を俺の背中に付けていますね?
俺の家に着くまで、長門は何も言わなかった。言ったかもしれないが、俺には聞きとれなかった。


「わー久しぶりだぁ。キョンくんの匂いがするねぇ」
こっぱずかしいことを言いながら長門は俺の部屋を舞うように移動した。別に面白いものなんかないぜ。夏からそう変わっていないからな。一年前まではもう少し俺の部屋も変化していたのだが。
「ふー。今日は疲れたよー」
長門は俺の椅子に腰を下ろした。文字通り疲れたらしく、普通の人と同じくくたーっとしていた。
「古泉たちとどこ行ったんだ?」
そういえばいわゆる三勢力の末端そろい踏みの市内探索は初だったのではないだろうか。
宇宙人、未来人、超能力者が三人で市内そぞろ歩きを敢行するとどうなるのか、多少なりとも興味がある。
すると長門はこちらを半眼で見て、
「えー、別に普通だよ? わたしとみくるちゃんと古泉くんで、それぞれ一箇所ずつ行きたい場所に行っただけ。
みくるちゃんは和菓子屋さん、古泉くんは本屋、わたしは洋服屋さん」
また服屋に行ったのか。お前洋服好きなんだな。つうか古泉が本屋って、立場ばらばらじゃねぇかよ。
「だって見てるだけでも楽しいもん、洋服」
長門は俺の机に突っ伏してつぶやいた。俺はベッドに座るとシャミセンを抱き上げた。
「そういやこいつの……何だっけ? 珪素……」
「珪素構造生命体共生型情報生命素子?」
長門は全く噛まずにそう答えた。
「そう、それだ。その後何もないのか? データ使うから解凍したいとか」
「ないよん。そんなに頻繁に持ち出されるものじゃないの。数億年に一度役に立つかどうか」
そりゃまたやたら遠大な話だな。やっぱり宇宙スパンにはついて行けそうにない。
それじゃシャミセンどころか、俺が生きてる間ですら使われる見込みはないと言っていいんじゃないか。
などと、俺が比較的どうでもいいことについて思考を巡らせていると、部屋のドアが開いた。
「あー有希ちゃんだー!」
……。妹である。ついいつものクセで鍵をしなかった。いや女子一人連れ込んどいてそれも問題か。
妹は止める間もなく長門の近くに歩み寄る。
「あ、妹ちゃん元気? ごぶさただったねぇ」
長門がそう言うと、妹はきょとんとして目をぱちくり。やっぱりお前は違和感に気付いたか。そうかそうか。
「有希ちゃん……お疲れ? 大丈夫?」
だからそこかよ! 他に突っ込むべきポイントってものがあるだろうが! いや、俺もほどほどに疲れているので元気100パーなツッコミはやはり封印する。
「ん。ちょっとねぇ。でも平気だよん。あぁ! そうだ、キョンくん!」
長門は起き上がると俺のほうを振り向いた。何だ?
「妹ちゃん、明日ヒマかな?」
長門は妹ににこりと笑いかけた。妹は即答で片手を挙げ、
「ひまー!」
まさか、長門さん?
「野球しないかい久しぶりに? 六月からやってないもんね。ハルヒちゃんたちと」
「するする! やったー」
「そうだ、折角だからお友達も呼んだら?」
こら長門、話をややこしくするな! つか前までのお前ならそんな招集は惑星が直列してもしなかっただろうが!
「えーいいじゃない。人数が多いほうが楽しいもん。ねー?」
妹はうんうんと頷いてぴょこぴょこ飛び上がっている。……やれやれだ。
ひょっとして、このためにわが家に来たのではあるまいな。
俺の推測をよそに、長門は笑って妹とじゃれ合っていた。


「いやぁ、悪いねー、送ってもらっちゃって!」
ぽんと背中を叩かれた。われながらお人よしだと思う。
夜の市内を俺のチャリが再び走る。北高方面。もうあまり寒くない。
来月になったらあっという間に気温が上昇しそうな気すらする。この一年はほとんど夏と冬しかなかったからな。
「明日楽しみだねーっ。野球野球!」
野球と言われれば思い出すのはあのインチキバットとミステリアスボールである。
「ははは、そんなこともあったね。でもあれは古泉くんに言われてやったことだからなぁ。さすがに世界を作り変えられちゃうのはわたしとしても困るからさ」
とても世界の危機を脱するためとは思えぬのん気っぷりである。おかげで俺もシリアスな心境に到底なれない。
間もなく自転車はおなじみとなった長門マンション前に到着した。
「ねぇ、キョンくんさ」
「何だ?」
引き返そうと自転車をターンさせている俺に長門が言った。
「わたしのこと……好き?」
そのままドリフのコントばりに自転車をガッシャーンと放り出しそうになってしまった。
「な……」
言葉を次げない俺に長門は伏目になった。
「ハルヒちゃんと、みくるちゃんと、誰が一番好き?」
急激に心拍数がダブルアップを告げて俺の思考回路を引っかき回していた。
何を言い出すんだ急に。この二日間、こんな感想ばっかりな己の貧弱な感性を嘆きたくなるがそれはどうでもいい。というか、毎日こんな爆弾発言をするようであっては俺のあったか分からないようなポーカーフェースも形無しである。
長門はどうなの? と言わんばかりに首をちょんと傾けた。しょ、小学生じゃあるまいし、こんな質問で何緊張してるんだ俺は。そ、そうだ。長門がこんな質問をするからいけないのだ。この手の質問をしそうにない奴ランキングがあったら、地球上で暫定1位に輝くはずなのが長門有希だ。なのにそれをこうもあっさりと……
「やっぱり答えられないよね。キョンくんは優しいからさ」
長門はくるりと振り向いた。いつからSOS団はラブコメを取り扱うようになったんだ? 俺はそんな伝票もらってないぜ。あの小説に四苦八苦したように、恋愛など俺はまったくもって不得手なのだ。なのにこれは何だ? 何の間違いだ。
「わたしは好きだよ、キョンくんのこと」
その言葉を聞き終えないうちから俺の顎は重力に負けて垂れ下がった。それは新しく宇宙で流行りだした挨拶か何かでしょうか長門さん? 突如として宇宙はオールアイニードイズラブ、オールウエィズウェルカムハッピーな雰囲気へと変貌を遂げてしまったのですか?
「統合思念体はそんなこととは無関係だよ」
長門は俺に背を向けたままそう言った。振り向かれては困る。今の俺はさぞかしマヌケな顔をしていることだろう。この方角からのアプローチは反則だ。いや、誰に対するイイワケなのだろうな。ははは。冷や汗が止まらないぞ。それにノドが渇いてしかたがない。落ち着け俺。リラックスだ。
「あのな長門、確かに俺はお前もハルヒも朝比奈さんも好きだ。だがな、それは――
「分かってるよ。こういうときの定型句だもんね。友達として、とか、ラブではなくライクだ、とかさ」
ここで長門は俺のほうを向いた。月光がただでさえ白い長門の表情をさらに淡く見せた。
「でもね、わたしはキョンくんのことが本当に好きだから。それが言いたくてこの性格になったんだよ」
固まって半ば動けない俺に長門は歩み寄ると、そっと俺の顔に両手を当てて引き寄せ、キスを――
「……!!」
時間が止まっている気がした。いや、さっきのもこれも、俺の気のせいで、実際長門はなにもしていない。こいつは自分からそういう手を使ったりしないはずだ。ならば動けないのは俺自身の……
長門……。
直後に長門は俺から離れた。別世界から届くような、穏やかな笑み。
「それがわたしの気持ち。ずっと言いたくて、言えなかった……気持ち」
その後どうやって俺は自宅まで戻ったのだろう。
気付けば朝になっていて妹にたたき起こされるのだが、そこまで俺はまともに物を考えられなかった。


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