「おい何してんだ、部室の電気まで消して…」
 
「ちょっとキョン、静かにしなさい!!」
「何なんだよ…」
 
『長門さんが降霊術しれるらしいいんです』
『なっ…なんだってー!!マジッすか朝比奈さん』
『何か部室にきたら長門さんが水晶玉を見ながらじっとしてて
涼宮さんがこれは絶対に降霊術だって…』
 
(なんだそりゃ…いつものハルヒも思い込みじゃねぇか…)
 
「・・・う…うっぅぅう……」
「どうしたの有希、誰か降りてきたの!?」
「…ぅう…どん・・・うどん…たべた…い・・」
「こっ…これはっ!」
「どうしたんですか、涼宮さん!?」
「あたしのお爺ちゃんかもしれないわ、うどん時々食べてたもの」
「素晴らしいですね、流石長門さんです」
「本当に降霊術だったんですねぇ~」
「なんて事なの、本物の霊が降りてくるなんて…これはとっておきの不思議よ」
 
「いやいや、うどんなんて誰でも時々は食べんだろ。俺も昨日食ったよ」
 
「…」「…」「…」
 
「えっ、何で俺そんな刺される様な眼で見られてんだ…」
 
「…あっ・・・あぁぁ」
「またですか、長門さん」
「今度は何ですかぁ」
「ぁ…あたし……ぁあり…えない・・・たったべ…かた・・・・」
「あたしありえないたべかた…『私ありえない食べ方』ね」
「はっ!!今度は私かもしれないです」
「みくるちゃん心当たりがあるの?」
「私鶴屋さんと食事する時によく『その食べ方はありえない』って言われるんです」
「という事は朝比奈さんの霊ですか!?」
「これはいよいよ本物よっ!!有希はっ!!」
 
「朝比奈さん生きてますよね、しっかりして下さいよ。
それとも生霊ですか?何か深い恨みでも抱えてるですか?
もう、本当にみんないい加減にしろよ」
 
「次は誰を呼ぶんでしょうね」
「あたしは有名人が良いわね。JFKに暗殺の真相を聞きたいわ」
「私はこの前無くなった、近所の猫ちゃんがいいです」
 
「おいおい、ついにシカトかよ…」
 
「…あぁぁ・・」
「来ましたよ、猫ちゃんだと良いなぁ」
「一体誰なのかしら」
「アァァッッーーーーーーーー!!」
「これは古泉君ね」
「…そっ…そうですね」
「まさか僕が降霊されるとは驚きです」
「そうね、しかもよりによってその部分を降霊されるなんてね」
「…わっ…私・・あまり分かりませんから///」
「朝比奈さん、そういう反応されるとかえって興ふ…照れてしまいます」
 
「待て待て、お前らその『アッー!!』という台詞に何を見出してんだ、大丈夫か?」
 
「キョン」「キョン」「菌」
「「「バーリア」」」
 
「エェッーーーー!!高校生にもなってバリアされたの俺っ!?
ってか『キョンキョン菌』って地味に傷付くっ!!」
 
翌日、不思議探索昼休みにて
 
「今日はこのファミレスでお昼にしましょ」
「そうですね」
 
「あたしはうどんにするわ、昨日の降霊見てたらうどん食べたくなったの」
「お爺さんが時々食べてたんでしたね」
「だから影響なのかあたしも時々食べるのよね」
「やっぱり食生活って家族の影響受けますよねぇ」
 
(俺はもう絶対にツッコマねぇぞ)
 
「みんな、自分の注文した物は揃ったわね」
「おう」「はい」「…」「揃ったみたいですね」
「では」
 
「「「「「いただきます」」」」」
 
「ちょっと、みくるちゃん!?」
「はい??…ハッ、また私ありえない食べ方してましたか?」
「…そうですね…ピザをチーズと生地に分けるのは、少し一般的ではありませんね」
「すっ、すみません。分けた方が食べやすいかと思って…」
 
(ツッコンだら負けだ。長門を見習うんだ)
 
「みくるちゃん、どんだけ箱入りでそだったのよ」
「まぁ、新しい食の探究としては良い線行ってるんじゃないですか」
「本当にすみませ~ん、これからは気を付けます」
 
(んっ!!…『うどん』に『ありえない食べ方』とくれば次はまさかっ!!)
 
「涼宮さん、そんなにテーブルに身を乗り出した危ないですよ」
「そうですよぉ、飲み物こぼしちゃいますよ」
「大丈夫よ、ちょっとそこの紙フキン取りたいの」
 
  ガチャーン
 
「ウワァァァァツッッッッーーーーー!!!!!!」
「ごめんなさい、古泉君!!」
「大丈夫ですか!?」
「ハハハ、まぁちょっと驚いて大声上げちゃいましたけど大丈夫ですよ…」
「でも、熱々のコーヒーだったのよ。本当に大丈夫」
「そうですよぉ、すごく熱そうッだったじゃないですか」
「そうですね…少し洗面所でシャツ洗いついでに冷やしてきます」
 
(何だつまらん、『アッー』はこの事だったのか…って俺は何を期待してたんだ?)
 
「ちょっとキョン、あんた古泉君の様子見に行ってあげなさい」
「ヤケドしてるかもしれませんし…」
「そうだな、ちょっと行ってくる」
 
「おい、古泉大丈夫か?」
「何とか…でもこのシャツはちょっと使えそうに無いですね」
「仕方ねぇな。俺、重ね着してるから一着貸してやるよ」
「本当ですか、ありがとうございます」
「脱ぐからちょっと待ってろ」
「…」
 
「やれやれ、便所で服脱ぐ事になるとはな…ほらよ」
「…ハァハァ…キョンタンの…」
「どうしたんだ?眼が怖いぞ、お前」
「キョンタンの裸…モウガマンデキナーイ!!」
「おいちょっと!!何なんだちょっとぉぉっ!!」
「イタダキマーーーース!!」
「アァァッッーーーーーーーー!!」
 
「今の声、キョンのよね」
「やはりヤケドとかが酷かったんでしょうか…」
「でも何か古泉君の嬉しそうな声も聞こえるわよ」
「一体どうなってるんでしょう?」
「有希はどう思う?」
「……」
「長門さん?」
 
「…………同期終了」

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最終更新:2020年03月15日 19:07