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もしもシリーズ
もしもハルヒと古泉の立場が逆だったら
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もしもシリーズ
もしもハルヒと古泉の立場が逆だったら
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その横顔は、あらためて見るとムカつくくらいに整っている。いい男だ。
長門は言った、「進化の可能性」と。朝比奈さんによると「時間の歪み」で、
ハルヒに至っては「ホモ」扱いだ。
では俺にとってはどうなのか。古泉イツキの存在を、俺はどう認識しているのか。
長門は言った、「進化の可能性」と。朝比奈さんによると「時間の歪み」で、
ハルヒに至っては「ホモ」扱いだ。
では俺にとってはどうなのか。古泉イツキの存在を、俺はどう認識しているのか。
~中略~
思い出せ、朝比奈さんはなんと言ったか。その予言を。
それから長門が最後に俺に伝えたメッセージ。ハルヒが渡してきた漫画本。
白雪姫、スリーピング・ビューティ、くそみそテクニック。
いくら俺でもsleeping beautyの邦訳を何というのかは知っている。
これらを統合して考えてみると…
なんてアブノーマルなんだ。アブノーマルすぎるぜ。
朝比奈さん、長門、そしてハルヒ。そんなウホッぽい展開を俺は認めたくない。
絶対にない。
俺の理性がそう主張する。しかし人間は理性のみによって生きる存在にあらず。
長門ならそれを「ノイズ」と言うかもしれない。
俺は古泉の手を振りほどいて、ブレザーの肩をつかんで振り向かせた。
それから長門が最後に俺に伝えたメッセージ。ハルヒが渡してきた漫画本。
白雪姫、スリーピング・ビューティ、くそみそテクニック。
いくら俺でもsleeping beautyの邦訳を何というのかは知っている。
これらを統合して考えてみると…
なんてアブノーマルなんだ。アブノーマルすぎるぜ。
朝比奈さん、長門、そしてハルヒ。そんなウホッぽい展開を俺は認めたくない。
絶対にない。
俺の理性がそう主張する。しかし人間は理性のみによって生きる存在にあらず。
長門ならそれを「ノイズ」と言うかもしれない。
俺は古泉の手を振りほどいて、ブレザーの肩をつかんで振り向かせた。
「どうかしましたか?」
「俺、実は短髪萌えなんだ」
「え?」
「いつだったか見せてもらったお前の野球部時代の坊主頭は
そりゃもう反則なまでに似合ってたぞ」
「それは…光栄ですね。まさかあなたにお褒めの言葉を頂けるとは…」
「俺、実は短髪萌えなんだ」
「え?」
「いつだったか見せてもらったお前の野球部時代の坊主頭は
そりゃもう反則なまでに似合ってたぞ」
「それは…光栄ですね。まさかあなたにお褒めの言葉を頂けるとは…」
ただでさえ細い目がさらに細くなった。言葉を続けようとした古泉に、
俺は強引に唇を重ねた。
こういう時は目を閉じるのが作法なので俺はそれに則った。
ゆえに、古泉がどんな顔をしているのかは知らない。
驚きに目を見開いているのか、俺に合わせて目を閉じているのか。
今にもぶん殴ろうと手を振りかざしているのか、俺に知るすべはない。
ただ一つ気になる点といえば、こいつ、やたらと舌を絡ませてきやがる。
俺の中で、少し前から感じていたこの奇妙な気持ち。
いままで感じたことのなかった、古泉に対しての感情。
そうか、そうだったんだ。
がちゃり―― 新世界のドアが開く音が確かに聞こえた。
俺は肩にかけた手に力をこめる。しばらく離したくないね。
俺は強引に唇を重ねた。
こういう時は目を閉じるのが作法なので俺はそれに則った。
ゆえに、古泉がどんな顔をしているのかは知らない。
驚きに目を見開いているのか、俺に合わせて目を閉じているのか。
今にもぶん殴ろうと手を振りかざしているのか、俺に知るすべはない。
ただ一つ気になる点といえば、こいつ、やたらと舌を絡ませてきやがる。
俺の中で、少し前から感じていたこの奇妙な気持ち。
いままで感じたことのなかった、古泉に対しての感情。
そうか、そうだったんだ。
がちゃり―― 新世界のドアが開く音が確かに聞こえた。
俺は肩にかけた手に力をこめる。しばらく離したくないね。
~そして翌日~
窓際、一番後ろの席に、古泉はすでに座っていた。何だろうね、あれ。
頬杖をつき、外を見ている古泉の頭。
男にしては長髪気味だった古泉の頭は、まるで収穫後の麦畑のように
綺麗に刈り揃えられていた。
頬杖をつき、外を見ている古泉の頭。
男にしては長髪気味だった古泉の頭は、まるで収穫後の麦畑のように
綺麗に刈り揃えられていた。
「よう、元気か」
俺は机に鞄を置いた。
「それはもう。昨日、素敵な夢を見ましてね。」
古泉は気持ち悪いほどの満面の笑みで答える。それは奇遇なことがあったもんだ。
「おかげで興奮して眠れませんでしたよ。今日ほどあなたに会うのが
楽しみだった日もないですね」
「そうかい」
俺は机に鞄を置いた。
「それはもう。昨日、素敵な夢を見ましてね。」
古泉は気持ち悪いほどの満面の笑みで答える。それは奇遇なことがあったもんだ。
「おかげで興奮して眠れませんでしたよ。今日ほどあなたに会うのが
楽しみだった日もないですね」
「そうかい」
硬い椅子にどっかと腰を下ろし、俺は古泉の顔をうかがった。
うっとうしそうだった前髪が消え去っていて、実にさっぱりしている。
こいつがうすら笑いを浮かべているのはいつものことだが、俺をじっと見つめる
その瞳からは、いつもよりずっと粘着質な視線が発射されている。
うっとうしそうだった前髪が消え去っていて、実にさっぱりしている。
こいつがうすら笑いを浮かべているのはいつものことだが、俺をじっと見つめる
その瞳からは、いつもよりずっと粘着質な視線が発射されている。
「古泉」
「なんでしょう?」
微笑みを絶やさないこの同級生に、俺は言ってやった。
「やらないか」
「なんでしょう?」
微笑みを絶やさないこの同級生に、俺は言ってやった。
「やらないか」
-fin-