キンッ シュッシュ ジジジ……
「フゥー…街乗りバイクねぇ……ふふっ…とんでもねぇじゃじゃ馬じゃねぇか」
夜の峠。一人の男が煙草をふかし呟いた。
「バリオスか……なかなかのバイクだな」
その男の名は【禁則事項】皆からは"キョン"の愛称で呼ばれている。普段は締まりのない平凡な学生を演じているが、夜になると毎晩峠に通い詰め、その腕を磨いている。
「それにしても今日はアイツ遅いな……」
この事を学校内で知っているのは彼が所属する団の団長だけだ。

……フォォォォオオン……ォォン フォァアァォ!!

「おっ来たか」
段々と近付いてくるエキゾーストノート。
ファァアアン!!ァァン!!
「遅いな」
「ちょっとヤボ用があってね」
「お前のFZR、また何処か弄ったのか?」
「わかる?スプロケ変えてみたのよ」
「加速型にしたのか。なかなかいい選択だな」
「でっしょー?って、あんたなんかバイク自体変わってるじゃない!!……ふーん、バリオスねぇ。NSRどうしたの?」
「ちょっとな。スープラと戦った時に焼き付いちまってさ」

「最初はオーバーホールして直そうかと思ったんだがバイク屋のオヤジが「新しいバイク買った方が安上がりだぞ」っていうもんだからさ。俺もそろそろ買い替え時かな~とか思ってたし」
「それでコレにしたんだ?」団長。涼宮ハルヒはまじまじとキョンのバイクを見ている。

「ああ、他にもCBRとかも在ったんだがな。たまには250CCもいいかと思ってさ」
「レプリカ至上主義のあんたにしては珍しいじゃない」
「で、どうなのよ?やっぱパワーないから走りづらいとかない?」
「確かに上の伸びは400の方が良いだろうが発進加速は負けてないぜ」
ま、軽いのもあるしな。とキョンは続ける。
「じゃぁやってみる?」
「負けた方が缶コーヒー奢りでどうだ?」
「のった!!」
言うが早いかハルヒは愛機FZRに跨る。そのカウルには"SOS団☆団長"のステッカー。
「やれやれ。本当勝負ごとが好きな奴だ」
キョンもバリオスに跨りそう呟く。

ハルヒ先行でスタート。軽い身のこなしで次々とコーナーをクリアしていく。キョンも負けず劣らずのコーナリングを見せている。
「流石だなハルヒ。だがまだまだ甘いぜ」
まずかに膨らんだFZRの内側にバリオスが入り込む
「くっ!!やるわね……」

素早くバンクさせ、ステップから火花を散らしながらコーナーを曲がっていく鉄馬達。
「侮れないわね。キョン。」
ヘアピンが終わると長い直線が伸びている。
「直線勝負ならFZRに分があるわよ!!」
猛烈な加速でキョンをパスし、ハルヒが前に出る。
「さすがに直線じゃぁちょっと頼りないか……もうすぐゴールのスタンドになる。それまでに何とかしないとな……」
その時2台のバイクの間に割って入る黒いZXR。
「「なんだ!!」」
突然の乱入者に両者共驚きを隠せない。シールドから覗くその顔には見覚えがあった。
「フフッ僕にだまって涼宮さんと夜の営みとは……お仕置が必要ですね」
「こ、古泉!!!?」
「いきますよキョンたん!!!オナニー小説でホッシューレ!!!!!」
「アッー!!!ホッシューレだけは!!ホッシューレだけは!!!」

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最終更新:2007年01月12日 02:05