俺は今家族と夕飯を食べている。
「・・・・・・。」
親父は絶句している。
「おかわりは沢山あるから遠慮しないでね。」
何故か母親はノリノリだ
「有希ちゃん凄~~い!」
ついでに妹もノリノリだ
 
そう、我が家の食卓には何故か超万能スーパー宇宙人長門有希が居る
 
何故長門が居るかって?
これまた毎度の如く話せば長くなるんだが・・・
お決まりの回想シーンへ行ってみよう・・・


 
今日は土曜日、市内不思議探索パトロールの日。
いつも奢らされてばかりでは俺の財布が財布で有るための存在意義が失われてしまうので
9時集合のところを8時30分に到着するように出掛けてみた。
 
「遅い!罰金!」
 
・・・・・・。
 
お前らいつも何時に来てるんだよ
「そんな事はどうでも良いでしょ!それより私、今日は朝食抜いて来ちゃったのよ。」
勿論ここは俺の奢りの喫茶店な訳で
勘弁してくれ、俺の経済状況はバブル崩壊時より厳しいんだ
「だったらもっと早く来なさい。 すいませ~ん!サンドイッチセット下さい。」
「かしこまりました。」
がっくりうなだれる俺に隣に座っている古泉が
「ご愁傷様です。」と言いながらコーヒーを啜った
そのニヤけ面で言われると腹が立つんだよ
 
俺の奢りのサンドイッチを食べ終わったハルヒは店の爪楊枝を拝借して・・・
拝借って表現はおかしいな、こいつには
とにかく爪楊枝を手にとって二本だけ先端を赤く塗った後俺の目の前に5本つきつけた
 
午前の組み合わせは
俺 古泉
ハルヒ 長門 朝比奈さん
 
よりによって何でこいつと当ても無く市内を彷徨わなければならないのだ
全く今日はついてないな・・・。
「そんなに嫌ですか?」
ん、少し言い過ぎたか?
いやいや、だが本当にこいつとの市内探索は憂鬱なんだ
何故なら・・・
 
ま た か
こいつと歩いているといわゆる逆ナンに会うのだ
ここに谷口が居れば少しは中和されるんだろうが・・・
「いえ、私には彼が居るので」
彼女達は俺と古泉を交互に見た後
「・・・・・・。 そうですか、ごめんなさい」
「いえいえ、では」
・・・なぁ、今の言い方は勘違いされるんじゃないか?
「ほう、一体どのように勘違いされるんですか?」
食いついてきた!と言わんばかりのニヤニヤ顔で言い返してきた
いや、なんでもない
「そうですか」
この後は幸いナンパされる事も無く、適当に歩きながら適当な事を話していた
 
「先程の涼宮さんについてですが」
こいつがハルヒの事について話し始めるのはろくでもない事ばかりなのは言うまでもないのだが・・・
かと言って断固無視しちゃうのも流石に可哀想だよな
ハルヒがどうした?
「涼宮さんは先程の喫茶店でサンドイッチセットしか頼みませんでした、彼女は食事の際
かなりの量を食べるのはご存知ですよね、つまりあの程度で空腹を満たせるとは思えないのですよ」
言われて見ればたしかに・・・その通りだ
つまりハルヒは俺に対して遠慮をしたと
「そういうことです」
あのハルヒが遠慮ねぇ・・・信じられん
確かに辻褄は合っているがただ単に探索の時間が減るからちゃっちゃと済ませただけだろうと
考えてしまう俺は悲しい奴なんだろうか。
 
そんなこんなで11:45分、駅前に戻って先に着いていたハルヒと合流した。
まぁ言われるまでも無い。不思議な事なんて見つからなかった、当たり前か
スマン、何も見つけられなk
「あんたマジメに探してるの!?」
このやりとりも何度繰り返された事か・・・
・・・・じゃあお前は見つけたのかと、言いたいところをぐっと堪えて
午後からはもっと気合入れて探してみるよ
と自分でフォローを入れておいた。
 
午後の組み合わせは
 
俺 長門
 
朝比奈さん ハルヒ 古泉
 
に決まった。
 
「キョン、さっき言った事忘れてないでしょうね?気合入れて探しなさいよ!」
へいへい。
とは言ったがまぁ・・・ねぇ?長門と2人でペアになったら行く所は一つしかないんだけどな
長門、図書館で良いか?
「良い・・・だけど帰りにスーパーに寄りたい」
!?
長門がスーパー?信じられん!似合わないにも程が・・・・・流石に失礼だからやめとこう。
俺は構わないけどなぁ・・・集合した時にハルヒに何か言われるんじゃないか?
あんた達不思議探索を差し置いて買い物なんてしてたの!?
な~んて台詞が出てきそうだなぁ
「大丈夫・・・午前の不思議探索の間に涼宮ハルヒは食事を取りたいと言って
途中コンビニに寄った。 だからスーパーも大丈夫」
まぁ確かに理屈的には全く問題は無いだろう。
が、相手はあのハルヒだ。お得意のハチャメチャ理論でまくし立てられそうだがな
と、考えてみたものの、結局の所そんな事はどうでも良いのだ
だってそうだろ?俺はこの長門に何度も命を救われてる訳で、
極力長門の頼みには答えるようにしようと決めているのだ、こんな些細な事ならいくらでも頼んで欲しいくらいだな
分かった、じゃあ図書館の帰りな
「・・・コクリ」
 
さて、図書館について早々、長門は読むだけで頭が痛くなりそうな本がずらりと並ぶ所へと消えていった。
とりあえず携帯をマナーモードにしてと、駅前に4時集合だったな。
スーパーに寄ることも考えて、2時30分くらいに図書館を出るか。
さて、俺も読書でもしますかね・・・と思ったものの
活字読んでると眠くなるんだよな・・・こないだみたく寝過ごすのは絶対に避けたいし
かと言って図書館に来て本を読まないなんて一体何の為に来たか分からんし・・・
漫画とか置いてないのか?置いてあるわけないか
この歳になって絵本は・・・流石に浮くというか恥ずかしいよなー
そんな俺の目に一冊の本が飛び込んできた
【ギネスブック 2006年版】
面白そうだな・・・良い暇つぶしになりそうだ
 
・・・・・・・・・
 
スポーツ系の世界記録をあらかた見た後、ぺらぺらページめくってた時に見つけたんだが
 
顔に洗濯バサミを○○個つけた
輪ゴムでボールを作った重さ○○kg
バナナグッズを○○種類集めた
 
こんな世界記録要らないだろ・・・ってかチャレンジしてるのお前だけだろ!
と頭の中で抗議しているといつの間にか2:30分になっていた
何だよ、くだらないくせに中々面白いじゃないか。
借りて家で読んでみるのも良いかもしれんな、この手の本なら妹も喜ぶかもしれん
だが何となくハルヒには見せちゃイケナイ気がした、いや何で見せちゃいけないのかは俺にも分からないんだが。
 
さて、長門連れてスーパー寄ってくか。
ここからが一苦労なんだ、以前図書カードを作ったから本を借りれば家で好きなだけ読めるんだが
長門は本を読んでる最中を他人に邪魔されるを嫌うからだ。
こないだなんか無理やり連れて帰ろうとしたら本の角で頭殴られちゃったしなぁ・・・どうしたものか
長門は案の定地に根を生やしたように立ち読みしていた。
長門・・・帰るぞ?
「・・・後五分。」
やれやれ・・・まぁ五分待つだけで済むならそれは非常に有難いんだがな
俺は借りたい本が有るから図書カード作ってくるよ、五分したらちゃんと戻って来るんだぞ?
と言ってその場を立ち去ろうとしたら
ん?  長門が俺の服を掴んでる・・・まるでいつぞやの消失長門みたいだ こっちは無表情だが
どうした?長門
「・・・私が作る。」
え、何を?
「・・・あなたの図書カード。」
そうかい、それじゃ頼むよ。一人で出来るか?
「・・・コクリ」
 
俺には何で長門が図書カードを作ろうとしたのかが分からなかった。
自分のは俺に作ってもらったからそのお返し?
まぁそんな事はどうでも良いか、長門が自分の考えを口にしてくれる事が俺は何故か嬉しかったから・・・
 
そんなこんなで俺達2人はスーパーに不思議探索に来ている。
いや、正直不思議なんてこれっぽっちも探してないんだが
まぁ見つかったら見つかったでハルヒに良い土産が出来たって程度か?
長門よ、何を買うんだ?
「カレーの材料」
即答だな。
ん?待てよ・・・カレーの材料?
長門のマンションで朝比奈さんと食べたカレーはレトルトだったが・・・
長門、もしかして野菜も買うのか?
「・・・コクリ」
驚天動地だ・・・ってこれは谷口の台詞か
長門の手料理か・・・こないだ食べたのはレトルトだしな。非常に興味が有るな
長門は何をやらせてもポポンとこなす万能選手だが・・・果たして料理はどうなのだろうか
長門が制服にエプロンつけて鍋をグツグツ煮込んでる姿か・・・
ダメだ、何か怪しい薬か何かを作ってるように見えてしまう、って今日の俺は失礼な事を考えすぎだな
「・・・先に野菜を選ぶ」
へいへい。
 
買い物籠を持ちながら歩く長門を後ろから眺めながら歩いているとマナーモードにしておいた携帯が震えだす。
何だ、ハルヒか?まだ3時になったばかりのはずだが・・・
携帯を開いてみると母親だった。
もしもし、何かあったのか?
「キョン?あんた今ハルちゃん達と街に出てるんでしょう?」
「まぁそうだけど・・・で?」
「さっき階段で足を踏み外しちゃって、買い物に行けそうに無いのよ、だからあんた夕飯の材料をついでに買ってきてちょうだい。
材料の内容は後でメールするから。」
まぁそれは構わないが・・・足は大丈夫なのか?
「あら!母親の心配をしてくれるのね、母さん嬉しいわ~」
年頃の息子にとって母親におちょくられる事は非常にイライラするのだ、俺だけか?そんなことはないだろう
「足は別にたいした事無かったわ、んじゃメール送るから頼むわね・・・プツッ・・・ツーツー」
 
ふぅ・・・丁度スーパーに居るとは何てタイミングの良さなんだ。
この事情ならハルヒにもどやされなくて済みそうだな。
と、前を向けば俺をジーっと見つめてる長門が
「・・・どうしたの?」
いや、親が足怪我したみたいで俺が代わりに夕飯の材料を買う事になったんだよ。
「・・・それは良かった。」
え!?
良かったって・・・長門さん、それは少し酷すぎやしないか?
「丁度スーパーに居たから」
あぁ、そういう意味ね、流石に友人の親が怪我して喜ぶなんて長門に限って有る訳ないよな・・・
まぁ俺は俺で長門に失礼な偏見を抱いていた訳だが
 
携帯が震えた、母親からのメールだろう
 
【夕飯はカレーにしようと思うわ。
材料はカレーの素、これは甘口ならまぁ適当なので良いわ
後、野菜はじゃがいもにんじん・・・・・・・・・・と最後にカボチャね
んじゃよろしく頼むわよ~。愛しのキョンへ】
 
最後の一言が余計だっっっっ!
 
「・・・愛しのキョンへ」
長門・・・見たのか?
「・・・コクリ」
はぁ・・・とため息をついた後、気を取り直して野菜売り場へ向かう
まさかうちまでカレーとはな、これも丁度良かったと言うべきなのか?
「・・・一つ聞きたいことが有る」
ん?カレーに使う野菜が何だか分からないのか?長門よ
「・・・先程のメールに書いて有った最後のk」
あれは忘れてくれ、頼む。それが無理なら誰にも言わないでくれ
「それでは無い、野菜の最後のカボチャって?」
ん?あー、うちはカレーにカボチャ入れるんだよ、これが中々美味いんだ。
「・・・信じられない・・・・・・・。」
他の奴もおかしいって言うんだよなぁ。やっぱうちだけなのかな
でも美味いんだぜ?ホント、俺はカレーは辛口派だがカボチャを入れるなら断然甘口のが美味いし、
まぁそれ以前に妹が辛口食べれないんだけど
 
「・・・・・・・。」
長門・・・そこまで驚くような事か?口をポカーンと開けながら見つめられると少し照れるんだが
「私にはカレーにカボチャを入れるという発想は生まれなかった、何故ならレシピにはカボチャが載ってないから・・・。
これが・・・人間の自立進化の可能性だと言うの?・・・。」
いや長門、それは言い過ぎだって
「・・・食べてみたい」
え?
「カボチャカレーを食べてみたい」
うっ・・・その雨の日にダンボールと共に捨てられた子猫のような瞳で見つめられると・・・っく
分かったよ。 その方が材料も少なくて済むしな 買い物終わらせて解散したらうちで晩飯食ってくか?
「コクリ・・・ありがとう。」
カレー如きでそこまで感謝されても・・・いや、長門の目の前でカレー如き何て言ったらマズイな、きっと。
何て考えながら母親にメールを返信しといた
【友人がカレー食べたいそうだ。
かなり食うからお米は大量に炊いといてくれ】・・・と。
 
そんなこんなで夕飯の材料も買い揃え、駅前でハルヒ達と合流したのだが
「ちょっとキョン!何よその袋は!」
全く・・・ホントこいつほど分かりやすい奴もそうは居ないだろ?
谷口辺りが思いっきり否定しそうだが
「涼宮ほど謎な女は居ないって!マジで!」って感じでな
まぁとりあえず、かくかくしかじかで・・・
「・・・そう、それならしょうがないわねぇ。今回は特別に許してあげるわ」
午前にコンビニ寄ったのは何処のどいつだ!っとまぁ言うだけ無駄なのは百も承知だから言うはずも無いのだが
そーいや古泉が言ってたな、ハルヒが遠慮したとか何とか・・・あながち間違いじゃなかったな。
流石涼宮ハルヒ専門家を名乗ってるだけはある。
「んじゃ!また月曜日に会いましょう~。解散!」
ふぅ~。毎週こんな感じで俺の貴重な休日が一日潰れるんだよな・・・
何て前までは思ってたけどな・・・こんな無駄としか思えない市内探索も最近は楽しいと思えるようになってきた
なんでだろうな・・・半年前の俺が知ったら未来の俺に同情しちゃったりするんだろうか?
タイムスリップはもう勘弁だが・・・あれほど頭の痛くなる事件は無いしな
 
ただいま~。
「あらキョン、お帰りなさい あれ?そっちの可愛らしい子は?
・・・まさか彼女!?キャー!!」
さっき友人が行くってメール送ったんだけどな・・・わざと冷やかしてるんだろうきっとそうだ。
あー、もう・・・材料買って来たから、ほら
「ありがとねキョン、夕飯の支度するからそちらの彼女と待ってて頂戴^^」 
もう反論する気すら失せる・・・ んじゃ俺の部屋でも行くか。
「・・・コクリ」
俺と妹の部屋は二階に有る、階段を長門と登ってる時にシャミセンを抱えた妹とばったり会ってしまった。
 
もうそこからはなんと言うか・・・
「あれ~?有希ちゃん!何でキョン君と一緒に居るの~?」
長門は今日うちで一緒に晩御飯を食べるんだよ
「へぇ~~~。」
ん、なんだ妹よ、そのニヤニヤした顔は
「何でキョン君と有希ちゃんが一緒なの~?今日はSOS団の皆で遊ぶんじゃなかったの~~?」
別に遊んでる訳じゃ・・・と言うかお前は何が言いたいんだ一体・・・
あぁ、そういえばお前も母さんの血を受け継いでたな、そんな事は当たり前だが何か納得しちゃったじゃないか。
晩御飯が出来るまでは俺の部屋で3人+1匹でギネスブックを読みながら過ごした。
案の定妹は顔に洗濯バサミをつけてる奴を見て爆笑してた。後日チャレンジして母親に怒られたのはまた別の話だ。
こんなのチャレンジする奴誰も居ないと思ったんだがな・・・まさかこんな身近に居たとは
妹よ、とりあえず感謝しておこう。 自室で長門と2人きりの状況を苦としないのはハルヒと鶴屋さんくらいだろう。
あの2人は相手が喋らなくても勝手に話を進められるからな・・・
 
世界一髪の長い人間を見てると、
「ねぇねぇキョン君、これどれくらい髪の毛切らなかったらこのくらい長くなるの~?」
さぁなぁ・・・何十年って伸ばし続けないと難しいんじゃないか?
「私そんなに待てないよ~」
お前・・・頼むからそんな馬鹿な事は考えないでくれ。
「髪の毛を伸ばす事は容易・・・・・・・※Жω∀Λ゜хψ・・・・・・」
・・・・ちょ!これってもしかして!おい!長門ストップストップ!!!!!
あ~、どうするどうする!このままじゃ妹の髪が自分の身長の倍以上にいいいいいいいいぃぃいぃぃ!!
「ご飯出来たわよ~!」
「・・・・・・ッ!」 ビクッと長門の体が震えた、そんなに待ち遠しかったのか?・・・まぁ助かったけどな。
 
気づけばドアの前に立って
「・・・早く」 分かったからそんな急がなくたって・・・
 
台所のテーブルを4人で囲みながら、俺の隣に座っている長門はまだなのかと言わんばかりの表情でスプーンを握っている。
俺の目の前に座ってる親父は・・・
「キョンにはもったいない彼女だなぁ(・∀・)ニヤニヤ」 お ま え も か !
今気づいたんだが俺の周りで俺の事を本名で呼んでくれる奴はどのくらい居るのだろうか?
ハンドボールバカの岡部もキョンとか呼んでたな・・・あいつには今度から本名で呼ぶように注意しておこう、うん
等と考えているうちにテーブルには5つカレーのよそった皿とコンソメスープが乗っていた。
「それじゃ、食べましょうか。」 我が家は頂きますの音頭を妹が取るので
「頂きま~~~す!」
「「「「頂きます」」」」 と言った瞬間だった!
・・・・・・・あれ?母さん、長門の皿にカレーがよそってないじゃないか、全くお客さんに対して失礼だぞっと^^
「・・・おかわり」
・・・・・・まぁそんな事だろうとは・・・思ってたんだけどな
「こんなに美味しいカレーを食べたのは初めて」
「あらそう?おかわりは沢山有るから遠慮しないで食べてね有希ちゃん♪」
「・・・コクリ」
 
「・・・・・・。」
親父は絶句している。
「おかわりは沢山あるから遠慮しないでね。」
何故か母親はノリノリだ
「有希ちゃん凄~~い!」
ついでに妹もノリノリだ
 
長門は既に2杯目をたいらげている
「あなたは幸せ者、こんなに美味しいカレーを毎日食べられるなんて」
いや、長門よ 毎日カレーを食べるのはお前とインド人くらいだと思うぞ 流石にインド人も毎日はカレーを食べたりしないかな・・・
 
結局長門は4杯もカレーを食べた・・・しかも3杯は大盛りだ
カレーに対してお米が足りなかったらしく、残ったカレーを持って帰るか?と聞いてみたら
「ありがとう」 即答だ。
「有希ちゃんはカレーが好きなのね~、カレーの日はキョンに連絡しとくからいつでも食べに来てね」
どうやら母さんは長門の食いっぷりをえらく気に入ってしまったらしい。
まぁ自分の作った料理を美味しそうに何杯も食べてくれるのは嬉しいことではあるのだろうが
「ほら、キョン!彼女を夜道一人で帰らせたりするつもり?ちゃんと送っていきなさい」
へいへい。っと 長門が襲われたら俺は襲った奴を同情しちゃうかもしれないが・・・まぁ送って行くさ
「・・・今日はありがとう、とても美味しかった」
そうか、それは良かった。 まぁ毎日カレー食べる訳じゃないがカレーの日にはまた招待してやるさ
「・・・コクリ」
長門がマンションに入っていくのを見送った後。実は一杯しか食べられなくて少々物足りないが、まぁ長門の喜ぶ姿が見れたから良いかなと俺は思ったりしちゃってた。
 
─月曜日、SOS団部室にて─
 
ってことが有ったんだよ。
「そうですか、なかなか楽しかったみたいですね」
まぁ楽しかった・・・かな、少し疲れたが
古泉とオセロをしながら土曜の事を話していた
「お茶ですぅ」
どうもありがとうございます。
近頃朝比奈印のお茶を一杯恵んで欲しいとここ文芸部室に現れる輩が後を絶たない。
まぁ全てハルヒが撃退するのだが・・・確かにこのお茶を他の奴らには飲ませたくないな・・・うん。
「カレーにカボチャですかぁ~、美味しそうですねぇ~」
貴方が食べたいと言うのなら今日またカボチャカレーでも俺は全く構いませんが
「カレーって作る家によって味とかに特徴でたりするわよね~
私の家はカレーに人参入れないわ、家族全員嫌いだから」
ハルヒよ、お前のその人参はまた別だと思うんだが・・・
 
─ガチャ・・・
長門、珍しく遅かったな?
「あれから私は独自のカレー作りに専念していた」
「「「「え?」」」」4人同時にハモってしまった
「家庭科室で暖めてきた・・・私オリジナルのカレー・・・食べてみて」
見てみると長門の手にカレーの入ったタッパーが
「長門さんの手料理ですか、僕は初体験ですね」
まぁ俺と朝比奈さんもレトルトのカレーしか食べてないけどな
「美味しそうな匂いがしますねぇ~」
うん、匂いは美味しそうだ・・・見た目も・・・
「有希って料理できたのね、ちょっと意外かも」
ハルヒ、お前それは失礼だぞ 長門に謝りなさい まぁ俺も同じことを思ってたわけだが
「これはどんなカレーですか?」
スプーンでカレーをすくいながら古泉が尋ねる。
「・・・有希カレー」
ダメだ、お前ら絶対笑うなよ・・・ハルヒ特にお前だここで笑ったら長門が可哀想だとアイコンタクトを送る
古泉が笑いを堪えながら「では、頂きます・・・」
─バタッ
 
三日後聞いた話しによると、
「カボチャ以上のインパクトが有り尚且つカレーに合う食材を求めた
私が出した答えは・・・ミノタウロス」
 
ミノタウロスて・・・・一体何処から捕まえてきたんだよ
「・・・ばらしたら皆真似する、これは私のオリジナル・・・だから秘密」

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最終更新:2020年03月15日 19:12