ハルヒ「キョン、スキヤキするからお肉買ってきて」
キョン「…………」
ハルヒ「ちょっとキョン?きいてるの!?」
キョン「………ああ」
長門「……………」
キョン「よっこらせっと」
長門「理解した」
キョン「??」
ハルヒ「??じゃあとりあえず500円ね」
キョン「あ…あぁ」
バタン
ハルヒ「ところで有希、何を理解したの?」
長門「……先程、彼が立ち上がったときに本当に言いたかったことは「よっこらせっと」ではない」
ハルヒ「じゃあなんだってゆうのよ」
長門「……」
ハルヒ「ちょ、ちょっと有希?なんでないてるの?」
長門「……なぜ」
ハルヒ「……有希?」

長門「……泣いている」
ハルヒ「…え?」
長門「私が泣いている…」
ハルヒ「……有希?」
長門「………一人にして」
ハルヒ「…………」
…バタン
長門「…私が泣いている」

有希はどうしちゃったんだろう…キョンが原因なのはわかってるけど……とりあえずキョンが帰ってくるのを待つしかないわね
キョン「おーい、ハルヒそんなところでなにやってるんだ?」
ハルヒ「てやぁ~~!!!」
ゴガッ!!
キョン「くっ、やめろハルヒ!!アナルだけは!!アナルだけは!!」

ハルヒ「ちょっと、有希が少しおかしいの」
キョン「いつものことじゃないのか?本をずーっとよんでるとかじゃなくてか?」
ハルヒ「ううん、泣いたのよ」
キョン「長門が…泣いた?」
一瞬ハルヒが何を言っているのかよくわからなかった。
あの長門が泣いているだと?
そんなことがあるわけがない。
いや、最近の長門は多少の感情を表現できるようになってきた?ような気もしないでも無いわけだがしかし、いきなり泣くなんてことは考えられない。
ハルヒ「しかもあんたが「よっこらせっと」って言ってるときに考えてたことが原因で泣いちゃったらしいのよ」
キョン「…つまり俺のせいだということか?」
ハルヒ「そうなるわね」
しかし、あの時俺が何を考えてたかなんて覚えているわけがないだろう、なんてったって「よっこらせっと」だ。そんな時に考えることなんて覚えているわけが……
キョン「…ハルヒ」
ハルヒ「何よ」
キョン「少し長門と二人だけで話をさせてくれないか?」
ハルヒ「…いいけど、これ以上話をこじらせたりはしないでよね」
キョン「わかってるさ」
そういいながら俺は文芸部の部室の扉を開いた。

ガチャ
キョン「長門、今日もお前だけか」
中に長門しかいないことははじめからわかってる。
いつも必要なときにいつもここにいてくれる存在…しかし俺はただの便利な存在として長門をみてしまっていたのではないだろうか。
実際、「よっこらせっと」と言ったとき長門なら一瞬なんだろうななどと考えていたような気がする。
それが多少なりとも感情を持ちはじめた長門には悲しかったのではないだろうか、だから泣いてしまったのではないだろうか、そう俺は考えた。

長門「………」
キョン「あのな、長門。俺は普段からお前に頼りっぱなしでさ、お前のことを便利な使いっぱしりだとおもっちまってたんだ」
長門「……そう」
キョン「そのことをさっき「よっこらせっと」って言ったとき思っちまったんだ、それが悲しくて泣いたんだろ?悪かった、このとおりだゆるしてくれ」
長門「……違う」
キョン「え?」
長門「………あなたは何も理解していない」

キョン「…理解していない」
長門「…出ていって」

正直おどろいたね、あの長門が涙を流しながら俺に出ていってなんていうんだからな。
キョン「……わかった」
ガチャ
ハルヒ「…ややこしいことにしてくれちゃったわね」
キョン「…すまん」
ハルヒ「あんたには失望したわ」
そう言うとハルヒは鞄を持ってそのまま帰ってしまった。

あれから数日たったわけだが、ハルヒはいぜんとして無視をきめこんでいるようで、目もあわせてくれない。
当然長門と合うのは気が引けるのであまりあわないようにしていた。
はやい話がSOS団に顔を出さなくなっていたということである。
古泉や朝比奈さんは心配してくれているようではいるが、今行ったところでどうにかなるわけじゃないと思っている。
けどだからといってこのままでいいと思ってるわけではない、いずれ長門と仲直りなりするなりなんなりをしてSOS団に復帰したい。
そんなことを考えながらも何もできないまま今日になってしまったわけだが久しぶりにハルヒが俺に話しかけてきた。
ハルヒ「実は有希もあれからきてないのよ」
キョン「…そうか」
ハルヒ「そうかって何よ!!!!もとはと言えばあんたのせいなんだからね!!!!」
キョン「……わかってる」
ハルヒ「だったら………キョン?あんた何泣いてんの」

泣いているのか…俺……かっこわりいな~
そんなことを考えていると
ハルヒ「………ちょっと?どうしたのよ」
キョン「…いや」
ハルヒが俺を心配そうにみている。
こんなの階段からころげおちた時以来だよなぁ。
…こんなことで感傷にひたっているわけにはいかないな…とりあえず
キョン「長門は学校にも来ていないのか?」
ハルヒ「…そうだけど、あんたは大丈夫なの?」
キョン「ああ、大丈夫だ、ありがとうな」
そう言って俺は教室を出た。
ハルヒ「ちょっとどこにいくのよ」
決まってるだろう
キョン「長門の家だよ」

ピンポーン
キョン「長門か?」
インターホン「…………」
キョン「とりあえず話がしたいから中に入れてくれないか?」
長門「…………」
カチャッ
鍵が開いたようだ。中に入ってもいいということだろう。
キョン「お邪魔します」
長門「………」
長門がコタツを見ている。入っていろ、ということなのだろうか。
長門「………入って」
キョン「あ、あぁ」
さすが長門といったところであろうか、コタツにはすでにお茶セットが用意されていた。
キョン「よっこらせっと」
俺はコタツに入った。
長門「………!!」
長門が驚いたようにこっちを見た。
長門「………よっこらせっと」


キョン「ん?」
長門「…ごめんなさい」
キョン「はい?」
なんのことだかさっぱりわからなかった。
キョン「…その、なにをあやまられているのかわからないんだが」
長門「あなたと凉宮ハルヒは最近うまくいってない」
それはそうだが
長門「私の責任」
キョン「…そうか」
長門「…ごめんなさい」
表情は変わらなかったもののその言葉からは本当に悪いと思っていることはわかった。
キョン「でもお前を泣かせたのは俺なんだぞ」
長門「……それはいい」
キョン「よくない、理由がどうにせよお前を泣かしちまったわけだからな」
長門「………」
キョン「わるかった、本当にごめんな」
長門「………いい」

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